「AlloyDB Omni」登場!
AlloyDB Omniとは、Google Cloudが提供する高性能なPostgreSQL互換データベースで、2023年10月12日(米国時間)に一般提供を開始しました。AlloyDB Omniはオンプレミスやエッジ、そのほかのクラウドでも実行できるようにしたダウンロード版です。
この記事では、AlloyDB Omniの特徴やメリット、料金設定、利用方法などについて解説します。
【参考】:AlloyDB Omni | Google Cloud
AlloyDB Omniの特徴
AlloyDB Omniは非常に優れた特徴を有しています。ここでは、AlloyDB Omniの主要な特徴を挙げてみます。
▪Google CloudのAlloyDB for PostgreSQLと同じエンジンを搭載しており、標準のPostgreSQLと比較してトランザクションワークロードで2倍以上、分析クエリで最大100倍の速度を実現します。
▪AlloyDB Omniは、メモリなどのリソースの自動管理、AIを用いたインデックス提案、ベクトルクエリ、エンベディング生成などの機能を備えており、生成AIアプリケーションの構築にも適しています。
▪AlloyDB Omniは、DebianやRed Hat Linuxが動作する環境があれば、どこでも実行できるように設計されており、VirtualBoxを利用するLocalの開発マシンやノートパソコンの仮想化環境でも利用できます。
▪AlloyDB Omniは、Google Cloud、AWS、Azure、Google Distributed Cloud Hosted、オンプレミスなど、異なる環境にわたり同じデータベースを実行することができます。
【参考】:AlloyDB のダウンロード版 AlloyDB Omni の一般提供を開始 | Google Cloud 公式ブログ 【参考】:AlloyDB Omni を使い始めるには | Google Cloud 公式ブログ 【参考】:クラウド コンピューティング サービス | Google Cloud 【参考】:アマゾン ウェブ サービス|AWS クラウド 【参考】:クラウド コンピューティング サービス | Microsoft Azure
AlloyDB Omniのメリット
AlloyDBにはどのようなメリットがあるのかを確認してみましょう。
AlloyDB Omniのダウンロード版はデータセンターなどのクラウド環境、ノートパソコンからエッジコンピュータまでどこでも実行ができるよう設計されています。ここでは、主なメリットを挙げていきます。
データベースの刷新がしやすい
AlloyDB Omniは、様々な要件によりクラウドで実行できない場合、あるいは、クラウドへの移行に向けた最初のステップとして、レガシーのデータベースから迅速に移行したり、データベースを刷新したりする場合に最適です。
サーバ停止が許されない環境で使える
AlloyDB Omniは、利用シーンとしてサーバ停止(ダウンタイム)が許されない飲食店や小売店などにも適しています。インターネットやクラウドサービスから切り離されても、データベースが稼働し続ける必要がある場合や、遅延を最小限に抑えるためにユーザの近くで稼働させる必要がある場合に最適です。
ダウンロードして手軽に利用できる
単にローカルに開発用のデータベースが必要な場合にも利用できます。ダウンロードしてノートパソコンなどの環境でも利用できるのは魅力です。
同じデータベースを異なるクラウドで共有できる
AlloyDB Omniは、異なるクラウド間でユーザにサービスを提供する場合など、同じデータベースを複数のクラウドで運用する必要がある場合にも適しており、データの移行や同期の手間を省くことができます。
手厚いサポートが低料金で受けられる
AlloyDB Omniは、Googleのエンタープライズサポート組織によって支援され、24時間365日対応の技術サポートが提供され、しかも費用はレガシーデータベースと比較して数分の1に抑えられます。
デフォルトで暗号化されている
AlloyDB のデータは、他の Google Cloudと同様に、デフォルトで透過的に暗号化されているため、特に暗号化を意識しなくとも安心して利用できます。
【参考】:AlloyDB Omni | Google Cloud
AlloyDB Omniの料金設定
AlloyDB Omniの優れた性能は分かりましたが、料金が気になる方も少なくないでしょう。AlloyDB Omniの料金設定は、非常にシンプルで、管理しやすく、手頃な料金設定になっています。
