Windows11がスリープから復帰しない場合は?対処方法を解説
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Windows11がスリープから復帰しない場合は?対処方法を解説
アンドエンジニア編集部
2023.01.18
この記事でわかること
スリープ機能は、省電力であり再起動が速い特徴がありますが、復帰しない報告もあります
スリープから復帰する条件には、多くの要素が関係しており、復旧手順が複雑です
手順を学ぶことで、トラブルシューティングの知識向上と、スリープ機能の安定化が期待できます

Windows11がスリープから復帰しない場合は?

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Windows 11にはスリープ機能があり、使い勝手と省エネルギーの両立が期待できます。ところが、まれにスリープ死とも言われるスリープから復帰しない状態となる場合があります。ここでは、スリープからの復帰方法について解説します。

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そもそもスリープとは

スリープとは、Windowsの状態の1つで、一定期間マウスやキーボードの操作がされない場合に、未使用状態と判断して省電力モードに遷移する仕組みです。この状態では、完全に電源が切れているわけではなく、バッテリーでメモリー内容が保持されます。

バッテリーが少なくなってきたら、スリープ状態から休止状態へ遷移し、電源が完全に切れている状態に近づけます。この機能をハイブリッドスリープと言います。

スリープから復帰する条件

スリープから復帰する条件は、いくつか用意されています。例えば、PCの物理的な電源ボタンやスリープボタンを押すことでスリープ状態に移行し、再度ボタンを押して復帰するなどです。ノートPCのカバーを閉じたり開いたりしても同様の操作が可能です。

他にも、スリープ状態にマウスやキーボードを操作することで復帰することもできます。

なぜスリープから復帰できないのか

スリープからの復帰は、ハードウェアのイベントを割り込みとして検出し、電源の供給を通常のモードに遷移させて行います。そのため、使用するハードウェアに問題がある場合は動作に影響を及ぼします。具体的なハードウェアには、電源回りの回路やユニット、キーボードやマウスなどがあります。

この他に、接続されている周辺機器が影響を与える場合があります。ソフトウェアとしては、システムソフトウェアや動作中のアプリケーションにより、動作不具合が生じることもあります。

スリープの確認と設定

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ここからは、スリープに関係する項目の確認や設定を図解で説明していきます。関連しているツールは、確認する部位別にそれぞれ提供されています。少々複雑な手順もありますので、できるだけ実機で確認することをおすすめします。

電源オプションの設定確認

電源オプションは、コントロールパネルから行います。次の図をご覧ください。コントロールパネルは、いくつかの起動方法がありますが、ここでは最もシンプルな方法を紹介します。

最初に「スタート」を右クリックし、メニューを表示します(①)。ここで「ファイル名を指定して実行」をクリックします。入力欄には、”control”と入れて「OK」をクリックします(③④)。コントロールパネルが開いたら、右下の「電源オプション」をクリックします(⑤)。

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 【図】:コントロールパネルの起動方法

なお、「ファイル名を指定して実行」は「Windows」+「R」のキーを押すことでも表示できます。合わせて覚えておきましょう。

「電源オプション」が表示されたら次の通り、「プラン設定の変更」をクリックし、続いて「詳細な電源設定の変更」をクリックします(①②③)。

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 【図】:電源オプションの「詳細な電源設定の変更」

「詳細な電源設定の変更」では、個別に詳細な電源設定の確認や変更ができます。ここでは、項目からスリープの項目(①②③④)、USBの項目(⑤⑥)を確認します。それぞれの項目の内容は「+」ボタンの中にありますので展開して確認しましょう。

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 【図】:「詳細な電源設定の変更」のスリープに関する設定確認

スリープの項目では、スリープの時間や解除タイマー、ハイブリッドスリープの設定などを確認できます。ここでは、想定している時間が設定されているか確認します。切り分けのために、「ハイブリッドスリープを許可する」を「オフ」にしておきます。

