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プライベートクラウドにおけるセキュリティ対策の重要性を解説
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プライベートクラウドにおけるセキュリティ対策の重要性を解説

アンドエンジニア編集部
2024.09.08
この記事でわかること
プライベートクラウドは、特定の組織が所有・管理する専用のクラウドインフラである
プライベートクラウドにも、様々な脅威や攻撃、データ漏洩などのリスクが存在する
プライベートクラウドは様々なセキュリティ対策に対応できるサービスを選択しよう

プライベートクラウドのセキュリティ対策

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プライベートクラウドと聞くと、例として思い浮かべるのはクラウドサービスのAWSやAzure、GCPではないでしょうか?

プライベートクラウドとは、特定の組織や個人が所有・管理する専用のクラウドインフラストラクチャーです。パブリッククラウドとは異なり、オンプレミスのように自社で管理を行いつつ高いセキュリティを確保できる利点があります。

この記事では、プライベートクラウドにフォーカスして、セキュリティ課題への対応について解説します。クラウド利用を検討されている方、クラウドサービスに関心がある方はぜひ参考にしてください。

【参考】:情報白書平成30年番|クラウドサービスの概要 | 総務省 【参考】:プライベートクラウドとは? - プライベートクラウドの説明 |AWS

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プライベートクラウドとパブリッククラウドの違い

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プライベートクラウドとは具体的に何を指すのでしょうか?ここでは、プライベートクラウドとパブリッククラウドを比較しながら、プライベートクラウドに関する理解を深めていきましょう。

【参考】:パブリッククラウドとプライベートクラウド - コンピューティング環境の違い|AWS

プライベートクラウド

プライベートクラウドはパブリッククラウドとオンプレミスの長所をあわせ持った方式と言えます。以下、専有性・柔軟性・セキュリティの観点からそれぞれを見てみましょう。

■ 専有性 企業が自社専用のクラウド環境を構築し、社内の部署やグループ会社に提供します。クローズドな環境で、クラウドを専有しています。

■ 柔軟性 自社の要件に合わせて独自のクラウド環境を構築できます。

■ セキュリティ 独自のセキュリティポリシーを適用でき、外部からの不正アクセスのリスクを低減できます。

パブリッククラウド

パブリッククラウドには目的や用途によっては、様々なメリットがあります。共有性・導入スピード・柔軟性の観点からそれぞれ見てみましょう。

■ 共有性 不特定多数の個人ユーザや企業が利用できるオープンな環境です。

■ 導入スピード 初期費用の発生もなく、オンラインで即時導入可能です。

■ 柔軟性 従量課金制のため利用に応じて料金が発生し、ワークロードの変化に応じて必要なリソースが提供されます。

プライベートクラウドとオンプレミスの違い

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プライベートクラウドはクラウド上に設けられた自社専用の環境ですが、オンプレミスとは異なる点がいくつかあります。それらの違いを明確にしておきましょう。

初期コストと導入までの時間

プライベートクラウドの初期コストはオンプレミスより安く、導入までの時間は早いです。一方、オンプレミスは初期コストが高く、導入に時間と労力がかかります。

カスタマイズ性

プライベートクラウドはカスタマイズ性が高いため、自社の要件に合わせてシステムを構築できます。一方、オンプレミスは自社でシステムの設置場所やインフラを用意しますので、プライベートクラウド以上にカスタマイズが可能です。

セキュリティ

プライベートクラウドはクラウドサービス側の高いセキュリティがベースにあり、独自のセキュリティを追加することで、高いセキュリティを保つことができます。一方、オンプレミスも自社のネットワーク内でシステムの運用を行うため、セキュリティ面は優れています。

プライベートクラウドのメリット

プライベートクラウドのメリットを挙げてみましょう。プライベートクラウドは、以下のようなメリットがありますので、何を主たる目的にしたいのかを明確にし、自社のニーズに合ったクラウドサービスを選ぶことが大切です。

■ 予測可能なコスト プライベートクラウドは資産ではなく費用として計上されるため、総費用が予測しやすく、コストコントロールがしやすいというメリットがあります。

■ 資産効率の向上 プライベートクラウドは資産を増やさないため、自社の資産効率が高まります。

■ 柔軟なアクセス プライベートクラウドはセキュリティを確保しながら、社外からも簡便にアクセスすることができるため、オンプレミス環境よりも柔軟に利用することができます。

プライベートクラウドにおけるセキュリティの課題

プライベートクラウドには以下のセキュリティ課題があります。その構築にあたっては、これらの課題をクリアすることが求められます。

■ パブリッククラウドとのセキュリティ上の違い プライベートクラウドとパブリッククラウドは異なるセキュリティ上の特性を持っています。パブリッククラウドでは、クラウドプロバイダーがインフラストラクチャーを提供し、多くのテナントが共有します。

