Windows11をスリープさせない設定
Windows11のスリープ機能は、パソコンの電源をオフせずに作業内容をメモリに保存し、短時間で復帰できる状態にする省電力機能です。スリープ状態になると、パソコンは最小限の電力で動作するため、バッテリーの消耗を抑えることができます。
また、電源オフと異なり、スリープ状態から復帰する際はすぐに作業を再開することができます。スリープ機能はさまざまなメリットがある反面、「席を外していたら意図に反して勝手にスリープ状態になった」という不満の声もあります。
それは、Windows10やWindows11では、一定時間パソコンの操作が行われていないと、自動的にスリープ状態になるように初期設定されているからです。
会社など多くの人が集う中では、セキュリティの観点から自動的にスリープ状態に移行するのは必要ですが、テレワーク等で1人で作業をしている時に、勝手にスリープ状態になるのは作業効率を阻害する原因になります。
この記事では、スリープのメリットとデメリット、スリープ設定の方法や自動的にスリープ状態にさせない設定などについて紹介します。自動スリープに関する問題を解消したい方はぜひ参考にしてください。
【参考】:デバイスで電源とスリープの設定を調整するWindows|Microsoft サポート
Windows11でスリープを有効にするメリットとデメリット
Windows11のスリープ機能にはさまざまなメリットがある反面、デメリットも少なからず存在します。ここでは、そのメリットとデメリットについて確認しましょう。
スリープを有効にするメリット
Windows11でスリープ機能を有効にする主なメリットとしては、以下の3点が挙げられます。1つずつ見ていきましょう。
1. 素早い復帰 スリープ状態から復帰する際、パスワード認証などの手間をかけずに、すぐに作業を再開することができます。これにより、短時間の休憩や、ちょっとした作業の合間にパソコンを利用する場合には大変に便利です。
2. 作業の継続 スリープ中は作業中の状態をメモリに保持するため、電源をオフにしても作業を継続することができます。これは、長時間の作業を中断せずに済ませたい場合に役立ちます。
3. 省電力 スリープは、シャットダウンと比較して消費電力が少なく済みます。短時間のパソコン使用を想定している場合、スリープを利用することでバッテリーの消耗を抑制できます。また、パソコンは起動や再起動で大きな負荷を受けるため、故障の原因を排除する目的でもスリープはパソコンに優しいとも言えます。
スリープを有効にするデメリット
Windows11でスリープ機能を有効にすると、便利な反面、いくつかの問題点やデメリットも存在します。以下に、代表的な問題点を紹介します。
1. バッテリーの消耗 スリープ状態はパソコンが完全に電源オフになるわけではないため、バッテリーを多少消費します。長時間のスリープを想定している場合は、バッテリーの消耗が早くなる可能性があります。
2. セキュリティリスク スリープ状態になると、パソコンにロックをかける設定にするのは可能ですが、それで完全に安全とは限りません。パスワードが弱い場合や、セキュリティ対策が不十分な場合、悪意のあるユーザがパソコンに侵入する可能性があります。
3. 予期せぬ動作 稀にスリープ状態から復帰した際に、一部のソフトや機能が正常に動作しないことがあります。また、システムエラーが発生する可能性もゼロではありません。
4. 長時間のダウンロードへの影響 長時間のダウンロード中にスリープ状態になると、ダウンロードが中断される可能性があります。重要なダウンロードを長時間行う場合は、スリープ機能を無効にすることをおすすめします。
5. 作業中断 一定時間操作していなかったり、Wake on LAN等でスリープから復帰したりした後に、すぐにスリープモードに入ることがあります。このため、予期せぬ作業中断となり、作業効率に影響を及ぼすことがあります。
Windows11でスリープさせない設定にする方法
Windows11をスリープさせない設定の方法としては、主に設定アプリを使う方法と、レジストリを書き換える方法の2通りがあります。レジストリ操作は失敗した場合にWindows11のシステムに重大な問題が発生する可能性がありますので、対処できる方が自己責任で行いましょう。
また、スリープ設定を変更しても、すべての状況でスリープが完全に無効になるわけではありません。例えば、一定時間操作がない場合や、ノートパソコンでバッテリー残量が少なくなった場合などには、自動的にスリープ状態になることがあります。
