おすすめのPERT図作成ツール
PERT図とは「Program Evaluation and Review Technique」の略で、プロジェクトの目的達成に必要な作業を図にまとめたものです。PERT図を書くことで、作業内容がひと目で分かり、情報が共有しやすくなります。ここでは、おすすめのPERT図作成ツールを紹介します。これらのツールを使えば、簡単にPERT図を作成することが可能です。PERT図を作成したい方は、ぜひこの中からツールを選んでみてください。
Lucidchart
Lucidchartは、使いやすさが魅力的なツールです。ドラック&ドロップで簡単に図を作成でき、PERT図のテンプレートもあるため短時間で作成できます。また、リアルタイムコラボレーションができたり、チームメンバーと共同編集できたりすることも、メリットでしょう。さらにチャット機能もあるため、情報共有もスムーズに行えます。PERT図ツール選びに迷ったら、ひとまずこれを選んでおけばよいでしょう。
参考:PERT 図作成フリーソフト | Lucidchart
Edraw Max
Edraw Maxは、テンプレートが豊富なツールです。テンプレートを少し修正するだけで、プロ並みの図を作成することが可能です。テンプレートは無料でダウンロードすることができます。さらに、Edraw MaxはPERT図だけでなく、フローチャート・UML図・組織図なども作成可能です。エンジニアやプロジェクトマネージャーの助けとなるツールでしょう。
Cacoo
Cacooは、PERT図をチームに共有する機能が優れたツールです。チームメンバーがどこにいても共同作業することが可能です。PERT図についてフィードバックを得ることもできます。また、作成したPERT図は個別のプロジェクトフォルダに保管され、安全に管理できます。フォルダは権限を自由に変更できるため、必要なメンバーのみに共有することが可能です。
Cacooは14日間の無料トライアル期間があるため、1度無料で使ってみると良いでしょう。
参考:チーム向けPERTチャート作成ツール | テンプレート | オンライン作図ツール Cacoo(カクー)
Creately
Createlyも、代表的なPERT図作成ツールの1つです。テンプレートを多く内蔵している上で、ドラッグ&ドロップで簡単に作図することが可能です。また、Createlyは一部の機能を完全無料で使えるのもメリットでしょう。とりあえずPERT図ツールを触ってみたい、という方はCreatelyがおすすめです。また、CreatelyはPERT図だけでなく、フローチャートやマインドマップなども作成可能です。
参考:Chart, Diagram & Visual Workspace Software | Creately
PERT図を使うことのメリット
PERT図を使うことのメリットを解説します。そもそもPERT図はなぜ必要なのか、ご存知ない方も多いでしょう。PERT図を使うことで、プロジェクトによってどんな良いことがあるか、紹介していきます。
スケジュールをしっかり把握できる
PERT図を使うことで、スケジュール管理が楽になるのが、もっとも大きなメリットです。PERT図には作業内容だけでなく、作業にかかる時間や作業の関連性も書きます。そのため、プロジェクトの一連の流れが可視化され、分かりやすくなります。
経験の深いプロジェクトマネージャーなら、PERT図を使わなくても見積もりを立てることは可能です。しかし、未経験者の場合はPERT図がないと、優先度の低い作業を優先してしまうなど、ミスを起こしてしまいがちでしょう。このようにPERT図はプロジェクトマネージャーにとって、心強い味方となります。
スケジュールを短くする方法も分かってくる
PERT図を作成した後に「ここの作業はいらないのでは?」と思うこともあります。そのため、PERT図を作成することで、スケジュールの短縮化にもつながるのです。制作物の質も大事ですが、プロジェクトをいかに早く完了させるかも、プロジェクトマネージャーの評価ポイントです。PERT図を作成することで、最短のスケジュールを立てられるようになります。
メンバー内で情報共有ができる
