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セキュリティエンジニアに夜勤は必須?
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昨今、サイバー攻撃がますます巧妙化し、社会インフラを支えるシステムのセキュリティが、これまで以上に重要視される現代において、セキュリティエンジニアの役割は非常に大きくなっています。
セキュリティエンジニアは高度な専門知識が求められますが、その一方で夜勤を伴う過酷な勤務形態を求められる場面もあります。
本記事では、セキュリティエンジニアの夜勤について、その実情や抱える課題、そして夜勤を乗り越えるための方法などを解説します。夜勤に対する不安を解消し、セキュリティエンジニアとしてのキャリアをより深く理解していきましょう。
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セキュリティエンジニアの仕事
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セキュリティエンジニアは夜勤が避けられない仕事と思われがちですが、実際にはどのような仕事を担当するのか確認しておきましょう。セキュリティエンジニアの具体的な業務内容は企業や組織によって多少異なりますが、主に次のような業務が一般的です。
システムの監視
企業のネットワークやサーバー、アプリケーションなどを常時監視し、異常なトラフィックやセキュリティインシデントの兆候を早期に検知します。侵入検知システムのアラートやログ分析などを活用し、システムの異常をいち早く把握し、迅速かつ適切な対応を行います。
脆弱性診断
セキュリティエンジニアは、システムに潜むセキュリティの穴、つまり「脆弱性」を洗い出し、攻撃される前に対策を講じます。定期的にシステム全体を診断し、最新の脅威に対応するためのパッチが適用されているか、設定に不備はないかなどを確認します。
脆弱性を放置すると、サイバー攻撃の格好の標的となってしまうため、予防的な対策が不可欠です。
セキュリティインシデント対応
万が一、サイバー攻撃が発生した場合、セキュリティエンジニアは迅速に対応します。まず、セキュリティインシデントの状況を把握し、被害の拡大を防ぎます。次に、原因究明を行い、侵入経路や攻撃手法を特定します。
そして、システム復旧を行い、再発防止策を講じます。これらの対応を通して、企業の被害を最小限に抑えることが求められます。
セキュリティポリシーの策定と運用
情報セキュリティに関するルールを定めたセキュリティポリシーを作成し、全社員に周知を徹底させます。定期的に見直しを行い、常に最新の脅威に対応できるよう、ポリシーを更新し、組織全体のセキュリティ意識向上に努めます。
【参考】:サイバーセキュリティお助け隊サービス ユーザー向けサイト | IPA
夜勤におけるセキュリティエンジニアの主な業務
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企業や組織のシステムが安定稼働し続けるために、セキュリティエンジニアの夜勤は重要な役割を担っています。また、夜間はシステム停止が可能であったり、停止の影響が少ないため、夜間に業務を行う必然性があります。
ここでは、夜勤でどのような業務が発生するのかについて見ていきましょう。
システムの監視
企業のネットワークやサーバー、アプリケーションなど、様々なシステムを常時監視し、異常なトラフィックやセキュリティインシデントの兆候を早期に検知します。セキュリティイベントログの分析や、侵入検知システムのアラート確認などが主な作業です。
ただし、監視業務はインフラエンジニアが行い、必要に応じてセキュリティエンジニアが加わるというケースが主流です。
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セキュリティインシデント対応
昼夜を問わず、情報漏えいやハッキングなどのセキュリティインシデントが発生した場合には、迅速な対応が求められます。セキュリティエンジニアはインシデントの状況を把握して被害の拡大を防ぎ、原因究明を行って復旧作業を実施します。
定期的なシステムメンテナンス
システムの安定稼働を維持するために、定期的なメンテナンス作業を行います。OSやミドルウェアのバージョンアップ、パッチの適用、バックアップの実施、セキュリティ設定の変更などが代表的な作業です。
ただし、各作業はインフラエンジニアが担当し、セキュリティエンジニアは最終確認だけ行う場合もあります。
