VBAエキスパートとは

VBAエキスパートとは、ExcelやAccessなどのMicrosoft Officeのソフトウェアで用いられる独自のプログラミング言語であるVBAを取り扱うスキルを証明する認定資格です。
VBAを利用すると、操作を自動化し、便利な機能を実装するためのマクロを開発できます。
【参考】:VBAエキスパート公式
VBAを学習するメリット
ExcelなどのOffice製品は、IT業界はもちろん、その他の分野でも幅広く利用されています。日々の業務でExcelを利用する場合は、手作業で行っていた業務を自動化・効率化することができれば、人件費を大幅に削減することも可能なため、VBAは習得して損のない需要の高いスキルと言えます。
例えば、データの入力・チェック・集計・グラフ作成、請求書作成・印刷・メールの一括送信など、VBAエキスパートは手作業でやると時間もかかり、ミスも多くなってしまう作業を自動化することができます。
こうした業務効率に関する課題を抱えている職場は今でも少なくありません。これらの課題をプログラミングによって、一挙に解決できるVBAスキルを持った人材は重宝されるでしょう。
取得する意味がないと言われている理由

VBA自体はとても需要の高いスキルですので、VBAエキスパートのような認定資格も就職や転職に有利になると期待して受験する人が少なくありません。しかし、認定資格の効力については疑問視する声もあります。
ここでは、VBAエキスパートが就職や転職に有利とは限らないという意見の理由について解説します。
採用担当者の視点から見たVBAエキスパート
就職や転職に有利になるかどうかは、採用担当者がどういった人材を求めて採用活動を行っているかを考えると見えてきます。
企業は事業の成長を目標として掲げており、採用担当者は事業の成長に必要な人材を確保することが使命です。そのため、人間像を除いたスキル面での採用基準は、事業の成長に必要な業務を遂行する能力があるか、ということになります。
VBAエキスパートは、事務や総務など、業務でExcelを主に扱う職種であれば評価される一方で、SEやプログラマーなど、Excel以外の技術力の方が重要となる職種ではあまり評価されないケースがあります。

PCスキルの延長線上と認識されがち
VBAはあくまで、Excelなどの業務用ソフトを効率的に扱えるというもので、PCスキルの延長線上にあるスキルと認識されることが少なくありません。
そのため、履歴書にVBAエキスパートという資格を持っていることをアピールしても、「Excelの扱いが得意な人材」という程度の捉え方をされるだけで、特別なスキルを持った人材として採用担当者に意識されることは少ないでしょう。
民間資格であるため軽視されがち
VBAエキスパートはMicrosoft社が提供する民間資格です。民間資格は国家資格と比較すると法的な裏付けがなく、単なる検定合格者として見られてしまう側面があります。
試験合格のために勉強したという学習意欲は評価される可能性がありますが、VBAエキスパートという民間資格自体を大きく評価されることは少ないかもしれません。
資格を取得せずともVBAスキルのアピールは可能
VBAはOfficeソフトの効率化という性質上、小規模な開発でも成果が目に見えてわかります。即効性がある言語なため、他のプログラミング言語と比べてもモチベーションを保ちやすく、独学でも実用的なマクロの開発を習得することは難しくありません。
ある程度VBAを活用できる自信があれば、VBAエキスパートという資格を履歴書に記載しなくてもPR欄にVBAが得意なことをアピールしたり、面接時に口頭でアピールしたりすれば採用担当者には充分に伝わるでしょう。
競合ツールのシェアが伸びてきている影響
日本では、オフィスツールといえばMicrosoft Officeがシェアの大半を占めていました。現在でもOfficeはトップシェアの位置にいますが、一部では脱Officeや脱Excelと呼ばれる取り組みが生まれるなど、絶対的ではなくなってきています。
Google Workspaceなどの競合ツールのシェアも徐々に伸びてきており、今後はMicrosoft Officeを全く使わない職場が増えるかも知れません。
そうなると、Microsoft Office専用の言語であるVBAを活用することができないため、職場によっては宝の持ち腐れになってしまうでしょう。