USBの項目では、一定時間後の給電が制御できます。USB接続の機器に問題ある場合は「USBのセレクティブサスペンドの設定」を「無効」にします。

マウスとキーボードの設定確認

マウスとキーボードの設定確認は、デバイスマネージャーを使用します。デバイスマネージャーの起動方法は、次の通りです。

最初に「スタート」を右クリックし、メニューを表示します(①)。ここで「デバイスマネージャー」をクリックし、起動します(①②③)。

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 【図】:デバイスマネージャーの起動方法

マウスの設定確認は、デバイスマネージャーの「マウスとそのほかのポインティングデバイス」からお使いの機器をダブルクリックします(①)。ここで「電源の管理」タブをクリックし、「このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」にチェックがあることを確認します(②③)。

マウスでスリープを解除するには、この項目のチェックが必要です。

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 【図】:マウスの「電源の管理」の設定確認

キーボードも同様の手順です。次の図のようにデバイスマネージャーの「キーボード」からお使いの機器をダブルクリックします(①)。

ここで「電源の管理」タブをクリックし、「このデバイスで、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」にチェックがあることを確認します(②③)。キーボードでスリープを解除するには、この項目のチェックが必要です。

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 【図】:キーボードの「電源の管理」の設定確認

モニターの設定確認

最後にモニターの設定確認についても触れておきます。モニターの電源管理は、外付けモニターをお使いの場合に必要です。Windows側の操作ではなく、外付けモニターの操作ボタンを確認します。

HDMIなどのマルチポートの入力端子を持つ外部モニターでは、スリープが解除された後に、表示が自動復帰できることを確認しておきます。自動復帰できないモデルの場合は、スリープ解除後に入力系統を手動で選択する必要があります。

この他にタッチパネルディスプレイでは、USB接続のモデルもあります。その場合は、「電源オプション」のUSBの設定項目の「USBのセレクティブサスペンドの設定」の影響があることもありますので、「無効」となっているか設定を確認します。

スリープに関するトラブルシューティング

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ここまでは、主に電源に関する設定の確認を行いました。電源の設定でスリープから復帰できた方も多いと思います。ここからは、実際に問題に遭遇した際に行うトラブルシューティングについて説明していきます。

実際の切り分け時には、症状に応じて実施する順番や内容を変更しながら進めてていきます。

Windows Updateの実行

Windows Updateは、Windowsの機能を保全し最新の状態にしてくれます。システムのモジュールに問題がある場合に修正版がリリースされます。次の図をご覧ください。

最初に「スタート」を右クリックし、メニューを表示します(①)。ここで「設定」をクリックします(②③)。

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 【図】:「設定」アプリの起動

ここで左下または右上の「Windows Update」をクリックし、「最新の状態です」の表示を確認します(①②)。青色の「更新プログラムのチェック」をクリックして明示的に、更新処理を行うこともできます。

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 【図】:「Windows Update」の確認

マウスとキーボードの設定とドライバー更新

マウスとキーボードは、デバイスマネージャーから行います。マウスの場合は次の図のように、使用機器を右クリックし、サブメニューから「ドライバーの更新」をクリックするか、使用機器をダブルクリックし、「ドライバー」タブの「ドライバーの更新」をクリックする方法があります(①②)。

ドライバーの検索方法は、「ドライバーを自動的に検索」を通常行いますが、サードパーティ製品の場合指定ドライバーをインストールする場合もあります(③)。詳しくはお使いの機器メーカーのサイトでご確認ください。

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 【図】:マウスドライバーの更新

キーボードの場合もマウスと同様の手順です。次の図に操作の流れを掲載しておきますのでご確認ください(①②③)。

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 【図】:キーボードドライバーの更新

システム動作に無関係な周辺機器を外す

これはトラブルシューティングの基本的な手順の1つです。スリープの切り分けに必要なマウスやキーボード、モニター以外の機器は外し、構成をシンプルにして切り分けを行います。特にUSB関連は、電源供給と密接な関係がありますので、不要な機器は取り外して確認することをおすすめします。

