サクラエディタの改行コード
サクラエディタは、Windowsで動作する日本語のテキストエディタです。サクラエディタは高度なカスタマイズ機能により、プログラミングの開発生産性を向上します。ここでは、サクラエディタの改行コードに着目し、その種類とカスタマイズについて解説します。
【参考】:サクラエディタ HELP: 入力改行コード指定 【参考】:サクラエディタ HELP: タイプ別設定 『ウィンドウ』プロパティ
そもそも改行コードとは
改行コードとは、タイプライターを起源とする制御文字を表します。コンピュータを操作するために端末を使用しますが、モニターが登場していない時代は印字する場合にタイプライターを用いていました。
印字装置の制御に、位置を戻すCR(キャリッジリターン)、行を送るLF(ラインフィード)を用いたことから現在のシステムにおいてもテキスト文字に改行コードが用いられています。
サクラエディタの機能と改行コード
サクラエディタは、プログラミング言語に応じた15の編集モードを備えています。言語を識別したカラー強調表示やアウトライン解析が可能です。GrepやDiffによるプログラミング支援やマクロ機能などがあります。
サクラエディタには、高度なカスタマイズ機能が搭載されており、キーのカスタマイズやショートカットキーなどによって効率的なコーディングを支援します。改行コードも豊富で、主要な環境向けにカスタマイズすることができます。
【参考】:サクラエディタ - 機能紹介
システムによる改行コードの種類
改行コードは、システムによって統一されており、多くがASCIIコードによって実装されています。互換性を高めるために、コードの標準化が進んでいます。ここでは、改行コードの種類とそれらを採用しているシステムについて解説します。
CRLFを採用するシステム
CRLFを採用するシステムには、Windowsのほか前進のMS-DOS、CP/MやOS/2などがあります。UNIX系システムやIBMを除く、多くのOSで採用された方式です。CRLF(キャリッジリターン・ラインフィード)によって表されます。
LFを採用するシステム
UNIXやLinuxなどのシステムでは、LF(ラインフィード)を用いて改行コードを表します。POSIXによって標準化がされています。UNIXにはAIXやBSD、Xenixなどがあります。Linuxや現在のmacOSもこの方式を採用しています。
CRを採用するシステム
以前のMac OSやApple II、コモドール、OS-9などはCR(キャリッジリターン)を採用していました。このように古い機種では独自のコードを実装する場合があります。これらは、POSIX準拠あるいはWindows互換など、時代とともにいずれかに統合されています。
統一コード
コードの統一に目を向けるとUnicode(ユニコード)によって、文字セットの統一が進められています。UnixやLinux、Windows、macOSなど異なるOSでも統一的に扱うことができます。改行コードは多少複雑で、ラインターミネータと呼ばれるコードがいくつか定義されます。
コード全体をカバーするため、LF(ラインフィード)、VT(バーチャルタブ)、FF(フォームフィード)、CR(キャリッジリターン)、NEL(ネクストライン)、LS(ラインセパレータ)、PS(パラグラフセパレータ)を多くの種類があります。CR+LFの組み合わせも定義されます。
その他
IBMは、EBCDICをメインフレームに採用しています。改行コードの表記はNLで、コードは16進の ”15” 、10進の ”21” 、エスケープシーケンスは ”\025” で示されます。この他にもAtariやQNXなど標準化が進む以前のコンピュータでは、独自コードを採用するものもありました。
サクラエディタが対応する改行コード
サクラエディタは多くの改行コードに対応します。アプリの起動時は、デフォルトの文字コードで指定した改行コードが用いられます。作成済みファイルを開いた場合は、そのファイルの1行目の改行コードから自動設定されます。
ここからは、サクラエディタがサポートする改行コードを順に見ていきます。
【参考】:サクラエディタ HELP: 入力改行コード指定 【参考】:サクラエディタ HELP: タイプ別設定 『ウィンドウ』プロパティ
CRLFコード
