テストエンジニアの仕事や必要なスキル、テスターとの違いや将来性
テストエンジニア
テストエンジニアの仕事や必要なスキル、テスターとの違いや将来性
アンドエンジニア編集部
2021.04.25
この記事でわかること
テストエンジニアは社会的にも大きな意義があり、やりがいのあるITエンジニア職種
テストエンジニアはテスターとは異なり、ソフトウェア開発に関する広範な知識や経験が必要
テストエンジニアはAIにとって代わられることはなく、将来も有望な職種

高品質システムへの社会的要求

品質

最近、システム障害によって、証券取引所の閉鎖・銀行ATMの一斉停止・決済システム障害といった社会的影響が大きいトラブルのニュースを度々目にすることがあります。

システムにトラブルは付きものだとの声もありますが、社会のITへの依存度が高まるにつれ、システム品質への要求レベルも高まっていますこの要求に応えるのがテストエンジニアの使命でもあるのです。

テストエンジニアとは

テストエンジニアは主にIT製品やソフトウェアなどに欠陥や問題がないかをテストし、さらに評価・改善を行うITエンジニアです。あらゆる角度からテストを行い、プログラムバグや設計のミスなどの欠陥を発見し、製品の品質を向上させる仕事です。

地味な仕事と思われがちですが、IT製品やソフトウェアに対する品質要求が高まっている中、その重要性が再認識されており、やりがいのある職種です。

テスターとの違い

テスターと呼ばれる職種があり、テストエンジニアと混同されることがありますが、テスターは既に作成されたテスト仕様やテストケースに従ってテストを実行します。

一方、テストエンジニアはテストも行いますが、テストの設計管理テストの実施評価改善(提案)まで行い、担当範囲が広い点が大きく異なります。

テストエンジニアはきつくてつまらない仕事?

ITエンジニアの間では、「テストエンジニアは仕事がきつい」「仕事が単調でつまらない」といった声をよく聞きます。それは、他の人が作成したソフトウェアやIT製品のテストという、あまりクリエイティブなイメージがない仕事がメインだからでしょう。

確かに「縁の下の力持ち」のような要素はありますが、実際には「やりがいがある」「楽しい」といった声も多く、テストエンジニアが非常に重要な職種だということがわかります。仮にテストエンジニアがいなければ、バグや欠陥のあるIT製品やソフトウェアが世の中に出回ってしまう可能性が高まります。

それが原因で大規模障害を招き、企業の社会的信用失墜・損害賠償・営業停止といったリスクやペナルティを課されることもあり得るでしょう。自らの力でこうしたリスクを回避できるのですから、大変やりがいのある仕事ではありませんか?

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テストエンジニアの主な仕事

テストエンジニアの仕事

ここでは、テストエンジニアの役割や仕事の内容について解説します。テストエンジニアの仕事の中から、主な仕事を5つに絞りました。

1.テスト計画

実際のテストに先立ち、テスト計画を作成します。製品やソフトウェアの仕様を調べ、テストの観点を抽出し、製品やソフトウェアに関する情報を開発者から収集します。

こうしてテスト対象を決定し、テスト計画書を作成します。テスト計画書にはテストの目的、テスト方針やテストの際の留意点、テストスケジュールなどを記述します。

2.テスト設計

テスト設計では、主に「テスト設計仕様書」を作成します。テストエンジニアは、テスト計画書に基づいて、テスト観点・テスト技法・テストケースの数を決めます

ソフトウェアの仕様書などから、テストを行うポイントを洗い出し、最適なテスト技法を選択します。「テスト設計仕様書」「テストケース」の作成はテストの成否に大きく関わるため、テストエンジニアにとっては大変重要な仕事です。

3.テスト実施

テスト設計をもとに、テストエンジニアはテストを実行します。テストはテスターに任せるケースもありますが、テスターのマネジメントはテストエンジニアが行います。他には、テストをテストツールを用いて行うこともあります。

4.テスト評価

テストが完了すると、テストエンジニアはその結果を資料としてまとめ、開発者や上司に対してレビューを行います。レビューの結果、テストケースの不備あるいはテストの追加要望があれば、再テストを実施します。

5.開発部門への改善提案

テスト実施の結果、システムに改善すべき点が見つかることがあります。そうした点について報告し、改善提案をするのもテストエンジニアの重要な仕事です。

とにかくエンジニアは開発視点で評価をしがちですが、顧客視点で評価することが、プロダクトの完成度を高める上で重要です。

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テストエンジニアに必要なスキル

スキル

ITエンジニアは、それぞれの職種において活躍するために必要なスキルがあります。テストエンジニアに必要とされるスキルは何か、主なものを以下にご紹介します。

1.ソフトウェア開発スキル

テストエンジニアは、自らテストを行うソフトウェアの開発に関するスキルを有していることが求められます。ソフトウェア開発の関する経験や深い知識を持つことで、テスト対象をよく理解し、適切なテストを行うことが可能になります。

また、ソフトウェア開発についての知識によって、テストで発見された不具合が仕様の問題なのか、プログラムの問題なのか、切り分けが行えるため、適切な評価や提案につながります。

2.テスト技法に関するスキル

テストを行う上で、対象によっては最適なテスト技法の選択が必要です。テストエンジニアはテスト技法に関する知識が求められます。

テストは非常に多項目にわたることがあり、テスト技法に関する知識やスキルによって、効率的なテストの実施が可能となります。

3.問題発見・改善スキル

テストエンジニアはテスト実施によって得られたテスト結果から、ソフトウェアの問題点把握のみならず、テストそのものについてもレベルアップ・精度アップを図ることが求められます。

