Ruby on Railsとは?特徴・できること・使い方を解説!
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Ruby on Railsとは?特徴・できること・使い方を解説!
アンドエンジニア編集部
2022.03.11
この記事でわかること
Ruby on Railsとは、Rubyというプログラミング言語のフレームワーク
Ruby on Railsを使用すれば、開発スピードを早めることができる
Ruby on Railsは自社開発企業やスタートアップ企業でよく使用されている

Ruby on Railsとは

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プログラミング言語には多種多様な言語があり、優れたフレームワークによって、プログラミング言語そのものの価値が高まることも少なくありません。Ruby on Railsとは、Rubyというプログラミング言語のフレームワークの1つです。ここでは、Ruby・フレームワーク・Webアプリケーション・Ruby on Railsの概要・オワコンなのか?について詳しく紹介します。

Rubyとは

Ruby on Railsとは、Rubyというプログラミング言語のフレームワークの1つです。そもそもRubyとは、1995年頃にまつもとゆきひろ氏により開発されたプログラミング言語を指します。シンプルな文法や仕様なため、他のプログラミング言語と比較すると習得難易度が低く、簡潔にソースコードを記載することが可能です。

また、日本人が開発したプログラミング言語ということもあり、日本語の文献が数多く、情報収集がしやすいという特徴もあります。Rubyの開発環境としてSQLite3をデータベースとして使用することも多いです。

フレームワークとは

フレームワークとは、Webアプリを開発するときによく使用する機能や、基本的な骨組みをまとめたものを指します。そのため、フレームワークを使用すれば、事前に作成されている土台に必要なプログラムを加えるだけで、Webアプリを開発することが可能です。したがって、フレームワークは開発効率の向上や運用コストの削減に効果的と言えます。

また、ソースコードの記載方法を統一させることもでき、機能の追加や改修作業が容易になるというメリットがあります。一方、フレームワークは枠組みを決めてしまうため、自由自在にカスタマイズしにくくなるというデメリットもある点に注意が必要です。Webアプリの機能によっては、自身でゼロからコーディングを行わなければならない可能性もあります。

フレームワークを使用するには前提知識やスキルが必要であり、フレームワークに関する勉強を行ってスキルを習得しなければならないため、学習コストが生じるというデメリットもあります。

Webアプリケーションとは

Webアプリケーションとは、Webブラウザを活用してサービスをユーザーに提供するものを指します。例えば、Amazonや楽天市場などのECサイトで商品を購入したり、求人・転職サイトで就職したい企業に申し込みを行ったりするなど、私たちは普段から数多くのWebアプリを使用しています。

Ruby on Railsの概要

Rubyというプログラミング言語やフレームワークについては理解できたでしょうか。ここからは、Ruby on Railsの概要について紹介します。

Ruby on Railsは2004年頃にデンマークのプログラマー、David Heinemeier Hansson(デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン)によって開発されました。開発者の間ではRailsと短縮して呼ぶこともあります。Ruby on Railsには数多くの制約が定められており、簡単なコーディングでWebアプリが開発可能です。また、Ruby on Railsを使用するには環境構築が必要です。

Rubyのフレームワーク、「Ruby on Rails」ができることとは?

Ruby on Railsはオワコン?

「Ruby on Rails」と検索すると、しばしば「オワコン」というワードが表示されます。このようにネガティブワードが出てくる背景には、Ruby on Railsの「保守がしにくい」「処理が遅い」「他言語で代替可能」といったことが原因です。

しかし、Ruby on Railsには「開発スピードの速さ」「汎用性の高さ」「保守運用のニーズ」「初心者の習得しやすさ」といったメリット部分が多いため、今後も需要が高く、将来性のある言語だといえます。

マイナビエージェントで「Ruby」と検索した場合、求人数は1,500件ほどヒットしました。Javaだと6,000件、PHPだと2,300件と他のサーバーサイド言語に比べると差がありますが、それでも安定した需要があるのが分かります。Ruby on Railsを「オワコン」と呼ぶにはまだまだ時期尚早かも知れません。

【参考】:マイナビエージェント

Ruby on Railsの特徴

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ここではRuby on Railsを使用してWebアプリを開発するにあたって、事前に知っておくべき特徴について詳しく紹介します。

Ruby on Railsの開発環境構築の方法をわかりやすく解説

Model View Controller(MVC)

Ruby on Railsを使用して開発するWebアプリは、MVCアーキテクチャという設計に従わなければなりません。MVCとは「Model View Controller」の略称で、「Model」「View」「Controller」の3つに機能を分類することができます。ここからは、それぞれについて具体的に解説します。

