IEサポート終了の影響は?終了の理由やEdgeのIEモードも紹介
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IEサポート終了の影響は?終了の理由やEdgeのIEモードも紹介
アンドエンジニア編集部
2022.07.24
この記事でわかること
IEサポート終了の理由は、互換性や生産性を向上させるMicrosoft Edgeへ乗り換えを促すこと
IEサポート終了により、ユーザは代わりのブラウザの使用、Webサイト提供者はサイトの改修が必要
IEサポートが終了後も、IEコンテンツを閲覧するにはMicrosoft EdgeのIEモードが利用可能

IEがサポート終了した?

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IE(Internet Explorer)は多くのユーザに愛用されてきたブラウザですが、米国時間の2022年6月15日(日本時間では16日)におけるサポートが終了しました(一部の法人向けOSなどを除く)。

IEは1994年に誕生し、企業や一般ユーザへのインターネットの普及に伴い順調に利用者を増やし、長きにわたって圧倒的なシェアを誇りました。最新版はIE11で、近年は他のブラウザの盛り上がりに押されていましたが、今でも官公庁や大手企業を中心にIE11を社内の標準ブラウザとしている会社も多いでしょう。

この記事では、IEのサポートが終了することによりどのような影響があるかを中心に、サポート終了の理由、Microsoft EdgeのIEモード、他のブラウザの使用などについて解説していきます。

【参考】:Internet Explorer は Microsoft Edge へ:Microsoft

IEサポート終了の対象は?

今回、2022年6月15日(日本時間では16日)にWindows 10 版Internet Explorer 11 デスクトップアプリケーションが正式にサポート終了となります。この発表の対象となるのは以下のOSです。

Windows 10 クライアント SKU (Version 20H2 以降) Windows 10 IoT (Version 20H2 以降)

サポート終了後は、サポート外となったIE 11デスクトップアプリケーションを起動しようとすると数か月のうちに順次Microsoft Edgeにリダイレクトされると発表されています。

一方、Windows 10 IoT LTSC (全バージョン)、Windows 10 クライアント LTSC (全バージョン)など、今回の発表においては影響のないOSも一部ありますので確認しておきましょう。

【参考】:Internet Explorer 11 デスクトップ アプリケーションのサポート終了 – 発表に関連する FAQ のアップデート - Windows Blog for Japan

Windows10サポート終了リスクとは?効果的な対策と注意点を解説!

Windows11ではIEがすでに利用できない

2021年10月にWindows 11がリリースされていますが、Windows 11ではすでにIEが起動できなくなっており、使用できません。Microsoft Edgeが既定のブラウザになっており、必要に応じてIEモードを利用することは可能です。

難しくなった?Windows11のデフォルトブラウザ変更方法を解説

IEサポート終了の理由とは?

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IEは長い年月にわたって個人から企業まで多くのユーザに利用されましたが、なぜMicrosoftはサポートを終了するという決定に至ったのでしょうか。

新しいブラウザであるMicrosoft Edgeをリリースしたため

Micorosoftは、IEのウェブの進化への貢献を高く評価し、重要性を認識しながらも、Web全般の一般的な改善に対応するため、Microsoft Edgeをリリースしました。

Microsoft Edgeはより高速で安全な新しいWindowsに適したブラウザと位置付けられ、IEのサポートを終了することでユーザのIEからの移行を促しています。

【参考】:Internet Explorer 11 はサポートを終了しました。長年のご愛顧ありがとうございました。 - Windows Blog for Japan

Microsoft EdgeのIEモードで需要に対応できるようにしたため

IEサポートを終了しても、IEのみに対応したコンテンツがまだWeb上には残っています。そのためMicrosoftは、Microsoft Edgeに「IEモード」を搭載することにより、IEでの閲覧が必要なコンテンツの利用に対応できるようにしました。

これによりIEの利用が必要なユーザにもMicrosoft Edgeへの移行の猶予を与えることができることから、IE 11デスクトップアプリケーションのサポートを終了することとしたものと考えられます。

IEサポート終了でどんな影響が出る?

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IEのサポート終了により、インターネットや社内向けWebシステムなどを利用する多くのユーザ・企業などに大きな影響が出ます。ここでは、ユーザに与える影響と、企業や社会に与える影響についてそれぞれ解説していきます。

IEサポート終了がユーザに与える影響とは

一般ユーザは、サポート終了後にIEを起動しようとするとMicrosoft Edgeが起動するようになります。Webサイト側もいくつかの大手Webサービスを含め、次第にIEへのサポートを終了し始めています。今後もIEでは利用や閲覧ができないWebサイトが増えていくと考えられるため、IE以外のブラウザの利用に切り替える必要があります。

IPA(情報処理推進機構)などが実施する自宅で試験を受けられるサービスについても確認が必要です。すでにMicrosoft Edgeへの対応が進んでいるものもありますが、IEしか対応していない場合は、Microsoft Edgeに用意されている「IEモード」を使う必要があります。

IEモードを使用することでIE向けコンテンツを閲覧することができますが、企業に属するパソコンでインターネットを使用するユーザの場合、企業のポリシーでIEモードの使用が許可されるかどうか確認しなければなりません。

IEサポート終了が社会や企業に与える影響とは

WebサイトやWebサービスの提供者でIE対応のコンテンツを提供している場合、早急に対策が必要です。

サポート終了後もWebサイトを提供し続ける場合は、他のブラウザでの利用を前提にコンテンツをW3C(Web標準仕様)準拠に改修しなければなりません。場合によっては、Webサイトの提供を終了するという選択肢もあるかも知れません。

改修に時間を要する場合は、改修が終わるまでの間ユーザにMicrosoft EdgeのIEモードでの使用を求めるなどの周知が必要です。

IEサポート終了後の後継となるMicrosoft Edgeとは?

