データ分析実務スキル検定とはどういった試験?
IoTの浸透によりビッグデータがいたるところで得られるようになった今、データ分析の重要性はますます高まっています。そのデータ分析力を測る資格の1つに「データ分析実務スキル検定」という資格があることをご存知でしょうか。
データサイエンティストを目指す方の中には、資格の存在は知っているものの、詳細までは分からない方も多いのではないでしょうか。本記事では、データ分析実務スキル検定についてその試験概要や勉強方法を紹介するとともに、同資格が活かせる仕事も紹介していきます。
データ分析のビジネス面での実務能力を問う試験
「CBAS」とも略される同検定は、データサイエンティストが実務で行う専門的なデータ解析スキルを測るのではなく、データサイエンティストと共に仕事を進められる知識があるかを試す資格です。
具体的には、データ分析プロジェクトをとりまとめるプロジェクトマネージャーや、データ活用推進企業の一般社員を対象としています。
データ分析の重要性が高まっている今、この資格は幅広い職種で活かせると言えるでしょう。もっとも、データサイエンティストを目指すにあたっての入門資格としても活かせます。
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データ分析実務スキル検定とは
改めてCBASとして知られるデータ分析実務スキル検定について、どのような資格試験なのかその概要を説明します。本資格は株式会社データミックスが主催する民間のIT資格です。
試験の概要
データ分析実務スキル検定は前述したように、データ分析を専門とするデータサイエンティストを対象にした資格ではなく、同職種を取り巻く人材を対象とした資格です。その対象はプロジェクトマネージャーなどの管理職だけでなく、営業や事務も含まれます。
検定にはプロジェクトマネージャー級とシチズン・データサイエンティスト級があり、それぞれ試験内容も受験料も異なります。また、CBT方式を採用しており、各々が好きなタイミングで受験することが可能です。
【参考】:データ分析実務スキル検定
試験の出題範囲と難易度
データ分析実務スキル検定は現在2種類存在し、それぞれの検定は出題範囲も難易度も異なります。以下にそれぞれの検定の概要と出題範囲を記述します。
■シチズン・データサイエンティスト級
データサイエンスの専門家ではないビジネスパーソンを対象とした試験です。Excelを使ってデータを解析する実技能力が求められています。具体的な出題範囲は以下のような形です。
- データのグラフ化や集計値の意味
- データ前処理、抽出、可視化、関係性や要因の分析などデータハンドリング
難易度として、合格率は公表されていませんが、80分で20問のExcel実技問題を解く形なので、Excelに慣れていればそれほど難しくはないと考えられます。
■CBAS プロジェクトマネージャー級
データサイエンスの専門家ではなく、データサイエンスがどのようにビジネスに活用できるかを理解している人材を対象とした試験です。実際のデータ分析の流れに沿って問題が出題されます。具体的な出題範囲としては以下のような形です。
- データ分析プロジェクトの立ち上げ方
- SQLや可視化手法によるデータ準備
- RやPythonによるデータ分析
- 機械学習手法や統計学手法の使い分け
こちらも難易度としての合格率は公表されていませんが、専門家に向けた試験で求められる複雑かつ難解な内容ではなく全般知識が求められることから、出題されそこまで難易度は高くないと考えられます。選択形式であり90分で60問解くため、あまり考えている時間はありません。
正しい知識をすぐにアウトプットできる力が求められます。
【参考】:CBAS プロジェクトマネージャー級
資格取得者の年収
データ分析実務スキル検定を突破すればどの程度の年収が期待できるのでしょうか。本検定に限定せず、データ分析スキルの延長にあるデータサイエンティストを製品開発/研究開発として考えて見ていきます。
製品開発/研究開発エンジニアの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は477万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のSE・プログラマ(顧客向けシステムの開発・実装)を参考にすると、平均年収593万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、製品開発/研究開発エンジニアは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
データ分析を活用した研究開発は今後も需要が高まり、長期的な視点で見れば年収アップも期待できるでしょう。本検定を突破してデータ分析力を高めておくことで、自身の付加価値を高めることもできます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
試験の勉強方法
検定の概要がわかったところで、本検定に対する勉強方法を紹介します。難易度はあまり高くないと述べましたが、対策をしなければ合格は難しく、データ分析関連の入門者にとってはなおのこと油断できません。
公式テキストを勉強する
勉強方法として最も効率が良いのは、公式が発行しているテキストを活用することでしょう。データ分析実務スキル検定は2020年から開始された新しい資格試験であり、情報も多くなく、過去問も入手できないため、試験対策方法が少ないのが現状です。
公式のテキストであれば学習範囲も出題範囲に合わせられて効率が良く、出題形式にも合わせた問題を解くことで過去問学習に近い勉強を行うこともできます。
■データ分析実務スキル検定 公式テキスト ▪著者:株式会社データミックス ▪ページ数:512ページ ▪出版社:株式会社インプレス ▪発売日:2021/9/22 【参考】:データ分析実務スキル検定 公式テキスト
オンラインの対策講座を受講する
少ない試験対策の中で、オンライン対策講座を受講するという方法もあります。テキストよりも費用はかかりますが、講義を通じて耳で説明を聞くことができるため、より理解がしやすいでしょう。
日本能率協会が開催する「データ分析実務スキル検定試験(試験対策eラーニング付)」は、検定試験そのものとセットでオンライン講義を受けることができます。こちらの講義ではやや理解しづらい機械学習に重点を置かれています。
【参考】:データ分析実務スキル検定試験(試験対策eラーニング付)
データ分析実務スキル検定が活かせる仕事
試験対策の方法を紹介してきましたが、実際のところデータ分析実務スキル検定はどのような仕事に活かせるのでしょうか。具体例を2つ紹介します。
データサイエンティスト
データ分析と言えばデータサイエンティストを思い浮かべる方が多いでしょう。本検定の対象はデータサイエンティストを取り巻く人材であるため、直接的に活かせるわけではありませんが、同職種を目指す方にとっては始めの一歩になると言えます。
データ分析を専門とするには数学や統計学の知識が必要不可欠であり、AIに関しても難解な理論を理解していく必要があります。データ分析の入門者が、そうした難しい理論からスタートしてしまうと挫折して諦めてしまう可能性もあります。
本検定のような比較的易しい資格からスタートすればそうした挫折を避けることもできるでしょう。
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データ分析に関わる職種全般
データサイエンティストのような専門家を目指すのでない場合でも、本資格はその対象像が表している通り、データ分析に関わる職種全員が活かすことができます。
多くの企業ではビッグデータの活用を含めてデータ分析の重要性は高まっており、データサイエンティストを中心としたプロジェクトが立ち上がっている企業もあるでしょう。そうした企業ではデータサイエンティストを取り巻く営業・事務・プロジェクトマネージャー全てが、データ分析に関しての知見がなければなりません。
本検定はそういった知見を持っていることをアピールすることができるため、社内外で自身に付加価値があることを示すことができます。
データ分析実務スキル検定でスキルアップしよう
本記事ではデータ分析実務スキル検定について、その試験概要を説明するとともに、勉強方法や活かせる仕事を紹介しました。データサイエンティストを目指す第一歩としても、データ分析力の社内外へのアピールとしても活用できるのではないでしょうか。
こうした検定を突破し、データ分析に関わる新たな仕事に就きたいと考えた際には、どのようにして自分に合った求人を見つければよいのでしょうか。数多くある求人からそのような企業を見つけることは非常に困難です。
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