LINQとは?
LINQは、C#やVBなどの.NET Framework対応言語で使用できるライブラリであり、同じ型のデータを集めたコレクションに対する操作を拡張するものです。読み方は「リンク」で、データの集合に対するループ処理を簡潔に記述できます。
LINQを使用すると、コレクションに対する検索や操作を複雑な繰り返し処理により行う必要がなくなり、コードを簡潔で効率的に記述するのに役立ちます。
LINQの使い方を習得してコーディングを効率化しよう
LINQは、従来のforループやforeachループに比べて、コードを簡潔に記述できる大きなメリットがあります。また、データベースやXMLなどの操作にも応用でき、高い汎用性があります。
LINQを活用すれば、プログラミングの生産性を向上させ、高品質なコードをより簡単に書けるようになります。コーディングを行うプログラマーや、開発プロジェクトの効率化を考えるSEにはぜひ習得をおすすめしたいスキルの1つと言えます。
この記事では、LINQを使ってみたいと思う方のために、LINQの概要や、その記述方法であるクエリ式とメソッド式の違い、LINQを学習するメリットなどについてわかりやすく解説していきます。
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LINQの概要
ここでは、.NET Framework対応言語の「統合言語クエリ」であるLINQの特徴、活用できる職種の年収など、基本的な情報について解説していきます。
LINQは.NET Framework対応言語の統合言語クエリ
LINQは「Language Integrated Query」の略称で、C#やVBなどの.NET Framework対応言語に、データ操作構文を組み込んだものです。データベースやXML操作に関連するライブラリを含んでおり、SQLのようなデータベース操作構文を提供しています。
これにより、データベース問い合わせとオブジェクト指向プログラミングを統合し、データ操作を容易に行うことができます。SQLなどの問い合わせ言語がデータベースの操作を簡略化したように、LINQはコレクションに対する操作を効率的に記述できるようにしたものと言えます。
LINQは2007年にC#3.0の言語仕様として導入され、その後Visual BasicやF#など、他の.NET言語でも利用できるようになりました。
LINQの特徴
LINQでは、SQLのような記述方法のクエリ式と、直接メソッドを繋げるメソッドチェーンで記述するメソッド式が使用できます。
データ操作の方法はメソッドで指定でき、例えば、Selectメソッドを使用して要素を変換し、Whereメソッドを使用して条件に合致する要素をフィルタリングできます。これにより、柔軟性が向上し、コードがより読みやすくなります。
また、LINQの処理は遅延実行されます。LINQクエリはメソッド実行時に処理予約され、実際のデータ処理は必要な時点で行われます。これにより、無駄な計算を避け、効率的なデータ処理が可能です。
LINQを使用するには、System.Linqを参照するためにusingディレクティブを追加する必要があるため、気を付けましょう。
LINQを活用できる職種の年収
LINQを活用できる代表的な職種であるプログラマーの年収は「マイナビエージェント職種図鑑」での平均年収は344万円(※2023年9月執筆時点)、経済産業省2017年発表の「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」から近い職種のエンジニア/プログラマを参考にすると、平均年収592万円と分かりました。
国税庁2020年発表の「民間給与実態統計調査」における民間企業平均年収は433万円なので、プログラマーは一般平均年収よりも、やや低めから高めであることが分かります。
プログラマーは、コーディングスキルのレベルや対応できる言語の幅などにより、年収が大きく異なります。LINQの活用など、様々なプログラミングスキルや知識を積極的に取り入れ、効率的で高品質なコーディングができるプログラマーは、より高収入となる傾向があります。
【参考】:マイナビエージェント職種図鑑 ※【平均年収 調査対象者】2020年1月~2020年12月末までの間にマイナビエージェントサービスにご登録頂いた方 【参考】:IT関連産業における給与水準の実態① ~ 職種別(P7) 【参考】:民間給与実態統計調査-国税庁
LINQのクエリ式とメソッド式
LINQにはクエリ式とメソッド式の2つの書き方があります。それぞれの特徴と使い方を見てみましょう。
LINQのクエリ式とは