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MicrosoftはIEのサポート終了後のブラウザとして、Microsoft Edgeを推奨しています。Microsoft Edgeは、IEに代わる標準ブラウザとしての役割を担うためにWinodws 10から標準搭載されました。

Microsoftは、Microsoft Edgeではプライバシーやスピードやパフォーマンスが強化され、安全性においてもユーザのニーズを満たすとして利用を促しています。

Microsoft EdgeはIEとどう違う?

Microsoft Edgeはフラットデザインが採用され、立体的なデザインが採用されていたIEと比べるとコントラストが明確になり、ボタンなどが押しやすくなっています。

また、Microsoft Edgeはタッチパネル操作での利用も想定されているため、IEと比べてブラウザ内のボタンはシンプルでアドレスバーは大きめになっており、タッチ操作が行いやすいよう設計されています。

機能面については、Microsoft EdgeではIEになかった「リーディングリスト」が採用されています。この機能ではWebページのデータを保存して、インターネットが使えない状況でも後から読むことができます。

さらに、Microsoft EdgeではWebページに含まれるJavaScriptの処理をIEよりも高速で処理できるようになり、ページの表示が大幅に速くなっています。

JavaScriptとは?その特徴やメリット・デメリットを解説!

Microsoft Edgeで使える「IEモード」

IEサポート終了後にどうしてもIEを使う必要がある場合は、Microsoft Edgeの「IEモード」を使用することでIE対応のコンテンツを閲覧することができます。IEモードの利用方法は以下の通りです。

1.Microsoft Edgeの画面右上にある「・・・」メニューをクリック 2.表示されたメニュー内の「設定」をクリック 3.表示されたメニュー内の「既定のブラウザー」をクリック 4.「Internet Explorerモードでサイトの再読み込みを許可」のプルダウンメニューから「許可」を選択 5.表示される「再起動」ボタンを押してMicrosoft Edgeを再起動する 6.IEモードで再起動される

IEモードのサポートは2029年まで?

IEモードは、IEのサポート終了後にまだブラウザを乗り換えることができないユーザやWebサイト提供者に対する救済策として用意されています。

Mirrosoftは、少なくとも2029年まではIEモードのサポートを行うと発表しています。詳細な予定は出ていませんが、IEモードを廃止する場合、1年前には正式にサポート終了のお知らせが行われる予定となっています。

このことからわかるように、IEモードは今後長く使い続けることを想定したものではありません。IEモードサポート終了までの期間を猶予期間とし、ユーザはIEから他のブラウザへの乗り換えを進め、Webサイト提供者はサイトの改修を実施する必要があります。

【参考】:ライフサイクルに関する FAQ - Internet Explorer および Microsoft Edge

IEサポート終了後に使用を検討したいブラウザ

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IEサポートが終了した後の対策として、そのままMicrosoft Edgeに移行する以外にも、他のブラウザを使用するという選択肢もあります。ここでは、他にどのようなブラウザがあるかを紹介します。

Google Chrome

Google Chromeは、Gooleが提供している無償のブラウザです。2022年時点で世界シェア1位を誇っています。シンプルで直感的に操作できるデザインが特徴であり、Googleアカウントに紐づけてパソコンとスマートフォンなど複数の端末でシームレスに使用できます。

また、Gmail・GoogleMap・スプレッドシート・Googleドライブ・カレンダーなど、豊富なビジネス機能を簡単に利用できるのも大きなメリットです。

【参考】:Google Chrome

Mozilla Firefox

Mozilla Firefoxも無償で利用できるブラウザです。軽量で動作が軽く、メモリの消費量が比較的少なくて済むため、タブを複数開いて調べ物をすることが多い方におすすめです。

また、ホーム画面のアイコンを自分で選んで配置できるなどカスタマイズの自由度が高く、強化型トラッキングを採用しているため、トラッキングを心配せずにWeb閲覧ができるなどの特徴も兼ね備えています。

【参考】:Mozilla Firefox

IEサポート終了のリスク対策のため他のブラウザへの切り替えを早めに進めよう

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ここまで、IEサポート終了の概要やその理由、Microsoft EdgeのIEモード、代わりのブラウザなどについて説明してきました。IEサポートが終了してどうしたら良いのか分からなかった方にとっては、今後の対策の指針になったかと思います。

一時的な対策としてMicrosoft EdgeのIEモードを使うことはできますが、IE(およびIEモード)での閲覧や利用をサポートしないWebサイトはこれから増えていくものと思われます。

今後安心してブラウザを使用するために、IEモードを使わないMicrosoft Edgeをメインにするか、Google ChromeやMozilla Firefoxをはじめとした他のブラウザに乗り換えるかを早めに検討しましょう。

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