またワークロードの拡大に合わせて簡単にスケールアウト、スケールインできるようになっています。
AlloyDB Omniは、16-vCPU Starter Packの月単位サブスクリプションで月額1,295ドル、100-vCPUブロックの月単位のサブスクリプションで月額6,995ドル(1,000円程度)で利用でき、既存のエンタープライズ割引プラン(EDP)に加え、1年間と3年間の確約利用割引もあります。
各パックに含まれるvCPUは、必要に応じて複数のサーバや仮想マシンで使用できます。またパックに含まれるすべてのvCPUを、指定の数のサーバや単一のサーバで使用する必要はありません。AlloyDB Omniは、ユーザがGoogle Cloudアカウントで選択したGoogle Cloudサポートプランの対象となります。
※vCPUとは仮想CPUのことで、仮想化されたサーバやストレージで動作するソフトウェアから見て、CPUとして振るのうものを意味しています。
【参考】:AlloyDB Omni | Google Cloud
AlloyDB Omniの利用方法
AlloyDB Omniの利用は非常に簡単です。ここではAlloyDB Omniをローカルにダウンロード、インストールする手順を紹介します。ドキュメントが英語で分かりづらい場合は、ブラウザの翻訳機能を利用しましょう。また、必要事項を求められたら正しく入力します。
ダウンロード/インストールして使う
まず、下記の「AlloyDB Omni の一般提供開始のお知らせ |Google Cloud ブログ」にアクセスし、[ドキュメント]ボタンをクリックします。
概要説明の後「AlloyDB Omni をダウンロードしてインストールします。」をクリックし、後はドキュメントの指示に従ってダウンロードとインストールを手順に沿って行います。
ダウンロードページでは、AlloyDB Omniのバイナリファイルとライセンスファイルをダウンロードできます。バイナリファイルは、DebianやRed Hat Linuxが動作する環境であれば、ほぼどこでも実行できるように設計されています。ライセンスファイルは、AlloyDB Omniの使用許諾契約を記載したものです。
【参考】:AlloyDB のダウンロード版 AlloyDB Omni の一般提供を開始 | Google Cloud 公式ブログ |
動作環境はLinuxのみとなる
プレビュー版はLinux環境でのみ動作します。IntelベースのMacやWindowsは仮想化環境で実行できます。ダウンロードしたソフトウェアと初期データベースを保持するために、少なくとも20GBのストレージ容量を割り当てる必要があります。
操作はLinuxコマンドで行う
インストールやAlloyDB Omniの実行はLinuxコマンドを用いますが、コマンドもすべてドキュメントに記されています。Dockerはバージョン 20.10以降を利用します。
AlloyDB Omniを実行する環境に応じて、LinuxのコマンドラインやGUI、Kubernetesオペレーターなどのツールを利用して、データベースのプロビジョニング、バックアップ、安全な接続、オブザーバビリティなどのタスクを行います。
AlloyDB Omniに接続するアプリケーションやツールを設定して、データの操作や分析を行います。
【参考】:AlloyDB Omni をインストールする | PostgreSQL 用 AlloyDB | Google Cloud 【参考】:データ分析を導入する: BigQuery 連携クエリの新機能 | Google Cloud 公式ブログ
AlloyDB Omniを試してみよう
ここまでGoogle Cloudが提供する高性能なPostgreSQL互換データベースのAlloyDB Omniについて、その特徴やメリット、使い方などについて紹介しました。AlloyDB OmniはAWSやAzureなどGoodle以外のクラウドでも実行できるばかりか、ノートパソコンにダウンロードして、Local環境でも利用できます。
無料枠を利用して試すことができますので、PostgreSQLを学んでいる方、クラウドサービスを利用してみたい方、本格的なデータ分析を行ってみたい方、ぜひAlloyDB Omniを利用してみましょう。
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