1.Model(モデル) Modelとは、データベースとやり取りしたり、システムの処理を担ったりする部分を指します。例えば、データベースに対してデータの登録・取得・修正・更新・削除などを行うことが可能です。

2.View(ビュー) Viewとは、ユーザーが目に触れる部分を指します。Webブラウザに表示されるWebサイトの見た目をHTML形式で、どのように定義するかを決めるために必須な機能とも言えるでしょう。

3.Controller(コントローラー) Controllerとは、ユーザーからの要求に対して、Modelとのやり取りやどのような画面を表示させるのかといった処理を担う部分を指します。例えば、データベースとのやり取りやWebブラウザへの表示は、ControllerがModelやViewに対して命令することで実行できます。

以上のように、機能ごとの独立性が高いMVCアーキテクチャは業務の役割分担がしやすく、仕様の変化にも柔軟に対応できるのがメリットと言えます。MVCアーキテクチャを採用しているRuby on Railsは、Webアプリの開発を効率よく行うことが可能です。

またRuby on Railsに限らず、MVCアーキテクチャの考え方は、様々なプログラミング言語のフレームワークに採用されています。

Don't Repeat Yourself

「Don't Repeat Yourself」は、「同じことを繰り返さない」と直訳できます。ソースコードに同様の記述が複数あると、メンテナンスや修正の作業に多くのコストがかかります。

例えば、税率の計算処理がプログラムに複数記述されているとします。そして税率の改正があり、ソースコードの修正を行った際に修正漏れがあると、場合によっては計算結果が異なってしまうという不具合が発生します。そのため、同様のコードは1つにまとめ、修正が必要な場合でも、修正は1箇所のみで良いようにすることが大切です。

以上から「Don't Repeat Yourself」の規則に従って、シンプルなコーディングを行うことが重要と言えます。

Convention over Configuration (CoC)

「Convention over Configuration」は「設定よりも規約」と直訳でき、「CoC」と略称で呼ばれることも多いです。「Convention over Configuration」とは、エンジニアが考えるべきことをできる限り少なくし、ロジックに集中させるという思想を指します。

Webアプリの設定ファイルは増加するほど、仕様は複雑化していきます。「CoC」の思想に基づくことで、シンプルなWebアプリを開発することが可能です。

Ruby on Railsでできること

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ここでは、Ruby on Railsを使用してできることについて詳しく紹介します。

Web制作

Ruby on Railsは、ブログやオウンドメディアでよく使用されています。改修するスピードが重視される現場ほど、Ruby on Railsが使われることが多い傾向にあります。Ruby on RailsはWeb系に強いため、Web制作の分野は最も能力を発揮できる領域と言えるでしょう。

また、Ruby on Railsはスクリプト言語であり、エラーやバグが発見しやすいというメリットがあるため、Web制作に適しています。代表的なサービスとして、レシピ投稿・検索サイト「クックパッド」がRuby on Railsによって開発されています。

ECサイトの開発

ECサイトでも、Ruby on Railsはよく使用されます。会員登録に必須なログイン機能などを簡単に開発できるのが理由の1つです。Ruby on Railsを使用して開発された代表的なECサイトとして、宿泊予約サービス「Airbnb」が挙げられます。

SNSやマッチングサービスの開発

Ruby on Railsを使用すれば、SNSやマッチングサービスの開発も比較的簡単に行えます。Ruby on Railsはプログラミング初心者でも習得しやすく、高品質で様々なWebアプリ開発が可能なため、万能なフレームワークとも言えるでしょう。

Ruby on Railsを使用して開発された代表的なサービスとして、ビジネスSNSとも呼ばれる「Wantedly」が挙げられます。Ruby on Railsは、特に自社開発企業やスタートアップ企業で使用されることが多い技術でもあります。

スクレイピング

Ruby on Railsには「スクレイピング」というWebサイト上のデータを自動収集し、そのデータを加工して新たな情報を作り出す技術があります。スクレイピングの利用例として、ニュースサイトから見出しデータのみを抽出して一覧にしたり、商品データを収集して価格一覧を作成したりすることなどが挙げられます。

スクレイピング技術は、マーケティング視点でみると非常に価値が高いです。また、これまでは手動で行っていた作業を自動で行うことができるようになるため、作業効率の向上が期待できます。

業務システムの開発

近年では、勤怠管理システムなどの業務システムにもRuby on Railsが使用されることがあります。Ruby on Railsを使用すれば、開発スピードの向上が期待できるため、自社開発企業やスタートアップ企業では、Ruby on Railsは重宝される技術とも言えるでしょう。クラウド会計ソフト「freee」もRuby on Railsによって開発されたサービスの1つです。

