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RFPとRFIとの違いとは?エンジニアがシステム開発に活用するコツ
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RFPとRFIとの違いとは?エンジニアがシステム開発に活用するコツ

アンドエンジニア編集部
2024.01.25
この記事でわかること
一般的な情報の提供を求めるのがRFI、個別の具体的な提案を求めるのがRFPである
RFPやRFIの目的や作り方、そのポイントが分かる
できるITエンジニアはRFPやRFIを活用してより良いシステム開発を行っている

RFIとは?

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RFIとは「情報提供依頼書」のことです。ここではRFIの目的やRFIを作成する際の注意点などについて紹介していきます。

RFIとは

RFIは"Request For Information"の略語です。RFIは「情報提供依頼書」のことで、SIerやITベンダー各社に対して*会社の基本情報・技術面の情報・製品に関する情報などの提供を求める依頼文書です。

RFIには「当社は〇〇システムの導入を検討しているので、それらに関する情報を集めています」という意思表示の意味合いもあります。

RFIを受け取った企業や会社は回答を用意しなければなりません。RFIへの回答の一例として製品カタログやパンフレット・事例集などがあります。

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RFIの目的

RFIの目的は情報提供を受けることや情報収集を行うことです。集めた情報はベンダー各社・新しい製品やサービスの比較検討などに使用することがあります。

ですが、ベンダーの選定を目的に情報収集を行うわけではありません。あくまで幅広い情報の収集が目的です。RFIを作成する際は目的を間違えないようにしましょう。

RFI作成時の注意点

RFIを作成する際にはいくつか注意すべき点があります。ここでは特に気を付けたい2点について紹介します。

1点目はRFIを受け取った企業や会社が回答を作成しやすいようにすることです。何について、どのようなことを知りたいのか・どのように回答して欲しいのかが分かりやすいようにしましょう。

2点目はRFIを受け取った企業や会社が回答に莫大な時間を要するような内容を避けることです。ひとつの項目に対して複数の要件を設けるなど細かすぎるRFIは情報収集という目的から逸れてしまう可能性があります。

RFIに記述する項目と内容

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RFIに記述する項目は「企業の基本情報」・「自社の情報」・「趣旨や目的」・「製品・サービスなどの基本情報」・「製品・サービスの機能」の5つが基本となります。

ここでは上記の5つについて紹介していきます。

企業の基本情報

RFIは単に導入製品やサービスに関しての情報を求めるものではありません。新たなビジネスパートナーの選定材料とする場合もあります。そのためその企業に関する正確な情報の収集も必要です。

HPに載っている情報以外の情報について差しさわりのない範囲で提供を求めましょう。

自社の情報

自社情報は自己紹介と同じです。相手が初めて取引する企業の場合は自社を知ってもらうことでより詳細な情報提供をしてもらいやすくなります。

例えば自社が流通業であれば、そのことについてきちんと伝えることで流通関係の取引企業や納入実績などの情報提供をしてもらえる可能性が高まります。

趣旨や目的

RFIを作成した目的・どのような情報を必要としているのかなどを明確に記載します。それらが曖昧だと一般的な情報しか提供されない可能性がありますので、きちんと趣旨が伝わるように気を付けましょう。

製品・サービスなどの基本情報

製品やサービスに関する情報の提供を求めます。公示情報以外に導入実績・製品・サービスの価格など提供して欲しい内容について分かりやすく記載しましょう。

製品・サービスの機能

取扱い製品やサービスの機能をより具体的に示してもらいます。製品やサービスの機能に加え、利用することによる具体的な効果・活用事例などの提示を依頼します。作成するRFIの項目は各ベンダーの比較が行いやすいように統一すると良いでしょう。

RFIと似ているRFP

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システム開発などでよく耳にするRFPという言葉があります。RFPとはどういうものなのでしょうか。またRFIとの違いはあるのでしょうか。ここではRFIとよく似た言葉であるRFPについて紹介していきます。

RFPとは

RFPとは"Request For Proposal"の略語で、日本語にすると「提案要請書」または「提案依頼書」となります。

RFPはシステムの導入や業務委託に際して、発注先候補のSIerやベンダーなどIT事業者に対して具体的な提案を求めるためのものです。RFPには主にシステム化の目的や概要・システム要件や制約条件などが記述されています。

RFPの作成はシステム開発や導入の実質的なスタートです。RFPの出来栄えがシステムの成否を左右するほど、その存在は事業に大きな影響を及ぼします。ITエンジニアとしてはシステム概要書や要件定義書と同様のドキュメントと認識してください。

RFP(提案依頼書)を作成するメリット、デメリットと活用方法について

RFPとRFIの違い

RFPとRFIについて簡単に説明すると「一般的な情報の提供を求めるのがRFI」・「個別の具体的な提案を求めるのがRFP」と言えるでしょう。RFIより具体的かつ詳細な内容について記載されたものがRFPとなります。

そのためRFIを行ってからRFPを行うというのが一般的な流れとなっています。

RFPに記述する項目と内容

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実際にRFPを作成するにあたりサンプルがあると便利です。自社に過去のRFPがあれば参考にできますが、ない場合はテンプレートに従って作成するのが効率的でしょう。

以下にRFPへ盛り込むべき項目を列挙しますのでRFP作成の際は参考にしてください。

案件概要

提案を依頼する案件に関して全体像をベンダーに分かりやすく記載します。

・依頼目的:何を提案してもらいたいのか ・背景:プロジェクトの経営的背景など ・課題:抱えている問題点や解決したい課題など ・プロジェクト目的 :プロジェクトが何を目的とし、何を狙っているのか ・ゴール:達成すべき目標(品質や納期など) ・範囲:システム開発やパッケージ導入の対象範囲 ・会社情報:自社の事業内容・組織図・拠点情報・システム利用者の情報・関係部門などの情報 ・システム構成:現行システムのハード・ネットワーク・関連システム情報など

