データサイエンティスト検定の難易度について
データサイエンティストを目指す方の中には、転職に有利になる資格として、データサイエンティスト検定の合格を目指そうとしている方も少なくないのではないでしょうか。
どのような試験でも、挑戦するにあたって気になるのは合格率などの難易度の情報です。おおよその難易度が分かっているのといないのとでは、合格までの道程を具体的にイメージできるかどうかが変わります。
当記事では、データサイエンティスト検定の難易度について深掘りし、合格への道筋をイメージする手助けとなるように解説していきます。
合格ラインと合格率について
まず、データサイエンティスト検定の合格ラインと合格率についてデータを見ていきましょう。データサイエンティスト検定の合格ラインと合格率については、2022年度に実施された2回目の試験では正答率80%以上が合格ラインで、合格率は50%程度でした。
【参考】:データサイエンティスト協会-データサイエンティスト検定 リテラシーレベル-過去のDS検定 開催報告
試験問題は試験毎に少しずつ刷新されるため、難易度にも振れ幅があるようですので、過去の合格率などは参考程度に留めておくのがよいでしょう。
試験の難易度は相対的なもの
50%という合格率を知って、難しそうだと感じられた方も多いのではないでしょうか。しかし、試験の難易度とは絶対的なものではなく、受験者の経験や知識によって変わる相対的なものです。
例えば、同じ試験でも実務経験者や関連資格の合格者にとっては難易度が低くなりますし、未経験だったり初学者だったりする場合には難易度が高く感じるでしょう。
自分にとっての難易度を測るには
自分にとっての難易度を測るためには、2つの物差しが必要です。1つ目の物差しは、試験が求めている知識レベルを正確に知ることです。
データサイエンティスト検定はリテラシーレベルの試験
データサイエンティスト検定は、正式名称は「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」です。ここでいうリテラシーとは「数理・データサイエンス・AIを日常の生活、仕事等の場で使いこなすことができる基礎的な素養」のことを指しています。
リテラシーレベルとはいえ、データサイエンスは専門性の高い分野ですので、日常生活やデータサイエンスに関連のない仕事の中で身に付く知識だけで合格できるものではなく、対策と学習は必要不可欠と言えるでしょう。
【参考】:データサイエンティスト検定 リテラシーレベル | 一般社団法人 データサイエンティスト協会
データサイエンティスト検定で求められるレベル
試験の合格を目指して勉強を始める前に、まず試験が求めている知識レベルを把握することは、効果的に学習を進めるために有効です。
データサイエンティスト スキルチェックリスト ver3によると、「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つのカテゴリについてそれぞれ求められる能力が定義されています。
このチェックリストでは、データサイエンティスト検定は見習いレベルとして定義されており、その内容をいくつかピックアップして紹介します。また、資格を取得するエンジニアの年収についても紹介します。
スキルチェックリスト
データサイエンティスト スキルチェックリスト ver3によるカテゴリは、以下の通りです。
■ビジネス力 ・ビジネスにおける論理とデータの重要性、データを扱う倫理と遵守すべき法令を理解している ・データドリブンな分析的アプローチを用いて必要なデータを入手し、分析・集約できる。 ・モニタリングの重要性を理解し、分析結果の意味合いを正しく言語化できる
■データサイエンス力 ・統計数理、線形台数、微分積分、データ分析・可視化、機械学習の基礎的な知識を有している ・予測やグルーピングなどのモデリングの知識を有しており、モデルを正しく評価できる ・基本統計量や分布の確認、および前処理ができる
■データエンジニアリング力 ・データやデータベースに関する基礎的な知識を有しており、条件を満たすデータを抽出できる ・数十万件程度のデータ加工技術を有している(ソート、統合、集計、フィルタリング) ・セキュリティに関して機密性、可用性、完全性の3要素を理解している
【参考】:データサイエンティスト スキルチェックリスト ver3
このように、資格が求めるレベルを具体的に把握することで、試験に合格した後にどのような業務に携わっていくのかもイメージしやすくなるでしょう。
しかし、実際に転職を実行に移すためには、より具体的な計画を立てる必要があります。転職エージェントを利用して具体的なアドバイスやサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
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現時点の自分自身の知識レベルを把握する
試験に対する自分自身にとっての難易度を測るもう1つの物差しは、自分自身の知識レベルを正確に把握することです。
データサイエンティスト検定では、統計・SQL・機械学習・DL・サーバ・データベース・セキュリティなど幅広い分野の知識が問われますが、それぞれの分野の知識がどの程度あるのか、どの分野の知識が不足しているのかを整理してみましょう。
試験が求める知識レベルに対してどの程度不足しているのかを把握できれば、必要な勉強方法や学習時間も自ずと見えてくるでしょう。
データサイエンティストの年収
データサイエンティスト検定を取得するエンジニアの年収はどの程度なのでしょうか。主な取得者であるデータサイエンティストを、ITを活用して企業の問題を解決する専門家であるITコンサルタントと仮定して見ていきます。
ITコンサルタントの年収は、「マイナビエージェント年収ランキング」での平均年収は512万円(※2023年2月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近いコンサルタントを参考にすると、平均年収928万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、ITコンサルタントは一般平均年収よりも、やや高めであることが分かります。
