logologo
エンジニアマネジメントにおける報酬設計のポイントとは?その秘訣を解説
thumb_engineerhousyuusekkei_01

エンジニアマネジメントにおける報酬設計のポイントとは?その秘訣を解説

アンドエンジニア編集部
2023.02.05
この記事でわかること
技術力の高いエンジニアに在籍し続けてもらうためにも報酬設計を整えることは重要
報酬には「外的報酬」と「内的報酬」の2種類があり、バランスよく整えることが大切
1to1ミーティングを導入するなどして、エンジニアが内的報酬に不満を持っていないか確認する

エンジニアマネジメントにおける報酬設計とは?

img_engineerhousyuusekkei_01

報酬設計を考える前にそもそも報酬とは何なのか、を理解する必要があります。ここで言う報酬とは、労働によって得られるものすべてのことです。給与・ボーナスだけではなく、仕事のやりがいや自己の成長、他者からの承認なども報酬に含まれます。

エンジニアマネジメントにおける報酬設計とは、エンジニアの働きぶりや成果を正確に評価し、それに見合うだけの報酬を与えることです。報酬設計を行う目的は、1人1人がパフォーマンスを発揮できるようになり企業全体の生産性を高める、従業員満足度を高め早期退職を防ぐなどが挙げられるでしょう。

エンジニアの報酬設計を考えるのが重要な理由

img_engineerhousyuusekkei_02

続いて、エンジニアの報酬設計を考えるのが重要な理由について解説します。従業員が納得のいく報酬を与えることはどの職種においても重要ですが、エンジニアの場合特に重要と言える理由が2つあります。

エンジニアの市場価値が高いため

エンジニアの市場価値は高いため、優秀な人材に長く在籍してもらうには報酬設計をしっかり整える必要があります。

厚生労働省の「IT企業におけるIT人材の過不足の状況」の調査では、16.8%のIT企業がIT人材の数が「大幅に不足している」、64.2%が「やや不足している」と回答しています。多くのIT企業がエンジニアを欲していることがお分かりいただけるでしょう。

このような状況のため、エンジニアは報酬面に不満を持っていると、さらに報酬がもらえる企業に転職してしまう可能性が高いと言えます。

企業側としては、エンジニアには長く在籍してもらった方が当然良いです。長く働けば業務に慣れ高いパフォーマンスを発揮してくれるようになりますし、チームメンバーがある程度固定された方がコミュニケーションを取りやすくなります。さらに、新しい人材を雇うには採用・育成コストがかかります。

【参考】:コラム2-4-⑩図 IT企業におけるIT人材の過不足の状況

DX推進が捗らない企業が、喉から手が出るくらいに欲しいIТ人材とは

エンジニアに必要な技術レベルが上がっているため

エンジニアを採用する企業が増加しているということは、当然システムやアプリ開発を行う企業が増えているということです。自社に類似したサービスを作る競合他社も出現するかもしれません。

システム開発分野は競争が激しくなっています。競争に打ち勝つには、競合他社のサービスよりも優れた機能を実装する必要があるでしょう。たとえば、UI/UX面を強化し利便性を向上させるなどです。優れた機能を実装するには、高い技術力を持ったエンジニアが必要です。

技術力の高いエンジニアを雇うには納得のいく報酬を与えることが重要です。

デジタル人材とはどんな人材?意味や育成・活用のポイントを解説!

報酬には大きく2種類ある

img_engineerhousyuusekkei_03

一口に報酬といっても大きく2種類あり、「外的報酬」と「内的報酬」があります。エンジニアの報酬設計を検討する際はこの2つをどう組み合わせるかが重要と言えます。1つ1つの報酬の種類について詳しく解説します。

外的報酬

外的報酬は目に見える報酬のことであり、具体的には次のようなものが該当します。

  • 給与
  • ボーナス
  • 昇進
  • 手当・報奨金

給与・ボーナスは代表的な外的報酬と言えるでしょう。求職者が転職するかを決める際に給与面は大きな基準になります。

他には、部長・課長という役職が付く場合も外的報酬に含まれます。企業によっては優れた技術力を持ったエンジニアに、スペシャリストやエキスパートといった役職を与えている場合もあります。エンジニアマネジメントを行う上では、仕事の成果に則した適切なポジションを与えることが重要です。

その他、IT資格などを獲得した際の資格手当や報奨金も該当します。このような制度を整えることも、エンジニアが満足して働けるようになるために大切です。

内的報酬

内的報酬は目には見えない報酬のことであり、具体的には次のようなものが該当します。

  • 仕事での達成感
  • 他者からの承認
  • 自己の成長
  • 人間関係の構築

今行っている業務が楽しい、長期プロジェクトをやり遂げた後に達成感を抱けているなど、仕事でやりがいを感じられることは立派な報酬の1つです。また、上司から仕事ぶりを褒められた、開発したサービスがクライアントから評価されるなども内的報酬に該当します。

加えてエンジニアの場合、仕事を通じてスキルアップすることにもやりがいを感じる方は多いです。難しすぎず簡単すぎない仕事を与え、自己の成長を感じられるようにすることは大切です。

その他、仕事を通じてチームやクライアントと親しくなったり、チームで楽しくコミュニケーションを取りながら仕事したり、といったことも内的報酬に該当するでしょう。逆に言えば、社内の人間関係が良好でない場合、十分な内的報酬を与えられてない可能性があるということです。