一方、プライベートクラウドは専用で運用されるため、セキュリティの観点で異なるアプローチが必要です。

■ プライベートクラウド特有のセキュリティリスク プライベートクラウドでも、内部からの脅威や外部からの攻撃、データ漏洩などのリスクが存在します。これらに対して適切な対策を講じる必要があります。

プライベートクラウドのセキュリティ対策の重要性

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プライベートクラウドのセキュリティ対策は重要です。以下の観点から具体的な対策を説明します。

規制遵守の観点から

特定の業界や地域には規制があります。プライベートクラウドのセキュリティ対策は、これらの規制を遵守するために不可欠です。

事業継続性の観点から

プライベートクラウドは企業の重要な業務を支えるため、セキュリティ対策は事業継続性に直結します。障害や攻撃に対する備えを整える必要があります。

情報資産の保護の観点

データセンターは企業の貴重な情報資産を保管しています。データセンター側としても、これらを適切に保護することが求められますが、プライベートクラウドを利用する側としてもその情報資産を毀損することがないよう最大限留意することが求められます。

プライベートクラウドのセキュリティ対策項目

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ここでは、プライベートクラウドにおけるセキュリティ対策項目と、具体的な方法について解説します。どの項目も重要ですので、一覧にしてチェックリストとして利用することをおすすめします。

【参考】:クラウドサービス提供における情報セキュリティ対策ガイドライン|総務省

アクセス管理

アクセス管理はプライベートクラウドのセキュリティにおいて重要です。以下のポイントを考慮します。

■ 認証方式 多要素認証などの強力な認証方式を採用します。

■ 権限管理 最小権限の原則に基づいて、ユーザに必要な権限のみを付与します。

■ セッション管理 セッションの有効期限やタイムアウトを設定します。

■ 具体的なツール プライベートクラウドではクラウドセキュリティの門番と言われる管理ツール、Identity and Access Management(IAM)などの製品を使用します。

【参考】:クラウド セキュリティの門番 IAM とは? ~ IT 担当者に必要な知識をオールインワンで解説~|Microsoft for business

ネットワークセキュリティ

プライベートクラウドのネットワークセキュリティを強化するために以下の対策を実施します。

■ ファイアウォール ファイアウォールを設置して不正なトラフィックをブロックします。

■ VPN 仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用してセキュリティを確立します。

■ IDS/IPS インライン侵入検知システム(IDS)および侵入防止システム(IPS)を導入します。

■ セグメンテーション ネットワークをセグメントに分割して攻撃範囲を狭めます。

データのセキュリティ

データのセキュリティを確保するために以下の対策を実施します。

■ データの暗号化 データの暗号化を行い、機密情報を保護します。

■ バックアップ データの定期的なバックアップを取得して災害時の復旧をサポートします。

■ 災害対策 データの冗長性を確保し、災害発生時に備えます。

パッチ管理

OSやミドルウェアの脆弱性対策を行うために以下の対策を実施します。

■ 自動化ツール Ansibleなどの自動化ツールを使用してパッチ適用を効率化します。

【参考】:ホームページ | Ansible コラボレーション

ログ管理

ログ管理によりセキュリティインシデントの早期検出と対応を行います。

■ ログの収集・分析 セキュリティログを収集し、異常を検出します。

物理セキュリティ

データセンターのセキュリティ対策として、監視カメラや入退室管理を実施します。従業員のセキュリティ意識向上を促進します。

その他

ここまで、プライベートクラウドのセキュリティ対策として様々な対策を挙げてきましたが、他には以下に挙げるような対策が重要です。

■ 継続的なセキュリティ監査 定期的にセキュリティ監査を実施し、システムやネットワークの脆弱性をチェックします。この監査により、潜在的なリスクや脆弱性を早期に発見し、対策を講じることができます。これを継続することで、セキュリティ環境を最新の状態に保ち、外部攻撃や内部からの脅威に対する防御を強化できます。

■ インシデント対応計画 インシデント対応計画とはセキュリティインシデントが発生した際に迅速かつ適切に対応するための手順をまとめた計画です。具体的には、初期対応や被害の拡大防止、原因の調査、復旧手順などが含まれます。

この計画によって、重大なセキュリティインシデントが発生した場合でも、事業継続性を確保し、被害を最小限に抑えることができます。

■ セキュリティ意識の啓発 従業員に対して定期的なセキュリティ教育やトレーニングを実施し、最新の脅威やセキュリティ対策についての理解を深めます。フィッシング対策や安全なパスワード管理など、日常的に実践できるセキュリティ習慣を身につけさせます。

これらにより、人的ミスによるセキュリティリスクを減少させ、全体的なセキュリティ意識を向上させることを目指します。

最適なプライベート環境を目指そう

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ここまで、プライベートクラウドのセキュリティ対策として、プライベートクラウドの特徴や、具体的なセキュリティ対策について解説してきました。

プライベートクラウドはカスタマイズ性とセキュリティの高さが特徴ですが、その反面、全てのセキュリティ責任が企業にかかります。ここで挙げたようなセキュリティ対策を容易に選択できるクラウドサービスを選択することも重要です。

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