CCNPとは?
CCNPは「Cisco Certified Network Professional」の略であり、シスコシステムズ社が運営する資格のうちの1つです。CCNPを取得することによって、大規模ネットワークの構築・導入、運用、保守などの技術を証明できます。
CCNPへ合格するには参考書をうまく活用する方法が欠かせませんが、まずはおすすめの参考書を紹介する前にCCNPとはどういった資格なのかを解説します。CCNPの出題範囲や種類の他、2020年に行われた改定についてもまとめているので、CCNP試験を受ける方はぜひ参考にしてください。
CCNPはCCNAの上位資格
シスコ技術者認定資格には「アーキテクト」「エキスパート」「プロフェッショナル」「アソシエイト」「エントリー」の5つのグレードがあり、CCNPはプロフェッショナルに該当します。
ネットワークエンジニアの資格としてはCCNAが有名ですが、CCNPはその上位資格の位置づけです。CCNPを取得することでネットワークエンジニアとして高いスキルを持っていることが証明されます。
また、CCNPはコンピュータで問題を解く形式(CBT)となっており、選択問題やシミュレーション問題、シナリオ問題など様々な問題が出題されます。
【参考】:シスコ技術者認定 - トレーニング & 認定 - Cisco
CCNP試験の改定について
CCNP試験は、2020年に大きな改定が行われたので注意が必要です。2020年の改定によってCCNPの試験科目は3科目ではなく、コア試験が1つとコンセントレーション試験の中から1つの、合計2科目となっています。
また、試験カテゴリも7種類に変わりカテゴリ名称も変更されました。さらに、以前はCCNPの受験にはCCNAの取得が必須だったのですが、改定後は前提条件はなしとなりました。ただし、公式サイトには3〜5年の実務経験を持つことが推奨と書かれています。
CCNPを受験する場合は、改定後の試験に対応している参考書を選び、対策を行いましょう。
CCNP試験の種類
2020年の改定以降のCCNPの試験は次の7種類となっており、種類によって認定される技術が異なります。
- CCNP Enterprise
- CCNP Security
- CCNP Collaboration
- CCNP Data Center
- CCNP Service Provider
- Cisco Certified CyberOps Professional
- CCNP Certified DevNet Professional
この中で、EnterpriseとSecurityは日本語でも受験が可能です。その他は英語でしか受験できないため、試験合格には最低限の英語力が必要です。
コースごとに複数の科目が用意されており、認定されるには合計2科目に合格する必要があります。ただし、同時に2科目受ける必要はなく、1科目に合格してから3年以内に他の科目に合格しても構いません。3年以上が過ぎると最初から受験し直すことになるので注意が必要です。
資格取得のメリット
CCNPは、ネットワーク関連資格の中でメジャーかつ非常に知名度の高い資格です。就職・転職などで有利に働きやすく、実際に求人広告などで歓迎資格としてCCNPを列挙している企業も多いです。難易度が高いとされるCCNPの資格を保有していることにより、キャリアアップもしやすくなります。
また、資格保有者に対して報奨金や資格手当を支給する企業が多く、キャリアアップも兼ねたCCNPの取得は年収を上げるための重要なツールとしても期待できます。企業の検索は以下のマイナビエージェントで確認してみましょう。
【参考】:マイナビITエージェント
CCNP試験のおすすめの参考書
ここでは、CCNP試験の学習におすすめな参考書をまとめました。これらの参考書は改定版のCCNPに対応しており、CCNP公式で出されているものが多いのでより良い試験対策となるでしょう。改定版に対応しているCCNPの参考書は数少ないため、参考書を検討している方はぜひチェックしてみてください。
CCNP and CCIE Enterprise Core ENCOR 350-401 Official Cert Guide
本書はEnterpriseのENCORの参考書です。ENCORはコア試験であり必ず全員が受験することになるため、まずはこちらで学習するのがおすすめです。公式が出版している参考書のため内容が濃く、これ1冊で試験対策ができますが、全て英語で記述されているので注意しましょう。
ENCORの試験範囲であるデュアルスタックアーキテクチャ、仮想化、インフラストラクチャなどを全般的に学べます。
▪著者:Brad Edgeworth、David Hucaby、Jason Gooley、Ramiro Garza Rios ▪ページ数:1,024ページ ▪出版社:ピアソン ▪発売日:2019/12/24
【参考】:CCNP and CCIE Enterprise Core ENCOR 350-401 Official Cert Guide
シスコ技術者認定教科書 CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集
本書はEnterpriseのENARSIの参考書であり、日本語で書かれているため英語が苦手な方でも読めることが特徴です。IT技術専門スクールの講師が持つ合格メソッドが盛り込まれた内容となっており、合格点を獲得するための基礎力を効率よく身につけられるでしょう。
また、本書の章末には確認問題や模擬試験が掲載されているため、習熟度を確かめながら学習を進めることができます。初めてCCNPのEnterprise試験に挑む方におすすめの1冊です。
▪著者:林口 裕志、川島 拓郎 ▪ページ数:864ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2021/08/30
【参考】:シスコ技術者認定教科書 CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集
CCNP and CCIE Security Core SCOR 350-701 Official Cert Guide
