フィールドエンジニアはきつい職種?
フィールドエンジニアとは、現場に出て直接サービスを提供するエンジニアを指します。同義として「サービスエンジニア」と呼ばれることもあり、安定したシステムの運用や、トラブル発生時に迅速な処理を行うためには欠かせない存在です。
しかし、ITを利用する企業に必要不可欠なフィールドエンジニアに対して、一部のエンジニアには「きつい」「やめとけ」などのネガティブなイメージを抱かれていることもあります。この記事では、フィールドエンジニアがきついと言われる理由・向いている人・将来性などについて紹介します。
フィールドエンジニアはやりがいの多い職種
フィールドエンジニアはIT機器のメンテナンスやトラブル解決に欠かせない存在であるため、やりがいの多い職種です。昨今、幅広いICT化が進んでいることもあり、フィールドエンジニアの担当領域は産業機器や半導体の製造設備なども挙げられます。
トラブル発生時には、解決するまで休日出勤や残業が続くこともあるため、「きつい」「やめとけ」などの意見が挙がることもありますが、エンジニアの待遇が見直されている昨今では、かなり労働環境が改善されています。これにより、以前よりも心身共に余裕を持って勤務できているエンジニアが増えています。
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フィールドエンジニアの役割や年収
ここでは、改めてフィールドエンジニアの仕事内容や必要なスキル、平均年収について解説します。
フィールドエンジニアの仕事内容
フィールドエンジニアの仕事は、安定したシステムの運用やメンテナンスがメインです。システムには、パソコン・プリンター・医療機器などの電子機器などがあり、機器の設置や修理に伴う部品交換なども行います。プログラマーなどと比較すると、会社の顔として直接クライアントやユーザーと接する機会が多い職種です。
製品に関する知識はもちろん、エンジニアとしてのスキルやコミュニケーションスキルなども必要です。また、フィールドエンジニアは客先や現場に出向くことが多いため、ある程度自由な環境下で仕事を行うことができます。
今後もIT利用の拡大化が予想されるため、益々需要の高い職種になると考えられます。また、フィールドエンジニアはシステムエンジニアなどのキャリアパス先として候補に挙がることもあるため、現在のスキルを活かして好条件で転職しやすい職種でもあります。
フィールドエンジニアの年収
フィールドエンジニアの年収は「マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑」で似た職種であるテクニカルサポート/ヘルプデスクの平均年収は310万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からSE・プログラマ(顧客向けソフトウェアの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の民間給与実態統計調査における民間企業平均年収は433万円なので、テクニカルサポート/ヘルプデスクのエンジニアは一般平均年収よりも、やや低めであることが分かります。
フィールドエンジニアは、ITエンジニアのキャリアの入り口と言われることもある職種のため、プログラマや営業職などへのキャリアパスも豊富です。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング/職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントに登録いただいた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
フィールドエンジニアがきついと言われる理由
フィールドエンジニアは、仕事の性質上休日出勤があったり客先での勤務があったりなど、人によっては「きつい」と捉えられることがあります。ここでは、さらに具体的な内容を詳しく解説します。
休日が少なく徹夜が多い
フィールドエンジニアは休日が少なく、残業が比較的多いとされている職種です。システムによっては24時間365日の対応に備えないといけないこともあるため、急遽出勤するなど休日が少なくなることがあります。
また、システムの急な不具合やトラブルの発生により、予定よりも業務が長引いてしまい、徹夜になることもあります。そのため、プライベートの時間を確保するのが比較的難しいとされていることから、フィールドエンジニアはきついと言われることが多いです。