Ruby on Railsの使い方

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ここでは、Ruby on Railsの使い方について解説します。Windows・Mac両方で使用する場合の、開発環境に必要なもの・インストール方法をまとめました。

Ruby on Railsのインストール・バージョン指定方法を解説

開発環境で必要なもの

Ruby on Railsを使用するにあたって必要な開発環境は、主にRuby・Rubyパッケージ・データベース・エディタ・デバッガです。RubyやRailsパッケージが必須なのはもちろん、データベースの準備もしておかなければなりません。さらに、開発向上のためのエディタ・デバッガも用意しておきましょう。Windows10を使用している場合、エディタはメモ帳で代用可能です。

ちなみに、エディタやデバッガといったプログラミングにおいて便利な機能をまとめた「IDE」という統合開発環境ツールがあります。開発効率アップが目指せ、Microsoft社のVisual Studio Code(VSCode)やEclipseが例として挙げられます。自身の開発環境に合わせて導入しましょう。

Windowsでのインストール方法

・手順1(Rubyインストール) まずは下記サイトよりRubyをインストールしましょう。PCが32ビット版の場合はx86、64ビット版の場合はx64をダウンロードします。いくつか種類がありますが、公式サイトが推奨する「Ruby + Devkit 3.0.3-1(x64)」を選択してください。

【参考】:Rubyinstaller

・手順2(Ruby on Railsインストール) コマンドプロンプトを開いて、下記のコマンドを入力するとRuby on Railsのインストールが開始されます。

gem install rails

きちんとインストールされているかは、以下の方法で確認してください。

rails -v

・手順3(SQLite3インストール) オープンソースで軽量のデータベース管理システム(RDBMS)であるSQLite3をインストールするために、下記のコマンドを入力します。

gem install sqlite3 --version 1.3.13

下記サイトより「Download」をクリックし、「Precompiled Binaries for Windows」にあるzipファイルをダウンロードしましょう。

【参考】:SQLite

・手順4 上記でダウンロードしたzipファイルを展開すると「sqlite3.dll」「sqlite3.exe」があります。これをRubyインストール時に作成されているbinフォルダにコピーすれば完了です。準備が整ったところで、Ruby on Railsを活用してアプリ開発をスタートできます。

Macでのインストール方法

・手順1(Homebrewインストール) まずは下記サイトよりHomebrewをインストールし、ソフトウェアを導入しやすくしましょう。「インストール」と表示されている真下のスクリプトの行を、ターミナルにコピペすればインストールが開始されます。

【参考】:Homebrew

正しくインストールされたかどうかは、ターミナルにて以下の方法で確認してください。

brew -v

・手順2(rbenvインストール) Rubyのバージョン切り替えができる、rbenvもインストールしましょう。

brew install rbenv

ターミナルに上記を入力して実行します。実行後はrbenvがインストールされているかを以下の方法で確認してください。

rbenv --version

・手順3(Rubyインストール) MacにはRubyが標準インストールされているため、まずはバージョン確認が必要です。ターミナルに、

rbenv versions

と入力します。「rbenv version」ではないため注意してください。これでRubyのバージョン一覧が確認できます。一覧の中で「*」が付いているバージョンが、現在のRubyのバージョンです。最新版でなければ下記のコマンド

rbenv global 〇.×.△

と打って設定してください。〇.×.△には最新バージョンを入力します。Rubyの最新バージョンのリリースはRuby公式サイトより確認可能です。

【参考】:Ruby:最近のニュース

最新バージョンに変更できたら、もう1度先程と同様に

rbenv versions

と打って再度チェックします。正しくインストールされたかどうかは以下の方法で確認しましょう。

ruby -v

・手順4(Railsインストール) Railsのインストールは、Windowsと同様です。ターミナルに以下のコマンドを入力します。

gem install rails

Railsが正しくインストールされたかどうかを以下の方法で確認しましょう。

rails -v

Ruby on Railsは開発効率を高めてくれる便利なフレームワーク

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これまでに、Ruby on Railsの概要・特徴・できることについて詳しく解説しました。Ruby on RailsとはRubyというプログラミング言語のフレームワークのことで、開発スピードを早めることができます。そのため、自社開発企業やスタートアップ企業では、よく使用されるフレームワークです。

Ruby on Railsでできることは、「Web制作」「ECサイトの開発」「スクレイピング」「業務システムの開発」など様々あります。Ruby on Railsに限らず、今後はフレームワークの知識やスキルは重視される傾向にあるため、市場価値を高めるためにもフレームワークの勉強をしっかりと行いましょう。

Ruby言語のフレームワーク「Ruby on Rails」入門!
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