MySQLとは?
MySQLとはオープンソースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。オープンソースの人気ナンバー1のRDBMSで、商用RDBMSであるOracle Databaseに続く人気を誇ります。
【参考】:MySQL
オープンソースのユーザは、OSをLinux、ウェブサーバをApache、データベースをMySQL、プログラム開発をPerl・PHP・Pythonで構成することで、より実績のある安定したシステム構築を行っています。
MySQLのインストール方法
MySQLは有償版と無償版があります。有償版をMySQL Enterprise Editionと言い、無償版をMySQL Community Editionと呼びます。ここでは、MySQL 8.0無償版のインストールの流れを説明します。
以下に、ダウンロードサイトからのファイルダウンロードの仕方をまとめていますので、ご参考ください。
無償版モジュールは、公式ダウンロードサイトに登録されているLinuxモジュールやWindowsインストーラから該当バージョンを選択し、ダウンロード・インストールします。今回は、「MySQL Installer for Windows」を選択します(①)。
続いて、表示されるダウンロードファイルのリンクをクリックします(②)。上側のリンクが、モジュールをネット接続しながらダウンロードするインストーラです。
下側が、モジュールをすべて同梱したインストーラです。オフラインでもインストールできますが、容量は比較的大きめです。いずれか都合に合わせてクリックします。
ダウンロードサイトではOracle Web accountのサインアップを求められますが、サインアップせずにダウンロードすることも可能です。サインアップしない場合は、「No thanks, just start my download.」をクリックします(③)。サインアップする場合は、「Login」または「Sign Up」を選択します(④)。
【参考】:MySQL Community Downloads
MySQLのWindowsへのインストール準備
MySQLをWindows OSへインストールするには、MySQL Installerをダウンロードします。MySQL Installer では、Microsoft .NET Framework 4.5.2 以上が必要なため、事前に.NETをインストールしておきます。
【参考】:MySQL Installer
Visual Studioから、MySQLを利用する場合ですがプラグインモジュールが必要です。MySQL for Visual Studio 1.2.10を、プラグインモジュールとしてインストールします。
なお、プラグインモジュールは、現時点ではVisual Studio 2022に対応していません。旧バージョンのVisual Studioをお持ちの方や、Developer登録している方は旧バージョンを事前に導入しておきます。
【参考】:MySQL for Visual Studio 1.2.10 【参考】:Microsoft Visual Studio
MySQLをWindowsへインストールしてみる
さっそく、ダウンロードしたファイルを実行してみましょう。実行すると次の図のように、ユーザーアカウント制御が表示される場合がありますので、「はい」をクリックします(①)。
最初の表示は、「Choosing a Setup Type」です。ここで表示される、「Setup Type」で「Developer Default」を選択すると、あまり悩まずにインストールが完了します(②)。そのため、「Setup Type」を変更せずに「Next」をクリックします(③)。
MySQL Serverならびにツールが同時にインストールされます。インストールコンポーネントを指定する場合には、「Custom」で指定することもできます。「Server Only」の場合は、MySQL Serverのみインストール可能です。
ODBC を使用するにはConnector/ODBCドライバ、 .NETではConnector/Netドライバが必要です。インストーラで「MySQL Connector」を個別指定するか「Developer Default」でインストールされます。インストーラでは構成チェックを行い、必要なソフトウェアをインストールし構成してくれます。
標準インストールでは、”C:\Program Files\MySQL\MySQL Server 8.0”にMySQL 8.0がインストールされます。サーバープログラムやユーティリティはbinに格納され、ライブラリはlibに格納されます。
パッケージはMySQL Installerの他にMySQL noinstall ZIP アーカイブ・MySQL Docker イメージで提供されています。
MySQLインストーラの実行の流れ
インストーラが起動すると、順に手続きが進んでいきます。ここではインストーラの実行の流れを整理し、図解します。
・インストール要件の確認 次の図のように、動作に必要なモジュールがリストアップされます。「Next」を押すと次へ進みます(②)。自動でインストールできないモジュールがあれば、この画面に表示されます。この例では、「MySQL for Visual Studio 1.2.10」を手動インストールするように通知があります(②)。
「MySQL for Visual Studio 1.2.10」は、Visual Studio 2022をサポートしませんので、気にせずにインストールを進めます(③)。今後、Visual Studio 2022がサポートされたタイミングで追加導入するのが良いでしょう。
・モジュールのダウンロードとインストール ここでは作業を進めるために、次の図のように「Next」を数回クリックします(①②③④)。
・製品の設定からインストール完了まで 「Next」をクリックし、次の図のようにさらに作業を進めます(①②③)。システム管理者の設定では、パスワードの入力を求められますので指示に従います(④)。適宜、表示を確認しながら作業を進めていきます(⑤⑥)。
製品の追加設定が、さらに次の図のように続いていきます(①②③④)。
いよいよ最後の画面です。次の図のように、「Connect To Server」でアカウント情報を入力し接続確認を行います(①②)。
問題なければ次の画面で終了となり、「Finish」をクリックして完了です(①②)。
MySQLインストーラによるMySQLの初期構成
図解で説明した手順によりインストールは完了していますので、ここではその設定内容を簡単におさらいしておきます。MySQLインストーラは、MySQLサーバーに必要な以下の初期構成を行います。デフォルト設定の他、個別に項目を変更することも可能です。
・MySQL サーバーの構成ファイル 作成 システム構成に応じてmy.iniを作成します。
・MySQLサーバーのWindowsサービス追加 標準アプリケーションあるいはWindowsサービスとして使用します。デフォルトはWindowsサービスです。
・MySQLで用いるパスを設定 インストールパスとデータパスが設定されます。
・MySQLサーバーユーザーアカウントの作成(オプション) ロールに基づいた権限を設定可能です。
・ロギングの設定(オプション) エラーログや一般ログ等に対する設定が可能です。
MySQLのインストール確認
正常にインストールが完了した場合は、次の図のように、MySQL ShellとMySQL Workbenchが起動します(①②)。
無事に動作したら、ここからは利用開始です。MySQLではコマンドでも動作確認が確認できます。補足情報として、確認方法をお伝えしておきます。
MySQLインストーラの処理が完了したら、インストール確認を行います。最初にPATH環境変数に"C:\Program Files\MySQL\MySQL Server 8.0\bin”が入っていることを確認し、mysqlshowコマンドを使用します。パスワードは、”-p”オプションで指定します。
C:\\> mysqlshow
C:\\> mysqlshow -u root mysql
C:\\> mysqladmin version status proc
C:\\> mysql test
サーバーが起動していない場合は、先行してMySQLをサービスとしてインストールしてください。
C:\\> mysqld --install
サーバーの停止する場合は、以下の通りシャットダウンが必要です。
C:\\> mysqladmin -u root shutdown
サービスが不要な場合は削除することも可能です。
C:\> mysqld --remove
MySQLのエラーが発生した場合は?
