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Rancher Desktop 1.0.0がリリース!インストール手順やWSLとの関係も解説
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Rancher Desktop 1.0.0がリリース!インストール手順やWSLとの関係も解説

アンドエンジニア編集部
2022.03.01
この記事でわかること
Rancher Desktopは、Kubernetesの運用管理を行うデスクトップアプリケーションです
ローカルに、軽量のk3sディストリビューションを用いてKubernetes環境を構築します
Kubernetesをデスクトップ環境で管理でき、簡単にバージョン切り替えが可能です

Rancher Desktop 1.0.0が正式リリース

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2022年1月26日、Rancher Desktop 1.0.0が正式リリースされました。Rancher Desktopは、Kubernetesをデスクトップ環境で管理できます。SUSE社がRancher Labsを買収して初めてリリースしたソフトウェアであり、正式リリースが待たれていました。 【参考】:Rancher Desktop

Rancher Labsは、オープンソースソフトウェアの会社でRancher AcademyというIT教育も手がけています。特にKubernetesにおける管理製品Rancherと教育プログラムは人気があり、SUSEによる買収後もソリューションの中核を成しています。

Rancher Desktop概要

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Rancher Desktopは、Kubernetesとコンテナ管理をデスクトップ環境で実現するものです。具体的には、Windows・Mac・LinuxでRancher Desktopがサポートされます。 【参考】:Rancher Desktop 1.0.0 Has Arrived

Kubernetesの管理は、従来コマンドラインユーティリティを通じて行っていました。SUSE社では、デスクトップアプリケーションの必要性を理解しており、投入準備を進めていました。今回Kubernetesの運用管理をシンプルにすべく、デスクトップアプリケーション「Rancher Desktop」の正式リリースとなりました。

なお、Rancher DesktopはRancherのデスクトップ版ではありません。必要に応じて、マルチクラスタアプリケーション管理のRancherをインストールし、ワークロードとして利用できます。

Rancher Desktopの環境

Rancher Desktopは、軽量のk3sディストリビューションを用いてKubernetes環境を構築します。Rancher DesktopのKubernetes環境をバックアップし、本番環境に反映させることが可能です。また、コンテナエンジンはcontainerdとdockerdいずれかを選択可能で、CLIはnerdctlまたはDockerCLIを直接使用することができます。

そのため、イメージのビルドやプッシュ・プルおよびコンテナ実行まで一連の処理に対応できます

Rancher Desktopのドキュメント

 Rancher Desktopのドキュメントは、「rancherdesktop.io」のDocsに掲載されています。 【参考】:Rancher Desktop Overview

インストールする際のダウンロードモジュールのリンクは、「rancherdesktop.io」のトップページに掲載されています。ダウンロードモジュールですが、Githubに実際のファイルが格納されており、現在は1.0.1が最新となっています。1.0.1は1.0.0のバグフィックス版ですので、最新版の1.0.1をインストールするのが良いでしょう。 【参考】:Rancher Desktop 1.0.1

インストールが完了すると、Helm・kubectl・nerdctl・Mobyの各ユーティリティーが利用可能となります。

各OSでのインストール要件

Rancher Desktopは、Windows・Mac・Linuxに対応しています。各OSとも、8GBメモリおよび4CPUが推奨されており、ワークロードに応じて追加リソースを検討します。OS固有の要件は以下の通りです。

Windows版のインストール要件 Windows版は、Windows 10 1909以降(Home エディション含む)がサポートされています。仮想化機能と常時インターネット接続が必要です。Windows Subsystem for Linux 2(Linux 用 Windows サブシステム 2)が、Rancher Desktopのセットアップ時に自動的にインストールされます。

Mac版のインストール要件  Mac版では、macOS Catalina 10.15以降がサポートされています。Apple Silicon(M1)またはIntel CPU with VT-xで動作し、常時インターネット接続が前提となります。

Linux版のインストール要件 Linux版の場合は、.debや.rpmのパッケージ並びにAppimageに対応しています。仮想化機能としてAMD-VまたはVT-xをサポートするx86-64ビットプロセッサで動作します。この他”/dev/kvm”へのRead-Writeのアクセス権限を付与するために、kvmグループにユーザ追加が必要な場合があります。

Rancher Desktopの位置づけ

Rancher Desktopは、Kubernetesをローカル環境にセットアップし、コンテナ管理するために開発されました。考え方はKubernetesのminikubeやkind、DockerのDocker Desktopと同じような利用方法を想定しています。 【参考】:Rancher Desktop Overview

