Unityエンジニアは未経験からでもなれるか?
様々な分野があるエンジニア業界の中でもゲーム開発に興味がある方は多いでしょう。ゲーム開発を支えるゲームエンジンにはいくつか種類がありますが、その中にUnityというエンジンがあります。Unityは近年シェアを伸ばしており、Unityエンジニアという専門職が登場するほどです。
ゲーム開発者を目指したいと思っている方の中には、こうしたゲーム開発エンジニアに未経験から就職できるか疑問に思っている方も多いでしょう。本記事では、Unityエンジニアにフォーカスして、同職種の解説を行いつつ、未経験から目指す方法を紹介していきます。
未経験者採用企業を狙えばチャンスも
まず結論から言うと、Unityエンジニアには、未経験者採用企業への就職を狙うなら十分狙うことは可能です。同職種は確かにUnityの知識だけでなく、C#やユーザインターフェース(UI)の設計など、IT専門技術を必要とし、決して敷居は低くありません。
しかし、それぞれの学習機会は非常に豊富で、未経験者でも徐々にステップアップすることが可能です。なにより、未経験採用企業に就職できれば、手厚い研修のもとでUnityエンジニアとしてのキャリアを確実に積んでいけるでしょう。
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
Unityエンジニアとは?
まずはUnityエンジニアとはどのような職種であるかを簡単に説明していきます。ゲームエンジンのUnityについては本記事ではあまり触れず、同職種についてに焦点を当てて解説していきます。
Unityエンジニアの仕事内容
Unityエンジニアはその名の通り、Unityを利用したゲーム開発が主な仕事です。しかし、ゲーム開発にも様々な業務があり、一括りにはできません。Unityエンジニアがゲーム開発の中で果たす役割としては、以下が挙げられます。
- ゲームの仕様やシナリオに合わせたユーザから見えない処理を設計するサーバーサイド開発
- ゲームのユーザインターフェース(UI)などユーザから見える部分を設計するフロントエンド開発
- ゲーム内部のAIの行動を仕様に合わせて調整
- 3Dゲームなどで使われる3Dモデルを作成する外部アセット開発
それぞれの開発の中では、どのような機能にするかを決める仕様作成、仕様に基づいて実際にプログラムを作成する設計、設計したプログラムが正しく動作するかを確認するテスト、に工程が分かれています。
求められるスキル
上記の業務を進めるにあたって、Unityエンジニアに求められているスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。以下のスキルが特に必要なスキルとして挙げられます。
- Unity自体をゲーム開発ツールとして使いこなすための知識
- Unityにより細かい機能を実装するための拡張用言語C#に関する知識と実装スキル
- フロントエンド開発に必要なUIを設計するための知識
- Unityで使用する外部アセットを設計するための3Dモデル設計スキル
Unityはその特徴として、プログラミングを行わなくともある程度のゲームを制作できる点があります。未経験者にとってはゲーム開発の敷居を大きく下げるメリットではありますが、企業にてゲーム開発を行っていくにはやはりプログラミングは必須と考えてよいでしょう。
また、プログラミングに限らず多彩なスキルを必要とすることはUnityエンジニアの特徴とも言えるでしょう。
就職するなら新卒か転職か
未経験からUnityエンジニアになるためには、新卒採用で就職しないといけないのでは、と思っている方もいるかもしれません。確かに多くの企業では、専門分野が異なっていて未経験であっても、新卒であれば採用されるチャンスは高くなります。
しかしだからといって、未経験からの転職でUnityエンジニアになることが不可能なわけではありません。前述した通り、未経験者を中途で募集している企業は存在しており、十分チャンスはあります。ただし、もちろん採用されるにはそれに見合ったスキルや実績を示す必要はあります。
Unityエンジニアの年収
実際、Unityエンジニアとして働いた時にどれだけの年収となるかは気になっている方も多いでしょう。ここでは同職種の業務の大半を占めるプログラミングを中心とするプログラマーを想定して、年収を推定していきます。
