VBAエキスパートの難易度は?試験概要や学習方法についても解説!
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VBAエキスパートの難易度は?試験概要や学習方法についても解説!
資格・スキル
アンドエンジニア編集部
2023.02.21
この記事でわかること
VBAエキスパートはベーシックとスタンダードというレベルに分かれている
Excel VBAエキスパートの合格率は60%~80%程度で、独学でも充分に合格可能
VBAエキスパート試験に合格するための勉強法はパターンプラクティスが有効

VBAエキスパートの概要

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VBAエキスパートとは、Microsoft 独自のプログラミング言語であるVBA(Visual Basic for Applications)を扱うスキルを証明する認定資格です。株式会社オデッセイ コミュニケーションズが主催・提供しています。

VBAは、ExcelやAccessといったMicrosoft Officeアプリケーションを扱う業務を自動化するマクロを開発するために使用されます。

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VBAエキスパート認定資格が設定されているアプリケーション

VBAエキスパートはExcel、Accessの2つのアプリケーションに対応しています。WordやPowerPointといった他のMicrosoft Office製品でもVBAを利用してマクロを開発・使用することはできますが、これらには認定資格は設定されていません。

WordやPowerpoint に試験が設定されていない理由は、文書やプレゼンテーションといった視覚的な資料を作成することに特化しているアプリケーションだからだといえます。

表計算を得意とするExcelや、簡易データベースを扱うAccessと比べてVBAを活用して効率化できる範囲が狭いため、VBAスキルの需要が少ないのです。

VBAエキスパートのレベル区分について

ExcelとAccessという2つのアプリケーション区分に対して、ベーシックとスタンダードという2つのレベル区分に分かれています。

ベーシックはビジネス一般向けのレベルで、事務・営業・製造管理・品質管理などの職種で利用することを想定されています。

スタンダードはITプロフェッショナル向けのレベルで、SE・プログラマなどの職種で利用することを想定されています。

2014年まではプロフェッショナルというレベル区分が設定されていましたが、廃止され、復活する予定もないとアナウンスされていますので、スタンダードが実質的に最も高いレベルの認定資格ということになります。

対応するアプリケーションやレベルごとに出題範囲、受験料等が異なるため、自分が受験したい試験の概要を事前に確認するようにしましょう。

オープンバッジ(合格認定証)について

VBAエキスパート試験に合格すると、オープンバッジが付与されます。オープンバッジは、国際的な技術標準規格「IMS Global Learning Consortium」に準拠したデジタル証明・認証です。

オープンバッジは「ウォレット」というオープンバッジを管理する専用のWebページに画像として保管されます。オープンバッジの画像には一意のものであることを証明するメタデータが埋め込まれており、オンラインで公開・送信したり、SNSで共有したりすることができます。

【参考】:VBAエキスパート公式-合格認定について

試験に合格すると、2〜4週間以内に受験時に登録したメールアドレス宛に「オープンバッジ授与のお知らせ」メールが届きますので、忘れずにチェックしましょう。

なお、2022年11月30日までは紙の認定証を配布していましたが、現在は終了しており、オープンバッジのみの付与となります。希望者は、カスタマーサービスに問い合わせると有料で発行して貰うことができます。

スタンダードクラウンについて

ExcelとAccess、それぞれのスタンダード認定に合格すると、「VBAエキスパート スタンダードクラウン」に認定され、特別なオープンバッジが付与されます。

これは、VBAを2種類のアプリケーションで活用できるスキルの幅広さと高さを証明するもので、VBAのスキル証明としては最高のものとなっています。

MOS(Microsoft Office Specialist)との違い

Microsoft Officeに関連する資格としては、他にもMOS(Microsoft Office Specialist)がありますが、同じアプリケーションに関連する資格ということで違いが気になる方も多いでしょう。

最大の違いは、プログラミング技能が問われるかどうかです。MOSは、あくまでOffice製品の基本操作や機能などの基礎知識を証明するものであるのに対し、VBAエキスパートはマクロを開発するためのプログラミング言語を扱う能力を証明するものです。

そのため、プログラミングに馴染みがない場合はVBAエキスパートの方が難易度が高くなります。

VBAエキスパートの2つのレベル区分の難易度と勉強法

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VBAエキスパートの試験はExcelとAccessの2つのアプリケーションに対してベーシックとスタンダードの2つのレベル区分の試験が設定されています。

いずれの試験も、コンピューター上で回答を入力するCBT形式で、合格基準は650~800点(1000点満点)となっています。

合格基準に幅があるのは、その時に出題された問題の難易度によって上下するためです。そのため、確実に合格を目指すなら800点以上獲得すると安全でしょう。

出題形式は選択肢の中から正解を選ぶ選択式問題、ドロップダウンリストから正しいコードを選択するドロップダウンリスト形式、VBAコードを読み解いて特定の箇所をクリックするクリック形式、順序を正しく並べ替えるドラッグ&ドロップ形式の4つの形式があります。

