AWSのAmazon Route 53とは?概要や特長・使い方をわかりやすく解説
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AWSのAmazon Route 53とは?概要や特長・使い方をわかりやすく解説
アンドエンジニア編集部
2024.05.08
この記事でわかること
Amazon Route 53は、DNSのウェブサービスとして利用します
付加機能としてトラフィックルーティングや正常性チェックなども提供されます
ベースとなるDNSの知識が必要ですが、簡単にドメインを取得し利用することができます

AWSのAmazon Route 53とは

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AWSのAmazon Route 53とは、AWSが提供するDNSおよびトラフィックルーティングのサービスです。わかりやすく言うと、エンドユーザがインターネットを使ってウェブアクセスを行う際に、どのサーバに繋がるか接続先を管理してくれるサービスです。

【参考】:Amazon Route 53

AWSのサービス一覧は?豊富なサービスを活用しよう!

Amazon Route 53の概要

Amazon Route 53は、「ドメイン名の登録」「インターネットトラフィックのルーティング」「リソースの正常性のチェック」の3つの機能を提供します。

最も重要な機能は、「ドメイン名の登録」です。ここで言うドメイン名は、IPアドレスが割り当てられているインターネットの識別名です。一般的にDNSでは概念的にドメインという呼び方をしますが、Amazon Route 53ではホストゾーンという概念を用いて管理します。

つまりホストゾーンとは、管理するリソースレコードの集合体を指します。

ドメインとホストゾーンの違いに戸惑うかもしれませんが、ここでは一般的な名称とクラウドサービスで使用する名称の違いだと理解しておくと良いでしょう。

【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 の概念

そもそもDNSとは

DNSとは、インターネットで用いるドメイン名を監視するための仕組みを指します。インターネットで管理する識別情報をIPアドレスと言い、それぞれのホストは固有のIPアドレスを持ち、管理を容易にするためにホスト名という文字列で識別させることもできます。

IPアドレスとホスト名の組み合わせを管理するために、DNSサーバが名前解決を手伝います。さらにこのホスト名の管理は分割して行われており、その分割単位をドメインと呼びます。

この対応付けは、階層構造となっておりそれぞれが管理するDNSサーバをたどることで必要なIPアドレスが得られます。

Amazon Route 53の特徴と機能

Amazon Route 53は、クラウドサービスで必要な可用性と拡張性を提供します。クラウド利用で求めるコスト効率性についても考慮したサービスが提供されます。具体的には、次の3つの機能を提供します。

ドメイン名の登録 DNSをサービス提供し、ドメイン名の登録に対応します。パブリックのDNSレコードを作成し、管理します。

インターネットトラフィックのルーティング パブリックのDNSレコードは、分散したDNSサーバを活用しエンドユーザを効率的にウェブサイトへルーティングします。ワークロードは、自動スケーリングによりパフォーマンスを最適にサービス活用できます。

リソースの正常性のチェック アプリケーションやウェブサーバなどのリソースの正常性や、パフォーマンスをモニターするヘルスチェック機能を提供します。

【参考】:Amazon Route 53 の特徴

Amazon Route 53の仕組み

Amazon Route 53では、コントロールプレーンとデータプレーンの2つでサービスをカバーしています。この役割の分担は、他のAWSサービスと同じような仕組みが実装されています。

具体的には、コントロールプレーンは、リソースの作成、更新、削除などの管理操作を行う部分で、Route 53コンソールとAPIが担当します。データプレーンは、サービスのコア機能としてサービスを提供します。DNSサービスとしてクエリに対応します。ヘルスチェック機能では、実行結果を集約します。

【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 の概念

Amazon Route 53の料金プラン

Amazon Route 53の料金プランは、ほかのAWSサービス同様に使用したものに対して支払いが発生します。現在、無料枠が設定されておらず、ホストゾーンの管理や、DNSクエリの処理、ドメイン名の管理について、料金が発生します。ドメイン名の管理は年間料金で、それ以外は月額料金です。

【参考】:Amazon Route 53 料金表

AWSの料金計算法を覚えて頼られるITエンジニアになるために

Amazon Route 53の名称の由来

Amazon Route 53について、なぜ53なのか疑問に思う方が多いでしょう。この53は通信ポート番号が由来で、DNSサーバが用いるポートが53であるためです。