プログラマーの年収は「マイナビエージェント 職種図鑑」での平均年収は344万円(※2023年7月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは調査媒体によってバラつきがあり、一般平均年収よりも高いかどうかは一概に言うことができません。業種や企業によって大きく変わってくるでしょう。
プログラマーはITエンジニアの中では下流工程であるため、年収としてはどちらかというとやや低めの傾向はありますが、上流工程にキャリアアップすれば高い年収も期待できます。Unityエンジニアも同様であり、ゲーム開発におけるディレクタークラスへキャリアアップすれば、より高い年収を期待できるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
Unityエンジニアを目指すためのロードマップ
ここまでで、Unityエンジニアの仕事内容や、求められるスキルが理解できたと思います。次に本題である、未経験から同職種を目指すためのロードマップについて、おすすめを紹介していきます。
未経験でかつ転職する場合、業務実績がないため、関連するスキルを明確にアピールしつつ、自分で実績を作らなければなりません。
Unityの知識を身に付ける
まず最も重要なスキルはUnity自体を使いこなすことでしょう。Unityエンジニアはその業務の大半でUnityを利用するため、いかに使いこなせるかが重視されるポイントの1つです。
とはいえ、Unityを使いこなすと言ってもUnityでできることは膨大であり、どこから手を付け、どこまでできればよいか分からない方も多いでしょう。
未経験者へおすすめするのが、既存のUnity製のサンプルゲームを模倣することです。Unityはプログラミングをしなくともゲーム開発ができるという特徴があり、世の中に出ている学習用のサンプルゲームの中にもそういった方法で作れるものがあります。
まずは、Unityで簡単なゲームを見よう見まねで作ることで、Unityを使いこなすスキルを自然に身に付けていきましょう。
プログラミング技術を身に付ける
Unityをある程度使いこなし、簡単なゲームなら模倣して作れるようになったとしても、Unityエンジニアとしては、C#による拡張機能を実装できなくては転職は難しいと言えます。したがって、次に行うべきはプログラミング技術を身に付けることです。
Unityで必要なC#は決して簡単な言語ではありませんが、未経験者でも一から学べるような学習機会に恵まれています。C#自体がIT業界の中で幅広く使われており、需要が高いためです。UnityでC#を学ぶ方法自体も広く浸透しており、同職種を目指すならUnityに特化したC#を学べばよいでしょう。
前項ではプログラミングなしでのゲーム製作をおすすめしましたが、ここではC#を利用したサンプルゲームを模倣して学んでいきましょう。ゲームの内容を自分なりにアレンジしていけば、自然とC#のルールやUnity製ゲームにおける処理の変更の方法を学んでいけるはずです。
UIや3Dモデリングを学ぶ
Unityエンジニアとして働いていくために、プログラミングの知識だけでなく、UIデザインや3Dモデリングのスキルも身に付けましょう。そうすれば、選考を有利に持っていける可能性があります。
Unityエンジニアは一般的なエンジニアと異なり、UIデザインやアセット作成の重要度が高く、上記はとても役に立ちます。これはゲーム開発ならではと言えるでしょう。他のエンジニア業界からの転職では中々両方のスキルを持っている方はおらず、未経験であってもスキル面で優位に立てる可能性があります。
両スキルを学んでいくにあたっては、実際に存在するゲームのUIや3Dモデルを参考にしながら、模倣してみるのがよいでしょう。3Dモデリングに関しては、無料で使用できるツールも充実しています。
Unityでポートフォリオを作ってみる
必要なスキルを一通り身に付けたのなら、最後にポートフォリオとしてオリジナルのゲームを作りましょう。未経験からの就職では業務実績がないため、自分の力で実績を作る必要があります。そのため、力を入れたポートフォリオを作ることは非常に重要です。
どのようなポートフォリオを作るべきかについては、自分が就職したいと思っているゲーム会社の方針に合わせるとよいでしょう。これまでのロードマップで得られたスキルをアピールできるよう、オリジナルのUIやアセットを含める形で作ることも重要です。
