Amazon Correttoとは?
Amazon Correttoとは、プログラミング言語Javaのオープンソース実装であるOpenJDK(Open Java Development Kit)をAmazonが提供するものです。Java Technology Compatibility Kit(TCK)を使用してJava SE規格に準拠していることが認証されています。
Amazon Correttoは商用利用可能で、パフォーマンス向上やセキュリティ対策などの長期サポートリリース(LTS)に対応するとともに、商用サポートであるAWSサポートがオプションで提供されます。
【参考】:Amazon Corretto 【参考】:AWS サポート
Amazon Correttoの概要
Amazon Correttoは無料のOpenJDKで、マルチプラットフォームに対応する、製品版ディストリビューションです。AWSではCorrettoを何千もの商用サービスで内部的に実行しており、Java SE標準との互換性が認定されています。
OpenJDKをビルドしているため、Linux、Windows、macOSなどの一般的なオペレーティングシステム上でJavaアプリケーションを開発し、実行することができます。
バージョンは、Corretto 8、Corretto 11、Corretto 17、Corretto 21を使用可能です。また、LTSに非対応ですがCorretto 22を使用することもできます。
Amazon Correttoのメリット
Amazon Correttoでは、無料の長期サポートリリース(LTS)が提供されます。そのため、頻繁なアップグレードは不要で、本番環境のバージョンを維持できます。また、四半期ごとにパフォーマンス向上やセキュリティ対策のリリースが行われます。
開発環境はクラウドやオンプレミス、ローカル環境で同一の環境を用いることができます。Linux、Windows、macOSのほか、Dockerにも対応します。
Amazon Correttoのデメリット
一般的に独自のディストリビューションと聞くと、ソフトウェアの安全性や脆弱性が心配になる人も多いでしょう。Amazon CorrettoはこれまでAWSの何千もの商用サービスで使用しており、大きな問題は発生していないため、特に気にせずに使用できます。
なお、ドキュメントについては日本語ドキュメント化が進んでおらず、古いバージョンのドキュメントを参照するか、英語のドキュメントを使用する必要があります。
【参考】:Amazon Corretto Documentation
Amazon Correttoのパッチリリースの考え方
Amazon Correttoは、OpenJDKのディストリビューションの1つです。OpenJDKのパフォーマンスや安定性を向上するパッチを中心に、AWS環境で有効なパッチが提供されます。
パフォーマンスは、ガベージコレクションのスケーリングやメモリの確保、スレッドの管理などを中心に対応し、信頼性を高めるセキュリティパッチを提供します。
【参考】:Amazon Corretto: サポートカレンダー
長期サポートリリース(LTS)の提供の考え方
Amazon Correttoでは、長期サポートリリース(LTS)が無償でサポート終了まで提供されます。
例えばCorretto 8は、2019年1月に公開され2026年7月にサポート終了を迎えます。パッチ更新は2026年4月まで継続して提供されます。従来はサポート終了を2023年6月としていましたが、2026年へと延長が決定されており、サポート期限は利用状況に応じて調整されていると見られます。
同様にCorretto 11、Corretto 17についてもサポート期限延長の案内が順次公開されています。
【参考】:AWS: Amazon Corretto 8 および 11 のサポートを延長 【参考】:AWS: Amazon Corretto 17 のサポートのロードマップに関するお知らせ
Amazon Correttoを使うには
Amazon Correttoを使うには、あらかじめインストールモジュールのダウンロードが必要です。Amazon Correttoを使う方向けにドキュメントが提供されますが、英語での情報提供となります。Correto 8については、日本語のユーザーガイドがありますので、1度目を通しておくと良いでしょう。
ドキュメントはCorretto 8、Corretto 11、Corretto 17、Corretto 21それぞれのユーザーガイドが提供されます。以降の作業は、Corretto 21を例に進めていきます。
【参考】:Amazon Corretto Documentation 【参考】:Amazon Corretto 8 とは(日本語) 【参考】:What is Amazon Corretto 21?
Amazon Correttoのダウンロード
Amazon Correttoのダウンロードは、ユーザーガイドにダウンロードリンク先が掲載されています。Linux、Windows、macOSそれぞれに、対応するディストリビューションが提供されます。最新リリース以外を使用する場合は、GitHubからダウンロードすることができます。
【参考】:Downloads for Amazon Corretto 21 【参考】:GitHub corretto 【参考】:GitHub corretto / corretto-21
Amazon Correttoのインストール
Amazon Correttoのインストールは、UbuntuなどDebianベースLinuxではaptリポジトリからインストールすることができます。手動でインストールする場合は、java-commonパッケージをインストールし、debファイルを使ってインストールします。Alpineもコマンドは異なりますが、同様にリポジトリを用いて作業します。
Windowsの場合は、msiファイルをダウンロードしてインストールします。
【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for Debian-Based, RPM-Based and Alpine Linux Distributions 【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for Amazon Linux 2023 【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for Windows 10 or Later 【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for macOS 11 or later
Amazon Correttoの使い方
Amazon Correttoをインストールした後、DebianベースLinuxに複数バージョンのJavaがインストールされている場合は、 ”sudo update-alternatives --config” でjavaとjavacを設定します。
WindowsではJAVA_HOMEとPATHを設定します。JAVA_HOMEは、最新版では ”C:\Program Files\Amazon Corretto\jdk21.0.4_7” 、PATHには ”%JAVA_HOME%\bin” を追加します。
インストールしたCorrettoのバージョンは、 “java -version” で確認できます。使い方は、通常のJDKと違いがなく、javaコンパイラのjavacコマンドや、java実行のjavaコマンドを使ったソフトウェア開発と実行を行います。
簡単にjavaコードを確認するには、次のようにsystem.out.println()で ”Hello World” を出力するなどで確認します。
import java.util.*;
public class Main {
public static void main(String[] args) throws Exception {
System.out.println("Hello World");
}
}
Amazon Correttoのアンインストール
Amazon Correttoのアンインストールも、パッケージマネージャを用いて行います。例えばUbuntuなどDebianベースLinuxでは、 ”dpkg --remove” などを用います。
Windowsの場合は、通常の「アプリと機能」から削除を行います。Correttoを使うにあたっては、あえて複雑な作業が発生するものではなく、簡単に使用することができます。
【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for Debian-Based, RPM-Based and Alpine Linux Distributions 【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for Amazon Linux 2023 【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for Windows 10 or Later 【参考】:Amazon Corretto 21 Installation Instructions for macOS 11 or later
Amazon Correttoは商用使用に適している
Amazon Correttoは、パフォーマンス向上やセキュリティ対策などの長期サポートリリース(LTS)に対応する特徴があります。ソフトウェア資産が維持される商用環境は、頻繁に最新版にアップグレードできるものではありません。
そのため、Amazon Correttoは、安定稼働を目的とした商用使用におすすめのJava環境と言えます。
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