AWSのエッジロケーションとは
AWSのエッジロケーションとは、AWSのリージョンデータセンターとは別にコンテンツ配信を高速・広帯域なネットワークを介して行うものです。コンテンツ配信は、Amazon CloudFrontサービスによりエンドユーザーに配信されます。Amazon CloudFrontはAWSリージョンとTier 1/2/3のテレコムキャリアを接続し、低レイテンシーなコンテンツ配信を実現しています。
AWSのリージョンとは?
AWSは世界のサービス提供エリアに均一なサービスを提供するために、地域を物理的なロケーションに分割してサービス提供しています。その分割単位をリージョンと言います。AWSは最大のユーザーを抱えるクラウドサービス事業者のため、サービス提供範囲が広いことが特徴です。そのため、継続的に必要とされる地域をカバーするリージョンを開設しています。 参考:AWS グローバルインフラストラクチャ
AWSのアベイラビリティゾーンとは?
AWSのアベイラビリティゾーン(AZ)とは、1つのリージョンを冗長性・信頼性・可用性を確保した1つ以上のデータセンターで構成する単位を指します。アベイラビリティゾーンは、冗長的な電力源・ネットワーク、そして接続機能により相互に接続され運用されています。
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Amazon CloudFrontとは?
Amazon CloudFrontは、AWSの提供するコンテンツ配信ネットワーク(CDN)のサービスを指します。CDNとは、ウェブコンテンツを高速・効率的に配信することを目的とします。CDNによりコンテンツを地域ごとのキャッシュするサーバーを分散配置することで、ユーザー要求が特性のサーバーに集中することを防止する分散ネットワークが構築可能です。
Amazon CloudFrontは、AWS Shield・AWS Web Application Firewall・Amazon Route 53 と連携し、セキュリティを保証しながら高速なコンテンツ配信を実現しています。 参考:Amazon CloudFront
AWSのローカルゾーンとは?
AWSのローカルゾーンは、ミリ秒単位のレイテンシーが求められるアプリケーション向けに提供されています。主に、メディアエンターテイメントのコンテンツ作成・リアルタイムゲーム・ライブビデオストリーミング等のアプリケーションを想定しています。
AWSローカルゾーンはAWSのリージョンを拡張し、レイテンシーの影響を受けやすいアプリケーションをエンドユーザー近接の地域で実行させます。現在、北米地域のロサンゼルスに加えて、ボストン・ヒューストン・マイアミでもサービスが提供されています。今後さらに12の北米地域でサービス開始を予定しています。
現在ローカルゾーンは北米地域に限定されているため、高速コンテンツ配信においてはグローバルで分散アクセス可能なAmazon CloudFrontによるCDNサービスを利用する方が利用者に対するメリットが大きいでしょう。
エンドユーザーをエッジロケーションに誘導するには?
Amazon Route 53は、AWSのドメインネームシステム (DNS)を指します。Amazon CloudFrontとAmazon Route 53を併用することで、エンドユーザーを適切にエッジロケーションに誘導することが可能です。 参考:AWS Amazon Route 53
Amazon CloudFrontの利用料金は?
Amazon CloudFrontは、データ転送出力(インターネットおよびオリジン)とHTTP/HTTPS リクエストによる従量課金制をとっています。その他割引料金プランも設定されており、コスト低減を図ることができます。
加えて、他のAWSサービス同様にAWS無料枠が設定されており、サインアップ後50GBのデータ送信(アウト)と2,000,000件のHTTP/HTTPSリクエスト、2,000,000件/月のCloudFront Function呼び出しが1年間無料提供されます。
エッジロケーションの構成は?
エッジロケーションを説明するにあたり、最初に関連用語を説明しておきます。
・オリジンサーバー オリジナルのコンテンツが格納されているウェブサーバーで、CDNが参照する接続サーバーを指します。 ・エッジキャッシュ CDNにより、次回以降でアクセスするコンテンツをキャッシュするサービスを指します。 ・POP POPとはPoint Of Presenceの略で、世界に配置されているエッジロケーションを指します。 ・リージョン別エッジキャッシュ AWSはリージョン別に物理ロケーションを分割管理しており、オリジンサーバーとPOPの間にリージョン別エッジキャッシュを設置しています。
エッジロケーションはオリジンサーバーとPOPを接続し、エッジキャッシュとして利用する構成をとります。オリジンサーバーとのアクセスはリージョン別エッジキャッシュを介して行い、オリジンサーバーの負荷を低減させる形態を取っています。
日本のエッジロケーションは?
日本はアジアパシフィックリージョンとして、東京 に16、大阪 に1つのエッジロケーションを持っています。東京はコンテンツアクセスが多いため、エッジロケーションの設置数が多くなっています。
同様に、東京にリージョン別エッジキャッシュを設置し、オリジンサーバーとのレイテンシー低下を最小に図っています。
エッジロケーションの展開状況は?
AWSではコンテンツアクセスのレイテンシーを低減するために、通信距離と利用ユーザ―に応じてエッジロケーションを設置しています。そのため、国土面積が広い米国やブラジル・インド・ドイツに多くのエッジロケーションを展開しています。加えて、国数の多い欧州やアジアパシフィックにおいてもエッジロケーションが数多く設置されています。
現在、47か国90都市にある225以上のPOPにより、高速コンテンツアクセスの環境が整備されています。
北米地域のリージョンにおけるエッジロケーションは?