それぞれ試験範囲や難易度が異なるため、合格のために必要となる勉強法も変わってきます。ここでは、人気の高いExcel VBAを中心に試験毎の難易度や勉強法について詳しく解説します。

VBA ベーシックの難易度

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VBA ベーシックは、VBAを活用する上で基本的な知識や技術を持っていることを認定します。

そのため、試験ではVBAの概要や基本文法の理解、基礎的なマクロの読解と記述能力があるか等が問われます。

合格率は公表しているデータによるとExcelでは80%となっており、かなり高い合格率です。VBA学習の初めの一歩として、弾みをつけるのに丁度良い難易度だと言えるでしょう。

【参考】:VBAエキスパート公式-試験に関するデータ

VBA ベーシックの勉強法

基礎的な知識や技術を求められる試験であり、難易度も高くありません。業務などで操作に慣れている方であれば、試験範囲に沿って学習すれば独学でも充分に合格できる可能性は高いと言えます。

独学で有効な勉強法の一つが、パターンプラクティスです。パターンプラクティスは、問題集を繰り返し解くことで、問題文と答えの組み合わせを暗記して、正答率を上げる学習方法です。

人間は「思い出す」という行為で記憶が定着する性質があると言われており、パターンプラクティスはその性質を利用した勉強法です。

具体的には、Web問題集や参考書などを購入し、5問単位、10問単位などで繰り返し解いていきます。間違えたところのみ解説などを熟読し、同じ問題を解き直します。これを繰り返して正答率を100%に近づけていくのです。

ただし、パソコンの基本操作にも慣れていないという段階では、この方法のみだと少し難しく感じるかもしれません。その場合は、公式テキストや対策講座を活用して体系的に学習することを検討してみるのもよいでしょう。

VBA スタンダードの難易度

VBA スタンダードは、ベーシックよりも更に高度なマクロの知識・技術を持っていることを認定します。

そのため、試験ではマクロの作成、読解だけではなく、エラー対策やデバッグなども含めたプロフェッショナルな対応力があるかが問われます。

合格率は公表しているデータによるとExcelでは59%で、ベーシックと比べるとかなり難易度が上がっていることが見て取れます。

【参考】:VBAエキスパート公式-試験に関するデータ

VBA スタンダードの勉強法

エラー対策やデバッグといったプロフェッショナルな知識や技術も求められる試験であり、業務で使っているという人でも独学のパターンプラクティスのみでは苦戦するかもしれません。

合格率を高めるためには、テキストや対策講座の受講、セミナーへの参加などによる体系的な学習が必要になってきます。

テキストとしては、試験の提供元であるオデッセイコミュニケーションズが公式テキストを発行しています。学習用のデータが付属しており、試験範囲に沿って実践的に学習が進められるようになっていますので、試験対策の手始めとしては最適です。

【参考】:VBAエキスパート公式-対策教材

講座やセミナーによる学習は、実際に手を動かしながら学べるため、より知識が定着しやすくなります。学習講座は各種学習サイトでも販売されていますし、体系的に学ぶことが難しいかもしれませんが、初めは無料で視聴できる動画サイトなどで探してもよいでしょう。

VBAエキスパートの過去問について

VBAエキスパートでは、過去問は公開されていません。ただし、科目別にサンプル問題が10問用意されていますので、実際の試験問題の雰囲気を掴むことができます。

無料で利用できますので、是非利用しましょう。例えば、Excel VBA ベーシックのサンプル問題は下記のURLから挑戦できます。

【参考】:VBAエキスパート公式-サンプル問題:Excel VBA ベーシック

Access VBAエキスパートについて

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公式が公表しているデータによると、VBAエキスパートの受験者の割合では90%をExcel VBAが占めており、Accessはベーシックとスタンダードを合わせても全体の10%に留まっています。

【参考】:VBAエキスパート公式-試験に関するデータ

このデータからは、Excelと比較するとAccessを扱う業務や職場が少なく、エキスパート資格の需要も少ないということが読み取れます。

合格率もベーシックで58%、スタンダードで47%とExcelよりも10%以上低くなっており、難易度が高いことが窺えます。

VBAという同じ言語を扱うため、勉強法はExcelと大きく変わりませんが、アプリケーションとしては表計算ソフトであるExcelとデータベースを扱うAccessは大きく違うものです。

もしExcelのスタンダードを取得済みで、Accessのベーシックを取得しようという場合でも、全く別のスキルとして意識して学習を進めた方がよいでしょう。

VBAエキスパートを取得して業務効率スキルを磨こう

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Excelは企業だけでなく、個人レベルでも幅広く利用されているアプリケーションです。VBAを知らなければ手作業で何時間もかけて行っていた業務を、マクロで短時間で自動的に処理できるようになれば、生産性は飛躍的に向上します。

VBAエキスパートを取得すれば、こうしたスキルがあることの客観的な証明になります。是非効率的に学習して合格し、業務効率化のプロフェッショナルを目指しましょう。

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