受験費用の経済的負担と費用対効果
VBAエキスパートは受験費用も安くはありません。対応するソフトウェアであるExcelとAccessそれぞれにベーシックとスタンダードという2つのランクが用意されており、いずれも受験費用は1万円以上に設定されています。
【参考】:VBAエキスパート公式
それでも1回の受験で合格できればよいのですが、不合格となると更に受験費用がかさんでしまうため、経済的な負担が大きくなってしまいます。
就職や転職に特別な強みのある資格ではないという評価を考えると、入社してから取得することも視野に入るでしょう。
近年では合格時の受験費用を会社負担としたり、資格手当てを設定していたりといった資格取得支援制度を持つ企業も少なくありません。
VBAエキスパートを取得するメリット

ここまで、VBAエキスパートが「取得しても意味ない」「役に立たない資格」とされる理由を解説してきました。理由の一つ一つは全く根拠のない感想というわけではなく、VBAエキスパートという資格を取り巻く現実だといえます。
それでは、VBAエキスパートを取得する意味は全くないのでしょうか。ここからは、VBAエキスパートを取得するメリットや、VBAスキルを求められる職種について解説します。
VBAスキルが活躍する職場
VBAは、ExcelやAccessといったシェアの高いオフィスツールをより効率的に扱うためのプログラミング言語です。
そのため、ExcelをAccessを業務で利用しており、業務効率化が進んでおらず手作業で実施している業務の多い職場では、それらをVBAマクロによって自動化することで、作業時間を大幅に短縮するなど大活躍が期待できます。
例えば、従業員の個人情報や給与・経費計算などを扱う総務・人事・経理職や、月次データや売れ筋商品の分析をする営業やマーケティング職、製品の製造データを管理する品質管理・製造管理職などは日々ExcelのワークシートやAccessのデータベースと格闘している職種です。
自動化によって人為的なミスが減れば手戻りが少なくなりますし、作業時間が短縮されれば、人件費も大きく削減することができます。
余分なコストの削減はあらゆる企業にとって大きな課題であるため、こうした業務効率化による貢献は、場合によってはサービス開発以上に高い価値を生むこともあります。
他の言語やスキルと併せてアピールするなら付加価値になる
業務効率化はしたいけれど、VBAプログラマーを専任で雇うことまでは考えていないという企業は少なくありません。
そのため、本来の業務に必要な他の言語やスキルを習得し、それにプラスしてVBAスキルがあることをアピールすることは有効です。
特に、ExcelやAccessを操作するライブラリを備えている言語とは相乗効果が高いため、より高度な業務効率化を実現できるようになります。併せて習得するのがおすすめです。
VBAスキルそのものを求められる職場に応募する
他のプログラミング言語と比べて数が少ないとはいえ、「VBAプログラマー募集」など、VBAスキルを持つ人材を募集する求人は存在します。そういった求人に応募する場合は、VBAエキスパートは一定の評価を受ける可能性があります。
VBAを活かした業務効率化をメインに仕事をしたいという場合は、VBAエキスパートを取得しつつ、そういった求人を中心に応募するのは有効と言えるでしょう。
VBAを体系的に学ぶ教材としてのVBAエキスパート
VBAエキスパートが就職や転職に強みが少ないとしても、VBAスキル自体の利用価値は小さくありません。そして、VBAスキルを体系的に学ぶ上では資格取得は良い目標になり得ます。
認定資格は、実務レベルの知識や技術があることを証明するものであるため、試験範囲そのものが実務で学ぶべきスキルのガイドラインと見ることができます。
また、試験の合格を一旦のマイルストーンと定めて、受験日という締め切りに向かって学習を進めることは、モチベーションの維持や達成感の獲得という意味でも良い影響が得られるでしょう。
資格の価値は自ら作り出せる

VBAエキスパートを取得する意味については、否定的な意見も多数ありますが、VBAスキル自体はMicrosoft Officeのシェアの高さも相まって需要の高いスキルです。
VBAエキスパートの資格自体を必須条件に挙げる企業や求人は多くありませんが、業務効率化の価値を理解してくれる職場では、大きな付加価値として重宝されるでしょう。
VBAエキスパート資格の保持者として人件費削減に貢献するなどの成果を挙げれば、いずれVBA資格の価値も見直され、ペーパー資格などと言われることもなくなるかもしれません。
世間の評判や、就職や転職に有利かどうかにこだわらず、フラットな視点でみればVBAエキスパートの価値がみえてくるはずです。


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