北米地域におけるエッジロケーションとリージョン別エッジキャッシュは以下の通り設置され、サービス利用されています。
エッジロケーション: 「米国」 ・バージニア州アッシュバーン (6)・ジョージア州アトランタ (6)・マサチューセッツ州ボストン (3) ・イリノイ州シカゴ (6)・テキサス州ダラス/フォートワース (6)・コロラド州デンバー (2) ・カリフォルニア州ヘイワード・オレゴン州ヒルズボロ (3)・テキサス州ヒューストン (4) ・フロリダ州ジャクソンビル・カリフォルニア州ロサンゼルス (5)・フロリダ州マイアミ (4) ・ミネソタ州ミネアポリス・ケベック州モントリオール・ニューヨーク州ニューヨーク (2) ・ニュージャージー州ニューアーク (7)・カリフォルニア州パロアルト・ペンシルベニア州フィラデルフィア (2) ・アリゾナ州フェニックス (2)・ユタ州ソルトレイクシティ・カリフォルニア州サンノゼ (2) ・ワシントン州シアトル (3)・オンタリオ州トロント (2)・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー 「メキシコ」・ケレタロ (2)
リージョン別エッジキャッシュ: 「米国」・カリフォルニア・オハイオ・オレゴン・バージニア
南米地域のリージョンにおけるエッジロケーションは?
南米地域におけるエッジロケーションとリージョン別エッジキャッシュは以下の通り、サービス利用されています。
エッジロケーション: 「コロンビア 」・ボゴタ 「アルゼンチン」・ブエノスアイレス 「チリ」・サンティアゴ 「ブラジル」・リオデジャネイロ (2)・サンパウロ (2)
リージョン別エッジキャッシュ: 「ブラジル」・サンパウロ
欧州/中東/アフリカ地域のリージョンにおけるエッジロケーションは?
欧州/中東/アフリカ地域におけるエッジロケーションとリージョン別エッジキャッシュは以下の通り、サービス利用されています。
<欧州> エッジロケーション: 「オランダ」・アムステルダム (2) 「ギリシャ」・アテネ 「ドイツ」 ・ベルリン (2)・デュッセルドルフ ・フランクフルト (10)・ハンブルク ・ミュンヘン (2) 「ベルギー」・ブリュッセル 「ルーマニア」・ブカレスト 「ハンガリー」・ブダペスト 「デンマーク」・コペンハーゲン 「アイルランド」・ダブリン 「フィンランド」・ヘルシンキ 「ポルトガル」・リスボン 「英国」・ロンドン (9)・マンチェスター (2) 「スペイン」・マドリード (3) 「フランス」・マルセイユ ・パリ (5) 「イタリア」・ミラノ (3)・パレルモ ・ローマ 「ノルウェー」・オスロ 「チェコ共和国」・プラハ 「ブルガリア」・ソフィア 「スウェーデン」・ストックホルム (3) 「オーストリア」・ウィーン 「ポーランド」・ワルシャワ 「クロアチア」・ザグレブ 「スイス」・チューリッヒ (2)
リージョン別エッジキャッシュ: 「アイルランド」・ダブリン 「ドイツ」・フランクフルト 「英国」・ロンドン
<中東> エッジロケーション: 「アラブ首長国連邦」・ドバイ ・フジャイラ 「バーレーン」・マナマ 「イスラエル」・テルアビブ
<アフリカ> エッジロケーション: 「南アフリカ」・ケープタウン ・ヨハネスブルグ 「ケニア」・ナイロビ
アジアパシフィック地域のリージョンにおけるエッジロケーションは?
アジアパシフィック地域におけるエッジロケーションとリージョン別エッジキャッシュは以下の通り、サービス利用されています。
エッジロケーション: 「インド」 ・バンガロール (3)・ハイデラバード (3)・コルカタ (2)・ムンバイ (4) ・ニューデリー (5)・チェンナイ (4) 「タイ」・バンコク (2) 「中国」・北京・深川・上海・中衛 「中国特別行政区」・香港 (3) 「インドネシア」・ジャカルタ 「マレーシア」・クアラルンプール (2) 「フィリピン」・マニラ 「日本」・東京 (16)・大阪 「韓国」・ソウル (4) 「シンガポール」 (4) 「台湾」・台北 (3) 「ニュージーランド」・オークランド (2) 「オーストラリア」・メルボルン (2)・パース ・シドニー (4)
リージョン別エッジキャッシュ: 「インド」・ムンバイ 「シンガポール」 「韓国」・ソウル 「日本」・東京 「オーストラリア」・シドニー
世界中のエッジロケーションを用いたCDNサービスを有効活用しましょう
ウェブコンテンツは、テキストから画像・音楽・動画等多岐に渡ります。近年モバイルデバイスの急速な普及により、高解像度のコンテンツを高速・高品質に配信するニーズが高まっています。
Amazon CloudFrontでは、AWSのCDNサービスとして全世界をカバーするエッジロケーションが利用されています。大容量コンテンツ配信には特に有効なサービスなため、サービス品質を高めるために利用検討してみましょう。
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