エンジニア全体の中でもデータサイエンス分野の需要は、AIやビッグデータのニーズの高まりに伴って、今後も高まっていくと予想されています。専門性もあり、ITエンジニアの平均よりも高い年収が期待できるでしょう。
【参考】:マイナビエージェント職業別年収ランキング ※【平均年収 調査対象者】2019年12月~2020年5月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
データサイエンティスト検定に合格するためには
試験が求めている知識レベルと、自分自身の現時点の知識レベルから不足している知識量が把握できたら、次はその差を埋めるためにどのような努力が必要なのかを検討しましょう。
当記事では、データサイエンスの実務経験がない方に向けてデータサイエンティスト検定の合格に向けた対策を紹介していきます。
公式テキストと問題集を重視する
データサイエンティスト検定はリテラシーレベルの知識を問う試験ではあるものの、試験範囲は統計・SQL・機械学習・DL・サーバ・データベース・セキュリティなど幅広い分野に跨っています。
これらを専門書などで1つ1つ丁寧に学習していたのでは、膨大な学習時間が必要になってしまうでしょう。
公式テキストや問題集では、各分野の解説や出題がデータサイエンティスト検定の試験範囲のみに絞られているため、データサイエンス初学者でも過不足なく学習できます。
■「最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版」 ▪著者:菅由紀子、佐伯諭、高橋範光、田中貴博、大川遥平、大黒健一、森谷和弘、參木裕之、北川淳一郎、守谷昌久、山之下拓仁、苅部直知、孝忠大輔 ▪ページ数:328ページ ▪出版社:技術評論社 ▪発売日:2022/4/28(電子版)、2022/5/14(紙版) 【参考】:最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版
「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」の公式リファレンスブックです。要点と学習のポイントを基本から1つ1つ解説しています。
■「徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応」 ▪著者:小縣 信也、斉藤 翔汰、山田 弦太朗 ▪ページ数:328ページ ▪出版社:インプレス ▪発売日:2022/4/21 【参考】:徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応
「データサイエンティスト検定 リテラシーレベル」に対応した問題集です。「データサイエンス力」「データエンジニア力」「ビジネス力」それぞれの分野に対応した問題と詳しい解説をしっかり網羅しており、バランス良く学習できます。
対策講座を活用する
公式テキストや問題集だけでは合格できるか自信がない方は、対策講座の受講も検討するとよいでしょう。対策講座は参考書籍や問題集同様に、公式ホームページで紹介されていますが、それぞれ受講料やカリキュラムにも違いがありますので、充分に比較検討して選択しましょう。
【参考】:データサイエンティスト協会-データサイエンティスト検定 リテラシーレベル-検定概要-対策講座
また、企業によっては社内でデータサイエンティスト育成支援などの企業研修が受講できる場合があります。こうした研修が充実している企業に転職することも、近道になるでしょう。
しかし、研修が充実している企業を自ら探すのは大変です。企業選びに関する悩みは企業の情報に詳しい転職エージェントに相談しましょう。適切なアドバイスとサポートを受けることができます。
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データサイエンティスト検定を活かせる仕事
データサイエンティスト検定を取得したら、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、合格をアピールすることで転職に有利になったり、学んだ知識や技術を活かせたりする代表的な仕事について紹介します。
データサイエンティスト
検定の名称にもなっている通り、データサイエンティストがこの検定を活かせる最も代表的な職業と言えるでしょう。
データサイエンティストは、統計・数学・AIなどを駆使して膨大な量のデータを分析し、データに基づいて未来を予測したり、コスト削減や売り上げの増加に繋がる有益な知見を導き出してアドバイスを行ったりするデータ分析の専門家です。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、ITを活用して企業の抱える課題を解決する職業です。データサイエンスはデータに基づいて企業の課題を解決するスキルであるため、自身のコンサルティングの裏付けにもなり、説得力を高めるのに役立つでしょう。
データサイエンティスト検定を突破してキャリアアップを目指そう
当記事では、データサイエンティスト検定についての合格ラインと合格率や難易度の捉え方、検定に合格することで評価される職業や、検定で学んだ知識や技術を活かせる職業について解説しました。
一方で、検定に合格しただけではどのようにしてデータサイエンティストへのキャリアを進めばよいのか見当がつかないかもしれません。
資格を活かして就職や転職を成功させるためには、データサイエンティストを募集している企業選びや、データサイエンティスト検定合格を履歴書や面接でどのようにアピールしたらよいかなど、就職や転職のノウハウが必要です。
そこでぜひご活用いただきたいのがマイナビIT エージェントです。
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アドバイザーは企業側の人事担当者と直接連携を取れますので、求人票に載っていない企業情報も確認することができます。残業時間や給与面など、働き方などをしっかり確認の上で応募企業を選んでいくのが良いでしょう。
・資格やプログラミングの勉強をしているけれど、企業が求めるレベルに達しているのかわからない ・スキルアップをして市場価値を上げていける企業の選び方を知りたい ・数多くあるITエンジニアの職種の中で、自分に向いている仕事は何か知りたい
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