ITエンジニアやJavaプログラマーを目指す人に必須のJUnitってなに?
JUnitとは
ITエンジニアやJavaプログラマーを目指す人に必須のJUnitってなに?
アンドエンジニア編集部
2021.03.07
この記事でわかること
JUnitはJavaのユニットテスト(単体テスト)で欠かせないツール、エンジニアを目指す人は習得しよう
JUnitにはデメリットもあり、その対策をしっかり講じた上で利用しよう
アジャイル開発においてユニットテストは必須ではない。ユーザー目線でプログラミングしよう

JUnitとは

単体テスト

Javaプログラマーの方ならよくご存と思いますが、JUnitはJavaで作られたプログラムのユニット(単体)テストで使われるフレームワーク(ソフトウェア)です。JUnitの読み方ですが、”ジェイユニット”と称しますので、覚えておきましょう。

Java自体はWebアプリや大規模開発でも用いられるメジャーな開発言語であり、ITエンジニアを目指す人には習得しておきたい言語といえるでしょう。

Javaプログラマーになると、自ら記述したコード(プログラム)が正しく動作するか否かのユニットテスト(単体テスト)をしますが、ユニットテストをするためにはテストコードというものを記述しなければなりません。これがかなり面倒な作業で、プログラムの生産性を損なうことさえあります。

JUnitはJavaで書かれたプログラムのユニットテストを自動的に行ってくれる大変便利なツールです。Javaプログラマーを目指す人にとっては、Javaと同じく習得すべきフレームワークの1つです。

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単体テストとは

単体テストという言葉が出てきましたので、単体テストについて一度整理しておきましょう。単体テストはユニットテストとも呼ばれ、プログラムが必要な要件通りに動く(機能する)かどうかを確認するために、プログラミングの後に最初に行われるテストのことです。

単体テストは基本的にプログラマー自身の手で行われますが、大きな組織ではQAと呼ばれる品質管理専門のエンジニアによって行われる場合もあります。単体テストの次は、プログラム間の連続テストである結合テスト、次に完成したシステム全体の総合テストがあります。

単体テストで合格となっても、結合テストや総合テストでエラーが発生し、プログラムの修正を迫られ、単体テストを再度行うこともあります。

テストコードとは

Javaなどのユニット(単体)テストを行う場合は、プログラマーがテストコードを生成します。テストコードは、自分が書いたコード(プログラム)が想定した通りに動作するかを確認するために作成するものです。この単体テストを通過して初めて、プログラムが作成出来たことになります。

例えば「あるメソッド(オプジェクト志向言語における操作を定義したもの)で、2つの引数の値を足して結果を返す」という機能を作ったとすると、「1と2を足したら結果が3になる」ことを確認するのがテストコードです。

JavaとJUnitについて

JAVA

ITエンジニアにとっては大変身近な存在であるJavaについて触れておきましょう。JUnitを語る上ではJavaの理解が必要になります。ここではJavaの概要に加えて、JavaScriptとJavaの関係についても触れておきましょう。

Javaとは

JavaはITに関わる人であれば、誰もが知る汎用プログラム言語です。仮想マシン上で動作するため、WindowsやMacOS、LinuxなどのOSを選ばず、どんなマシンでも動くのが特徴です。

JavaはWebプログラムとしてもよく使われておりTwitterのWebサービスもJavaを利用して作られています。他、スマホアプリ、家電、カーナビなど、あらゆるものでJavaは活躍しています。

プログラム言語としてもJavaの人気は高く、さまざまな調査で常にランキングトップにあり、エンジニアを目指す人にとってJavaは必須プログラム言語とも言えます。

Javaの歴史

時代は1990年代に遡ります。当時のアメリカでは「ワークステーション」と呼ばれるコンピュータが市場を席捲していましたが、その「ワークステーション」を開発したのが「Sun Microsystems」です。実はJavaはこの「Sun Microsystems」で作られました。

彼らが目指したのは、ハードウェアに依存しない「ソフトウェア開発プロセスの仕組み」でした。Javaはプログラミング言語だけに留まらず、プログラムの実行環境まで包含していました。

当初は家電製品への組み込みからスタートしたJavaでしたが、当時脚光を浴び始めたインターネットに照準を当てたことから大きな発展を遂げたのです。

Javaは最初、Oakという名前でスタートしていますが、Oakが他社で商標として使用されていたことが判明し、「Java」に改名されました。

Javaの名前の由来には諸説ありますが、Javaの開発者たちがよく利用していたコーヒーショップで提供されていたコーヒーの名前から取ったという説が濃厚です。

こうして「Java」は1996年に「Java1.0」としてスタートし、1999年にはソフトウェア開発業者向けの「Java SE」、サービス提供事業者向けの「Java EE」、デバイス事業者向けの「Java ME」の3パターンで再構築されました。

その後も順調にJavaはユーザーを獲得し続け、ITのスタンダード言語として定着していきます。その後2010年にJavaを開発した「Sun Microsystems」はOracle社に買収され、JavaはOracle社の主力製品の1つとしてさらに進化を続けています。

JavaとJavaScriptの違い

Javaと言えば、JavaScriptをイメージする人もいるようですが、JavaとJavaScriptは全く別物です。名前が似ているので、両者を同一視する人が後を絶ちませんが、食べ物にたとえるとメロンとメロンパンくらいの違いがあります。

JavaScriptはJavaの弱点を補う言語と言えるでしょう。Javaはありとあらゆるマシンで動作しますが、画面に動きをつけるのがあまり得意ではありません。一方、JavaScriptは対話型で、細かい動きを求められるような機能に適しています。そんなことから、Javaは裏方で動き、ユーザーの目に触れる表舞台はJavaScriptというような役割分担になっています。

実際にJavaは業務アプリやTwitterのようなWebサービス、スマートフォンアプリ(Android)開発などによく使われ、一方のJavaScriptはWebブラウザ上で動きを付けたり、色を変えたり、ポップアップ表示をさせたりするようなWebページの開発に主に使われています。

では、なぜ名前が似ているのでしょう。それは後発のJavaScriptがJava人気にあやかってネーミングされたからなのです。そこはエンジニアとしては押さえておきましょう。

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JUnitは両方の単体テストができる?

