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“Flutter”だけでも食っていけます。『天才プログラマーKBOY』主宰の「Flutter大学」は陽キャ集団だった【前編】
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“Flutter”だけでも食っていけます。『天才プログラマーKBOY』主宰の「Flutter大学」は陽キャ集団だった【前編】

一番ヶ瀬 絵梨子
2021.12.10
この記事でわかること
Flutterは、iOSとAndroid両対応のスマホアプリ開発フレームワークである
Flutter大学は、YouTuber・KBOYさん主宰のオンラインサロンで、有料会員数250人
Flutter大学の共同開発は現在第6期で、完成度の高いアプリがリリースされている
オフ会やシェアハウスなど、Flutter大学は交流が活発なわりと陽キャな集団である

プログラミングの楽しさを直感的に伝える「天才プログラマーKBOY」、プログラマーのリアルを伝える「凡才プログラマーKBOY」

いずれのチャンネルも登録者数2万人を超えている人気YouTuber、KBOYさん。

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そんなKBOYさんが今注力しているのが、スマホアプリ開発のフレームワークである「Flutter(フラッター)」、そしてFlutterに特化したオンラインサロン「Flutter大学」です。

そもそもFlutterとはどんなものなのか?

KBOYさんがFlutterやFlutter大学を通じて実現したいことは何なのか?

今回は、そんなこんなをじっくりインタビューしました。

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iOSとAndroid両対応の開発フレームワーク「Flutter」

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一番ヶ瀬 絵梨子

Flutterを知らない方のために、まずはFlutterについて教えていただけますか?

KBOYさん

Flutterは、スマホアプリを開発するためのフレームワークです。2018年に初の正式版がリリースされたので、かなり新しい技術ですね。

一番ヶ瀬 絵梨子

スマホアプリを開発できるフレームワークはほかにもありますが、Flutterならではの特徴はありますか?

KBOYさん

iOSとAndroid、両方のアプリに対応していることです。そもそも片方しか作れなかったり、両方に対応している開発環境であってもiOS用/Android用に分けてコードを出力したりする開発環境が多いのですが、Flutterは作り分けを意識する必要がありません。

一番ヶ瀬 絵梨子

それは強みですね。ただ、新しい技術のようなので、習得するにあたっては将来性が気になるところだと思います。Flutterを使えることは、エンジニアとして武器になるのでしょうか?

KBOYさん

案件は増えてきていますし、Flutterエンジニアを紹介してほしいという問い合わせもよくいただきますよ。現に今、Flutterのスキルのみでエンジニアとして働いている人がいるので、そこは心配いらないと思っています。

一番ヶ瀬 絵梨子

Flutterのスキルのみ、ということは、その方が最初に勉強したプログラミングがFlutterだったということですね。Flutterは初心者が学ぶにあたってハードルが低いのでしょうか?

KBOYさん

Flutterの仕組みは簡単で、初心者にもわかりやすいと思います。Flutterで使うDartという言語は特別簡単なわけではなく難易度としては普通ですが、アプリ開発にあたってHTMLが登場したりせず、ボタンをどこに置くといったUIも含めて全部Dartで完結するので。

一番ヶ瀬 絵梨子

言語は簡単ではないのに、Flutterは簡単…?

KBOYさん

初心者の方が誤解しやすい部分なんですが、「プログラミングができる=アプリ開発ができる」ではないんですよ。アプリ開発の仕事でプログラミング言語を書いてるのは1/3くらいで、UIの設計やプッシュ通知の設定などそれ以外にもいろいろな工程があり、作法やルールの理解も必要です。

KBOYさん

なので、言語にウエイトを置く必要はないんです。そして、アプリ開発のしやすさという点において、Flutterというフレームワークは初心者にも簡単でわかりやすい、ということです。

チーム開発を経験できる、Flutter大学の共同開発プロジェクト

一番ヶ瀬 絵梨子

Flutterのエンジニアを目指す人や現役のFlutterエンジニアが集まっているのが、KBOYさんが主宰している「Flutter大学」(オンラインサロン)ですよね。いつできて、いま何人くらいいらっしゃいますか?

KBOYさん

2020年4月29日にスタートしたので、1年半を過ぎたところです。2021年11月現在、有料会員が250人、無料会員が100人くらいです。無料会員はSlackやGithubは閲覧できず、Flutter大学アプリの限定コンテンツを少し見られるくらいですが。

一番ヶ瀬 絵梨子

Flutter大学は何が学べる場所なんですか?

