Ubuntuとは
UbuntuとはフリーソフトウェアのOSで、Linuxディストリビューションの1つの種類を指します。Debianから派生したディストリビューションで、各種ソフトウェアを同梱し使いやすさに力点をおいています。 【参考】:Ubuntu
わかりやすく言うと、UbuntuはフリーソフトウェアのLinuxの利便性を高めるために、各種ソフトウェアを同梱し扱いやすくしたディストリビューションパッケージと言えます。Ubuntu(ウブントゥ)は、アフリカの相手への思いやりや絆を表す哲学の言葉です。IT起業家である南アフリカ出身のマーク・シャトルワース氏が命名しました。
Ubuntuの特徴
UbuntuはLinuxの良さをそのままに、以下の特長を兼ね備えています。
・すぐに使える ディストリビューションでは主要なアプリケーションが同梱されており、必要な設定はインストール時に完了しています。そのためすぐに利用することができます。
・GUIの完備 GNOMEを用いたデスクトップが提供されており、標準設定されているシンプルなデスクトップテーマにより作業の邪魔をしません。 【参考】:GNOME
・日本語対応 Ubuntu Japanese Teamの提供する日本語パッケージにより、高品質の日本語環境が提供されます。
・初心者に安全 標準でセキュリティ強度を高めており、不要なアクセスを防御します。
・インストールせずに利用可能 DVDで起動するために、インストールせずに利用することができます。
・しっかりしたリリースプラン 年間2回のリリース計画に基づき提供されます。そのため、導入やアップデート計画で通年の実施計画を立案しやすくなります。長期サポートのLTS(Long Term Support)は2年間隔で公開されますので、最長5年の安定利用が可能となっています。
Ubuntu Japanese Teamとは
Ubuntu Japanese Teamとは、Ubuntuの日本ローカルコミュニティです。2004年にUbuntuが登場しましたが、その翌年2005年にUbuntuコミュニティとして承認を受けています。主にUbuntuの啓蒙活動や日本語サポートのための活動を行っています。日本語環境で用いられるパッケージを収録したRemixイメージの作成・配布も行っています。
【参考】:Ubuntu Japanese Team
Ubuntuでできること
Ubuntuでは、使い勝手を良くするための工夫がされていますので、数多くの業務に対応可能です。具体的には以下の用途で利用を想定しています。
・フリーソフトやオフィスアプリケーションの活用 提供されるカタログから必要なソフトウェアパッケージを選択することができます。デスクトップアプリケーションとしてオフィスアプリケーションが含まれますので、多くのクライアント業務に利用できます。
・サーバー用途での活用 デスクトップ環境が不要のため、軽快に動作させることができます。自動LAMP(Linux・Apache・MySQL・PHP)インストール機能を用いて、素早くインターネットサービスプラットフォームとして導入することができます。
・開発プラットフォームとして利用 ソフトウェア開発環境としても、統合開発環境を導入し開発に利用することができます。
・実行環境への採用 システム動作が安定しているため、テスト用から商用の業務用途まで活用可能です。要望があれば有償サポートも受けられます。
UbuntuとLinuxの違いは?
UbuntuとLinuxの違いですが、UbuntuはLinuxディストリビューションの1つであり、LinuxはそのコアとなるOS自体を指します。
LinuxはUnix系OSの1つでオープンソースソフトウェアです。従来のUnixは商用であったためにソースコードの開示もされていませんでしたが、Linuxは多くのデベロッパにより開発されソースコードへのアクセスが可能であるため爆発的に利用が拡大しました。
LinuxはOS自体を指すため、利用するためには関連ソフトウェアの導入も必要となります。そのソフトウェアのパッケージ配布をディストリビューションと言います。Linuxディストリビューションは主にDebian・Red Hat Linux・openSUSE・Arch Linux等があります。UbuntuはDebianの派生版として位置づけられています。
以上を整理すると、UbuntuはLinuxディストリビューションの1つとして位置づけられており、Linux OSに必要な関連ソフトウェアを同梱したもの、ということができます。決してLinuxと別なものではありませんのでご安心ください。
Ubuntuのインストール
Ubuntuのインストールですが、ISOイメージを用いてインストールする方法があります。Windowsを使用してWindows Subsystem for Linux(WSL)で動作させることもできます。
・ISOイメージを用いる方法 Ubuntuのインストールは公式サイトからISOイメージを入手し、DVDやUSBからインストールを行います。デスクトップ版とサーバー版が入手できます。 【参考】:Ubuntuを入手する
ISOイメージのディスクからブート可能ですので、システムのデータ復旧等にも利用できます。
・Windows Subsystem for Linux(WSL)を用いる方法 WSLは、マイクロソフト社によって提供されているサブシステムです。Windows上でLinuxのコマンド・ツール・アプリケーション等を直接実行可能です。GNU/Linux 環境のほとんどのコマンド ライン ツール・ユーティリティ・アプリケーションがそのまま実行できます。 【参考】:Linux 用 Windows サブシステムとは
WSLのインストール作業は、PowerShellまたはコマンドプロンプトからwsl.exeを実行し、”--install” オプションを指定します。オプションなしの”wsl --install” コマンドでは、デフォルト設定のUbuntuディストリビューションがインストールされます。 【参考】:WSL のインストール
Ubuntuディストリビューションを指定してインストールする場合は、”wsl --install -d Ubuntu” のように明示することもできます。インストール済みのLinux ディストリビューションとWSL設定バージョンは、”wsl -l -v” で確認できます。
Ubuntuの使い方
Ubuntuの使い方は、Linuxコマンドの操作とデスクトップ操作に大別されます。LinuxコマンドはDebian系Linuxディストリビューションと同等となります。デスクトップ操作はデスクトップ環境としてGNOMEが標準設定されています。
GNOMEはデスクトップ上部にタスクバー、左側にアクティビティが配置されています。アクティビティをクリックするとアクティビティ・オーバービューが表示されます。そこでアプリケーションの検索やウェブ検索、お気に入りのアプリケーションを起動することができます。 【参考】:GNOME
Ubuntuの日本語環境
Ubuntuの日本語環境は、Ubuntu Japanese Teamの「Ubuntuの日本語環境」サイトからダウンロードします。サイトに掲載されている「日本語 Remix イメージのダウンロード」リンクをクリックし、ダウンロードサイトからモジュールをダウンロードします。 【参考】:Ubuntuの日本語環境 【参考】:Ubuntu Desktop 日本語 Remixのダウンロード
インストールは、ダウンロードサイトに掲載されているISOファイルでインストールを行います。すでに公式サイトのインストールが完了している場合は、Ubuntu Japanese Teamのリポジトリを追加し、パッケージをインストールします。
Ubuntuでお手軽にLinuxを活用しましょう
Ubuntuはインストール不要で手軽にLinuxを利用できます。特にWindows Subsystem for Linux(WSL)では、UbuntuがWindows環境に標準インストールできます。ちょっとしたテストからデスクトップ環境を利用したオフィス業務、あるいはサーバーの安定稼働まで対応可能です。
その利便性を体感するためにも、お手軽にインストールし動作確認することをおすすめします。
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