PERT図とは?目的・種類・構成要素・作成方法とメリットを解説!
personal computer
PERT図とは?目的・種類・構成要素・作成方法とメリットを解説!
アンドエンジニア編集部
2021.10.13
この記事でわかること
PERT図とは、業務の流れや所要時間を図式化し、大規模かつ複雑な業務のスケジュールを管理するための手法!
PERT図は、プロジェクトの必要工程や必要日数を把握するために用いられる!
新しいプロジェクトに携わる場合は、作業日数について慎重に見積もることが重要!

そもそもPERT図とは

future

PERT図は、「PERT」というレビュー手法に用いられるツールです。「PERT(Program Evaluation and Review Technique)」は、1950年代にアメリカの海軍によってはじめて導入された、業務の流れや所要時間を図式化し、大規模なプロジェクトや複雑な業務のスケジュールを管理するための手法です。この「業務の流れや所要時間を図式化」したものがPERT図です。具体的には、プロジェクト案件の工程の所要時間や順序の関係をフローチャートなどの形で図式化していきます。

PERT図の目的

PERT図の目的は、プロジェクトの必要工程や必要日数を把握することです。PERT図を活用することで、プロジェクトのなかでも最も重要な工程やタスクを発見することができるでしょう。複数の業務が同時に並行するようなプロジェクトでは、1つのタスクが遅れてしまうとプロジェクト全体に影響が出てしまう可能性もあります。そのため、顧客から与えられた納期のなかでプロジェクトを成功させるためには、進捗の遅れが生じないように各タスクの「最早開始時刻」や「最遅完了時刻」などを明確にし、重点を定めて進捗管理を行うことが重要です。その際に、活用できるのがPERT図と言えるでしょう。

ガントチャートとの違い

ガントチャートとは、棒グラフを利用し各工程の進捗状況・プロジェクトを完了させるためのタスクや所要時間などが確認できる表現図式です。棒の長さで表されるため、PERT図と比較すると状況がひと目で把握できるのが特長です。しかし、ガンチャートは各工程の繋がりなどはわからないため、全ての作業の流れを把握したい場合はPERT図が適しています。

PERT図の種類

PERT図には、結合点を示す数字が入っている円をタスクの順番を示す矢印で結びつける「アローダイアグラム」と、各作業工程をボックスに記述し、各工程同士の順序や流れを矢印で結びつける「フローダイアグラム」の2種類があります。ただし、方法が異なるだけで、必要な構成要素などは変わりません。

PERT図の構成要素

ここではPERT図の主な構成要素を4つ紹介します。

1.最早開始時刻 最早開始時刻とは、最も早く作業をはじめることができる時点のことです。これは、前工程の最早開始時刻に所要時間を足し合わせることで求めることができます。

2.最遅完了時刻 最遅完了時刻とは、最遅でも作業が完了していなくてはならない時刻のことを指します。最遅完了時刻は、次の工程の最遅完了時刻から所要時間を引くことで求めることが可能です。たとえば、最遅完了時刻より作業の完了が遅れる場合、本来予定している納期に間に合わなくなるということになります。

3.余裕日数 余裕日数とは、各工程がもっている作業開始時点までの日程の余裕のことを言います。たとえば、余裕時間がゼロとなっている工程では、進捗の遅延が発生してしまうとプロジェクト全体に影響する作業が含まれていることを意味します。余裕日数は、最遅開始時刻から最早開始時刻を引くことで求めることが可能です。

4.クリティカルパス クリティカルパスとは、プロジェクトのなかで、最も長い工程の経路のことを指します。クリティカルパスの各工程にかかる所要時間の合計が、納期予定日と同じになります。つまり、余裕時間がゼロの工程を結んでいったものがクリティカルパスとなります。スケジュールの遅れが生じた場合は、そのままプロジェクトの遅延となるため、クリティカルパスは、予定している納期までにプロジェクトを達成できるか、プロジェクトの実行可能性を検討するために用いることが多いでしょう。 またクリティカルパスは、プロジェクトに対して1つのみとは限らず複数存在する場合もあります。さらに、クリティカルパスにスケジュール遅延が生じないようにするために、リソースの配分などについても検討することや対策を練ることが必要です。

PERT図の作成方法

これまでにPERT図の詳細について解説してきました。ここからは、PERT図を作成する方法を順番に紹介しましょう。なお、今回は「アローダイアグラム」を基に例を挙げます。

1.PERT図を作成する対象を決める まずは、PERT図を作成する対象を決めることが大切です。プロジェクト単位なのか、さらに細かく分けた工程単位なのかを定めましょう。対象を決めないと次のステップに進むことができません。

2.必要な業務を把握する PERT図を作成する対象を決めたら、定めた対象に対する必要な業務を洗い出し、それぞれの業務に対して必要な時間の設定を行います。この時、作成者の視点ではなく、一般的にかかる時間を設定するようにします。また、「Microsoft社」の「PowerPoint」や「Excel」、PERT図作成用のツールを利用すると、必要な業務を把握するのが簡単になるのでおすすめです。PERT図作成用のツールの代表として「Lucidchart」があります。「Lucidchart」は豊富なテンプレートやオンライン機能を備えているため、効率よくPERT図を作成することができるでしょう。