クエリ式はSQLに似た構文で記述することができます。コレクションの操作を、from、where、selectなどのSQLと同じキーワードを使用して行うため、SQLに慣れている人には直感的に理解しやすいでしょう。
Whereは、条件に合致する要素をコレクションから抽出します。Selectは、コレクション内の要素に対して処理を行い、その結果を取得します。これらのメソッドを組み合わせて、条件に合致した要素に対して特定の処理を適用することが可能です。
例えば、C#でLINQのクエリ式を使用して、数値のコレクションから15以下の要素を抽出し、それらの要素を2倍して新しいコレクションを取得する場合のサンプルコードは以下になります。
var squaredNumbers =
from num in numbers
where num <= 15
orderby num
select num * 2;
LINQのメソッド式とは
メソッド式は、従来のC#の通常のコーディングに準じた形式で、データの集合に対して操作を行います。
メソッド式では、多数の便利なメソッドを使い、メソッドチェーンでデータをフィルタリングや変換するため、シンプルで効率的、かつ柔軟なコードを書くことができます。
上記と同じ例で、数値のコレクションから15以下の要素を抽出し、それらの要素を2倍して新しいコレクションを取得するコードを、C#のLINQのメソッド式で書いたサンプルコードは以下になります。
var squaredNumbers = numbers
.Where(num => num <= 15)
.OrderBy(num => num)
.Select(num => num * 2);
クエリ式とメソッド式の使い分け
どちらの構文を選ぶかは、状況や利用者の使い易さに応じて異なります。SQLに近い感覚でクエリを書きたい場合はクエリ式が、メソッドをチェーンさせて様々な処理を記述したい場合はメソッド式が適しています。
また、クエリ式とメソッド式を組み合わせて使うこともでき、柔軟なデータ操作を実現できます。
実は、クエリ式は、メソッド式をよりわかりやすく書き換える糖衣構文であり、実際にはクエリ式は、C#のコンパイラによってメソッド呼び出しに変換されます。
LINQを学習するメリット
LINQを使用することで、コードの可読性や再利用性が高まり、タイプの異なるデータソースへの検索や操作ができるメリットがあります。また、習得することでプログラマーとしてのスキルアップが期待できます。
コードの可読性や再利用性が向上する
従来のループ処理では、処理の内容がループの中に埋め込まれており、理解が難しいことがありました。
しかし、LINQを使用すると、1つの操作ごとに対応するメソッドを呼び出すため、コードがシンプルで誰が見ても理解しやすくなります。ループ処理の中身を追いかける必要がなくなり、コードの可読性が向上します。
また、LINQでは、1度作成したクエリを、ListやDictinoaryのようなIEnumerableを実装した異なるデータソースに対して適用できるため、再利用しやすく、複雑な操作を抽象化できます。
様々なタイプのデータソースに対する検索や操作ができる
LINQは、メモリ内のさまざまなデータソースに対応しています。
ListやDictinoaryのようなIEnumerableを実装したコレクションクラス(LINQ to Object)だけでなく、XML(LINQ to XML)、リレーショナルデータベースサーバへのSQLクエリ(LINQ to SQL)などがあり、同じLINQの文法を使用してこれらのデータソースを問い合わせることができます。
コードの品質向上につながりスキルアップできる
LINQを使用すると、LINQが提供するデータ操作メソッドを組み合わせて処理することができ、自作の複雑な繰り返し処理のロジックを書く必要がないため、結果としてバグが減り、品質の高いコードを素早く開発できます。
また、多くの開発現場や企業がLINQを使用していますので、LINQのスキルを持つことは、プログラマーとして新たな現場の獲得や、キャリアチャンスを切り開く手助けにもなるでしょう。
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LINQを習得してエンジニアとしてスキルアップしよう
LINQはプログラマーにとって、データの操作がスムーズに実装でき、コーディングの効率化と品質向上に役立つツールであることが分かったと思います。
LINQのスキルを身に着けることで、.NET Framework開発の現場でより活躍することが期待できます。今後のプログラマーとしてのキャリアアップを目指して、LINQを活用できる企業に転職を考えるのもいいでしょう。
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