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生成AIを活用するプロンプト
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ChatGPTやGemini、Copilotなど、生成AIが急速に進化し、競争を繰り広げています。この生成AIを最大限に活用する鍵が「プロンプト」です。適切なプロンプトを与えれば、生成AIは期待通りの高品質なアウトプットを生み出します。
しかし、プロンプトが抽象的だったり不適切だったりすると、期待外れの結果になることもあります。本記事では、生成AI初心者から、より高度なプロンプト作成を目指すユーザーまでを対象に、効果的なプロンプト作成の基本とコツを解説します。
生成AIを活用したい方、プロンプトを向上させたい方はぜひ参考にしてください。
【参考】:ChatGPT |Open AI 【参考】:Gemini|Google 【参考】:個人用 AI アシスタント | Microsoft Copilot
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プロンプトとは
プロンプトとは生成AIに与える入力情報のことで、AIはこのプロンプトを解釈し、学習データを基に最適なアウトプットを生成します。プロンプトの質を高める技術やスキルを「プロンプトエンジニアリング」と呼びます。プロンプトには様々な形式があり、以下のような例があります。
【質問】:AIに情報を求めるもの 例:「日本の首都はどこですか?」
【指示】:特定のタスクを依頼するもの 例:「日本の魅力を紹介する文章を500字以内で書いて」
【命令】:明確なアクションを指示するもの 例:「以下のコードをPythonで書き直してください:[コード]」
【情報提供】:文脈や追加データをAIに与えるもの 例:「以下の文章を要約してください:[文章]」
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プロンプト作成の基本原則
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プロンプト作成の基本原則は、AI(特に大規模言語モデル)に意図した通りの出力を生成させるための重要な要素です。明確で効果的なプロンプトを作成することで、AIの能力を最大限に引き出し、望む結果を得られます。以下に、プロンプト作成の基本原則を解説します。
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明確さと具体性
AI(特に大規模言語モデル)に対して意図を正確に伝え、期待通りの出力を得るために、「明確さと具体性」は、非常に重要な要素です。
・曖昧さを避ける: 「何か書いて」ではなく、「日本の観光に関する500字のブログ記事を書いてください」のように、具体的なタスクを示しましょう。
・詳細な指示と必要な情報: 必要な情報、トーン、文体、出力形式を具体的に指定します。例えば、「20代の女性向けにフレンドリーなトーンで、箇条書き形式で京都の観光スポットを3つ紹介してください。」のように、細かく指定すると、AIはより的確な出力を生成できます。
文脈の提供
AI(特に大規模言語モデル)に対して質問や指示を与える際に、その背景情報や関連情報を含めることで、AIが意図をより正確に理解し、適切な応答を生成できるようにするテクニックです。
・背景情報: 質問や指示に関連する背景情報を提供することで、AIは文脈を理解し、より適切な回答を生成できます。例えば、「あなたは旅行代理店の社員です。お客様から京都旅行のおすすめプランについて問い合わせがありました。」のように、役割や状況を設定することで、AIは文脈に沿った回答を生成できます。
・例示: 具体的な例を示すことで、AIは出力の形式や内容を理解しやすくなります。例えば、「京都の観光地について情報について、3か所列挙してください。」というように、具体的なキーワードやフレーズを示すことで、AIが適切な回答を生成できる可能性が高まります。
指示と情報の分離
指示と情報(入力データ)を区切り文字で明確に区切ることで、AIはどちらが指示でどちらが情報かを正しく認識できます。例えば、「指示:以下の文章を要約要約して、100字以内の文章でまとめなさい。--- [要約対象の文章] ---」のように、---などの区切り文字を使用することで、指示と情報を明確に区別できます。
肯定的な表現
AIに指示を出す際、肯定的な表現を使うことで、より正確な結果を得られます。 「〜しないで」のような否定的な表現は、AIが混乱する原因となる場合がありますので、できる限り「〜してください」のような肯定的な表現を使用するように心がけます。
例えば、「誤字脱字がないように書いてください」ではなく、「正確に記述してください」のように、肯定的な表現に言い換えましょう。
段階的な指示
複雑なタスクをAIに指示する場合、段階的に指示を与えることでより正確な結果を得られます。 複雑なタスクは、段階的な指示に分割することで、AIはより正確に処理を行えます。
例えば、「小説を書いて」という指示ではなく、「まずはプロットを作成し、次に登場人物を設定し、最後に第1章を書いてください」のように段階的に指示することで、AIはタスクを段階的に実行できます。
出力形式の指定
生成AIにどのような形式で出力してほしいかを具体的に指示することで、より精度の高い結果を得られます。例えば、「箇条書きでまとめる」「表形式で示す」「詩の形式で表現する」というように、具体的な形式を指定します。
反復と改善
最初のプロンプトで完璧な結果が得られるとは限らないため、試行錯誤を繰り返し、プロンプトを改善していくことで、より良い結果を得られます。また、AIの出力結果を評価し、プロンプトにフィードバックを反映することで、AIの精度を向上させられます。
以上挙げた原則は、あくまで基本であり、タスクやAIの能力によって最適なプロンプトは異なります。様々なプロンプトを試しながら、最適な方法を見つけていくことが重要です。
プロンプト作成のコツとテクニック
