アプリケーションエンジニアに必要なスキルとは?
私たちの生活に欠かせないスマホ・PC・Webですが、それらを活用してアプリケーション制作を担当するのがアプリケーションエンジニアです。ITエンジニアの中でも、最も利用者に近いところにいるのがアプリケーションエンジニアであり、憧れる人が増えています。
では、アプリケーションエンジニアはプログラマーとは何が違うのか?アプリケーションエンジニアはどんな仕事をし、どうすればなれるのか?どんなスキルが必要なのか?といった、そんなこれからアプリケーションエンジニアを目指すエンジニアの皆さんの疑問に答えていきます。
アプリケーションエンジニアとは
アプリケーションエンジニアにおいて「プログラマーとの違いがよく分からない」という方がいます。アプリケーションエンジニアとプログラマーの仕事は大変よく似ていますが、役割や責任範囲が大きく異なります。
アプリケーションエンジニアは、アプリの開発に特化したエンジニアの呼称です。アプリケーションエンジニアはクライアントのニーズや要求を把握し、それらの解決や実現に向けてアプリケーションを提案し、開発・テスト・保守までを担います。
またその開発は、機能の実装だけにとどまらず、操作性・視認性・ユーザビリティなどに重きを置いて開発を行います。ユーザー目線での使い勝手・利便性に対する配慮が求められます。皆さんが日々愛用しているアプリは、そこに利便性や楽しさなどの価値を見出しているからでしょう。
アプリ開発で人々や社会に役立つこと、これがアプリケーションエンジニアのやりがいになっているのです。
アプリケーションエンジニアの仕事
アプリケーションエンジニアは具体的にどのような仕事をしているのでしょうか。
アプリケーションエンジニアはアプリの開発を行うエンシニアですが、アプリには主に「Webアプリケーション」、「スマホアプリケーション」と企業などが業務で活用する「業務系アプリケーション」、家電や機器の機能に特化した「組み込み系アプリケーション」の4種類があります。
それぞれのアプリ開発について、以下で詳しく紹介します。アプリケーションエンジニアを目指す方は、どの分野が向いているかを考えながら読んでみてください。
■Webアプリ開発
Webアプリケーションは、Webサーバー上で動作するアプリケーションで、インターネット経由でアクセスして利用するアプリケーションのことです。
代表的なWebアプリとしては、SNSのTwitterやFacebook、ECサイトのAmazonや楽天市場、メールのGmailなど、スマホやPCにインストールせずにChromeやEdgeなどのブラウザ上で利用するアプリがあります。インストールの必要がない点がスマホアプリとの大きな違いです。
Webアプリは利用者が直接触れるフロントエンドと、サーバー側で処理を行うサーバーサイドがあります。フロントエンドで主に利用される言語としては、CSS・JavaScript・HTMLがあります。また、サーバーサイドではPHP・Python・Ruby・SQLが主に利用されています。
■スマホアプリ開発
スマホアプリはネイティブアプリとも呼ばれ、スマホにダウンロードして利用するアプリです。
アプリには直接アクセスができる点が大きな特徴で、ネットワークに接続せずにオフラインで利用できるアプリが多くあります。
誰もが日常的に使っているアプリとして、LINE・Instagram・決済アプリ・ニュースアプリ・ポイントアプリなどがあります。またネットワークを利用して、店舗などでキャンペーンや新商品情報やクーポンの配信、商品の注文などが行える店舗アプリも数多くあります。
スマホのOSとしてはiOSとAndroidが主流ですが、それぞれのOSに対応したアプリ開発が必要です。主にスマホアプリ開発で利用される言語としては、Java・Objective-C・Swift・Kotlinなどがあります。
■業務系アプリ開発
主に企業が業務の効率化を図るために使用しているアプリのことです。店舗などでは顧客情報管理・売上管理・発注・棚卸・勤怠管理などをアプリにして、従業員が利用しているアプリがあります。
また最近では、企業側と顧客の両方がメリットを得られるようなレジアプリ、決済アプリなども人気になっています。主に使われている言語は、C・C#・Javaなどです。
■組み込み系アプリ開発
機械や家電製品などで使用するアプリのことです。組み込み系アプリは、ATM・自動車・自販機・スマート家電などの特定の機能に向けて開発します。業務系と同様に組み込み系アプリは基本的に企業向けです。主に使われる言語は、C言語・C++・Javaなどです。
若年層で高いアプリケーションエンジニアの年収
アプリケーションエンジニアの年収は、ITエンジニアの中では比較的高水準と言われています。求人情報サイトの「マイナビエージェント」の2020年の調査※によると、アプリケーションエンジニアの内、サーバーエンジニアは462万円、システムエンジニアは455万円でした。
▪サーバーエンジニア:462万円
▪システムエンジニア(制御・組み込み系)455万円
同調査で特徴的なのは、20代のアプリケーションエンジニア(システムエンジニア)の平均年収が432万円と、他のIT職種と比較して最も高い点です。これは最前線で活躍するアプリケーションエンジニアの年齢層が若いということでしょう。
【参考】:※IT・インターネット・通信 | 職種別年収ランキング(マイナビAGENT)
アプリケーションエンジニアの将来性