3.業務の流れを整理する 必要な業務を把握できたら、業務の流れを整理します。各工程を矢印で結び、図式化を行っていきます。矢印には、各工程にかかる所要時間を併せて書いておくようにしましょう。

4.最早開始時刻と最遅完了時刻を計算する 業務の流れまで整理ができたら、各工程で取り掛かることのできる時間を計算します。たとえば、最早開始時刻を計算する場合は、一般的に左の工程から順番に足していきます。次に、各業務にかけることのできる時間を計算します。最遅完了時刻を計算する場合は、最早開始時刻とは反対で、右の工程から順番に引いていきます。ここまでできれば、PERT図は完成できるでしょう。

5.クリティカルパスの把握 最後に、PERT図が完成できたらクリティカルパスを把握しましょう。前項でも説明しましたが、クリティカルパスとは、プロジェクトのなかで最も長い工程を指します。また同時に、クリティカルパスはそのプロジェクトや工程の最短日数とも言えるでしょう。クリティカルパスは時間的に余裕のない業務であり、遅延が生じるとプロジェクト全体が遅れてしまうので、プロジェクトマネージャーはクリティカルパスを正確に把握し、スケジュール管理に注意しておく必要があります。

PMとPLの役割の違いとは? ―若手エンジニアの疑問にスッキリ回答―

PERT図の3つのメリット

project

これまでにPERT図の詳細や作成方法について紹介してきました。ここからはPERT図を採用するメリットについて3点解説しましょう。

経験のみに頼らず必要な工程の依存関係や所要時間を確認できる

PERT図を活用することができれば、経験のみに頼らず、プロジェクトにおける工程の依存関係や所要時間の管理について正確に把握できます。PERT図が普及するまでは、プロジェクトマネジャーの経験によって工程の管理は行われてきました。そのため、経験値が低いプロジェクトマネージャーでは工程の管理に失敗してしまうことが多い状況でした。たとえば、 プロジェクト全体から見ると優先度の低いような目の前にあるタスクに気を取られてしまい、プロジェクトを完了することができなかったという事例もありました。しかし、PERT図を活用すれば、各工程の進め方や所要時間、依存関係について整理できるため、経験がまだ浅いプロジェクトマネージャーであっても、プロジェクトの工程管理が適切にできるでしょう。

プロジェクト完了までの最短のスケジュールを知ることができる

プロジェクトは納期予定日が決まっていることが多いため、効率的に作業を行い、納期に間に合わせることが大切です。PERT図を活用すれば、作業の優先順位や進め方について把握できるため、プロジェクト完了までの最短のスケジュールを計画が可能になるでしょう。それだけでなく、クリティカルパスを理解することにより、工程における作業時間の短縮も期待できます。

プロジェクトにおけるメンバー間で情報共有をスムーズに行うことができる

プロジェクトが大規模になると、規模の大きさに比例して関与する関係者も多くなっていきます。多くの方と情報共有を行うのは時間や労力が必要です。しかし、PERT図を活用すれば、プロジェクトの流れをわかりやすく関係者に示すことができるため、作業や工程の進め方が明確となり、業務を滞りなく進めていくことができるでしょう。

PERT図を活用する際には作業の漏れや時間の見積りに注意!

meeting

当記事では、PERT図の詳細や作成方法、メリットについて紹介してきました。PERT図を用いることで、プロジェクトの各工程の進め方や所要時間、依存関係について整理できるため、業務を滞りなく進めていくことができます。また、プロジェクトの流れをわかりやすく関係者に示すことができるため、プロジェクトにおけるメンバーの間で情報共有もスムーズに行うことができるでしょう。

一方、PERT図では事前に計画した作業工程の情報、費やす時間の見積りを頼りに作成していきます。仮にこれらの情報に間違いがある場合、作成したPERT図は現実との乖離を起こしてしまい、役に立たないものになってしまう可能性があります。

そのため特に、新しいプロジェクトに携わる場合は、作業日数について慎重に見積もることが重要です。最後に、PERT図を作成した後は、工程の順番や関係性に誤りがないかを再度確認を行うことで間違いがないようにしましょう。

Twitterをフォローしよう!
この記事をシェア
Twitter
Facebook
LINE
Hatena
アンドエンジニアの公式LINEができました! ピッタリの記事や役立つ情報が届きます!

編集部オススメコンテンツ

eyecatch_visual_coder
Adobe製品を使わない"デザイナー"?「ビジュアルコーダー」が考える、自己満足で終わらないWebデザインとは
三角
2020.06.16

アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから

お問い合わせ・情報提供
この記事をシェア
Twitter
Facebook
LINE
Hatena
アンドエンジニアの公式LINEができました! ピッタリの記事や役立つ情報が届きます!

編集部おすすめコンテンツ

アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから