Microsoft Loopが登場
2023年3月22日、Microsoftは Microsoft Loopアプリのパブリックプレビュー版を公開しました。リモートでのコラボレーションが可能で、いつでも共同作業を行うことができます。この共同作業のメンバーにはAIを参加させることもできます。
Microsoft 365 Copilotに対応し、AIが編集を手伝ったり、共同でコンテンツを作成したりすることができます。
【参考】:Microsoft Loop 【参考】:New Microsoft Loop app is built for modern co-creation 【参考】:これまでにない共同作成のかたちを実現する Microsoft Loop アプリが登場 【参考】:Microsoft Loop アプリ
Microsoft Loopの概要
Microsoft Loopは、新たに設計した共同作業用アプリです。アイデアを書き留めて、Loopのワークスペースやコンポーネントにアクセスし、チームメンバーと共有します。ドキュメントの共同編集やタスクの共有など、Notionに近いものととらえると良いでしょう。
Loopは、ウェブアプリやiOS・Androidなどのモバイルデバイスで利用することができます。Loopアプリはパブリックプレビュー版で、モバイルアプリは機種別に展開されています。
【参考】:Microsoft Loopの概要 【参考】:Loop Webアプリ 【参考】:ループ iOS アプリの概要 【参考】:Android 用ループの概要
Microsoft Loopの登場背景
2020年からの新型コロナウイルスのまん延により、コミュニケーションの方法は従来と大幅に変化しています。新しい働き方や学びの環境に人々は順応し、オンライン会議やチャットが主流になりつつあります。MicrosoftもMicrosoft Officeのみならず、Teamsが重要なコラボレーションツールとなっています。
これまでは、プロジェクト管理というとガントチャートが定番でしたが、チームコラボレーションの発想は重要なウェイトをしてると予想されます。これらのことから既存ツールを見直し、AI活用を推進するために新しいコラボレーションツールが必要になってきました。
この考え方は2021年11月に公表されましたが、なかなか実態がつかめないものでした。2023年3月22日にMicrosoft Loopパブリックプレビュー版がリリースされたことで、Microsoftは改めて多くのメッセージを市場に発信しています。
【参考】:Microsoft Office―ハイブリッドな世界に向けた変革
Loopの始め方
Loopはこれまでプライベートプレビューのために、順番待ちが必要でした。2023年3月より、パブリックプレビューへ移行したことで、ウェブアプリへのサインインだけで利用を始めることができます。使ってみたところ日本語は問題なく表示できます。
以前のバージョンで見られた使えない機能も徐々にロールアウトされており、適宜使用することができます。執筆時点のウェブアプリのバージョンは、20230502014.001となっていました。モバイルアプリの場合はサイトからダウンロードし、導入することができます。
コラボレーションの今後の展開は?
2023年3月22日以降、Microsoftはloopに関する記事を積極的にBlogに投稿しています。
代表的なものとして、Microsoft 365 Copilotとの連携に関する記事が挙げられます。2023年3月22日のリリース内容によると、Microsoft 365 Copilotの新機能として、「Copilot in Loop」が提供されます。
LoopのコンテンツをAIを用いて会議の要約や文章の生成など、チームコラボレーションに利用することができます。
【参考】:Reinventing collaboration with AI in Microsoft Loop 【参考】:Introducing Microsoft 365 Copilot – your copilot for work 【参考】:Microsoft 365 Copilot を発表 – 仕事の副操縦士 【参考】:Introducing the Microsoft 365 Copilot Early Access Program and 2023 Microsoft Work Trend Index 【参考】:Microsoft 365 Copilot アーリーアクセス プログラムと 2023 Microsoft Work Trend Index を発表
Loopの構成要素
Loopの構成要素は、大きく3つに分かれます。それは、「コンポーネント」「ページ」「ワークスペース」です。役割が階層化しており、簡単に整理すると「コンポーネント」は操作卓、「ページ」はアイデアキャンバス、「ワークスペース」は全体のダッシュボード、とイメージすると良いでしょう。
詳細は、以降で解説していきます。
Loop コンポーネント
コンポーネントは、リストやメモなどを指定するなど、作業フローのもと共同で作業する最小単位です。Microsoft TeamsやOutlookなどと連携する際の操作を行います。コンポーネントは共有でき、常に最新の変更が反映されます。
Loop ページ
ページは、アイデアをまとめる領域で、コンポーネントやファイル・リンク・データなどの要素を、整理していきます。アイデア創出のキャンバスとなります。アイデア出しからユーザーの考えをチームへ橋渡しし、作業のための最適化を進めます。
Loop ワークスペース
ワークスペースは、Loopの共有スペースで作業の目標と進捗を管理する領域です。重要な情報を整理し、グルーピングすることで、目標設定とゴールを理解し、進捗のトラッキングをチームメンバーと容易に行うことができます。
他のアプリとの連携
Loopは、コンポーネントを他のアプリと連携し、使用することができます。MicrosoftのTeamsやOutlook、Web用Word・ Whiteboardが対応しています。対応するアプリには、「Loop Component」のアイコンやメニューが追加されます。
そこで表示されるコンポーネントを操作することでコンテンツを入力し、共有することができます。
【参考】:Microsoft Teams のループ コンポーネントについて最初に知っておくべきこと 【参考】:Teams チャットでループ コンポーネントを送信する 【参考】:Outlook でループ コンポーネントを使用する 【参考】:Web のWordでループ コンポーネントを使用する 【参考】:Whiteboard のループ コンポーネント
Loopでは生成系AIの活用が期待できます
Loopでは、「Copilot in Loop」が北米でプライベートプレビュー版として公開が始まりました。いずれはグローバル展開される予定です。この機能はキャンバスでのアイデア創出に非常に有効です。
進行中のプロジェクトや過去のプロジェクトでどのような議論がされたのか、アイデア創出の過程と目標に向けた活動が可視化されます。
Loopは共同作業全般を整理することができます。新人のOJTや自己学習などにも適応できますので、従業員の意識づけなど、新しい働き方をサポートするツールとしても期待できるでしょう。
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