CCNPの年収
IT社会を支えるインフラとしてネットワークは欠かせません。今やあらゆるシステムでネットワークが必須となり、それに伴ってネットワークエンジニアの需要も高まっています。
CCNPは、ITネットワークやITインフラに関するスキルを証明する有力な資格です。世界的に知られるネットワーク関連機器のシスコシステムズが認定する資格であり、市場価値は高く、取得によってさらなる活躍と年収アップが期待できます。
この記事ではCCNP資格を取得することで、どの程度の年収が得られるのか、資格取得のメリットなどについて解説します。また併せて、CCNP試験の概要や出題範囲など、受験に必要な情報も紹介しますので、CCNPの取得を目指す方はぜひ参考にしてください。
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CCNP資格保有者の年収とは
ここでは、シスコ社が作成したシスコ認定資格者の年収資料、マイナビエージェントの情報、公的資料などを参考に、CCNP資格取得者の想定年収を見ていきましょう。
CCNPの年収(日米比較)
シスコ社はシスコ技術者認定(CCNA、CCNP、CCIE)保有者の年収を公表しています。それによると、CCNP資格保有者(プロフェッショナル)の年収は「92,000ドル」(150円/ドル換算1,380万円)です。
OECDの資料(2022年度)によると、米国の平均賃金は79,473ドル/年ですので、CCNP資格保有者は米国の平均賃金と比べて1.16倍となっています。OECDの資料から日本の平均賃金41,509ドル/年に1.16倍するとすると、約48,150ドル/年、円換算で722万円/年となります。
▪米国:1,380万円/年 ▪日本:722万円/年
実際に、マイナビITエージェントで検索キーワードを「CCNP」として求人情報を検索すると、企業により幅はありますが400万円〜800万円が最も多く見られます。
【参考】:成功へ導く資格|Cisco 【参考】:平均賃金 (Average wage) | OECD 【参考】:マイナビITエージェント
CCNPを活用できる職種の年収
CCNP資格を活かせる代表的職種はネットワークエンジニアですが、その年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」によると380万円(※2023年11月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」からIT保守を参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円と比較しても、「マイナビエージェント 職種図鑑」の平均年収380万円は低めですが、この数字は20代の年収であり、30代では427万円と上がっていますので、年齢を考慮するとほぼ民間企業平均年収と同等と言えます。
CCNPはシスコ認定資格の中では難易度は中級レベルにありますが、知名度が高く、ネットワーク業界では高い評価を得ています。
さらに、DX化の進展に貢献するクラウドサービス、AI・IoTやビッグデータなどはすべて安定した高速ネットワークが求められるため、高いスキルを有するネットワークエンジニアの必要性は一層高まっています。CCNP取得者は重要なポジションや活躍機会を与えられ、より高い年収を得ることができるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント 職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
CCNPの概要
CCNP取得者の年収についてチェックしたところで、次はCCNPがどのような試験であるかを確認しましょう。ここでは、CCNPのシスコ技術者認定における位置付けや試験の概要について説明します。
シスコ技術者認定とは
シスコ技術者認定資格とは、世界最大のコンピュータネットワーク機器の開発企業であるシスコシステムズ社が提供するネットワーク機器やシステムに関するIT分野の資格です。
シスコ技術者認定資格は、下位から順にエントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートの4つのレベルに分かれており、それぞれにいくつかのトラックがあります。トラックとは、ネットワークの分野や業務に対応した専門分野のことで、例えばRouting & SwitchingやSecurityなどがあります。
またシスコ技術者認定資格は有効期間は3年間であり、再認定の取得には、再認定対象の試験に合格するか、継続教育プログラムのトレーニング受講などのアクションが求められます。このプログラムによって、資格保有者は最新のネットワーク技術をキープすることができます。
【参考】:シスコ認定のレベル 【参考】:再認定ポリシーの改定
CCNPはプロフェッショナルレベルの資格
CCNPはシスコ技術者認定でプロフェッショナルレベルの資格で、アソシエイトレベルのCCNA資格の上位資格として位置づけられています。このCCNP資格取得で、大規模ネットワークの導入、運用、保守などの技術を有するスキル証明となります。
受験の前提条件は特にありませんが、3年から5年のエンタープライズネットワーキングソリューションに関する実装経験を有することが推奨されています。
【参考】:シスコ認定キャリアパス|Cisco 【参考】:シスコスペシャリスト認定|Cisco
CCNP試験実施概要
CCNP試験会場が空いていれば、いつでも都合の良い日に、自宅や職場近辺の会場で受験できます。また自宅からオンライン受験も可能です。試験の実施概要は以下の通りです。