設定アプリを使って設定する
以下の手順に従ってスリープの設定を変更します。ここで紹介する操作手順は、Windows11 Pro (version 24H2)のものです。利用中のパソコンとは多少画面が異なる可能性があります。
1.スタートメニューを右クリックし、「設定」を選択します。
2.設定画面の左メニューから[システム]を選択し、右メニューで [電源とバッテリー]を選択します。
3.[画面とスリープ、休止状態のタイムアウト]の項目で、「電源に接続している場合」の各項目をすべて「なし」に設定します。バッテリー使用時については、スリープまでの時間をそれぞれ任意の時間に設定します。
【参考】:「後で画面をオフにする」はスリープとは異なり、ディスプレイの電源を自動的にオフにする機能です。バッテリー消費を抑えたい場合には有効ですが、プレゼンテーション等の際にはオフにしておくことをおすすめします。
■ スリープと休止の違い スリープと休止は何が違うのでしょうか?一覧にしてみましたので、違いが気になる方は参照してください。
レジストリエディタでスリープ設定を変える
スリープの設定はレジストリ操作で可能です。ただし、レジストリ操作はリスクがありますので、上級者で操作に自信がある方が自己責任で行ってください。
1.レジストリエディタを起動します。スタートボタンを押してスタートメニューを開き、画面上部の検索窓に「reg」と入力すると、その下にレジストリーエディターが表示されます。レジストリーエディターを選択し、右のレジストリーエディターのメニューで「管理者として実行」をクリックします。
2.レジストリーエディターが起動したら、アドレスバーに次の値を貼り付けます。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Power\PowerSettings\238c9fa8-0aad-41ed-83f4-97be242c8f20\7bc4a2f9-d8fc-4469-b07b-33eb785aaca0
3.右ペインのAttributesをダブルクリックし、値のデータを「2」にして、OKを押してレジストリーエディターを終了させます。続いてパソコンを再起動します。
4.パソコンを再起動したら、スタートメニューの検索窓より「電源オプション」と入力すると、「プラン設定の変更:パランス」のウィンドウが表示されますので、画面左下の「詳細な電源設定の変更」のリンクをクリックすると、電源オプションの詳細設定画面が表示されます。
「スリープ」の項目に、「システム無人スリープ タイムアウト」の項目が追加されており、「バッテリ駆動」、「電源に接続」のいずれも値が入っていますが、これをゼロにすることで、一定時間後に突然スリープする、スリープが直らないといった事象は解決します。
【補足】:無人スリープタイムアウトはスリープ解除後に操作が一切ない場合に、自動的に再度スリープモードに移行する機能です。この設定は初期の状態では表に出ておらず、スリープ設定をしても反映されない、無効にならないというトラブルの原因になっています。
ノートパソコンを閉じてもスリープさせない
ノートパソコンはカバーを閉じると、自動的にスリープになるよう設定されています。これを無効にする方法を紹介します。スタートメニューを右クリックし、「設定」を選択します。
続いて「システム」→「電源とバッテリー」→「カバーと電源 個のボタンコントロール」を選択し、表示された選択画面から「カバーを閉じると、PCが」の項目をクリックし、表示された選択肢から「何も行わない」をクリックします。
これで、ノートパソコンは閉じてもスリープしなくなります。
【参考】:PC をシャットダウン、スリープ、休止状態にする|Microsoft サポート
Windows11のスリープ機能を上手に使って最適環境を
この記事では、スリープのメリットとデメリット、スリープ設定の方法や自動的にスリープ状態にさせない設定などについて紹介しました。
スリープ機能は目的や使い方によって、メリットとなったり、デメリットになったりすることが分かりました。スリープ機能の利用方法をマスターし、常にスリープ機能を上手に利用して、パソコンの最適利用を図りましょう。
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