Ruby初心者向け
Rubyとは、プログラミング言語の1つであり、文法や仕様が他のプログラミング言語と比較して簡易的であるため、ソースコードをシンプルに記述可能です。またRuby on Railsというフレームワークを使用すれば、開発効率の向上が期待できます。ここではRuby初心者向けに、概要や特徴について詳しく紹介します。
Rubyとは
Rubyは1995年頃に、日本人のまつもとゆきひろ氏によって開発され、初めて国産のプログラミング言語で国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証されたことでも注目を浴びています。2021年8月のTIOBEインデックスのプログラミング言語ランキングによると、Rubyは15位に位置しています。この結果からSwiftやGo言語よりも2021年8月時点では人気が高いと言えるでしょう。 ( 参考:https://www.tiobe.com/tiobe-index/ )
Rubyの特徴
Rubyの大きな特徴としてソースコードの記述量が少ない点が挙げられます。よって開発効率の向上にもつながるため、Rubyはスタートアップ企業や自社開発企業でよく使用されています。またソースコードの可読性が高く、保守性の高いサービスを作ることが可能です。
JavaやC++などの他のプログラミング言語と同様に、Rubyはオブジェクト指向型言語の1つです。Rubyは初期リリースのときからオブジェクト指向の考え方が取り入れられているのが特徴で、純粋なオブジェクト指向型言語と言えるでしょう。オブジェクト指向により、メンテナンス性・カスタマイズ性・プログラム品質の向上が期待できます。
以上から、Rubyは他のプログラミング言語と比べて、簡単にコーディングできるため、スキルを習得しやすく初心者向けの言語と言えるでしょう。
Rubyで作れるもの
Rubyの概要や特徴は理解できたでしょうか。ここでRubyで何を作ることができるのか気になる方も少なくないでしょう。以下で、Rubyで作れるものについて詳しく紹介します。
Webアプリの開発
Rubyで作ることができるものの代表として、Webアプリ開発が挙げられます。Ruby on Railsというフレームワークを使用すれば高品質なWebアプリを短期間で作ることが可能です。Ruby on Railsには豊富な機能が備わっており、汎用性の高さが特徴です。また日本語の資料やサイトなどの情報が多く、初心者でも学習しやすい点も特徴として挙げられます。Rubyで開発されたWebアプリの代表例として「クックパッド」「Gunosy」「クラウドワークス」などがあります。
API機能の開発
Rubyを使用して作れるものとして、API機能の開発も挙げられます。APIとは「Application Programming Interface」の略称であり、ソフトウェアの機能を共有する仕組みを指します。具体的には機能を公開しているソフトウェアと、その機能を使用したいソフトウェアの間をつなげる窓口のようなものです。API機能を開発するための専用ライブラリ「rails-api」を使用すれば、効率よくAPI機能をRubyで作ることができます。
スマホアプリの開発
RubyではRubyMotionというソフトウェアを使用すれば、 iOSのスマホアプリを作ることができます。RubyMotionは2012年5月にリリースされた製品であり、スマホアプリを効率よく開発できる機能が用意されています。ただしAndroidアプリは開発できないため注意が必要です。また、スマホアプリの開発に適しているプログラミング言語は他にもあるため、きちんと比較してから使用することをおすすめします。
スクレイピングの開発
Rubyで作れるものとして、スクレイピングの開発も挙げられます。スクレイピングとは、Webサイトから情報を収集し、必要なデータを抽出・加工するための技術のことです。RubyのNokogiriというライブラリを使用すれば、初心者でもスクレイピングを行うことができます。スクレイピングを行うメリットは、手動よりもスピーディーに膨大な情報を収集できることです。そのためコスト削減にもつながるでしょう。
ECサイトの開発
Rubyで作れるものとして、Ruby on Railsを使用したECサイトも挙げられます。Ruby on Railsには数多くのライブラリがあり、それに対して必要な機能を付け加えることで開発効率の向上が期待できます。例えばRubyのSolidusというECパッケージを利用すれば、決済機能を簡単に実装することが可能です。
チャットボットの開発
Rubyではチャットボットの開発を行うことができます。チャットボットとは、テキストや音声によって、自動で会話するプログラムのことです。近年ではAI技術を活用したチャットボットを利用する機会は増加しています。例えばLINE公式アカウントなどでも、チャットボットを使用することは可能です。Rubyではソフトウェア開発キット(SDK)を使用すれば、チャットボットをWebサイトに実装することができます。
Rubyコード一覧(初心者向け)
