プログラミングの楽しさを直感的に伝える「天才プログラマーKBOY」、プログラマーのリアルを伝える「凡才プログラマーKBOY」。
いずれのチャンネルも登録者数2万人を超えている人気YouTuber、KBOYさん。
そんなKBOYさんが今注力しているのが、スマホアプリ開発のフレームワークである「Flutter(フラッター)」、そしてFlutterに特化したオンラインサロン「Flutter大学」です。
KBOYさんはどんな経歴で、なぜFlutterに注力しているのか?
KBOYさんがFlutterやFlutter大学を通じて実現したいことは何なのか?
今回は、そんなこんなをじっくりインタビューしました。
KBOY=大企業だからできた勉強+学祭や合コンで鍛えた段取り力
ここからは、KBOYさん自身のことやKBOYさんの今後の展望について伺っていきたいと思います。Flutter大学は交流の活発な陽キャ集団だとおっしゃっていましたが、KBOYさん自身が陽キャなんですか?
まあそうですね。もともと目立つのは嫌いではなくて、文化祭や学祭で人前に出たり、合コンを仕切ったりするのも好きなほうでしたよ。とはいえ、クラスでいちばん目立つ最前線の陽キャとかではなく、普通に真面目なタイプです。落ちましたけど東大受けましたし、それくらいには勉強してました。
へえ、東大!出身は早稲田で、新卒で入社されたのはWeb系の一部上場企業ですよね。安定したサラリーマン人生が約束されていたと思いますが、小規模なベンチャー企業に転職したり、フリーランスのYouTuberになったりすることに不安はなかったですか?
いや、全然それはないです。中高生のころから起業ってかっこいいな、社長になりたいなと思ってました。ひねくれてるかもしれないですが、電車に揺られてるサラリーマンってダサいみたいな反骨心を持ってたんで、いずれそっちに行くだろうというか、既定路線という感じで。どんどん小さいところに移って独立という形ですけど、不安とか怖いとかはないです。
起業マインドはいつからかなと思っていましたが、予想以上に早い段階でした。では、新卒で大企業に入って良かったこと、学べたことはありますか?
大企業でやっていた仕事が、いま直接的に生きているということは……正直ないです。でも、最初の仕事で勉強させてもらえたことがきっかけで、エンジニアになれました。小さい会社では、即戦力じゃない若者に勉強させるようなことはできませんよね。
でも利益を出してる大企業なら、利益を出さない若い社員に勉強させて給料を出せる。そういう環境を与えてもらったおかげで、今の自分があると思っています。
いまの仕事に生きているという意味では、学生時代の合コンやパーティー、社会人2年目の頃からやっていた勉強会とか、そういう経験を通して得た段取り力ですね。チャラく思われがちですけど、まさにコネクティング・ザ・ドッツで、あの経験がここで生きるのかと実感してます
コネクティング・ザ・ドッツ(Connecting the dots)とは?
2005年の米スタンフォード大学卒業式での、スティーブ・ジョブズの伝説的なスピーチで語られた言葉。点と点がつながるように、過去の思いがけない経験が未来に生きることもある。今やっていることがどこかに繋がると信じて生きてほしい、という内容。ちなみにこのスピーチは、「Stay Hungry! Stay Foolish!」というフレーズで締めくくられる。
Flutterの第一人者として、学びの後押しをする場を作りたい
ベンチャー企業を経て独立されたKBOYさんですが、今はFlutterに注力されていますよね。もともとFlutterエンジニアだったわけではないのに、なぜFlutterを?
わりと自分のポジショニングについて考えるほうなんですが、Flutterなら今から始めても第一人者になれると思ったからです。単に技術として好きだというのもありますが、単価が多少安くてもFlutterやったほうがいいなというカンが働きました。
実際そうなっていて、Flutterを学びたい人がKBOYさんの元に集まるようになったわけですが、KBOYさん自身はどうやってFlutterを学んだんですか?Flutter大学にあるような教材は当然ない状態ですよね。
Udemy(オンライン学習プラットフォーム)や外国人の情報発信を利用して勉強しました。あとは、仕事として請けるとやらざるを得ない環境に追い込まれるので、それも上達方法のひとつですね。
英語は得意だったんですか?