本書はSecurityのコア試験であるSCORの参考書であり、セキュリティ分野を中心に学ぶことが可能です。こちらも公式が出版している参考書であり、全て英語で記述されています。Securityの出題範囲であるネットワークセキュリティやクラウドセキュリティなどを総合的に学べます。
▪著者:Omar Santos ▪ページ数:ページ ▪出版社:ピアソン ▪発売日:2020/05/26
【参考】:CCNP and CCIE Security Core SCOR 350-701 Official Cert Guide
CCNP and CCIE Collaboration Core CLCOR 350-801 Official Cert Guide
本書はCollaborationのコア試験であるCLCORの参考書であり、コラボレーションインフラストラクチャの知識を身につけることができるためおすすめです。こちらも公式で出版されている本なので、出題範囲が網羅されています。全編英語で記述されている参考書です。
▪著者:Jason Ball ▪ページ数:896ページ ▪出版社:ピアソン ▪発売日:2020/09/03
【参考】:CCNP and CCIE Collaboration Core CLCOR 350-801 Official Cert Guide
シスコ技術者認定教科書 CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集 [対応試験]コア試験ENCOR(350-401)
本書は、改訂版に対応した「CCNP Enterprise」試験(ENCOR:350-401)のテキスト&問題集です。合格のためのポイントがまとめられており、基礎知識力を身に付けることができます。独学で励んでいる人でも合格を目指しやすいように、読者特典として模擬試験へのチャレンジが可能です。
▪著者:林口 裕志、川島 拓郎 ▪ページ数:944ページ ▪出版社:翔泳社 ▪発売日:2022/09/21
【参考】:シスコ技術者認定教科書 CCNP Enterprise 完全合格テキスト&問題集 [対応試験]コア試験ENCOR(350-401)
参考書以外のCCNPの学習方法
CCNPのおすすめの参考書を解説しましたが、CCNPは参考書の数が現状少ない上に英語で書かれているものが多いため、参考書だけでは勉強しにくい方も多いでしょう。そこで、ここでは参考書以外のCCNPの学習方法を紹介します。
公式の研修を活用する
公式で「シスコ認定トレーニング」という研修を開催しているので、こちらに参加するのもおすすめです。3〜5日間の集中的な研修となっており、シスコ社のネットワーク関連の正確な情報を得ることができます。
【参考】:シスコ認定トレーニング
シスコラーニングネットワークジャパンを活用する
シスコラーニングネットワークジャパンとは、受験者同士で交流ができる情報ポータルサイトのことです。他の受験者からCCNP試験のコツを教えてもらえたり、CCNPの最新情報について知識を得られたりするので上手く活用するのが良いでしょう。
また、CCNPの練習問題も無料で提供されており、他の受験者と交流することでモチベーションアップにも繋がるため、おすすめの情報ポータルサイトです。
【参考】:シスコラーニングネットワークジャパン
学習サイトを活用する
学習サイトは、オンラインでCCNPなどのIT資格の勉強ができるサイトです。数多くの問題が掲載されている上に解説も丁寧であるため、参考書と併せて利用したいサービスです。
様々な学習サイトがありますが、ほとんどが選択式の問題で答えをクリックするだけで良いため、通勤時間などの隙間時間で有効活用できます。無料版・有料版があるため、学びたい資格の内容に合わせて選択しましょう。
参考書を活用したCCNP試験の勉強手順
最後に、CCNP試験の勉強手順を紹介します。参考書を使ってどういう手順で勉強していけば良いのかをまとめました。
最低限の英語力を身につける
CCNPの公式参考書は英語で書かれているため、まずは英語力を身につける必要があります。試験問題の英語が理解できれば問題ないため、そこまでハイレベルな英語力は要求されません。基礎的な英単語の意味が分かり、英文を速く読める練習を繰り返すことが重要です。
ネットワークの設定方法を理解する
CCNPは選択問題だけでなく、シミュレーション問題も多く出題されます。シミュレーション問題では実際にコマンドを入力する必要があるため、単にネットワーク関連の知識があるだけでなく、実際にネットワーク設定が行えることが必須です。
自宅にシスコのネットワーク機器がある場合は、その機器を使って実際に手を動かしながら設定方法を学びましょう。実際に手を動かすことで記憶に定着しやすくなります。ネットワーク機器がない場合は、GN3などのエミュレータツールを使うのがおすすめです。
参考書などで問題を繰り返し解く
参考書は何冊も購入するよりも、1冊を集中的にやり込むことが重要です。何冊も並行して解いていくと学習が散漫になる恐れがあるからです。また、参考書の問題はただ解くだけでなく、解説を読み込みなぜ間違っているかしっかり把握することが大切です。
模擬試験に挑む
参考書の問題を完璧にしたら模擬試験に挑み、時間内で全ての問題を解けるか確認しましょう。CCNPはシミュレーション問題など、単に知識が問われるだけでなく考える力が求められる問題も多くあり、解く時間が足りなくなる恐れもあるので注意が必要です。
CCNPは難関資格なのでより良い参考書を選ぶことが大切
本記事では、CCNPのおすすめの参考書について解説しました。どういった参考書を購入すればいいのかが分かりました。CCNPはIT資格の中でも難関であり、合格者も少ないと予想されるので、自分の学習スタイルに合った参考書を選んで効率的に学習を進めることが肝心です。
また、CCNPは参考書が少ないため、学習サイトや公式の研修なども活用しつつ知識を深めていくのが良いでしょう。
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