インボイス制度とは?フリーランスエンジニアが受ける影響と対処法
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インボイス制度とは?フリーランスエンジニアが受ける影響と対処法
働き方・キャリアパス
アンドエンジニア編集部
2022.01.25
この記事でわかること
インボイス制度によってフリーランスエンジニアが契約を切られる可能性がある
フリーランスエンジニアは適格証明書を発行するか決める必要がある
インボイス制度が廃止・延期になる可能性は0ではないが、実行されるものとして準備を進めることが大切

フリーランスエンジニア間で騒がれているインボイス制度とは?

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まず、インボイス制度がどういったものなのか解説します。インボイス制度を理解するには消費税の仕組みを知る必要があるため、消費税とは何かという点から詳しく説明しましょう。

フリーランスエンジニアになるメリット・デメリット、年収や将来性

そもそも消費税とは?

消費税は商品やサービスの利用(消費)に対して課税される税金のことです。ここでいうサービスにはシステム開発も含まれます。消費税が他の税金と異なるのは、課せられる人と納める人が別であることです。

消費税を納めるのは消費者ではなく事業者側であり、事業者は毎年税務署に消費税額を計算して納めています。たとえば会社を運営する場合、1100円の売上があって消費税の税率10%であったとすると、10%の100円を納税する必要があります。

ただし実際は、100円全てを納税しなくて良いケースもあります。たとえば、会社が売上を出すためにシステム開発をフリーランスに550円で依頼したとします。この場合は550円の消費税分である50円を差し引いて納めることになるため、50円のみを税務署に納めることになるのです。

消費税はこのように、売上分の消費税から出費分の消費税を差し引いた額が納税額となる仕組みになっています。

消費税を納めなくても良いケース

消費税はサービスを提供する場合、必ず消費者から受け取らなくてはいけません。それはフリーランスエンジニアも同じで、システム開発を提供した場合顧客から消費税を必ず受け取っています。しかし、消費税を受け取っているが、消費税を納めたことはないというフリーランスの方は多いです。それは、違法行為をしているという訳ではありません。

消費税は特定条件を満たさない限り、納めなくて良い決まりになっているためです。課税期間より前々年の課税売上高が1,000万円を超えていない場合、消費者からもらった消費税額は自分のものにすることができます。

インボイス制度とは?

2023年の10月1日から新しくインボイス制度が導入されます。インボイス制度とは簡単に言うと消費税を厳重に管理するための制度です。具体的には、請求書を「適格請求書」に統一させます。適格請求書は取引内容や税率・税額などの記載要件が満たされた国が定めた公式の請求書です。

適格請求書を発行することで適格請求書発行事業者として認められ、消費税を正しく税務署に支払ったという証明ができます。そのため消費税を納めた人、つまり課税売上高が1,000万円以上の方は必ず適格証明書を使わないといけないということです。

【参考】:インボイス制度の概要|国税庁

適格請求書の発行方法

適格証明書を発行するには税務署に申請を行う必要があります。申請はすでに受け付けており、簡単に行うことが可能です。

まず、登録申請書を公式サイトからダウンロードします。登録申請書にはマイナンバーや法人番号の記載が必要なほか、本人確認書類の提示または写しも必要です。申請書を提出すると税務署によって審査が行われ、合格すると「適格請求書発行事業者」として公表されます。その後、税務署から登録通知と登録番号が送付されます。

インボイス制度が導入される2023年10月に間に合わせるには、2023年3月31日までに申請を済ませる必要があります。

【参考】:[手続名]適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)|国税庁

インボイス制度によってフリーランスエンジニアが受ける影響

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インボイス制度は消費税関連の手続きを正確に行うための制度です。しかしながら、この制度によってフリーランスエンジニアが悪影響を受ける可能性があります。具体的にどういった影響を受けるのかについてみていきましょう。

適格請求書を発行しないと契約が減る可能性がある

課税売上高が1,000万未満の場合、適格証明書を発行しなければ消費税を納める必要はありません。しかしながら、適格証明書を発行しないと契約が減る可能性があります。

先程、会社は売上分の消費税から出費分の消費税を差し引いた額を納税していると解説しました。ところが取引先から受け取った請求書が適格証明書でない場合、取引先は税金を納めていないと見做されてしまうため、会社は売上分の消費税を全て納めないといけなくなります。

そのため、会社としてはなるべく、適格請求書を使ってくれる取引先に仕事を依頼したいのです。そのため、適格請求書を使っていないエンジニアは、契約を切られてしまう恐れがあります。フリーランスエンジニア間でインボイス制度が騒がれている理由は主にこちらです。