セキュリティ対策の強化
コンピューターウイルスなど、最新の脅威情報に基づいて、セキュリティ対策の強化を行います。新たなセキュリティツールの導入や、既存のセキュリティ対策のチューニングなどが挙げられます。セキュリティ設定の変更、パッチ適用、新たなセキュリティツールの導入などを実施します。
障害対応
システムに障害が発生した場合、原因を特定し、復旧作業を行います。セキュリティインシデントとの関連性も確認しながら、迅速な対応が求められます。具体的には障害検知、原因の特定、復旧作業に加え、再発防止策の立案などを行います。
夜勤のデメリット
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セキュリティエンジニアは、企業のシステムを守る上で重要な役割を担いますが、夜勤が辛いと感じる方も一部にはいます。この夜勤のデメリットを確認しておきましょう。
ただし、セキュリティエンジニアの夜勤頻度はインフラエンジニアほどは高くないので、下記に挙げたデメリットが全て該当するわけではありません。
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生活リズムの乱れ
夜勤によって昼夜逆転生活を送ることになり、体内時計が狂いやすくなります。睡眠不足や疲労が蓄積しやすく、健康面への影響が懸念されます。不規則な生活リズムは、集中力の低下や慢性的な疲労感、免疫力の低下を引き起こす可能性があります。
社会生活への影響
夜勤は、友人や家族との時間が取りづらく、社会生活とのバランスを崩しやすい可能性があります。特に、子供のいる家庭では、子供の世話や学校行事への参加が難しくなり、家庭生活に支障をきたすことがあります。
精神的な負担
夜間は周囲が静まりかえっているため、孤独を感じることがあります。また、突発的なインシデント発生時には、精神的に大きな負担がかかり、ストレスが蓄積される可能性があります。また障害の影響範囲が大きな場合には、大変なストレスが蓄積される可能性があります。
体力的な負担
夜間は人間の活動が低下する時間帯であり、集中力が維持しにくい時間帯ですが、長時間集中して作業を行う必要があるため、体力的な負担が大きい場合があります。また、睡眠不足や不規則な生活、運動不足などから免疫力が低下し、体の不調を感じやすくなることもあります。
夜勤のメリット
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以上述べたように、夜勤には様々なデメリットがありますが、その一方で大きなメリットもいくつかありますので、夜勤のメリットについて1つずつ見ていきましょう。
集中して業務に打ち込める
夜間は日中に比べてシステムの利用者が少なく、比較的静かな環境で業務に取り組めます。これにより、集中してセキュリティ監視やトラブルシューティングに専念でき、より効率的に作業を進めることができます。
また、緊急性の高いインシデントが発生した場合でも、周囲の騒音に邪魔されることなく迅速に対応できます。
最新の脅威にいち早く対応できる
サイバー攻撃は夜間に行われるケースが多く、最新の脅威は夜間に最初に検知される可能性が高いです。夜勤体制があることで、夜間に発生する可能性の高い攻撃を迅速に監視し、即時に対応できるため、企業の損失を最小限に抑えることができます。
スキルアップの機会
夜間は、日中の業務ではできないような、高度なセキュリティ分析や、新しいツールの導入など、スキルアップにつながる業務を行う機会が多いです。
例えば、新しいセキュリティシステムの導入や、複雑なセキュリティ問題のトラブルシューティングなど、日中の業務ではなかなか経験できないような業務に携わることで、専門性を高められます。
キャリアアップに繋がる
夜勤経験は、セキュリティエンジニアとしてのキャリアアップに大きく貢献します。夜間のトラブルシューティングやインシデント対応は、迅速な判断力と問題解決能力が求められるため、これらの経験は、今後のキャリアにおいて大きな強みとなります。
また、夜勤を通じて得られたスキルや知識は、昇進や転職の際に評価されることもあります。
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給料アップになる
労働基準法第37条で、22時から翌5時までの深夜労働には25%以上の割増賃金が支払われることが定められており、夜勤分の給与が増額されることで給料アップに繋がります。
また、システム監視等の業務で暇な時間が多い場合には、自己啓発などに時間を費やせるため、忙しくて勉強する時間がない人には、貴重な時間となるでしょう。