受験科目としては、英語はかなり得意なほうでした。でも、逆に言うとその程度です。例えば動画教材だと英語がちゃんとわからなくてもだいたい理解はできるんですよ。
これはFlutter大学のメンバーにもよく言うんですが、英語教材だというだけで拒絶せずに、もっと気軽に英語教材や英語の情報を活用してほしいんですよね。
話を少し戻しますが、Flutter大学について。入会するメリットについてはすでにお伺いしましたが、どんな軌跡をたどってきたコミュニティですか?
YouTubeチャンネルでちょっと煽って募集したこともあって、立ち上げてすぐに100名ほどの人数は集まったんです。でも、コミュニティとして最初から順調だったわけではないんです。
嘘はついてないけど、限定教材に期待していた人にガッカリされてしまったり、数ヶ月いて一通り学ぶとやめてしまったり…そんな状態が1年ほど続きました。
後者は必要なことを学び終えた人なので、Flutter大学への不満ではなく、いわゆる卒業ですよね。そんなに悪いことではないと思いますが。
そうですね、卒業です。でも、教材をすべて無料公開していることでもわかるように、自分は商材屋になりたいわけではないんですよ。コミュニティを作りたくてFlutter大学を立ち上げたので、目指すのはFlutterに携わる人たちが所属し続ける意味のある場所だったんです。
Flutter大学は学びの後押しをする場所だ、というお話でしたね。
はい。今は勉強会や共同開発プロジェクトなど現役のFlutterエンジニアにとってもスキルアップにつながる機会がありますし、オフ会や交流会で友達ができたとか、そういう存在理由もあるんですけど。
コミュニティとして今みたいに活性化してきたのは、Flutter大学ができて約1年後の2021年3月頃からです。自発的に勉強会を開いてくれるメンバーが登場したことで、変化が生まれたんです。
Zoom交流会もいくつかのグループに分かれているようですし、質問Zoomなども必ずしもKBOYさん自身がすべて仕切っているわけではないんですね。お話を聞いていると、人数の話だけではなく、Flutter大学というコミュニティが成熟してきたような印象を受けます。
だから、「KBOYがやってるオンラインサロン『Flutter大学』」というイメージは払拭していきたいと思っています。いまやFlutter大学は僕がいなくてもきちんとまわっているし、YouTuberのKBOYが好きだから入るとか、そういうものではないので、より信用されるサービスとして運営していくためにもそうしていきたいと思っているところです。
2021年1月に、2020年はエンジニアとして受託開発もしていたとお話されていましたが、いまは合同会社KBOYを設立されていますよね。エンジニアの仕事はもうされていないんですか?
依頼があれば単発で請けることはあります。ほかには技術顧問をしたり、プログラミングスクールのカリキュラムを作ったりといった仕事もありますね。ただ、会社は立ち上げましたが、まだ自分だけです。
社員を増やしていく予定はありますか?例えばですけど、Flutter大学のメンバーでFlutter専門の受託開発会社を作ることもできると思うのですが。
Flutterエンジニアがこんなに集まっているところは他にないので、Flutterエンジニアを紹介してくれという問い合わせは多いですよ。でも、受託開発会社を作るつもりはないです。
受託開発、あまりお好きではなさそうですね。
やりたいものを、やりたい人と作りたいタイプなので、仕事となると気が進まなくても作らないといけない受託開発は基本的に好きではないです。
Flutter大学にとって良い流れが生まれたり、Flutter大学のメンバーの成長につながる仕事に繋がったり、という可能性があれば受託開発の依頼も受けますが、興味があるのは人を育てる仕事のほうです。
だから今後の展望としては、「人材育成」を軸としたビジネスをしていきたいですね。
それは1人では難しそうですね。
KBOYさんの自分に正直なお人柄や、自分だけでなく周囲にも良い影響を与えていこうとする姿勢が凄く素敵でした。「Flutter大学」の今後の発展、人材育成を軸としたビジネスの展開、非常に楽しみですね。
KBOYさん、この度は取材を受けてくださり誠にありがとうございました!
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