少し横道にそれましたが、JUnitに話を戻しましょう。JUnitはJavaプログラム向けのユニットテストツールでしたね。では、Javaとは別言語であるJavaScriptにはJavaScript用のテストツールがあるのでしょうか?

答えはYESです。Jestというテストツールがあります。他にもJasmineやMochaなどのツールがありますが、今のところJestが主流です。

では、JUnitでJavaScriptのテストはできないのでしょうか?その答えは、NOです。実はJUnitはJavaScriptにも対応しています。

というのも、Java自体にJavaScriptエンジンが組み込まれているので、JUnitはJavaScriptで組まれたコードのユニットテストも出来ます。いずれにしても、JavaとJavaScriptは別言語でありながら、表裏一体的な関係でもあり、Javaを習得したエンジニアの方はJavaScriptも覚えておくと良いでしょう。

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JUnitのメリット

JUnitで作成したテストコードは自動実行が可能であり、しかも実行時にエラーが発生した際は、エラーの箇所や状態が即座に分かり、テストの負担を大きく軽減できます。

また前に行ったテストを再度実行することが可能なため、デグレード(性能・品質の悪化)を検知するためのリグレッションテスト(退行テスト)の自動化、やリファクタリング(内部構造の改善)実施も容易になります。これらを整理すると以下の通りです。

▪ユニットテストを行うためのテストコードを簡単に生成できる ▪作成したテストコードを用いて迅速にユニットテストができる ▪テストコードを標本としてバグの訂正が容易となる ▪テストコードを見ると仕様が一目で分かる ▪誰もが同じテストを実施できるようになる ▪独自にテストコードを作成する手間が省ける

JUnitのデメリット

そんなJUnitもメリットばかりではありません。例えば、JUnitで行うテストはユニットの独立性が前提で、テストするユニットが他のユニットとの間に依存関係がある場合、テストの実行順序を定義する必要があり、そのための時間が余分に掛かってしまいます。

他、プログラムのイレギュラー処理が正しく機能するかのテストでは、テストコードがかなり複雑になるため、テスト作成者がテストコードにある程度精通している必要があります。

JUnitには上記のようなデメリットもありますが、基本的にJUnitは活用する対象を厳選して継続的に修正を行っていけば、高い効果が得られるツールであり、大きな開発プロジェクトになるほどそのメリットを発揮します。以下、デメリットとその対処法を列挙しておきます。

▪仕様変更する度にテストコードの作り直しが発生する  →解決法として、EclipseなどのIDE(統合開発環境)を使うと、テストコードを作り直す手間を軽減できます。

▪テストコードの作成に時間を要する  →同様にEclipseなどのIDE(統合開発環境)を使うとテストコードの作成をスピードアップできます。

アジャイル開発におけるテスト

アジャイル

Javaは大規模開発でもよく利用されますが、これまでの大規模システム開発においては、ウォーターフォール型開発が一般的でした。しかし近年はアジャイル型開発手法を採用するケースが増えています。

アジャイル開発では、テストコードとプログラムコードを同時並行で書いていくことになり、テストを効率良く進めるツールとして「テスティングフレームワーク」を利用しますが、その1つがJUnitです。

アジャイル開発におけるTDD

テスト駆動開発(TDD)という概念があります。これはテストに重きを置いた開発手法です。ウォーターフォール型開発では、きっちりと手順を踏んで開発を進めるため、テスト工程は必須になっています。

エンジニアとしては、自分が担当したプログラムやシステムからバグを完全に排除したいと考えます。しかも、システムの出来栄えが仕様通りか否かが評価要素となります。

一方、近年より主流になっているアジャイル開発では、「とりあえずやってみよう」の考え方で、スピード開発に重きを置きます。ユーザー志向で、柔軟に対応をしていきます。このアジャイル開発とウォーターフォール型のTDDに、相容れない面があるのは事実です。

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テストコードは必須?

ここまでテストコードを自動生成してくれるJUnitについて考察してきました。しかし、果たしてテストコードは必要なのでしょうか?

確かに、テストコードはあるに越したことはありません。しかし、テストコードの生成が自動化され、バグ潰しは軽減できますが、テストの目的はバグ潰しだけではありません。

例えば、100人が操作して1回エラー画面が出るのと、100人が操作して5人が離脱するような不親切なUI(ユーザーインターフェース)があったとしたら、どちらがユーザーから支持されるかか、ということです。

「テストのカバレッジが高い=ソースコードの品質が高い」とはなりません。品質の最終判断はユーザーの評価です。

アジャイル開発の時代においてはソフトウェアの品質基準が従来とは変わってきているということです。Javaプログラマーを目指す方はぜひJUnitを学んでください。しかし、JUnitを絶対に使わなくてはならないということではありません。使う方が良い局面では使えばよいのです。

これからエンジニアを目指す方は、画一的な思考に陥ることなく、ユーザーやクライアントの視点で何を優先すべきかということを常に考えていただきたいと願っています。

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