しかし、昨今の働き方改革の背景や離職率を減少させるためにも、年間休日を120日以上設けたり完全週休2日制にしたりなど、企業側がエンジニアの待遇を改善する動きが見られます。従来よりも働きやすくなり、このような問題は減りつつあります。
客先常駐が多いため精神的につらい
フィールドエンジニアの業務は、一般的に客先で行うことが多いです。例えば、大手SIer企業に所属しているシステムエンジニアであれば、自社で顧客のシステム開発ができるため、気を張り詰めることは少なく、精神的な負担はかかりにくいでしょう。
一方フィールドエンジニアの場合は、客先で業務を行います。落ち着ける暇が比較的少ないと感じることもあるため、精神的な負担はその分大きくなります。そのため、客先で作業するのが苦手な方は、仕事がつらいと感じるかもしれません。
想定外のトラブルやクレーム対応がきつい
フィールドエンジニアの仕事の中には保守点検業務があり、ルーチンワークのため他の業務と比較して楽だと思われることが多いですが、急ぎのトラブル対応や客先からのクレーム対応はきついと言われています。
フィールドエンジニアはハードウェア製品を多く扱うため、予期していなかったトラブルが発生することもあります。また、トラブルに対するクレームが入ることもあるため、これらの業務が深夜帯であったり、休日であったりすると、負担に感じることもあるでしょう。
しかし、トラブルなどの課題を解決できれば、目の前でクライアントの喜ぶ姿を見られたり、感謝の言葉をかけてもらうことができたりします。そのため、やりがいが溢れる仕事とも言えるでしょう。
客先とのコミュニケーションがつらい
これまでにも説明しましたが、フィールドエンジニアはクライアントと接する仕事であるため、コミュニケーションが苦手な方にとっては、フィールドエンジニアの仕事はきついと感じるかもしれません。
例えば、システムの不具合対応で客先に赴いた際に、機嫌が悪いクライアント担当者の対応をしなければならないこともあり、適切なコミュニケーションスキルが求められます。
また、企業によっては営業のような役割をすることもあります。メンテナンス業務などで客先に出向いた際に、消耗品や他の自社製品をクライアントに勧めることもあるでしょう。そのため、客先の方とコミュニケーションを取るのが苦手な方は、フィールドエンジニアの仕事がきついと感じてしまう可能性があります。
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フィールドエンジニアに向いている人
エンジニアでありながら、営業の側面を持つのがフィールドエンジニアです。フィールドエンジニアはきついと言われることが多いですが、果たしてどのような方が向いているのでしょうか。ここでは、フィールドエンジニアに向いている人の特徴について紹介します。
機械いじりが好きな人
フィールドエンジニアはハードウェア製品を扱うことが多いため、機械いじりが好きな方に向いていると言えます。ハードウェアをどのような環境で、どのように利用しているのかは、クライアントによって異なります。そのため、トラブルが発生したときに、いつもと同じように対処できないことが少なくありません。
したがって、自分の知識やこれまでの経験を活かして、さまざまな角度から機械と向き合うことが好きな方には、フィールドエンジニアの適性があると言えるでしょう。
接客が好きな人
フィールドエンジニアは客先に出向き、担当者とコミュニケーションを取る機会が多いです。初対面の人と会話をする場面も多い職業であるため、接客することが好きな方や、初対面の方と接することに抵抗感がない方に向いている職種だと言えるでしょう。
想像力や柔軟性がある人
フィールドエンジニアだけに限ったことではありませんが、想像力や柔軟性がある方はフィールドエンジニアに向いています。クライアントの担当者が、使用している製品に関する知識がないことも少なくありません。例えば、曖昧な表現を使用したり、誤解した説明をしたりすることがあるかもしれません。
しかしフィールドエンジニアは、想像力や柔軟性も活かして、製品の状態やクライアントが求めていることを察知するスキルが要求されます。
逆境に強い人
フィールドエンジニアは、トラブル対応やクレーム対応など追い込まれる状況に置かれることがあります。その逆境を乗り越えるタフな精神力をもっている方に、フィールドエンジニアは向いているでしょう。
一方で、逆境に強いメンタルだけでは、フィールドエンジニアの仕事は務まりません。フィールドエンジニアは会社の顔としてクライアントと接することが多い職種です。クライアントとのコミュニケーションを円滑に行うためには、逆境に強い精神力に加えて、謙遜さも兼ね備えていることが重要です。
フィールドエンジニアになるには?
