GitHub Desktopの使い方
GitHubは、世界中のプログラマーたちが作成したプログラム(ソースコード)や著作物の保存や公開を行うサービスです。今や、オープンソースの開発現場ではGitHubは必要不可欠のサービスです。
「GitHub Desktop」はGitの仕組みを利用したアプリケーションで、2022年4月26日には米国Githubから「GitHubDesktop 3.0」がリリースされています。
この記事では、GitHub Desktopの使い方について初心者の方にも分かりやすく図解で紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそもGitとは
「Git」(ギット)とはソースコードの変更履歴を記録したり、追跡したりすることができるコードバージョン管理システムの名称です。ソフトウェア開発を行う際には、開発中のソースコードをバージョン管理する必要があります。
多くのプログラマーがサーバ上の同じリポジトリ(貯蔵庫)を利用している場合、最新版はどれか、誰がソースコードを修正したのかが分からなくなったり、誤って修正前のファイルを有効にしてしまったりといったリスクがあります。
このようなソースコード管理上のミスを防ぐのが「Git」の役割であり、多くの開発者が「Git」を使う理由です。Gitでは、各自がローカルリポジトリに変更を記録した後、適宜リモートリポジトリに変更履歴をアップしていきます。
これによって、ネットワークに繋がっていないローカル環境でもバージョンの管理が行えるようになっています。
【参考】:Git---distributed-is-the-new-centralized
そもそもGitHubとは
Gitはバージョン管理システムの名称ですが、これに対してGitHub(ギットハブ)は、Gitを利用したWebサービスの名称です。GitHubの1つの目的は、作成したプログラムを世界中の人々に無償で配布することにあり、その無償配布では、「商用利用を禁ずる」といった条件の指定も行えます。
またGithubは開発プロジェクトや企業組織、政府系組織などで、ソースコード管理に利用され、ソースコードの管理に伴う作業やコストの削減を実現し、そのメリットを享受しています。GitHubにはソースコードの公開や更新履歴(history)の閲覧、修正、バグの管理など、様々な機能が実装されています。
その他、また、GitHubにはGitにはない機能として、他のメンバーに対してレビュー依頼ができるプルリクエスト(Pull Request)機能などが追加され、エンジニアにとっては大変便利なサービスです。
GitHub Desktopとは
Githubではコマンド操作を用いてさまざまな機能を利用していますが、コマンド操作が不要で、GUIベースで操作を視覚的に行えるようにしたものが「GitHub Desktop」です。
「GitHubDesktop」はGithubの純正ツールで、無償提供されています。リリース当初はかなり限定的な使い方しかできませんでしたが、バージョンが3.0となり、使いにくいといった声にも対応し、機能面の強化が図られています。
具体的にはプルリクエスト機能のコミット破棄や並べ替え、修正などのGit操作に対する改善が行われています。GitHubDesktopはITエンジニア志望の方によく利用されていますが、Web系のコーダーの方、Webデザイナーの方にも便利なツールとして利用が広がっています。
ただし、GitHubDesktopはヘルプなどは日本語化されていますが、インターフェースは英語表記のため、慣れるまでは少し時間が掛かるかもしれません。またGitHubDesktopはWindowsやMac(M1を含む)、Linuxに対応するマルチプラットフォームですので、あらゆる開発現場で活用できます。
【参考】:GitHub Desktop | Simple collaboration from your desktop 【参考】:GitHubヘルプドキュメントが日本語化されました - GitHubブログ
GitHub Desktopをインストールする
GitHubはWebサービスであり、アカウント登録さえすれば直ちに利用ができますが、GitHub Desktopはデスクトップアプリケーションですので、インストールが必要です。ここではWindowsパソコンへのインストール手順について紹介します。
最初にGitHub Desktopにアクセスします。画面中央の[Download for Windows(64bit)]をクリックするとダウンロードが始まります。
【参考】:GitHub Desktopのインストール方法 | GitHub Docs
ダウンロードとインストールが済むと、次の画面でGitHubアカウントの有無を尋ねられます。アカウントがない方は①「Create your free account」をクリックし、アカウント登録を済ませます。GitHubアカウントを既に持っている方は②「Sign in to GitHub.com」をクリックしてログインします。