消費税を納める分手取り額が減ってしまう

契約を切られてしまうことを避けるために、適格証明書を発行する手もあります。適格証明書は課税売上高が1,000万円未満でも発行することが可能です。適格証明書を提出する場合、会社側はその分の消費税を納めなくて良いため契約を切られてしまうことがなくなります。

ただしこの場合消費税を納めなくてはならず、手取り額が10%も減少してしまいます。適格証明書を発行するのが得かどうかは、その人の状況次第と言えるでしょう。

インボイス制度に向けてやっておくべきこと

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インボイス制度により売上が下がってしまうエンジニアは多くいると推測されます。そのためエンジニアの方は今のうちにインボイス制度に向けて対策を打っておく必要があります。具体的にどういった対策を行うべきなのか見ていきましょう。

適格請求書を発行すべきか決める

まずは現在の自分の状況を分析し適格証明書を発行すべきか決定します。たとえば、顧客から契約が切れないほど自分にしかない強みはあるか、などです。

もし適格証明書を発行するなら2023年3月31日までに申請しないとインボイス制度の開始に間に合わないので、早めに動くことをおすすめします。特に3月は確定申告の時期でもあり税務署が混雑する恐れもあります。

会計作業の見直し

続いて、会計作業の見直しも行いインボイス制度に対応できるようにしておきましょう。請求書や納品書などを作成する会計ソフトが、インボイス制度に対応できるか確認する必要があります。クラウドソフトなら基本問題ありませんが、パッケージ型の場合自分で対応しないといけません。

売上アップとコスト削減方法の検討

インボイス制度が始まると売上が減ってしまう可能性があるため対策を検討しましょう。たとえば、取引先からの信頼を獲得する、人脈を増やし仕事の獲得数を増やすなどです。

ほかにも、仕事方法を見直したりスキルアップして他のエンジニアと差別化を図れるようにしたり、今のうちにできることはあるはずです。また、節税の方法についても調べて売上アップだけでなくコストも削減できないか考えてみましょう。

可能なら年収1,000万円を目指す

可能なら年収1,000万円を目指すのもおすすめです。1,000万円以上なら必ず消費税を納める義務があるため、インボイス制度に影響を受けることはありません。実際、インボイス制度を年収アップのための目標ができたと前向きに捉える方もいます。

インボイス制度が廃止・延期になる可能性は?

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インボイス制度はエンジニアにとって悪影響が大きいため、廃止・延期してほしいと考える方も多いでしょう。インボイス制度が廃止・延期になる可能性はあるのかまとめました。

インボイス制度廃止を求める声は多い

フリーランスや個人事業主の中にはインボイス制度に反対する人も多いです。また、各種団体からも反対意見が挙がっています。更に、共産党や国民民主党などインボイス制度反対を訴える政党も多いです。

基本的にはインボイス制度は決定事項

インボイス制度は決定事項であり、現時点では廃止・延期になる動きはありません。インボイス制度に関する法律はすでに審議可決されており、もし廃止・延期する場合は法律改正が必要になってしまいます。

そのため、インボイス制度は反対意見も多いものの実行される確率が高いとみて良いでしょう。廃止・延期になる可能性も0ではないですが、開始時に慌てることがないよう基本的には実行されるものと考えて準備を行うことを推奨します。

インボイス制度や消費税について深く学べる本

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最後に、インボイス制度や消費税について深く学べる本をまとめました。フリーランスの方やこれから独立を目指す方は税金関係について理解し、無駄な出費を増やさないようにすることが大切です。

改訂版 Q&Aでよくわかる 消費税 インボイス対応 要点ナビ

本書はインボイス制度について初めて勉強する方におすすめです。インボイス制度についてわかりやすくまとめられており、読みやすいように工夫されていると評価されています。

【参考】:改訂版 Q&Aでよくわかる 消費税 インボイス対応 要点ナビ

はじめて課税事業者になる法人・個人のための インボイス制度と消費税の実務

本書もインボイス制度・消費税について詳しく書かれています。図が多く挿入されているため、本を読むのが苦手な方でも内容を理解しやすい構成になっています。消費税の仕組みから始まり、インボイス制度への対応、消費税の申告方法などフリーランスが知っておきたい内容がまとめられています。

【参考】:はじめて課税事業者になる法人・個人のための インボイス制度と消費税の実務

インボイス制度に向けての準備は早めに行おう

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本記事ではインボイス制度についてまとめました。インボイス制度はどういったものなのか、インボイス制度によってエンジニアがどのような影響を受けるのか、ご理解いただけたかと思います。インボイス制度によって契約数が減少してしまうエンジニアは多くいると推測されます。

インボイス制度はすでに決定事項であり、2023年10月に予定通り始まると考えた方が良いです。制度開始まではまだ時間はありますが、今のうちに対策を立てておき影響をなるべく受けないようにすることが大切でしょう。

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