Notionでプログラミングノートを作って効率化しよう
Notionは、オールインワン・ワークスペースとして知られる文書管理ツールです。文書の作成や管理、共有に便利な様々な機能を持ち、情報管理の効率化に役立ちます。
Notionが持つ機能は、プログラミングノートの作成にも適しています。ページの階層構造やデータベースで情報を管理し、リンクブロックやコードブロックなどの便利なブロックにより、分かりやすく、見やすく情報をまとめることができます。
この記事では、プログラミングノートの作成に適したツールを探している方のため、Notionでプログラミングノートを作るメリットや、実際の作成方法を図解します。Notionでどのようなプログラミングノートが作れるかチェックしてみてください。
【参考】:Wiki、ドキュメント、プロジェクトがつながるコネクテッドワークスペース | Notion (ノーション)
Notionでプログラミングノートを作るメリットとは
Notionでプログラミングノートを作るメリットとして、まずは情報を一元化して管理できることが挙げられます。また、Notionの便利な各種機能を使って情報をまとめられること、環境が異なってもアクセスでき、共有しやすい点もNotionを使うメリットです。
カテゴリ別の情報やデータベースを一元化できる
Notionでは親ページと子ページの階層構造を作成できます。そのため、親ページに「プログラミング言語」、その子ページに「ブックマーク」や「コードスニペット」という様に、カテゴリごとに情報を整理することができます。
また、親ページにデータベースをインライン形式でページに埋め込んで表示することもできます。
これにより、親ページをトップとする各種情報の一元管理が可能です。
下の図は、今回作成を解説するプログラミングノートの親ページの表示です。ここから、各種情報のページやデータベースにアクセスできます。
ページの上半分が階層構造のリンクで構成され、下部にはプログラミング覚書のデータベースがインライン表示されています。
Notionの様々な機能を活用できる
Notionは、プログラミングコードの作成に便利な様々な機能を備えています。参考URLの埋め込み、動画や画像、ファイルデータのアップロードなどが可能で、コードブロックを利用してコードを直接記録することもできます。また、テキストやレイアウトをカスタマイズして、見やすく情報をまとめることができます。
異なる環境からのアクセスや共有が容易
Notionはクラウドベースのツールのため、インターネット接続があればどこからでもアクセスできます。そのため、職場や自宅からだけでなく、カフェや出張先など、普段と異なる場所からでもプログラミングノートにアクセスできるメリットがあります。
また、Notionは情報の共有も得意としています。作成したページを他のメンバーやチーム、会社全体で共有したり、外部のエンジニアや顧客に公開したりすることも可能です。個人的に作成したプログラミングノートでも、必要に応じて共有することでチームの生産性向上につながるでしょう。
Notionで作るプログラミングノートの内容例
そもそも、プログラミングノートでまとめると便利な情報とはどのようなものでしょうか。人により大きく異なるかと思いますが、ここでは、一般的にプログラミングノートにまとめると役立つ内容について挙げてみます。
ブックマーク集
プログラミングを行う上で、各種サービスの公式サイト、コミュニティ、技術系Webサイトなどから情報を得ることが多くあるでしょう。ブラウザのお気に入りに保存して整理してもいいのですが、Notionを使ってブックマーク集を作成すると、様々なシーンで便利に活用できます。
Notionを使うと、ノート内にリンクブロックを追加することで、WebサイトやページのURLを直接挿入できます。このリンクにはタイトルや説明文を付け加えることもでき、自分なりの追加情報を記載することもできます。
コードスニペット
日々コーディングを行う人にとっては、よく使うコードをすぐ使えるようにまとめたコードスニペット、コードストックでコード管理をしておくと便利です。
IDE(統合開発環境)やコードエディタなどではスニペット機能が用意されていることも多いですが、自分が使いやすいように書いたコードのスニペットを保存しておくことで、開発の効率がさらに向上するでしょう。
Notionでは、ノート内にコードブロックを配置し、その中にコードを視認しやすく残しておくことができます。コピーもクリック1つで簡単に行えて便利です。