「Sign in to GitHub.com」をクリックするとGitHubアカウントとパスワードの入力を求められますので、それぞれ入力します。
GitHubへのサインインが成功すると、登録済みの名前とEメールの確認を求められ、間違いがなければ「Finish」をクリックします。これでGitHub Desktopのダウンロードとインストールが完了します。
GitHub Desktopを使う
無事GitHub Desktopインストールが終わると、次の「Let's get started !」の画面が表示されます。早速GitHub Desktopを使ってみましょう。
ローカルリポジトリを作成する
「+ Create a New Repository on your Hard Drive…」 をクリックすると、新たなローカルリポジトリ※を作成するための入力画面が表示されます。Name欄はローカルリポジトリ名です。後から見て分かりやすい名前を付けましょう。Local Pathはローカルリポジトリを作成する場所です。
Local Pathはデフォルトで表示されていますので、変更の必要がなければ、そのままで構いません。他はデフォルトのままで問題ありませんので、入力が済んだら[Create Repository]をクリックし、指定したフォルダにリポジトリフォルダが作成されているのを確認します。
※ローカルリポジトリとは、パソコンなどのローカル環境にあるリポジトリのことです。
GitHub Desktopにファイルを追加する
ここまでの操作でGitHub Desktopを使う環境が整いましたので、これからGitHub Desktopにファイル(ソースコード)を追加してみましょう。
GitHub Desktop上で作成したローカルリポジトリは上記の状態ですが、ローカルリポジトリ(GitHub- Desktop-test)に新たにソースコードファイルを追加すると、画面がどのように変化するか見てみましょう。
ここでは、作成済みのPythonプログラム(sleep.py)をエクスプローラで追加してみました。結果、先ほどの画面から大きく変化し、追加したソースコードの内容が画面右側に表示されていることを確認できます。これにより、GitHub Desktopにファイルが新たに追加されたことが分かります。
コミットする
GitHub Desktopに新たに追加されたファイルに対してコミット※してみましょう。ファイルを確認し、必要に応じて変更を加え、画面左下の入力欄にコミット時のコメントを入力して、[Commit to main]をクリックします。
※コミットはリビジョンとも言い、Github上のファイルに対して変更などを行うことです。その記録はすべて残り、いつ、誰が変更したのかについて記録を保持できます。
コミット内容や履歴を確認するには、Historyタブを開きます。以下のように無事にコミットが反映していることが分かります。
プッシュする
プッシュとは、ローカルリポジトリとリモートリポジトリ※と同期させて、自分のコミットを反映させることです。これから実際にリモートリポジトリがあるGitHubにプッシュしてみましょう。プッシュできない場合は、リポジトリ管理者によって、ブランチに保護が掛かっていることが考えられますので、管理者に確認しましょう。
※リモートリポジトリとはリモートアクセスすることによって利用する、ネットワーク上のリポジトリのことです。具体的にはWebサービスのGitHub上にあるリポジトリを指します。
※ブランチは1つのプロジェクト本体から分岐し、本体に影響が及ばないように開発を進めるための1つの機能です。
【参考】:GitHub に変更をプッシュする - GitHub Docs
プッシュをするには「Publish Repository」もしくは「Push origin」をクリックすればOKです。続いてGitHubにログインしてみましょう。リモートリポジトリの(GitHub-Desktop-Test)に先ほどコミットしたファイルが保存されていることが確認できました。
リモートリポジトリ(GitHub)は、GitHub Desktopの上部メニューにある「Repository」から「View on GitHub」からアクセスすることもできます。
GitHub Desktopで手軽にGitHubを利用しましょう
GitHubのGUIツール、「GitHub Desktop」のインストール方法、基本的な操作方法についてご紹介しました。GitHub Desktopはコマンド操作が苦手な方、コマンド操作に慣れないWebデザイナーの方にもおすすめします。
GitHub DesktopでGitHubの利用方法について理解が進んだら、ぜひGitHubのコマンド操作を覚えてみてください。GitHubを利用して、自ら作成したプログラムを公開をしたり、開発などの共同作業をしたりして活用してみると、GitHubは手放せないツールとなるでしょう。
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