KBOYさん

Flutter大学では、Zoomでの質問会、勉強会、共同開発プロジェクトなど、グループで学べる機会を用意しています。交流会もありますよ。

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一番ヶ瀬 絵梨子

質問会や勉強会はなんとなくわかりますが、共同開発プロジェクトとはどんな企画なんでしょう?メンバーはいつでも誰でも提案できるのですか?

KBOYさん

共同開発は運営側の主導で、3ヶ月に1回、キックオフミーティングを設けています。アイデアがある人が提案し、賛同者がいれば開発に着手し、3ヶ月後に発表するというフローです。すでに第6期になりました。

一番ヶ瀬 絵梨子

実際に仕事を始めると、最初から最後まで1人でということはまずないですもんね。エンジニアを目指して勉強中の段階で、チーム開発を経験できるのはかなり貴重な機会だと思います。共同開発プロジェクトから生まれてヒットしたアプリはありますか?

KBOYさん

ヒット作と呼べるほどのアプリはまだないですが、クラフトビールの情報やレビューを投稿・閲覧できる『ビアコレ』は一定の評価を受けていますし、アプリとしてもきちんとできていると思います。

一番ヶ瀬 絵梨子

クラフトビールはトレンドですし、楽しそうなアプリですね!今後、大ヒット作が出る可能性もありますが、権利関係はどうなっていますか?Flutter大学というオンラインサロン内の企画だけど、発案者も開発者もメンバーとなると、いろいろ難しいのでは…。

KBOYさん

企画者に権利があり、権利の配分も企画者が決めてOK、ということにしています。できればFlutter大学のリポジトリに登録してほしいとお願いしているくらいで、それも強制ではありません。共同開発プロジェクトで作ったアプリを使って起業しようとしてる人もいますよ。

一番ヶ瀬 絵梨子

えっ、予想外の太っ腹。でも、そんな性善説で、大丈夫なんですか…?

KBOYさん

実は、自分でソフトハウスをやっているメンバーが、自社で開発予定のアプリを共同開発プロジェクトで提案したことがあります。

共同開発プロジェクトに参加するのは主にまだ勉強中のメンバーが多いので、実際にはマネジメントの負荷が高すぎて「Flutter大学を使えば無料でFlutterアプリを発注できちゃう!」というほど簡単にオイシイ話にはなるものではないですよ。

KBOYさん

でも、発想としては労働搾取につながりますから……今のままでは抜け穴があるし、ルール作りの必要性は感じています。

一番ヶ瀬 絵梨子

なるほど、ちょっと安心しました。ただ、お聞きしているとメンバー間のスキル差がけっこうある印象です。初心者が難しすぎると感じたり、中~上級者が簡単すぎて物足りないと感じたりしないような工夫はされていますか?

KBOYさん

それは、プランの設定で解決しています。交流や情報収集がメインになる中~上級者向けには「コミュニティプラン」、がっつりFlutterを勉強したい初心者向けには、自由に質問できる「Flutter修行プラン」を用意しています。

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一番ヶ瀬 絵梨子

何をお聞きしても明確な答えが返ってきますね。権利やプラン、レベルは気になる人が多いと思うので、入会を検討している人は安心材料になると思います。Flutter大学に入ったら技術面でこんなことが学べるよ、というメリット、ほかにありませんか?

KBOYさん

Flutterだけでなく、アプリをリリースするために必要なことがすべて学べるようにしてあります。さきほども少し触れましたが、アプリ開発のために必要なのは、特定の言語や開発環境に関する知識だけではないんです。

KBOYさん

「Flutter × Firebase」での開発が多いので、Firebaseの勉強会もよくやってますね。ほかにもStripeやAlgoliaなど、SaaSを組み合わせて少人数で作るというのをやってる人が多いので、そのあたりの知見も広がると思います。

Firebaseとは?

Googleのモバイル・Webアプリケーション開発プラットフォーム。 https://firebase.google.com/

Stripeとは?

インターネット向けの決済インフラを提供しているSaaS。 https://stripe.com/jp

Algoliaとは?