Rubyは初心者でも習得しやすく、様々なサービスを作ることができるのは理解できたでしょうか。ここでは、Ruby初心者向けにコードの基礎について紹介します。
コメント
Rubyでは「#」をソースコードに記述すれば、「#」から行末までがコメントアウトされ、プログラムを実行する際に無視されます。また複数行をコメントアウトしたい場合には、「=begin」と「=end」を使用します。ここからは具体例を見ていきましょう。
1.単一行のコメント記述方法 # コメント print("Hello World!") # コメント「Hello World!」を出力します
2.複数行のコメント記述方法 =begin コメント コメント コメント =end
変数定義
Rubyでは他のプログラミング言語と比較して、簡単に変数を定義することが可能です。数値の場合「変数名 = 数値」、文字列の場合「変数名 = '文字列'」で変数を定義することができます。データ型を定義しないでも変数を定義できるため、ソースコードの記述量を少なくすることが可能です。
オブジェクトの出力方法
Rubyではputsメソッドを使用すれば、引数であるオブジェクトを出力させることができます。なお引数であるオブジェクトは、文字列に変換されるため注意が必要です。ここからは具体例を見ていきましょう。
puts ("○○○")
この場合「○○○」が出力されます。「()」はなくても問題ありません。またダブルクォーテーションは、シングルクォーテーションでも良いですが、文字列には必ずどちらかを付けないとエラーが出力されてしまいます。
Rubyのおすすめの勉強方法
Rubyコードの基礎については理解できたでしょうか。他のプログラミング言語よりも簡潔にソースコードが記述できるのがわかるでしょう。ここでは、Rubyのおすすめの勉強方法について詳しく紹介します。
本で勉強する
ここでは、Ruby初心者向けの学習本について紹介します。本で学習するメリットは、知識を体系的に身に付けられることです。しかしプログラミング学習の場合、実際に手を動かしながら学習することで、スキルが身に付くため、サンプルコードが記載されている本を選ぶのがおすすめと言えます。
1.3ステップでしっかり学ぶ Ruby入門 本書はRuby初心者向けとなっており、プログラミングの基礎を図を使用するなどして丁寧に解説しているのが特徴です。予習・実践・復習の3段階のプロセスがあるため、Rubyの基礎スキルをきちんと定着できるような仕組みとなっています。WindowsとmacOSの両方に対応しているのも特徴です。ただしサンプルコードが他の本と比較すると少なく感じるかもしれません。 ( 参考:https://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9502-5 )
2.たのしいRuby 第6版 「たのしいRuby」は初版から17年以上経っているため、信頼と実績がある書籍と言えるでしょう。改訂も複数回行われており、第6版では最新のRubyのバージョンに対応しています。プログラミング初心者でも理解しやすいように、チュートリアル・基礎・クラス・実践とテーマを切り分けて解説を行っているのが特徴です。Rubyの基礎から応用まで学ぶことができます。また、サンプルコードも数多く用意されています。 ( 参考:https://www.sbcr.jp/product/4797399844/ )
学習サイトで勉強する
独学で勉強する場合、本を読み込むだけではなく、学習サイトを活用して実際に手を動かしながら勉強するほうがスキルが身に付きやすいです。近年では数多くのプログラミング言語の学習サイトがあります。Rubyを勉強できる学習サイトとして「ドットインストール」「Progate」「Paiza」などが挙げられます。
学習サイトを利用して勉強する場合、費用コストが低いのが特徴であり、無料で利用できるものも少なくありません。まずは無料の学習サイトを利用し、独学でRubyを学習してみて、自分に合うかどうかを確かめましょう。また独学でプログラミングを勉強するのが苦手と感じたら、プログラミングスクールの受講を検討してみましょう。
Rubyは初心者向けの言語であり作れるものも多数ある!
これまでに、Rubyの概要・特徴・作れるもの・コード一覧・勉強方法について解説しました。Rubyとは、まつもとゆきひろ氏によって開発されたプログラミング言語であり、文法や仕様がシンプルなため、初心者向けの言語とも言えるでしょう。
Rubyで作れるものは数多くあり「Webアプリ」「API機能」「スマホアプリ」「スクレイピング」「ECサイト」「チャットボット」などを作ることが可能です。Rubyを独学で勉強する場合、本や学習サイトを活用するのがおすすめです。本を選ぶ際のポイントとして、実際に手を動かしながら学習できるように、サンプルコードが記載されているものを選択することが挙げられます。プログラミング初心者の方は、ぜひRubyから学習を始めてみましょう。
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