ノートPCなどは内蔵バッテリーでシステムボードに給電しており、状態が保持されていることがあります。場合によっては、バッテリー自体を放電したり一時的に外したりして給電を完全に停止させます。

不要なアプリを停止する

アプリもバックグラウンドで起動されるサービスがあるため、割り込みイベントに影響を与えるシステムコールを用いていることもあります。切り分けのためには、不要なアプリやサービスを停止させて様子を見ましょう。

高速スタートアップを無効にする

高速スタートアップは、Windowsの起動を高速に行うためにシステムの一部の機能の状態を保持しておきます。切り分けのためには、状態を保持しない「完全なシャットダウン」を1度行ってみることをおすすめします。

完全なシャットダウンの使い方は、Windowsの電源ボタンのシャットダウンを使用する際に、「Shift」キーを同時に押して「シャットダウン」をクリックします。これにより、一時的に完全なシャットダウンが実施されます。

完全なシャットダウンは、コントロールパネルの「電源オプション」「電源ボタンの動作を選択する」から「高速スタートアップを有効にする」のチェックを外しデフォルト設定とすることもできます。編集するには「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリックします。

電源プランを初期設定に戻す

電源プランの設定をいじりすぎた場合には、別のPCと設定を比較しながら作業を行います。PCが1台しかなく、復旧を急ぐ場合は電源プランを初期設定にリセットする方法もあります。

手順としては次の図のように、「電源オプション」「プラン設定の変更」から「このプランの規定の設定を復元」をクリックします(①)。ポップアップ画面で「はい」をクリックすると、デフォルト設定に戻ります(②)。

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 【図】:電源プランを初期設定に戻す

電源のトラブルシューティングを実行する

ここまでの作業で復旧しない場合は、トラブルシューティングを使用します。電源のトラブルシューティングは、次の図のように「設定」アプリの「トラブルシューティング」にあります(①)。

「その他のトラブルシューティング」をクリックし、表示された画面の「電源」右側の「実行する」をクリックします(②③)。

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 【図】:電源のトラブルシューティングを実行する

「実行する」をクリックすると、「問題を検出しています」の画面で少々待ちます(④)。「トラブルシューティングが完了しました」の画面が表示されたら、表示を確認後「詳細情報の表示」をクリックします(⑤)。

ここでは、詳細情報が「トラブルシューティングレポート」に表示されます。表示内容をプリントするなど保存後に、「次へ」をクリックします。

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 【図】:電源のトラブルシューティングを実行する(続き)

ここで何らかの問題が残っている場合は、表示に従って問題解決を進めていきます。

ファームウェアの更新

いまだに問題が解決しない場合は、PC自体のファームウェアの更新についても検討します。PCのシステムファームウェアを、BIOSあるいはUEFIと呼びます。電源管理や接続ポートの信号処理などもファームウェアで制御しており、更新が必要な場合があります。

各PCベンダーは更新手順やアップデートモジュールを公開しています。作業手順は購入したPCにより異なりますので製品公式サポートサイトよりご確認ください。

【参考】:富士通 BIOSをアップデートする方法を教えてください 【参考】:NEC Lavie ダウンロード 【参考】:Lenovo BIOSのアップデート手順 - Windows 【参考】:Dell BIOSアップデート 【参考】:HP 個人用デスクトップ PC - BIOS (Basic Input Output System) の更新 (Windows) 【参考】:ASUS Windows 搭載 PC で BIOS バージョンを更新する方法

Windows 11のスリープ機能を安定的に利用しましょう

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様々な復旧手順を通じて、Windows 11のスリープ機能が正常に動作したことと思います。スリープ機能は、省電力であり再起動が速い特徴があります。

最初はスリープから復帰しなかった方も、実機操作を通じてトラブルシューティングの経験値が高まったと思いますので、知識向上とともにスリープ機能を安定的に利用していきましょう。

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