トラブルシューティング集
プログラマーにとっては、エラーやトラブルヘの対処は日常的なことであると言えます。トラブルが発生し、何とか解決したと思ったら、忘れた頃に同じトラブルに見舞われる、という状況もよくあることでしょう。
時間がかかったトラブルや、複雑な手順を要するトラブルを解決した時には、どのようにして問題を解消したかを記した自分用のトラブルシューティングを用意することが、後の助けになります。
また、Notionを活用すれば、同じ環境で作業している同僚が同じトラブルに遭遇した時、解決のための情報を共有することも容易です。
プログラミング覚書
プログラミングの業務中や学習中に学んだことや理解した内容を覚書としてまとめることで、後のプログラミングの役に立ちます。また、なんとなく技術系Webサイトやブログを巡っていて、いつか使いたいテクニックや、理解しておきたい技術、興味があるトピックスに出会うこともよくあるでしょう。
そんなときは、どのようなことでもプログラミング覚書に保存しておくことで、後から見返して理解を深めることができます。
Notionのデータベースを活用すれば、整理しやすいようにタグ付けや分類することができます。
Notionページを階層化してまとめる方法
Notionで情報をまとめる1つの方法として、ページを階層化してまとめる方法があります。階層化された親ページと子ページの形式は、情報を論理的に整理するのに役立ちます。
親ページにカテゴリをまとめ、それぞれの項目に紐付く詳細情報を子ページとして追加することで、ノートの構造が明確になります。
ここでは、実際に親ページと子ページを作成し、その階層構造を確認する例を紹介します。あわせて、情報を表示するためのブロックについても解説します。
親ページと子ページを作成して階層化する
以下の図が、親ページの下に子ページを作成して情報をまとめるイメージです。例では、各プログラミング言語の下に、ブックマーク集、コードスニペット、トラブルシューティングがあり、さらにその下に詳細情報があるという構造になっています。
それでは、まず親ページを作ってみましょう。
「新規ページ」をクリックして、「無題」のところに親ページのタイトルを入力します。「空のページ」をクリックすると、新規ページが作成されます。
作成されたページ内のブロック挿入箇所で「+」をクリックして、ブロックの種類を選択し、自分の好みのレイアウトの親ページを作成しましょう。
下図の例では、3列のブロックにして、見出し2を使ってカテゴリ分けを表示しました。もちろん、後からブロックの位置や種類の変更などのカスタマイズも簡単です。
親ページ内に子ページを追加します。子ページを追加したいカテゴリの下に、ページブロックを追加します。ここでは、「プログラミング言語」の下に「HTML」の子ページを作成するために、「+」をクリックし「ページ」を選択すると、親ページの下に新規ページが作成されます。
子ページを作ると、左側のサイドバー領域に、その子ページが親ページの下に配置されていることがわかります。また、ページ左上に表示されるリンク構造にも表示されるため、現在作業しているページが確認できます。
リンクブロックやコードブロックを活用してまとめる
Notionには様々な種類のブロックが用意されています。画像や動画の埋め込み、外部サービスとの連携、Notion AIの利用など、使いたいブロックを自由に配置してページを作成できるのがNotionの大きな特徴です。
プログラミングノート作成の第一段階としては、リンクブロックとコードブロックを活用してみると良いでしょう。
■リンクブロックを使ったブックマーク集の作り方 関連するウェブサイトや記事へのリンクをリンクブロックとして追加することで、外部の情報に簡単にアクセスできます。ブックマーク集を作る際にも活用できます。
リンクブロックを作成するには、ページ内の「+」をクリックし、「Webブックマーク」を選択します。URLを入力し、「ブックマークを作成する」をクリックすると、リンクからビジュアルブックマークが作成されます。
■コードブロックを使ったコードスニペットの作り方 コードブロックを使うと、プログラムを埋め込み形式で表示させることができ、見やすく保存することができます。コードスニペットを作成するのに適したブロックです。
コードブロックを作成するには、ページ内の「+」をクリックし、「コード」を選択します。コードの入力スペースが表示されるので、自分で作ったコードを貼り付けます。