ここでは、フィールドエンジニアになるために必要なことや、あると有利に働く資格について紹介します。
必須の条件はないが、IT・半導体の知識は必要
フィールドエンジニアになるために必須の条件はなく、基本的には誰でも挑戦可能な職種です。しかし、ベースとしてITや半導体などの製品に関する知識とスキルは欠かせません。
また、ITエンジニアとしての知識以外に最も重要視されるスキルは前述の通り「コミュニケーションスキル」です。フィールドエンジニアの仕事環境は、ユーザや顧客側でトラブルや不具合が発生した場合が多いため、顧客に直接ヒアリングせねばなりません。
クレームが大きくならないようにコミュニケーションを円滑にしなければならないため、フィールドエンジニアにはコミュニケーションスキルが必要不可欠です。
あると有利な資格3選
フィールドエンジニアになる上で有利な資格には、「マイクロソフト認定資格(MCP)」「コミュニケーション検定」「普通自動車免許」が挙げられます。それぞれどういったものか見ていきましょう。
■マイクロソフト認定資格(MCP)
フィールドエンジニアは担当する案件ごとに、さまざまな種類のハードウェアなどを扱うことが多いため、その度に機器に関する勉強が必要です。マイクロソフトの認定資格である「MCP」を取得することで、マイクロソフト製品・技術・ソリューションの知識・スキルを証明できます。
【参考】:マイクロソフト認定資格(MCP)
■コミュニケーション検定
フィールドエンジニアは顧客やユーザと接することが多い職種であるため、コミュニケーションスキルを客観的に可視化できる資格の取得がおすすめです。ビジネス・プライベートに関わらず、良好な人間関係を築くために必要なスキルが身につきます。
【参考】:コミュニケーション検定
■普通自動車免許
フィールドエンジニアはユーザや顧客先への訪問対応が多く、移動が頻繁にあるため、普通自動車免許があると便利です。求人に応募する際は、普通自動車免許が必須の場合もあるので取得しておきましょう。
フィールドエンジニアの将来性
今後、フィールドエンジニアの将来性はあるのでしょうか。ここでは、フィールドエンジニアの展望やキャリアプランについて詳しく紹介します。
フィールドエンジニアの今後の展望
近年では、IT技術の急激な発展やエンジニアの深刻な人手不足から、フィールドエンジニアの需要が高くなっています。2019年3月に経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には78.7万人程度のIT人材が不足すると予測されています。
AI・クラウド技術が発達することにより、ハードウェアの管理が不要になったり、自己診断や自己修復ができるようになったりすることも予想できます。しかし、クラウドサービスのセキュリティ技術には問題点が多く、まだまだ人の力が必要不可欠なため、フィールドエンジニアは将来性のある職種と言えるでしょう。
またIT業界だけではなく、さまざまな業界でIT機器が使われるようになってきているため、フィールドエンジニアが活躍できる現場は幅広く増えており、求人・案件も医療業界・電力業界・ガス業界などが多数見られます。以上からも、フィールドエンジニアの仕事がなくなることは少ないと言えるでしょう。
フィールドエンジニアのキャリアプラン
フィールドエンジニアは、ITエンジニアのキャリアの入り口と言われることもある職種です。フィールドエンジニアでは、現場対応や接客スキルを身に付けることができるため、社会人として大切な基盤を築き上げることができます。
フィールドエンジニアは、最初のうちは上司に同行して業務に当たるのが一般的です。製品の設置やサポート対応、保守・管理、トラブル対応など一連の業務に慣れると、独り立ちしてクライアント担当として対応に当たることになるでしょう。
そうすると、原因究明が難しいトラブル対応やクライアントのクレーム対応にもきちんと対処できるようになり、さまざまなスキルの習得が可能です。ここからは、フィールドエンジニアの具体的なキャリアプランについて紹介します。
1.システムエンジニア(SE) フィールドエンジニアとしてスキルを高めていくキャリアプランもありますが、ITに関する知識や技術を磨いていくことで、ハードウェア製品を開発する設計職になったり、プログラミングスキルが扱えるシステムエンジニアなどの技術職になったりすることも可能です。
また、スキルを磨けば、外資系企業への転職も可能で、高待遇・高収入が期待できます。
2.営業職 フィールドエンジニアは、客先に出向いてコミュニケーションを取る機会が頻繁にあります。そのため、クライアントとのさまざまなやりとりをしていく中で、コミュニケーションスキルや情報収集力を磨くことが可能です。
人とコミュニケーションを取ることに魅力ややりがいを感じる方は、営業職に転身するのもおすすめです。技術がわかる営業は企業から重宝される傾向にあるため、市場価値を高めることもできるでしょう。
やりがい溢れるフィールドエンジニアになろう
この記事では、フィールドエンジニアがきついと言われる理由として、客先に出向くことでクライアントに対して適切な対応が求められることや、トラブル対応のため休日出勤・夜勤があることなどを解説しました。また、フィールドエンジニアに向いている人は、接客が好きな方や、機械いじりが好きな方です。
きついと言われることもありますが、それを超えるやりがいを感じられる職種です。今後もIT技術の発展により、さまざまな業界で需要が増えていくことが予想されるため、フィールドエンジニアの将来性は高いと言えます。
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