エンジニアの報酬設計を考えるうえで内的報酬が重要な理由

img_engineerhousyuusekkei_04

外的報酬と内的報酬の2つを解説しましたが、エンジニアの報酬設計を考えるうえでは内的報酬が特に重要です。内的報酬が重要な理由は次の3つに分けられます。

人間関係が理由で退職する人は多いため

職場の人間関係が悪いという理由で退職する人は多いです。

厚生労働省が発表した「令和3年雇用動向調査結果の概要」によると、「令和1年上半期の転職入職者が前職を辞めた理由」で「職場の人間関係が好ましくなかった」を選択した離職者は男性7.1%、女性8.9%です。特に20〜24歳の男性は13.1%で、「その他の個人的理由」を除けばもっとも多い離職理由となっています。

挨拶を返してくれない、悪い態度で返されるなど、人間関係の面から傷つく人は多くいます。その際、すぐに相談してくれる人もいますが、人間関係の悩みは上司に言いにくいこともあり、相談なしに転職してしまう人もいます。

外的報酬には問題ないのに辞める人が多い場合、チームの人間関係が悪いことをマネージャーが把握できていない可能性があるため、注意が必要です。

【参考】:令和3年雇用動向調査結果の概要:厚生労働省

外的報酬には限界があるため

給与やボーナスを上げたくてもこれ以上は厳しい、という企業も多いと推測されます。外的報酬ではどうしても、売上が潤沢な企業に勝つことが難しいでしょう。また、課長や部長などの役職に就ける人も限られています。

給与や昇進などの外的報酬には限界があるため、内的報酬で補う必要があるでしょう。

チーム全体のモチベーションに関わるため

内的報酬が不十分でエンジニアのモチベーションが低下すると、チーム全体のモチベーションも下がってしまう可能性があります。

やりがいを持って活き活きと働くエンジニアが増えれば、チーム全体が明るくなって生産性も上がりやすくなります。たとえばスキルアップを積極的に行うエンジニアがいれば、見習って自主学習を始める方がいるかもしれません。

逆にやりがいがないエンジニアがいると、他の人にも伝染してチームの雰囲気が悪くなることがあります。そのため、チーム全体が内的報酬について不満のない状態を維持することが大切です。

ラバーダッキング法で問題解決!効果やメリット、実践のコツを解説

内的報酬を与えるためのポイント

img_engineerhousyuusekkei_05

優秀なエンジニアに長く在籍してもらうには、外的報酬だけでなく内的報酬も整える必要があります。そこで、内的報酬を与えるためのポイントを3つまとめました。エンジニアマネージャーの方はこれら3つを実践することが大切です。

1to1ミーティングを導入する

1to1ミーティングとは上司と部下が1対1で週1回程度、じっくり話し合うことです。1to1ミーティングを行いお互いに心を開いて会話すれば、人間関係など仕事での悩みを打ち明けてくれやすくなります。また、今後何の仕事を行いたいのか、なども正確に理解することが可能です。

1to1ミーティングではまず相手の考えや意見を真摯に聞くことが大切です。こちらの考えを押し付けることはしないようにしましょう。

会社の貢献度を理解させる

自分がチームでどれほど貢献しているかを把握しておらず、モチベーションが下がっている人もいるかもしれません。エンジニア一人一人に対して、各仕事はどんな影響を与えているのか、チームやクライアントからどんな評価を得ているのか、などを説明することが大切です。

会社に貢献できていることが分かれば内的報酬を得られます。また、自分の仕事の影響力を理解すれば責任感も増し、仕事に対する集中力も高まっていくでしょう。

技術レベルに合わせた業務を与える

エンジニアマネジメントにおいて重要なのが、技術レベルに合わせた業務を与えることです。難しすぎず簡単すぎない仕事がもっともやりがいを得られるためです。技術レベルに合わせた業務を与えるには、技術レベルを1人1人把握している必要があります。

自主的な行動を促す

上司に言われたことよりも自分で決めたことを達成したときの方が、よりやりがいを感じられます。そのため、なるべく仕事の進め方は細かく指示せず、ある程度エンジニア1人1人に考えさせることが大切です。

外的報酬と内的報酬のバランスを取るのが報酬設計では重要

img_engineerhousyuusekkei_06

本記事ではエンジニアの報酬設計について解説しました。外的報酬と内的報酬はどちらも大切であり、バランスを取ることを意識するのが報酬設計を行ううえで大切です。

エンジニアマネージャーの方は各エンジニアの仕事ぶりや成果をよく分析し、適切な評価を与えているか、給与・ボーナスは適性な金額か、をまず把握しましょう。加えて、エンジニアがやりがいを感じストレスなく働ける環境を構築することも大切です。

本記事がエンジニアマネージャーの方にとって有意義なものとなれば幸いです。

RPAの5つのメリットと、企業への導入が急速に進んでいる背景とは?
Windows11の企業導入は難しい?検討すべき理由とベストな移行方法を解説
気になる人のXをフォローしよう!
公式LINE
公式YouTube
マイナビITエージェント

編集部オススメコンテンツ

thumb_gptowten_01
ChatGPTの面白い使い方15選!ビジネスや遊び相手になる事例
アンドエンジニア編集部
2024.02.19

アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから

お問い合わせ・情報提供

カテゴリー

編集部おすすめコンテンツ

アンドエンジニアへの取材依頼、情報提供などはこちらから

logologo
Powered by マイナビ AGENT