要件

提案してほしい内容や情報を記載します。また導入事例や同様のプロジェクトの実績があれば、それらも可能な限り記載してもらうよう依頼します。

・貴社情報:提案する側の会社に関する情報(資本関係、協力会社、サービス内容や製品情報など) (すでにRFIに対する回答を得ている場合は、そのダイジェストを記載してもらう) ・提案システムの概要:どのようなシステムやパッケージを提案してもらいたいのか記載 ・期待される効果:提案してもらうシステムやパッケージによって、どのような効果が得られるのか(定性効果、定量効果両方) ・提案システムの構成 ・プロジェクト体制とスケジュール案 ・プロジェクトマネジメントの方法(レビューボード、進捗会議などの設置する会議体) ・運用や保守に関する内容 ・サービスレベル(SLA・・Service Level Agreement)(定量表現で) ・成果物・納品予定物の一覧 ・ドキュメント類のサンプル ・概算の工数と概算費用(パッケージの場合は、見積書) ・導入実績や導入事例 ・著作権の帰属先・ライセンスなど

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RFIやRFP作成のメリット・デメリット

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RFIとRFPの目的や違いについて説明してきましたが、ここではメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

RFIやRFPを作成するメリット

RFIやRFPを作成するメリットは多岐に渡ります。以下、RFI・RFP作成の5つのメリットを詳しく紹介していきます。

・公平な選定の根拠として利用できる 業務委託を実施する場合、客観的に見て公平な選定が行われたという根拠を用意しておく必要があります。ベンダー選定の前にRFIの工程を経ることで、公平に情報収取をした上で選定を行ったという根拠を示すことが可能です。また、サービス・システムなどの導入後にトラブルが起きたとしても、選定根拠があれば対応もスムーズに行なえます。

・スクリーニングを行える RFIでは自社が欲しい情報の提供をベンダーに依頼し、ベンダーはRFIに基づいて製品・サービス・ソフトウェアなどの情報を提供します。この際、提供された情報の中には自社にとって不要なものも含まれています。RFIの回答をもとにスクリーニングを実施すれば、早い段階で事前に必要なもの・不要なものの把握が可能です。

・新しい情報を入手できる RFIの回答には、ベンダーの新しい技術やサービスに関する内容が含まれていることががあります。RFIは業界の新しい情報を得られる機会でもあり、得た情報を今後の新規事業に活かしてくことも可能です。新しい情報・有益な情報を持っていることがビジネスにおいて優位に働くため、RFIの利用にはベンダー選定以外にも大きなメリットがあります。

・トラブルを軽減できる システムを導入する際、自社とベンダーの間で認識の違いがあると納期の遅延や委託費の増額などのトラブルが起きてしまいます。しかし、RFPを利用するれば契約前に双方の認識を文書で確認できるためトラブル軽減に効果的です。万が一、問題が起きた際もRFPで明文化しておけば「言った」「言わない」のようなトラブルを避けられます。

・ベンダーと明確な目的を共有できる RFPを利用すれば、自社が製品やサービスなどを導入する目的を明確に伝えられます。このことにより、ベンダー側はよりニーズに沿った提案ができるため、より満足度の高いシステムの構築が可能です。

RFIやRFPを作成するデメリット

RFIやRFPを作成するデメリットをあえて挙げるなら、作成する労力・時間がかかるという点です。RFIやRFPを作成しない時代を経験された方は、特にデメリットとして感じられるかもしれません。しかし、先述したとおりデメリットを上回るメリットを得られるため労力や時間を割く価値は十分にあります。

RFIの関連用語を紹介

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ここまでRFIやRFPについて詳しく紹介してきました。ここではプロジェクトの進行に伴い他にも目にするかもしれない言葉をいくつか紹介していきます。

RFQ

RFI「情報提供依頼書」やRFP「提案依頼書」と似た言葉で「RFQ」という言葉があります。RFQは"Request For Quotation"の略で「見積依頼書」のことです。

RFIを提示した後システム開発やパッケージ導入などの要件が具体的になると作成されるケースが多くなります。

発出の順番としては、RFI「情報提供依頼書」→RFQ「見積依頼書」→RFP「提案依頼書」が一般的です。ですがRFQとRFPは一体で発出されることもあります。

RFQとは?システム作りに必要なRFx3点セットの1つ

自動車業界で使用されるRFx

RFPやRFIは主にシステム開発やシステム導入においてよく利用されますが、実は自動車業界でも利用されています。基本的な意味合いは同じです。

自動車メーカーなどのSourcing(契約業務)においてもRFI・RFP・RFQの3つのプロセスがあります。自動車業界などではこの3つを総称して「RFx」と呼んでいます。

RFIを活用して最適なRFPを

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RFPとRFIを別なものと考える方もいますが、実はこれらは一体で見るべきでしょう。RFPを作成する目的は、自社の課題解決に役立つシステム開発や製品を提供してくれる最適なベンダーを見つけることにあります。

そのためには、各ベンダーが理解しやすいRFPを作成する必要があります。RFPを受け取り、ベンダーが何を提案すれば良いのか判断が付かなければ、こちらが望む提案を受けることは難しくなるでしょう。

そうした事態に陥ることを避け、期待するような提案を受けるには自社と提案ベンダーとの相互理解・相互認識が欠かせません。RFIは両社の相互理解・相互認識のための重要な役割があるのだということを理解しておきましょう。

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