サクラエディタの使い方
サクラエディタは、テキストの編集からプログラムコードの開発まで対応するエディタです。矩形選択を使って、まとめて簡単に編集することができます。この記事ではサクラエディタの使い方について、初期設定から実際の操作まで解説していきます。
サクラエディタの概要と特徴
サクラエディタは、国産のWindows用テキストエディタです。多種多様な文字コードに対応し、複数の改行コードが混在するファイルも扱うことができる特徴があります。
プログラミングでも用いることができるエディタで、GrepやDiffも組み込まれています。C・C++、Java・HTML、Perl・Pythonなどのプログラミングに対応することができます。もちろんマクロも用意されています。
【参考】:サクラエディタ
サクラエディタの動作環境
サクラエディタの動作環境は、日本語版 Windows 10です。2023年4月執筆時点の最新バージョンは、v2.4.2です。
バージョン2.4以降は、Windows 10以降のOSで動作すると記載されています。Windows 11でも動作するようですが、Windows 11 22H2では挙動が変わっているようですので、今後修正版が登場する可能性もあります。
【参考】:サクラエディタ 動作環境
サクラエディタのインストール
インストールするには、公式ダウンロードサイトから配布ファイルをダウンロードします。配布ファイルは zip形式にて圧縮されていますので展開しておきます。インストーラー(パッケージ版)と単体配布版から選択することができます。使用するにあたって、先にモジュールの準備をしておきましょう。
【参考】:サクラエディタのダウンロードサイト 【参考】:サクラエディタ インストール/アンインストール手順
サクラエディタの実際の使い方
サクラエディタの使い方ですが、起動後の基本操作は一般的なテキストエディタと大きな違いはありません。ここでは設定変更に必要なメニューの機能と実際の使用方法を、整理して解説していきます。
サクラエディタの基本操作
サクラエディタは、インストーラを用いるとスタートメニューに登録することができます。通常はインストーラを用いてPCにインストールします。使用する場合はスタートメニューの「サクラエディタ」をクリックし、起動します。
起動したサクラエディタは、次の図のように背景がクリーム色のアプリです。特に不都合がなければ、そのままテキストエディタとして作業することができます。変更が必要であれば、「設定」メニューから変更ができます。
ここでは、起動時にタスクトレイに常駐しているプロセスのメニューを使っていきます。常駐プロセスは、タスクトレイにアイコン表示されています。アイコンは、メモ帳にピンクと水色のパターンが表示されたものです。このアイコンを通常クリックあるいは右クリックし、メニューを表示することができます。
アイコンを通常クリックすると、ファイル操作のメニューが表示されます(①②)。同様にアイコンを右クリックすると、ヘルプ関連や設定のメニューが表示されます(①②)。実際の使い方は後ほど紹介します。
サクラエディタの設定とメニューの活用
ここでは、サクラエディタの常駐プロセスのメニュー表示についてさらに解説していきます。常駐プロセスのメニューを使って、クイックに必要な操作を行うことができます。ここからは右クリックメニューについて説明します。
右クリックメニューの上から順に、「ヘルプ目次」「ヘルプキーワード検索」があります。「ヘルプ目次」では、ウェブのヘルプと同様に順を追って操作方法を確認することができます(①)。「ヘルプキーワード検索」では、登録キーワードを簡単に検索することができます(②)。
これらの項目は編集ウィンドウ上部の「ヘルプ」メニューからも表示させることができます。
続いて次の図のように、「タイプ別設定一覧」「共通設定」が表示されています。「タイプ別設定一覧」では、基本設定やプログラミング言語別の設定が表示されます(①)。ここで「設定変更」をクリックすると、「スクリーン」タブで画面の折り返し表示などを変更することができます(②)。
同様に「カラー」タブには、文字色や背景色の設定があります。デフォルトは背景がクリーム色、文字色が黒です。ここでは、自由に色付けを行ったり、変更したりできます。
共通設定では、操作のカスタマイズを行うことができます(③)。「強調キーワード」タブからJavaScriptやPHP編集モードなど、未定義のプログラミング言語向けの設定を追加することもできます。
サクラエディタでタブを設定する
タブの機能は、色々なアプリでも一般的になっており、サクラエディタでもおすすめの設定の1つです。
設定するには次の図のように、「設定」メニューから「タブバーを表示する」をクリックするだけで、タブ表示に切り替わります(①②)。