アプリは私たちの生活になくてはならないものとなりました。今や、スマホアプリに触れない日はないほど、アプリへの依存度は高まっています。また、インターネットの高速化、スマホなどの製品の性能向上も手伝って、企業間のアプリ競争もさらに強まっています。
IoT・AI・DXにおいてもアプリの需要は高まり、一方でITエンジニアの不足が深刻化しています。そのような背景もあって、アプリケーションエンジニアの将来性は高いと考えられますが、実力のないエンジニアは逆に淘汰されていくでしょう。
淘汰の対象とならないよう、自らのスキルを磨き、しっかりとニーズに応えられるだけの実力を高めることが重要です。
アプリケーションエンジニアへの道のり
アプリケーションエンジニアには、多くの知識や経験が求められます。プログラミング知識・データベース・ネットワークなど、システム開発に関する専門的な知識が求められます。
未経験からなる人も一部にはいますが、プログラマーやシステムエンジニアとして開発経験を経てからアプリケーションエンジニアへのキャリアアップを目指すのが一般的です。そのためには、以下のようなスキルを磨くとともに、資格取得が近道です。
求められる資質
アプリケーションエンジニアに求められる資質としては、主に次の4つです。アプリケーションエンジニアに向いている人は、以下のような資質を持っている人です。ただし、資質が欠けていたとしても、不足している資質を磨いて強化することは可能です。
1.チャレンジ精神
2.柔軟な発想力
3.コミュニケーション能力
4.強靭な体力と精神力
求められる主なスキル
アプリケーションエンジニアの仕事に特別な資格は要りませんが、幅広い知識や技術が必要です。ここでは、アプリケーションエンジニアに求められるスキルについて紹介します。
以下は最低限必要なスキルであり、これらのどれか1つでも不足していると、思うような仕事ができず、アプリケーションエンジニアの仕事がきついと感じることになるでしょう。
1.システム開発スキル
アプリの開発は1人で行う事もあれば、チームで行う場合もあります。アプリ開発はシステム開発と同様に、設計、動作テスト、運用・保守などの様々な工程があり、一連の流れについて理解し、経験を重ねることが必要です。
2.プログラミングスキル
アプリ開発では、Webアプリ・スマホアプリ・業務アプリで用いられる言語に違いがあります。それぞれのアプリ開発に適した言語の習得に努める必要があります。
3.ネットワークやデータベース知識
アプリケーションエンジニアは、プログラミング言語以外にもITシステム開発全般で必要となるサーバ・データベース・ネットワークなどに関する知識とスキルが必要です。それも、常に最新の情報を入手し、スキルのアップデートをしなければなりません。
4.フレームワークの知識
アプリ開発では、開発の効率を高めるためにフレームワークを多く利用します。各言語ごとにあらゆるフレームワークが提供されていますので、これらに対する知識が必要です。
5.マネジメントスキル
アプリ開発の大半はプロジェクト形式で行われますので、プロジェクトの全体像を把握しながら、メンバーや進捗やスケジュールを管理するマネジメント力が求められます。
役立つ資格を取得する
アプリケーションエンジニアに特に必須の資格はありませんが、IT全般知識やシステム開発、プログラミングなど多様な知識が求められます。
またスキル証明となる資格の取得は、転職やスキルアップの面でも役に立ちますので、以下のような資格の取得をおすすめします。
■基本情報技術者試験(FE)
ITエンジニアの登竜門と呼ばれる、ベーシックな国家資格です。エンジニアとして基本的な知識が身に付き、仕事に必要な基礎スキルが身に付く資格の1つです。アプリケーションエンジニアを目指す人にはおすすめの試験です。
【参考】:基本情報技術者試験(FE)
■システムアーキテクト試験(SA)
システム開発では、上流工程を主導する上級エンジニア向けの資格試験です。難易度は高く、業務ニーズに即した最適なシステムのグランドデザインを行い、プロジェクトを成功に導くスキルを証明します。
【参考】:システムアーキテクト試験(SA)
■C言語プログラミング能力認定試験
民間資格で、求められるレベルによって1級から3級まであります。履歴書などに記載して有利になるのは2級レベル以上です。1級試験では実際にプログラミングの実技試験があります。
【参考】:C言語プログラミング能力認定試験
■Java™プログラミング能力認定試験
JavaはOSに左右されない汎用的な言語で、あらゆるアプリケーション開発で利用されています。Javaプログラミングのスキル証明として、ぜひ取得しておきたい資格の1つです。Javaプログラミングを行う上では2級以上を取得しておくことが望まれます。
【参考】:Java™プログラミング能力認定試験
アプリケーションエンジニアとして活躍できるフィールドを見つける
アプリケーションエンジニアは業務範囲が広く、多様な資質や多くのスキルが求められます。そのため、しっかりと必要な資質を身に付け、スキルを高めることが活躍するための大前提です。
しかし、せっかくスキルを磨いても、それを活用できるフィールドに出会えなければ、単なる宝の持ち腐れになるだけです。
自らの持つスキルを正当に評価し、スキルを生かせる機会を与えてくれる企業と出会うことが、アプリケーションエンジニアとして活躍するための重要な鍵です。
アプリケーションエンジニアになるには
アプリケーションエンジニアへの不安を払拭し、業界未経験からアプリケーションエンジニアを目指すには、企業選びが重要だと分かりました。
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