エラーが発生した場合は、my.iniファイルで指定したデータフォルダにエラーログが格納されています。デフォルトは”C:\Program Files\MySQL\MySQL Server 8.0\data”です。代表的なエラーメッセージは次の通りです。
・デフォルトインストール先を変更した場合 System error 1067 has occurred.がログに格納されます。他のmy.iniが参照されていることがあるため、他の構成ファイルは削除するか名前を変更します。
・サービスの重複が発生した場合 “Error: Cannot create Windows service for MySql. Error: 0“がログに格納されます。別のサービスがすでに立ち上がっています。既存のMySQLサービスを停止・削除してから再インストールするか、mysql以外のサービス名でインストールします。
・TCP/IPが使用中の場合 “Can't start server: Bind on TCP/IP port: Address already in use“のエラーがログに格納されます。MySQLが重複稼働していないか確認します。
MySQLのLinuxへのインストール方法
MySQLでは、Linux用に以下のダウンロードモジュールを提供しています。
・RHEL・Fedra MySQL Yum Repositoryからダウンロードし、インストールすることができます。RPMパッケージで、sudo yum installコマンドを用います。systemctl start mysqld、ステータスはsystemctl status mysqldで確認します。
【参考】:MySQL Yum Repository
・Ubuntu・Debian MySQL APT Repositoryからダウンロードします。DEBパッケージで、sudo dpkg-preconfigureおよびsudo dpkgを用います。サーバーは起動していますので、service mysql [start|stop]で変更します。
【参考】:MySQL APT Repository
・SUSE MySQL SUSE Repositoryにダウンロードモジュールが格納されています。RPMパッケージです。
上記公式サイトの他、ネイティブソフトウェアリポジトリからもインストール可能です。
MySQLのMacOSへのインストール方法は?
MySQLのMacOSへのインストールは、ネイティブパッケージインストーラまたは圧縮TARアーカイブを利用します。公式ダウンロードサイトの「Select Operating System:」でmacOSを選択すると表示されます。
【参考】:MySQL Community Downloads
インストール手順ですが、パッケージインストーラを用いる場合は、ローカルに保存後インストーラを起動します。その後GNU General Public Licenseが表示されるので、「Continue」「Agree」をクリックします。「Installation Type」で「Install」をクリックします。「Customize」でコンポーネント選択が可能です。
次にパスワードのデフォルトの暗号化タイプを選択し、「Next」をクリックします。パスワードを設定したら、「Finish」をクリックします。最後に「Summary」が表示されるので、「Close」で終了します。
インストールにより、モジュールは/usr/localに格納され、/usr/local/mysqlへのシンボリックリンクが作成されます。インストール後はmacOSシステムプリファレンスを開き、MySQLプリファレンスパネルからMySQL Serverを起動します。
「インスタンス」ページよりデータベースの初期化あるいはアンインストールが可能です。MySQLは上記実行方法の他、手動でも実行できます。
MySQLがインストールできない場合は?
WindowsやLinux・MacOSに MySQL をインストールするには、管理者権限のアカウントを使用する必要があります。一般ユーザーの場合は、PATH 環境変数の編集あるいは サービス管理マネージャーにアクセスするなどの操作時に、問題が発生することがあります。
インストール後の MySQL は、個別にロールを設定したユーザを作成できるため、管理者権限を持つユーザーを使用して実行する必要はありません。
インストール時のトラブル対応や、インストール後のセットアップ作業の詳細は以下のドキュメントをご確認ください。
【参考】:MySQL 8.0 リファレンスマニュアル Microsoft Windows MySQL Server インストールのトラブルシューティング 【参考】:MySQL 8.0 リファレンスマニュアル インストール後のセットアップとテスト
MySQLのインストール後の使い方は?
MySQLの使い方は、LinuxのシェルやWindowsのコマンドプロンプト、またはMacOSのターミナルを用います。
そこで”mysql”や”mysql -u root -p”コマンドを実行し、Enter password:の表示後に登録したパスワードを入力します。終了時は、”exit”や”quit”を入力します。
MySQLがインストールできたら、データベースを構築しましょう
MySQLのインストールは簡単に完了します。MySQLの動作が確認できたら、実際にデータベースを構築してください。作成したクエリはバッチ処理可能です。日ごろ使うクエリをバッチファイルに登録し、集計処理や更新処理に活用することをおすすめします。
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