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基本原則に加えて以下のコツとテクニックを活用し、効果的なプロンプトを作成することで、AIの能力を最大限に引き出し、望む結果を得られます。
役割を与える
AIに特定の役割(例:専門家、ライター、翻訳家など)を与えることで、より専門的で適切な出力を得られます。「あなたは旅行ライターです。沖縄のおすすめスポットを紹介してください。」のように役割を与えることで、AIは旅行ライターらしい視点で情報を出力します。
出力例を示す
期待する出力例をプロンプトに含めることで、AIは意図を理解しやすくなります。「以下のような形式で出力してください:[出力例]」と、具体例を示すことで、出力のフォーマットを制御できます。
これは「Few-shotプロンプティング」と呼ばれる手法の基本であり、AIに少数の例(few shots)を与えることでタスクの学習を促し、より正確で望ましい出力を得られるようにします。
反復と修正
プロンプトを1度で完璧に作成するのは難しいでしょう。そこで大切なのは、試行錯誤を繰り返し、プロンプトを修正していくことです。この反復と修正によって、より理想的な出力に近づけることができます。
例えば、最初のプロンプトでイメージ通りの結果が得られない場合は、分かりやすい表現に変えたり、キーワードを追加したりすることで、期待値に近付けられます。
キーワードの活用
キーワードとは、プロンプトの中で特に重要な単語やフレーズのことです。適切なキーワードを使用することで、AIはプロンプトの意図を正確に理解し、関連性の高い出力を生成できます。
例えば、「食べ物について書いて」ではなく、「日本の伝統的なお菓子について書いて」のように、具体的なキーワードを使用します。
除外したいものには否定形を活用
通常のプロンプトが「生成してほしいもの」を指定するのに対し、否定形は「除外したいもの」を指定することで、より意図に沿った出力を得られます。特に画像生成AIにおいては「ネガティブプロンプト」という形で広く活用されています。
例えば、「人物は歪んだ顔や、指の欠落を含めないで」というようにAIが間違えやすいものを明確に指定することで意図しない結果を避けられます。同様にテキストの生成AIでも、「否定形プロンプト」を有効活用しましょう。
区切り記号の活用
区切り記号は、プロンプトの中で異なる要素を区切るために使用されます。これにより、AIはプロンプトの構造を正しく理解し、意図しない解釈を防ぐことができます。例えば、指示と情報を区切る場合は、次のように記述します。
「以下の文章を要約してください。--- [要約対象の文章] ---」
段階的なプロンプト
段階的なプロンプトとは、複雑なタスクを複数の小さなステップに分割し、それぞれのステップごとにプロンプトを与える方法です。これにより、AIは複雑なタスクをより効率的に、そして正確に処理することができます。
例えば、小説を書く場合であれば、プロット作成、登場人物設定、第1章執筆...のようにタスクを複数の段階に分解し、各段階ごとにプロンプトを作成します。
プロンプトの事例集
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効果的なプロンプトは、AIの能力を最大限に引き出し、質の高い出力を得るために不可欠です。ここでは、様々なタスクに対応する代表的なプロンプトの事例と、ポイントについて解説します。
文章生成
「日本の歴史について、小学生にも分かりやすく300字で説明してください。」などのように、テーマや文字数、文体、対象読者、スタイルなどを明確に記述することで、より目的やニーズに合った文章を生成できます。
要約
「以下の記事を100字で要約してください:[記事URL]」 「以下の文章を150字程度で要約してください。:[要約対象の文章]」
このように、要約対象の文章をプロンプトに含めることで、その内容を要約した文章を生成します。文字数を指定することで、要約の長さを制御できます。
翻訳
「以下の英文を小学生を対象として、分かりやすい日本語で、かつ口語体で翻訳してください。:[翻訳対象の英文]」というように、翻訳対象の言語と翻訳先の言語、対象読者、正確な翻訳、意訳、翻訳のスタイル(口語体、文語体、フォーマル、インフォーマル)などを明示的に指定します。
質問応答
「地球温暖化の原因は何ですか?」というように、事象の背後にある原因や理由を説明するように求めます。複雑な問題に対しては、複数の要因を考慮した回答が期待できます。
コード生成
「Pythonでフィボナッチ数列を計算する関数を書いてください。」というように、プログラミング言語、コードに実装してほしい機能、使用可能な関数やライブラリ、アルゴリズム、出力形式などを具体的に記述することで、コード生成を依頼できます。
画像生成
「青い空の下に咲く満開の桜の木の風景をゴッホ風に描いてください。」というように、具体的な要素を記述することで、より詳細な画像が生成されます。人物の場合は、年齢や性別、人種などを明示します。
ここまで代表的な事例集として紹介しましたが、特に職場などでは、職場に合った事例を一覧にしてテンプレートとして用意することで生成AIの活用が進み、業務の効率化に繋がります。以下に神戸市の事例集を紹介しますので、ぜひ参考にしてみましょう。
【参考】:生成AIによる市役所の業務効率化- プロンプト事例集 -|神戸市
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プロンプト能力を高めて活用の幅を広げよう
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ここまで、生成AIを活用する上で重要なプロンプトの書き方について解説してきました。プロンプトは、生成AIの能力を最大限に引き出すための重要な要素です。
明確性、具体性、文脈の提供、制約条件の設定といった基本原則を押さえ、「役割を与える」「出力例を示す」「反復と修正を行う」といったコツとテクニックを活用することで、より質の高いアウトプットが得られます。この記事で学んだことを実践し、生成AIを最大限に活用しましょう。
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