▪試験方式:コンピュータテスト(CBT方式) ▪実施日程:通年(テストセンターによっては受験できない日がある) ▪試験会場:テストセンターもしくは自宅など選択可能 ▪試験申込:シスコの試験委託先であるピアソンVUE ▪受験資格:特になし(但し13歳以上で、17歳までは保護者の同意が必要) ▪受験料 :コア試験(必須)、集中試験(選択) ・CCNP コア試験 $400(税別) ・CCNP 集中試験 $300(税別) ▪支払方法:クレジット、銀行振込、コンビニ支払い ▪試験時間:コア試験120分と集中試験(選択)90分の合計210分 ▪出題数 :非公表 ▪出題形式:選択問題(単一選択、複数選択)、入力問題、ドラッグアンドドロップ問題、シナリオ問題、シミュレーション問題 ▪試験結果:当日にその場でコンピュータに表示、会場受験ではスコアレポートがもらえる
【参考】:CCNP Enterprise 認定とトレーニングプログラム|Cisco 【参考】:Cisco 認定試験のチュートリアル ビデオ 【参考】:シスコ技術者認定 |ピアソンVUE 【参考】:Cisco オンライン監督試験|ピアソンVUE
CCNPの試験範囲
CCNP試験に合格するには、必須のコア試験1科目と6科目から1科目選択する集中(コンセントレーション)試験の計2 科目の合格が必要です。それぞれの出題範囲と出題比率について見ていきましょう。
■ CCNP Enterpriseコア試験(ENCOR 350-401) 必須のコア試験となる「ENCOR(350-401)」は以下の6分野から出題され、その出題比率は次の通りです。
▪デュアルスタック (IPv4・IPv6)アーキテクチャ:15% ▪仮想化:10% ▪インフラストラクチャ:30% ▪ネットワークアシュアランス:10% ▪セキュリティ:20% ▪自動化:15%
【参考】:350-401 ENCOR|Cisco
■ CCNP Enterprise集中試験( ENARSI 300-410) 6科目から選択試験となるCCNPの集中試験の内、最も受験者が多いENARSI(300-410)は、次の4つの分野から出題されます。
▪レイヤ3テクノロジー:35% ▪VPNテクノロジー:20% ▪インフラストラクチャセキュリティ:20% ▪インフラストラクチャサービス:25%
【参考】:300-410 ENARSI|Cisco
CCNP試験の難易度と勉強時間
CCNP資格の取得によって年収アップを図れることは分かりましたが、CCNP試験はどの程度難しいのか、どれくらい勉強すれば合格できるのかについて見ておきましょう。
■ CCNP試験の難易度 CCNPは、難易度の高いシスコ技術者認定資格の中では中級レベルに位置します。シスコの試験自体が難しいため、CCNP試験はかなり難しいと想定されます。
シスコ社は認定技術者試験に関する合格率などの情報を開示しておらず、難易度を測るのは困難ですが、受験者像として「3年から5年のエンタープライズネットワーキングューションに関する実装経験」を想定していることから、難易度の高さが推察できます。
■ 合格に必要な勉強時間 CCNPに合格するためには、どの程度の勉強時間が必要なのか気になるところです。CCNPの勉強時間を知る上で、CCNPの合格体験記が多く掲載されている、IT系オンライン学習サイトの「Ping-T」掲示板に投稿されている記事から見る限り、合格者の多くが250時間から300時間程度であることが分かります。
ネットワーク未経験者、実務経験なしという方でもCCNPの受験は可能ですが、初学者は400時間〜500時間の勉強が必要と見られ、1日に1〜2時間の勉強時間を確保できても、1年近い期間を要することになります。
【参考】:CCNP合格体験記 | Ping-t
CCNP資格取得のメリット
CCNP資格の取得によって、ネットワークエンジニアとしてスキルアップを図れる以外にも、様々なメリットが得られます。ここではそのメリットについて詳しく見ていきましょう。
最新のスキルが身に付く
シスコ技術者認定資格であるCCNP資格の有効期間は3年間です。このプログラムにより、更新不要な国家資格と比べて常に最新のスキルが身に付き、スキル証明としての有効性が高いと言えます。
キャリアアップを目指せる
CCNP資格の取得により、ネットワークの監視や保守などの下流工程の仕事から、ネットワーク設計や構築の上流工程を担当できる可能性が高まり、キャリアアップを図りやすくなります。
年収がアップする
シスコが公表しているように、CCNPの年収はドルベースで92,000ドルと、CCNAの78,000ドルと比べて14,000ドルアップとなっています。保有資格が上がることで給与がアップする可能性が高まります。他、資格手当支給企業では資格手当によって年収も上がります。
就職や転職で有利になる
CCNP資格はネットワークに関する高いスキルの証明となり、就職や転職でプラス評価を受け、有利に作用します。また、シスコ技術者認定資格の保有者として、採用後も高いスキルを持ち続ける人材と認識され、採用後の期待も高まります。
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CCNPを取得してキャリアアップに活用しよう
ここまで、CCNP取得者の年収を解説しましたが、併せて資格概要や資格取得メリットについて紹介してきました。CCNP資格を取得することで、スキルアップや年収アップの可能性をイメージできたでしょうか。
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