CRLF(キャリッジリターン・ラインフィード)コードは、WindowsやMS-DOSで一般的な改行コードです。Windowsで動作するサクラエディタの標準的な改行コードとなります。
CRLFのコードは16進の ”0D” + ”0A” 、10進の ”13” + ”10” 、エスケープシーケンスは ”\r\n” で示されます。
LFコードとCRコード
LF(ラインフィード)コードは、UNIXやLinuxで一般的な改行コードです。LFコードは16進の ”0A” 、10進の ”10” 、エスケープシーケンスは ”\n” で示されます。CR(キャリッジリターン)コードは、旧MacOSで一般的な改行コードです。
CRコードは16進の ”0D” 、10進の ”13” 、エスケープシーケンスは ”\r” で示されます。
Unicode(ユニコード)
サクラエディタでは、Unicode(ユニコード)に対応します。CRとLFに加えてNEL、LS、PSに対応します。
NEL(ネクストライン)はUnicode (U+0085)、行区切りを表すLS(ラインセパレータ)はUnicode (U+2028)、段落区切りを表すPS(パラグラフセパレータ)はUnicode (U+2029)です。
これらの改行コードは、「共通設定」「編集」に表示される「その他」の「改行コードNEL, PS, LSを有効にする」をチェックすることで使用できます。
【参考】:サクラエディタ HELP: 共通設定 『編集』プロパティ
サクラエディタで改行コードを使用する
サクラエディタは機能が豊富で、改行コードも現在使われているほとんどの種類に対応しています。検索や置換も簡単にできるため、コード変換ツールとしても役立ちます。ここでは、サクラエディタを使用する際に改行コードをどのように扱うのか解説します。
改行コードの表示の違い
サクラエディタは、改行コードによって表示される記号を使い分けしています。CR+LFは ”<┘” 、CRは ”←” 、LFは ”↓” です。
改行コードの表示が不要な場合、「設定」「タイプ別設定」の「カラー」「色指定」の「改行記号」を選んで「色分け/表示」のチェックを外すと表示しないようにすることもできます。
【参考】:サクラエディタ HELP: タイプ別設定 『カラー』プロパティ
改行コードを検索する
サクラエディタは、正規表現に対応しておりテキスト文字の検索を柔軟に行うことができます。検索するには、「検索」「検索」で正規表現」をチェックし改行コードのエスケープシーケンスを入力します。
エスケープシーケンスには、例えば ”\r\n” 、 ”\n” などを指定します。 ”[\r\n]+” とすると、CR、LF、CRLFのすべてが検索対象となります。
【参考】:サクラエディタ HELP: 検索 【参考】:サクラエディタ HELP: 利用可能な正規表現
改行コードを変換する
サクラエディタは、検索同様にテキスト文字の置換や変換が可能です。使用するには、「検索」「置換」で「置換」画面を表示します。そこで「正規表現」をチェックして、「置換前」に現在の改行コードをエスケープシーケンスで入力し、「置換後」に変換する改行コードをエスケープシーケンスで入力します。
「置換」は1つずつ行う場合に用い、「すべて置換」は一括変換する際にに使用します。ここで、「置換後」を空欄の状態で「置換」あるいは「すべて置換」をクリックすると、改行コードは削除することもできます。
【参考】:サクラエディタ HELP: 置換
ファイル保存時に改行コードを指定する
作成したファイルを保存する際に、「名前を付けて保存」で改行コードを指定することもできます。出力ファイルの改行コードは、Windowsで使用するCR+LF、UNIXやLinuxで使用するLF、旧MacOSで使用するCRから選べます。
同様に、文字コードセットも保存時に選択することができます。UTF-7/8/16、SJIS、JIS、EUC-JPなどが選択可能です。
サクラエディタは改行コードを使い分けできます
サクラエディタは、プログラミング用テキストエディタですが、テキスト文書の編集にも強みを持ちます。改行コードは、ほとんどのコードに対応しています。ファイル共有の場合でもコード変換が可能で、マルチプラットフォーム環境においても、おすすめの多機能テキストエディタと言えます。
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