サービス名のRouteは、通信トラフィックをさばくルーティングの元となるRoute、そしてアメリカの横断道路網のシンボルであるRoute 66からインスパイアされて「Route 53」と命名されています。

Amazon Route 53の使い方

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Amazon Route 53を使うには、最初のAWSアカウントへのサインアップが必要です。サインアップができたら、管理ユーザとしてサインインし、設定手順に従って作業を進めます。作業は、AWSマネジメントコンソールを用いるほか、 Amazon Route 53 APIによりプラグラムアクセスが可能です。

必要に応じて、コマンドラインからAWS CLI(AWSコマンドライン・インタフェース)を使用してコマンドスクリプトを作成し、作業の自動化を行うことも可能です。

【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 とは? 【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 の開始方法 【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 の設定

AWSマネジメントコンソールとは?機能やCLIとの違いを解説
AWS CLIの使い方は?インストールから使用方法まで解説!

ドメイン名の登録

Amazon Route 53では、ドメインの登録を行います。ドメイン取得は、AWSマネジメントコンソールを開いてAmazon Route 53の「ドメインの登録」を選択します。取得したいドメイン名を「ドメイン名の選択」画面で入力し、「チェック」ボタンをクリックします。

希望のドメイン名が誰も登録していない場合は使用可能と判断され、「アクション」欄から「カートに入れる」が選択できるようになります。

「カートに入れる」をクリックし、シッピングカートに入れたら「ドメインのお問い合わせ詳細」画面で登録者の連絡先を入力し、「続行」ボタンで確認後に「注文を完了」します。

注文内容にしたがって、ドメインは2〜3日で登録が完了し、Amazon Route 53での利用が可能になります。登録したドメインは、「登録済みドメイン」に反映されます。

【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 とは? 【参考】:AWS Docs: ドメイン登録の仕組み 【参考】:AWS Docs: 新しいドメインの登録

インターネット接続のルーティング

Amazon Route 53のドメイン登録が完了すると、ホストゾーンが自動的に作成されています。ネームサーバ(NS)レコードと、Start of Authority(SOA)が自動的に作成され、クエリに対応するように4つのネームサーバを識別しルーティングが行われます。

パブリックホストゾーンは、AWSマネジメントコンソールの Amazon Route 53から、「DNS の管理」「ホストゾーン」で確認します。作成する場合は、「ホストゾーンの作成」を選択します。

トラフィックをルーティングするには、リソースレコードセットをホストゾーンに作成します。そこでルーティングポリシーを指定することができます。

【参考】:AWS Docs: ウェブサイトやウェブアプリケーションへのインターネットトラフィックのルーティング 【参考】:AWS Docs: DNS サービスとしての Amazon Route 53 の設定 【参考】:AWS Docs: レコードを使用する 【参考】:AWS Docs: ルーティングポリシーの選択

リソースの正常性のチェック

リソースの正常性のチェックは、Amazon Route 53のヘルスチェック機能を用います。ウェブサーバやアプリケーションなど指定したリソースの正常性を確認します。IPアドレスやドメイン名を指定し、特定のエンドポイントのリクエストの到達を監視することができます。

使用するには、AWSマネジメントコンソールの Amazon Route 53から「ヘルスチェック」を選択し、「ステータス」を確認します。ヘルスチェックと連動して、他のサービスへの通知やDNSフェイルオーバーを設定することもできます。

【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 がリソースの正常性をチェックする方法 【参考】:AWS Docs: Amazon Route 53 ヘルスチェックの作成と DNS フェイルオーバーの設定 【参考】:AWS Docs: ヘルスチェックのステータス監視と通知の受信 【参考】:AWS Docs: DNS フェイルオーバーの設定

Amazon Route 53は重要なサービスです

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Amazon Route 53は、DNSやトラフィックルーティングをAWS上で行うサービスです。DNSはドメインの登録から管理に対応しており、トラフィックルーティングもサービス提供に役立ちます。そのためAWSでトラフィック管理を進める場合も、このサービスを理解しておくと良いでしょう。

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