こうした問題発見・改善スキルは日頃から問題意識や改善意識を抱き続けることが必要であり、単なる学習だけで得られるスキルではないため、不断の努力が必要です。

4.品質管理に関するスキル

テストエンジニアは顧客目線でのテストが求められるため、顧客が求める品質を理解することが必要です。テストエンジニアは単なるバグの発見のみならず、品質向上、品質管理に対する責任を負いますので、品質管理に関するスキルを持つことが求められます。

5.コミュニケーションスキル

テストの結果を的確に報告するために、テストエンジニアは報告・提案・文書作成スキルが求められます

テスト結果のレビューにおいて、バグ・仕様ミスの報告・改善提案を効果的に、正確に伝えるために、口頭のみならずExcel・Word・PowerPointなどを使いこなせると、さらに表現力や伝達力が上がります。広い意味でのコミュニケーションスキルを身に付けておくことが求められます。

6.テスト自動化ツールに関するスキル

最近のシステムテストでは、テストの自動化ツールを用いることが大半です。テストの自動ツールを用いることで、テストの効率化、テスト品質の効率化に役立つばかりか、ソフトウェア開発の期間短縮に有効です。

テスト自動化ツールの代表的なものとして「Appium」「Ranorex」「Selenium」といったものがあります。テストエンジニアにはテスト自動化ツールの選定や、ツールを使いこなすスキルが求められます。

テストエンジニアに役立つ資格

資格

「資格」は実務能力の客観的な証となります。テストエンジニアにも取得しておくと役に立つ資格がありますのでご紹介します。テストエンジニアを目指す方は取得を検討してみてください。

基本情報技術者試験

IPAが主催する国家試験です。合格率は25%前後でやや難易度が高い試験ですが、ITエンジニアに必要な基礎知識を広範囲に得られるため、取得をおすすめします。

また、就職や転職では汎用性の高い資格であり、キャリアアップを目指す方にもおすすめです。

基本情報技術者試験ではITの基礎知識以外に、プログラミング知識が求められるため、実務でソースプログラムを解析することがあるテストエンジニアにとっては非常に実務的な資格とも言えます。

基本情報技術者試験(FE)

JSTQB認定テスト技術者資格

日本ソフトウェアテスト資格認定委員会が実施するJSTQB(Japan Software Testing Qualifications Board)は、国際的な資格認定のISTQBと相互認証を行っており、海外でも有効な資格です。 

JSTQB認定テスト技術者資格は基礎・上級・エキスパートの3つのレベルがあり、ソフトウェアテストの評価スキルを客観的に証明できますテストエンジニアを目指す方は、ぜひ取得しておきたい資格の1つです。

JSTQB認定テスト技術者資格

ソフトウェア品質技術者資格認定

日本科学技術連盟主催の認定試験、ソフトウェア品質技術者資格は、ソフトウェアの品質向上を目的としており、ソフトウェアの高い品質技術が求められ、プログラマーやシステムエンジニアからテストエンジニアまで、ソフトウェアに関わるエンジニア全般に適した資格です。

資格のレベルは初級中級の2種類があります。

ソフトウェア品質技術者資格認定

IT検証技術者認定試験(IVEC)

一般社団法人IT検証産業協会主催の資格認定試験です。主にテストエンジニアを対象とする資格試験で、テスト現場における実務を重視している点が特徴です。

資格レベルが1〜7まであり、資格認定者は業界でも高い評価を得ています。いきなり上位資格を受験することはできず、ステップアップ資格制度となっています。

IT検証技術者認定試験(IVEC)

テストエンジニアの将来性

一部では、「将来性がない」と不安視されるテストエンジニアですが、実際のところはどうなのでしょう。ここではテストエンジニアの将来性について考察してみましょう。

AIに仕事を奪われる?

昨今、注目を集める「AIによる業務の自動化」ですが、テストエンジニアに限らず、ITエンジニアの中にはAIによって「10年後になくなる職種は何か」と不安視する動きがあります。

テストエンジニアが取り組むテストも自動化ツールがさらに進化すれば、「テストエンジニアは不要になるのではないか」という懸念を抱く方がいても不思議ではありません。しかし、テストエンジニアの需要がなくなることは考えにくいのです。

なぜなら、テストエンジニアは機械的にテストを行うスキルではなく、顧客視点や改善提案スキルが求められます。そこで、単純作業はAIに任せ、高度な判断・提言・提案といった役割はテストエンジニアが担うという分業が進むでしょう。

求められる役割や仕事内容は変化していきますが、テストエンジニアという職種が無くなることはありません。むしろ、より高度な役割が求められ、その重要性は一層高まるでしょう。

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第三者検証の重要性

以前は、ソフトウェアは開発当事者が熟知しているから、当事者がテストを行えばよいという考え方がありました。現在では、「ソフトウェアテスト・第三者検証」という考え方が広まっており、ソフトウェア開発に直接関わっていない者が、第三者視点でソフトウェアのテストを行い、不具合の発見や分析することが主流になっています。

テストエンジニアは第三者の視点でソフトウェアテストを行う職種であり、ソフトウェアの品質向上、品質管理に寄与します。さらに開発工程とテスト工程を分離することによって、開発エンジニアは本来の開発業務に専念し、開発工程の効率化につながります。

こうした流れの中、テストエンジニアに対する需要は今後も増えていくと予想できます。

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