作業内容をメンバー内で共有できるのも、PERT図のメリットです。他の部署の仕事は把握していない、という社員は多くいます。PERT図を共有することで、他の部署の仕事も分かり、連携を取りやすくなるでしょう。また、どの作業をいつまでに終わらせるべきかも分かり、仕事に対する集中力も増します。PERT図はプロジェクトマネージャーだけでなく、それぞれの社員のためにもなるのです。
PERT図ツールを使う上で覚えておきたい専門用語
PERT図ツールを使う上で覚えておきたい専門用語を解説します。これらの用語を覚えておくと、ツールの説明書などが読みやすくなります。専門用語を知らないと、メンバーへの共有が難しいでしょう。最低限覚えておきたい専門用語をまとめたので、ぜひ覚えてください。
ネットワーク
ネットワークとは、作業内容を組み合わせてプロジェクトの工程を表した図のことです。PERT図=ネットワークと考えて問題ありません。PERT図ツールでは、ネットワークのテンプレートが用意されており、テンプレートを修正するだけで作成が可能です。
イベント
イベントとは、プロジェクトのゴールや途中経過のことです。「設計開始」や「テスト開始」といったプロジェクトの状態を記入します。PERT図を作成する場合、イベントからまず考えることが多いです。
アクティビティ
アクティビティとは、実際の作業内容を表す矢印のことです。イベント同士をアクティビティで結びます。アクティビティはあまり詳しく書かず、簡略してまとめるのがコツです。長く書く場合は、添付ファイルなどにまとめると良いでしょう。また、アクティビティには作業内容だけでなく、作業にかかる時間=工数も記述する必要があります。工数を書くことで、プロジェクトの完了見積もりも立てやすくなります。
ダミー
ダミーとは、イベントやアクティビティの相互関係のことです。「この作業を始めるには、これを完了させる必要がある」など、作業の関係性をまとめます。ダミーを書くことで、作業の優先順位が分かります。
PERT図の基本的な作り方
最後に、PERT図の作り方を解説します。PERT図の作り方は人ぞれぞれ違いますので、基本的な作り方に絞って解説します。本記事の作り方の紹介をベースに、自分なりにアレンジして、プロジェクトにとって最適なPERT図の作り方を目指してみてください。
プロジェクトのゴールを明確化する
まずは、プロジェクトのゴールを明確にする必要があります。例えば、「Webサイトを完成させる」など。ゴールを明確化しないと、作業内容が固まりません。基本的にPERT図は、ゴールから逆算して考えていきます。
工程を分ける
次に、ゴールを達成するために必要な工程を考えます。例えば、Webサイトを作るには、デザインの作成・フロントエンド開発・バックエンド開発などが必要でしょう。ゴールに必要な工程は何本あるか可視化させることが、PERT図作成の第一歩です。
ゴールから逆算して工程を並べていく
書く工程を考えたら、それらの内容を細かく分けていきましょう。例えば、バックエンド開発なら、「設計書作成⇒データベース作成⇒プログラム作成」、という感じです。これらがPERT図のイベントとなります。イベントを考える際は、ゴールから逆算して考えるのがコツです。工程を並べ終えたら、各工程の関係性(ダミー)を考えていきます。「これを始めるには、この作業をまずやるべき」など、関係性を矢印で表しましょう。
作業の見積時間を記入する
ダミーを書き終えたら、矢印の横に作業の見積時間を記入します。この作業にはどの程度の時間がかかるか予測する必要があります。予測が難しい場合は、似たようなプロジェクトがないか調べたり、先輩などに見積について質問したりするのが良いでしょう。また、ある程度なら見積時間をネットで調べることも可能です。見積時間を記入することで、その作業に割り当てるべき人数も見えてきます。
PERT図ツールを使うことでスケジュール把握を行おう
本記事では、おすすめのPERT図ツールについて解説しました。今回紹介したツールを使えば、誰でも簡単にPERT図を作成することが可能です。PERT図ツールにはテンプレートが用意されているため、短時間で図を作成できます。
PERT図を作ることで、作業手順が可視化される、などのメリットがあります。PERT図は1つのプロジェクトだけでなく、個人の作業内容を分かりやすくするためにも使えます。ITエンジニアやプロジェクトマネージャーの方は、ぜひPERT図を作成してみてください。
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