若干手順が多いですが次の図のように、「設定」メニューもしくは常駐プロセスの右クリックメニューから「共通設定」を選択する方法もあります(①)。「共通設定」が開いたら「タブバー」を選択し、「タブバーを表示する」にチェックを入れて、「OK」をクリックします(②③④)。
タブバーが設定されると、エディタウィンドウを追加で開くと、順次タブに追加されます(①②)。
このタブ機能は、お好みに合わせてタブの「あり」「なし」どちらかを選択して利用します。
サクラエディタでファイルを新規作成する
ここから実際に新規作成の操作方法を学んでいきます。
次の図のようにタブ「なし」のデフォルト設定の新規作成は、「ファイル」メニューの「新規作成」により、新たにテキストエディタが1つ開きます(①③)。この操作は、常駐プロセスのメニューの「新規作成」からも簡単に行うことができます(②③)。
サクラエディタでファイルに保存する
エディタで編集が完了したら、ファイルに保存します。新規作成のファイル名は「無題」で始まる文字列で、そのまま使用することもできます。通常は名前を変更して使用します。
「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」を選ぶと、「名前を付けて保存」のポップアップウィンドウが表示されます(①)。ここで保存場所を選択し、ファイル名を自由に変更することができます(②)。ファイル名が決まりましたら、「保存」をクリックし格納します(③)。
保存する際のファイル拡張子は、プログラミング言語の命名規則にしたがって指定します。
サクラエディタでファイルを開く
保存済みのファイルは、「ファイル」メニューの「開く」、または常駐プロセスのメニューの「開く」をクリックします(①②)。「ファイルを開く」のポップアップウィンドウが表示されたら、ファイルの場所を選択し、必要なファイルを選んで「開く」をクリックします(③④)。
サクラエディタでプログラムコードを開く
開いたファイルはテキストファイルのみならず、ファイル拡張子にしたがって言語別の強調表示や色分けなどがされます。
ここではJavaのファイルを左側、HTMLのファイルを右側に開いたものです(①②)。それぞれの言語仕様に基づいて、指示語や識別子、タグなどがハイライト表示されています。
サクラエディタの履歴を使う
サクラエディタで開いたファイルや用いたフォルダーは、履歴に保存されています。この履歴に基づいて、次回以降のアクセスを効率的に行うことができます。
具体的には次の図のように、常駐プロセスのメニューの「最近使ったファイル」からこれまでに開いたファイルの履歴を参照することができます(①②③)。選択したファイルは、サクラエディタでそのまま開きます。
同様に常駐プロセスのメニューの「最近使ったフォルダー」から、これまでに開いたファイルフォルダーの履歴を参照することができます(①②④)。「最近使ったフォルダー」を選択した場合は、「ファイルを開く」がポップアップ表示されますので、任意のファイルを選択することができます。
サクラエディタの矩形選択を使う
サクラエディタの便利機能として、矩形選択があります。VS Codeやvimをお使いの方はご存知かもしれません。矩形選択とは、複数行に渡って範囲を選択し、行頭や単語の前後に文字を追加したり、選択した文字を移動したりする機能です。
ここでは、簡単な使い方を学んでいきます。例えば「1234567890」の文字列を複数行に渡って、コピーペーストし作成する場合です。ここでは、間違って間の文字の「5」を入れ忘れてしまいました。この場合も、矩形選択が役に立ちます。
使い方は、文字入力で誤りを発見した時点で、「編集」メニューの「矩形選択」から「矩形範囲選択開始」をクリックします(①②③)。「矩形範囲選択開始」は、「Shift」+「F6」のショートカットでも開始できます。
編集時に「矩形範囲選択開始」を設定したら(①②)、マウスまたはキー操作で範囲を指定します(③)。入力漏れとなる「5」の後の「6」を範囲指定します。マウスは「Alt」+ドラッグ、キー操作は「Alt」+「矢印」キーで選択します。
範囲を選択したら、今回は追加修正する「5」をキー入力します(④)。1度のキー入力で、すべての行に範囲選択した「6」の前に、「5」が挿入されました(⑤)。
この操作は行頭、単語の前後でも対応しますので、プログラミング言語において特定の区切り記号を入れ忘れたり、指示語を入れ忘れたりした際にも、一括入力できるので便利です。
サクラエディタの使い方はすぐに理解できます
サクラエディタは、国産のテキストエディタとして約20年の実績があります。動作環境は、日本語Windowsに限定されますが、その分細かな設定が可能です。使い方は簡単ですので、ヘルプを参考に色々試してみると良いでしょう。
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