ブロックの左上で言語名をクリックして選択すると、言語に応じたシンタックスハイライトが適用され、見やすく表示されます。また、コードブロック内の右上の「コピー」をワンクリックするだけで、コードがクリップボードにコピーされ、ペーストして使用することができます。
「キャプション」をクリックすると、コードブロックの下部に説明を添えることができます。もちろん、テキストブロックを追加して詳細な解説を記述することも可能です。
【参考】:Notionでのコードブロックの使い方 – Notion (ノーション)ヘルプセンター
Notionのデータベースで情報をまとめる方法
Notionで情報をまとめるもう1つの方法として、データベースの使用があります。
データベースを使うと、蓄積した情報をタグ付けして分類したり、フィルタリングやソートしたりして、必要な情報に素早くアクセスできます。 また、新規データを追加する場合は、テンプレートから簡単に新たなデータを入力することができます。
ここでは、プログラミング覚書データベースを作成する方法について解説します。
データベースの作り方
データベースを作成する方法はいくつかありますが、新規ページを作成し、新規データベースを追加する方法を説明します。
まず、「新規ページ」をクリックして、「テーブル」を選択し、次に「+新規データベース」をクリックします。すると、新規データベースが作成され、テーブルビューで表示されます。
今回、データベースのタイトルは、「プログラミング覚書DB」としておきます。
次に、情報を整理するのに必要なプロパティ(項目)を設定していきます。 「Aa」と表示されている「名前」プロパティは必須ですが、プロパティ名は変更可能です。他に、言語や参考にしたサイト、情報を保存した日付などのプロパティを用意すると良いでしょう。
プロパティの種類は多様で、保存する値の内容によって適切なものを使用できます。下図の例では、「言語」は設定した値の中から選択できる「セレクト」、「参考サイト」は入力値がリンク化される「URL」、「日付」は日付形式の値を保存する「日付」としました。
データベースに登録したデータは、それぞれを独立した1つのページとして表示することができます。この個別ページに、覚書の内容を詳細にメモしておきましょう。
「タイトル」プロパティの内容にマウスカーソルを合わせると出てくる「開く」をクリックすると、そのデータ個別のページにアクセスすることができます。
データを新規登録する
データを新規登録する場合は、テンプレートで簡単に入力することができます。
データベーステーブルの右上の「新規」をクリックすると、必要なプロパティを持った新規ページの入力画面が出てきます。ここに、タイトル、プロパティの値、詳細情報を入力しましょう。
親ページにデータベースを表示する
プログラミング覚書データベースができたら、親ページ内に表示させてみましょう。
親ページを表示し、データベース表示箇所に見出しを設定します。その下で「+」をクリックし、「データベースのリンクドビュー」を選択します。
次に、「データソースを選択する」で、先ほど作成した「プログラミング覚書DB」を選択します。
すると、親ページ内にインラインでデータベースが表示されます。
Notionを活用したプログラミングノートをコーディングに活かそう
ここまで、Notionでページの階層化、データベースや様々なブロックを活用したプログラミングノートの作成方法について解説してきました。Notionにはプログラミングノートを便利に作成するための十分な機能が備わっていることが分かります。
今回紹介したのは、もちろんあくまで一例にすぎません。プログラミングノートは作る人により、使用する目的や好みのレイアウトなどが全く異なるでしょう。Notionの強みは、個人個人に合わせたカスタマイズも容易であることです。
例えば、今回はプログラミング覚書をデータベースにしましたが、コードスニペットを大量に保存し、タグづけして管理したい方は、コードスニペットデータベースを作成してもいいでしょう。また、カテゴリ分けや階層構造も柔軟に変更できます。
自分に合わせたプログラミングノートをNotionで作成することで、プログラミングに関する情報をまとめることが楽しくなり、コーディングの勉強もますますはかどるのではないでしょうか。是非、Notionを使って自分にぴったりのプログラミングノートを作成してみてください。
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