【参考】:労働基準法第三十七条第一項の時間外及び休日の割増賃金に係る率の最低限度を定める政令
セキュリティエンジニアの夜勤を乗り越える方法
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セキュリティエンジニアの夜勤は、専門性の高い仕事である一方で、生活リズムの乱れや健康への影響など、様々な課題を抱えています。これらの課題を乗り越え、健康を維持しながら、効率的に夜勤をこなしていくためには、いくつかの工夫が必要です。以下のような工夫をして、夜勤を乗り越えていきましょう。
生活リズムの改善
夜勤が続く場合は、生活リズムが乱れないように極力同じ時間に就寝・起床を心掛けることで、体内時計を安定させられます。昼間に睡眠を取る必要がある場合は、遮光カーテンなどを利用して、夜間と同じ環境を用意するといいでしょう。
また、カフェインの摂取は控えて安眠を心掛け、起床後は太陽光を浴びることで体内時計を整えることができます。
健康管理
三食規則を守り、栄養バランスの取れた食事を心掛けましょう。特に、ビタミンやミネラルを豊富に含む食品を摂取することが大切です。また、夜勤明けや休日は寝て過ごすのではなく、軽い運動を心掛け、血行を良くして疲労回復に努めましょう。体の不調を感じたら、早めに医師に相談するようにしましょう。
仕事環境の改善
夜勤の対策には、作業環境の改善や休憩時間の確保も重要です。部屋の照明や室温、換気などに気をつけ、定期的に休憩を取るようにしましょう。他、チームメンバーや同僚とのコミュニケーションを積極的に行い、悩みや不安を解消することも大切です。
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セキュリティエンジニアの年収とキャリアパス
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まずは、セキュリティエンジニアの年収から見ていきましょう。セキュリティエンジニアの平均年収は「マイナビエージェント職種図鑑」(※2025年1月執筆時点)」によると356万円、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」で近い職種の「IT技術スペシャリスト(特定技術(DB・NW・セキュリティ等)」は758万円でした。
「マイナビエージェント職種図鑑」の年収データは20代から30代までのため、低めに算出されている可能性があります。一方、マイナビエージェントの公開求人では、セキュリティエンジニアの平均年収は600万円前後が中心です。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円ですので、セキュリティエンジニアの平均年収は一般の年収よりも、やや高めであると言えます。
次に、セキュリティエンジニアのキャリアパスを確認しましょう。キャリアパスとしては、専門性を深めてセキュリティコンサルタントやセキュリティアーキテクトなど、特定の分野の専門家として活躍する道があります。
また、マネジメント層へキャリアアップし、組織全体のセキュリティを統括する道、さらには起業して自身のセキュリティサービスを提供する道など、様々な選択肢があり、キャリアパスによって年収のアップに繋がることが期待できます。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑/セキュリティエンジニア ※【平均年収 調査対象者】2020年1月から2020年12月の間でマイナビエージェントに登録いただいた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
働きやすい企業でセキュリティエンジニアを目指そう
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セキュリティエンジニアの夜勤について、その実情や抱える課題、そして夜勤を解消するための方法などを、解説してきました。夜勤を乗り越える努力は、セキュリティエンジニアとしての成長に直結します。この業界で活躍するには、自分のスキルを磨きながら、働きやすい環境を見つけることも重要です。
自分が希望する仕事に就き、実力を発揮するためには、理想とする企業との出会いが欠かせません。最適な企業を紹介し、適格に転職をサポートしてくれる有力な転職エージェントの選択が、活躍できるセキュリティエンジニアを目指す上で重要な鍵となるでしょう。
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