全文検索の機能を提供しているSaaS。 https://www.algolia.com/

勉強は自分で。Flutter大学はその後押しをする場所。

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一番ヶ瀬 絵梨子

教材はすべてYouTubeで無料公開されているそうですね。勉強は1人でやるもの、という大前提があってのFlutter大学、ということだと思いますが、その存在意義を、主宰者としてどう捉えていらっしゃいますか?

KBOYさん

まずは単純に、誰かといると楽しいってことです。僕自身、みんなが仲良くなり、雰囲気が良くなっていくのが好きですね。もちろん1人で勉強するほうが性に合う人もいますが、コミュニティに属しているほうがモチベーションを保ちやすい人が多いと思います。

一番ヶ瀬 絵梨子

グループ勉強会の予定が決まっていると、手ぶらではいけないなと思いますもんね。それだけでも違う気がします。

KBOYさん

それに、気軽に質問できる場所があると初心者は勉強が捗りますし、中〜上級者でもちょっとした相談に答えてもらうことで解決の糸口が見つかることもあります。スキルアップするにあたって効率が良くなりますね。

一番ヶ瀬 絵梨子

そんなふうにうまく循環するには気軽に話せる雰囲気であることが必要ですが、どんな仕掛けがありますか?

KBOYさん

定期的に実施しているのは、週1回の懇親会(SpatialChat)と、月1回のZoomでのオンライン交流会。オンライン交流会は20分×3回に区切って、人数を絞りつついろんな人と話せるようにしています。もちろん自由参加ですけど。

一番ヶ瀬 絵梨子

それはZoomの質問会やグループ勉強会とは違う、雑談の場ですか?

KBOYさん

そうです。ただ、雑談だからFlutterの勉強と関係ないわけではなくて。例えばFlutterエンジニアを目指して勉強中の初心者の場合、現役のFlutterエンジニアに話を聞ける機会ってあまりないですよね。将来像を描くにあたって、貴重な機会になっていると思います。

一番ヶ瀬 絵梨子

リアルな話を聞けるっていいですね。現役のエンジニア同士でも、同業者だから分かり合える、でも職場では話せない愚痴を言いあったりできそうです。テキストで話せる雑談用チャットがあったりはしないんですか?

KBOYさん

Slackにありますよ。コミュニティ内だけのクローズドなSNSみたいなものですが、わりと盛り上がってます。今年10月、コロナがちょっと落ち着いていた時期に札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄でオフ会をしたんですけど、Slackで目立っている人は「あなたが〇〇さん!」という感じで注目を浴びてました。

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オフ会の様子 Photo by uetomo
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Flutter大学のSlack。メンバーごとにTwitterのような独り言チャンネルが設けられている
一番ヶ瀬 絵梨子

オフ会まで開催されてるんですね!勝手なイメージで失礼な発言になるかもしれませんが、プログラミング系のオンラインサロンにしては活発な印象ですね。

KBOYさん

うちほど交流が活性化しているプログラミング学習のコミュニティはないと思いますよ。「AWS CloudTech」を主宰しているYouTuberのくろかわこうへいさんと仲がいいんですが、彼にもそう言われます。恵比寿にシェアハウス(Flutter大学のシェアハウス、通称「フラハ」)もできてメンバーが5人暮らしてますし、わりと陽キャ集団です。

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Flutter大学のシェアハウス、通称「フラハ」の様子
一番ヶ瀬 絵梨子

シェアハウス、って!そこまで仲良く盛り上がってると、陰キャは入れない…?

KBOYさん

まさか。陽キャといっても基本は真面目に勉強したいメンバーですし、交流は強制ではないですから。Flutterに興味がある人なら、どなたでも大丈夫ですよ!

後編では、KBOYさんの経歴や将来像についても取り上げていきます

'商材屋'になりたい訳ではないんですよ。『凡才プログラマーKBOY』がFlutter大学を運営する理由【後編】

【関連リンク】

合同会社KBOY(公式サイト)

Flutter大学(YouTubeチャンネル)

KBOY(Twitter)

ライター

一番ヶ瀬 絵梨子
心理学科卒業後、新卒未経験でSI企業に就職し、Java系のSEとして10年。 結婚出産を経て、2015年にトラベルライターに転身。 現在はライターのほか、webディレクターや広報の業務にも携わっている。 新婚旅行では1年かけて世界50ヶ国を巡るほどの旅行好き。 日々の晩酌が何よりの楽しみ。
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