Dockerから見ると、デスクトップアプリケーションは同一のDockerソケットを利用しますので、Rancher DesktopまたはDocker Desktopのいずれかのみアクセス可能で、同時利用はできません。 【参考】:Rancher Desktop FAQ

Rancher Desktopの起動

Rancher Desktopを起動すると、最初にKebernetesのバージョンが聞かれます。必要なバージョンをプルダウンメニューから指定します。アプリケーションの構成は次の様なカテゴリーに分類されています。

General 一般的な設定概要が表示されます。具体的には、プロジェクトのステータスがここで確認できます。自動アップデート「Check for updates automatically」はチェックしておくのが良いでしょう。「Allow collection of anonymous statistics to help us improve Rancher Desktop」は、統計情報の収集を許可する際にチェックを入れます。

Kubernetes Settings ここでは使用可能なKubernetesのバージョンを「Kubernetes Version」で指定できます。候補となるバージョンをリスト形式で表示しますので、必要なバージョンを指定します。コンテナのランタイムは、containerdあるいはdockerd(moby)のいずれかを選択します。containerdではnerdctlを用い、dockerd(moby)ではDocker CLIを用いてコンテナ管理を行います。

Mac・Linux版では、ここでメモリ使用量とCPU数が指定できます。K3sのマルチインスタンスで実行する場合は、Kubernetesのポート番号を指定できます。

WSL Integration(Windows版) 有効にすることでRancher Desktop Kubernetes configurationに、WSLのLinuxディストリビューションからアクセスさせることができます。具体的には、WSL内からkubectl等のツールを用いてRancher Desktop Kubernetes clusterに通信するような使い方ができます。

Port Forwarding(Windows版) サービス毎にランダムポートを割り当て、ポートフォワーディングさせることができます。

Supporting Utilities(Mac・Linux版) helm・kubectl・nerdctl・dockerのようなツールのシンボリックリンクを作成します。

Images 仮想マシンで動作するイメージを管理します。「Scanning Images」では脆弱性検査や構成チェックが可能です。「Adding Images」ではリポジトリからイメージを保存します。イメージのビルドも可能です。

Troubleshooting 「Show Logs」でログファイルの保存情報を表示します。「Factory Reset」で、クラスタやRancher Desktopの設定を初期化します。再起動時には初期設定が必要となります。

他のコンテナ管理デスクトップアプリケーション

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ここでは、Rancher Desktopの他のコンテナ管理デスクトップアプリケーション、Docker Desktopについて説明していきます。

Docker Desktopとは、Dockerで行う操作をGUIダッシュボードで一元管理できるソリューションです。具体的にはコンテナやアプリケーション・イメージへのアクセスを簡単に行うことができます。 【参考】:Docker Desktop

Docker Desktopは従来は無償提供されていましたが、2021年8月31日、Docker Desktop 4登場をきっかけに従来のモデルを見直し、4種類のサブスクリプションモデルへ変更する旨発表がされました。 【参考】:Docker Subscription Service Agreement 【参考】:Docker is Updating and Extending Our Product Subscriptions

Dockerとは?使いどころやメリット・デメリットについて解説!

Docker Desktopの料金体系

Docker Desktopの新料金体系は以下の通りです。 ・Docker Personal 従来のDocker フリーサブスクリプションの置換です。オープンソースコミュニティ・個別開発者・教育・小規模企業向けのモデルです。

Docker Business 従業員250名以上または1千万USドル以上の年間売り上げがある企業に適応されます。さらにモデルが3種類提供されます。

「Pro」は、月額5USドルで1名単位の申し込みモデルです。同時に5つのビルドを利用できます。 「Team」は、月額ユーザあたり7USドルで、5ユーザ以上の登録時に必要となるモデルです。 「Business」は、月額ユーザあたり21USドルで、50ユーザ以上の登録時に必要なモデルです。

Docker Desktopを使わずにDocker CLIのみインストールする方法もありますが、どうしてもデスクトップアプリケーションの方が操作性が良いため、引き続きDocker Desktopは人気があります。

エンジニア必見! Docker Desktop有料化の影響と対策

Rancher Desktopも選択肢になり得ます

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Docker Desktopの新料金体系発表では騒ぎになりましたが、コンテナ管理のデスクトップアプリケーションにニーズが高い表れです。

Kubernetesはコンテナオーケストレーションで人気があります。Rancher Desktopは、Kubernetesをデスクトップ環境で管理でき、さらに簡単にバージョン切り替えが可能です。最初の一歩としてローカルにKubernetes環境を構築するには、うってつけのソフトウェアと言えます

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