プログラミングスクールなどでもオリジナルゲームを開発するコースもあるので、そういったものを利用するのもよいでしょう。
必要なスキルを身に付けるためのおすすめ方法
Unityエンジニアに未経験からなるためのロードマップを紹介してきましたが、やることは分かっても実際どのように進めるべきかを考えることを難しく感じる方は多いはずです。ここでは、そのサポートとして活用できるおすすめの方法を紹介します。
書籍を活用する
書籍は勉強方法としては古典的ではありますが、独学でしっかりと知識を付けたいのであれば最もおすすめできます。Unityに関しても、その高いシェアから様々な書籍が出版されており、豊富な選択肢があります。
Unityによるゲーム開発に焦点を当てるのであれば、「作って学べる Unity本格入門」はおすすめの書籍です。3Dアクションゲームを作りながらUnityの基本を学んでいく形であり、特に3DゲームをUnityで開発したい方にもってこいでしょう。
■「作って学べる Unity本格入門」 ▪著者:賀好昭仁 ▪ページ数:416ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/10/27 【参考】:作って学べる Unity本格入門
学習サイトを活用する
できればあまり費用をかけずに独学で学びたいと考えている方には、インターネット上の学習サイトを活用する方法がおすすめです。Unityに限らず様々な分野で学習サイトはメジャーになってきており、昔ながらの書籍のように学習するタイプだけでなく、実際にコーディングしながら学ぶタイプも登場しています。
「ゲームの作り方講座「Unityでゲームを作ろう!」」というサイトでは、Unityの基本的な使い方だけでなく、オリジナルのサンプルゲームを一から作る方法を紹介しています。ステップごとのチュートリアル形式で初心者の方も迷わずに学習することができるでしょう。
【参考】:ゲームの作り方講座「Unityでゲームを作ろう!」
ぜひ『マイナビIT エージェント』をご活用ください!
プログラミングスクールを活用する
右も左も分からず、手取り足取りのサポートが欲しいと思う方には、プログラミングスクールの活用がおすすめです。未経験者に重点を置いたカリキュラムを設定しているスクールも多く、費用はかかりますが安心して勉強を進められるでしょう。
自分では進められない場面に遭遇したときもすぐにサポートしてもらえる点もメリットです。
プログラミングスクールの中でも例えば「TECH STADIUM」は、ゲーム開発に特化したスクールです。UnityコースではUnityでゲーム開発ができるまでを2か月間で学んでいきます。オンラインで受講でき、分からないところは無制限で質問できる点も特徴です。
【参考】:TECH STADIUM」
未経験者採用企業でUnityエンジニアとして働くために
本記事では、Unityエンジニアがどのような職業であるかを説明しつつ、未経験から同職種になるためのロードマップや勉強方法を解説してきました。やるべきことが多く、未経験者にとってはハードルが高いかもしれませんが、夢のために頑張ろうと意気込んだ方もいるでしょう。
こうしてスキルを身に付け、実績を作った後は未経験者採用企業を目指すことが目標です。しかし、自分のやりたいことができ、未経験者でも歓迎する企業を見つけることはなかなか難しいでしょう。
そこで利用を推奨するのがマイナビIT エージェントです。
マイナビIT エージェントは、IT・Webエンジニア向け、無料の転職⽀援サービスです。
IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーが、あなたのご経験やスキルをお伺いし、転職活動のプランをご提案します。
アドバイザーは企業側と直接連携を取れるので、求人票に載っていない情報も確認することができます。こちらで、働き方などをしっかり確認の上、応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
未経験からのキャリアチェンジは心身ともに本当に大変だと思います。少しでもご自身の負担を減らすべく、エージェントサービスを活用して、失敗のない転職活動に臨んでいただければ幸いです。
IT業界に精通した専任アドバイザーと豊富な求人で、
あなたの転職活動を丁寧にサポートします。
編集部オススメコンテンツ
アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから