プロジェクト管理に有用なRedmine
Redmine(レッドマイン)はオープンソースのプロジェクト管理ツールです。プロジェクト全体や、チームメンバーそれぞれのタスクの進捗状況を共有しプロジェクトの運営を支援してくれます。
【参考】:Redmine日本語情報サイト
本記事では、Redmineの主な機能について触れつつ、インストールして実際に利用するまでの手順を画像付きで分かりやすくお伝えします。
もしあなたが新規プロジェクトに参画して「進捗管理の為に、Redmine環境を用意してくれ」と依頼された際には、是非この記事を参考にしてみてください。
Redmineの主な機能
Redmineには様々な機能があり、プロジェクト管理を円滑なものにしてくれます。ここではRedmineが持つ主な機能をご紹介します。
チケット
あるタスクをRedmine上に登録した時、それはチケットと呼ばれます。顧客への対応事項、修正すべきバグ等、あらゆるものをチケットとして登録することができます。実務上では、チケットを登録することを「起票する」ということが多いです。
1つのチケットには作業内容/開始日/完了予定日/担当者/進捗状態など、そのタスクの進捗を把握するのに必要な情報を登録することができます。
ガントチャート
ガントチャートを見ることで、ある程度長期間の作業計画と、細かいタスクの作業進捗を視覚的に確認することが出来ます。
ガントチャートにチケットを表示するためには、チケットに作業完了日を設定しておく必要があります。チケットが割り当てられた作業者の方は、作業見積を行い、大まかな完了日をチケットに設定しておくのがベターです。
Redmineは無料で利用できる?
Redmineはオープンソースソフトウェアのため、全ての機能を無料で使うことが可能です。個人利用としてプロジェクト管理ツールを使いたい場合にも心強いと言えます。後述するRuby環境とMySQL/MariaDB環境をまとめてインストールできる「Redmine packaged by Bitnami」は有料サービスとなります。
【参考】:Redmine packaged by Bitnami
インストール先一覧
Redmineは、複数の環境で動作するソフトウェアです。以下の3つのOSで動作が保証されています。
Windows
Mac
Linux
3つのOS中でLinuxだけは、本記事で紹介する「Redmine packaged by Bitnami」のような簡易インストーラが提供されていません。Linux環境にRedmineを構築する際は、コマンドラインからRubyやMySQLなど、インストールに必要なソフトウェアを用意する必要があります。
Redmineのインストール方法
Redmineのインストール方法について、画像付きで解説します。インストール環境はWindows 10とします。
Redmineには様々なインストール方法がありますが、ここでは必要なRuby環境とMySQL/MariaDB環境をまとめてインストールできる「Redmine packaged by Bitnami」を利用します。これが最も簡単な方法かと思いますので、是非利用してみてください。
インストーラのダウンロード
下記サイトにアクセスし、Windows用のインストーラをダウンロードします。
【参考】:Install Redmine, Download Redmine
「DEPLOYMENT OFFERING」一覧から「Win / Mac / Linux」を選択すると、画面下部にWindows用のダウンロードボタンが表示されます。このボタンを押下し、インストーラをダウンロードしてください。
インストーラ起動
ダウンロードしたインストーラを起動すると、まず初めに言語選択画面が出てきます。選択した言語は、以後インストーラ内での案内表示に利用されます。お好きな言語を選択し、「OK」を押下してください。
言語選択の後に、下記のようなインストーラ起動画面が表示されます。「次へ」を押下してください。
インストールするソフトウェアを選択
「次へ」を押すと、Redmineとそれに付属するソフトウェアをインストールするか、選択する画面が表示されます。
ここで表示されるRedmine以外のソフトウェアの概要を下記に記載します。
・MSYS2
Windows環境上でも動作するUnixシェル環境。
・phpMyAdmin
Webブラウザからデータベース管理を行うことができるツール。MariaDB/MySQLに対応。
・Git
バージョン管理ツール
特にGitやphpMyAdmin等は、エンジニアの方なら既にインストールして頻繁に利用している方も多いと思います。そういった方はこの画面でチェックを外し、「次へ」を押下してください。
インストールフォルダの確認
Redmineをインストールするフォルダを選択します。基本的にはCドライブ直下に「Bitnami」フォルダが作成され、その配下にバージョンごとのフォルダが生成される構成となります。特にこだわりがない場合、変更せずに「次へ」を押下して下さい。
管理者アカウントの作成
Redmineへ初回ログインするための管理者アカウントを生成します。表示用紙名、メールアドレス、ログイン名、パスワードを入力してください。
なお注意点として、表示用紙名には半角英数字、ログイン名には「admin」以外を指定してください。後の正常動作の妨げになってしまいます。
入力出来たら、「次へ」を押下してください。
データベース関連の設定
上でもお伝えした通り、RedmineはデータベースとしてMariaDBを使用します。ここでは、同時にインストールされるMariaDBのポート番号を指定します。
既にMySQLなどのデータベースソフトをインストール済みの方は、既存データベースのポート番号と競合しない番号を指定するようにしてください。
次に、データベースに設定する言語を指定します。ほとんどの場合インストーラの表示設定と同じかと思います。お好みの言語を選択し、「次へ」を押下して下さい。
SMTPサーバの設定
Redmineでは、自身が関係しているチケットに更新があった際などに、あらかじめ設定しておいたメールアドレスにメールを送ることができます。この画面では、メール送信に用いるSMTPサーバの設定を行います。
メール送信機能が不要な方は「Do you want to configure mail support?」のチェックを外し、「次へ」を押下してください。
チェックを入れた場合、デフォルトのメールサーバとして「Gmail」または「Custom」をプルダウンで選択することができます。
メール送信機能を利用する場合、次の画面でEmailアドレスとその他サーバの設定値を入力する必要があります。以下ではGmailを選んだ時の画像を表示していますが、Googleアカウントのパスワードを求められるので、入力するようにしてください。
インストール開始
Bitnamiが提供するRedmineには、自分でサーバを用意し、環境構築する必要があるものと、インストール不要のクラウド型のものの2種類があります。
興味がおありの方は、「Bitnami クラウド・ホスティングについて もっと詳しく」チェックボックスにチェックを入れ、「次に」を押下して下さい。
インストールの開始
ここまで来たら、いよいよインストールの開始です。環境によっては10分~20分かかることもありますので、完了するまで待ちましょう。
インストール完了を確認し、ログイン
インストールが完了したら、Webブラウザから「http://127.0.0.1/redmine」にアクセスして下さい。以下のような画面が出たらインストールに成功しています。
画面右上の「Sign in」を押下するとログイン画面が表示されますので、手順「管理者アカウントの作成」で設定したログイン名とパスワードを入力し、ログインしてください。
ログイン出来たら、インストール手順は完了です。
Redmineをインストールし、進捗状況をメンバーと共有しましょう
Redmineは、チームでのプロジェクト管理・課題管理をより効率的なものにしてくれる、非常に高機能な製品です。無料で使うためには自前で環境の整備が必要ですが、本記事で紹介した「Redmine packaged by Bitnami」のようにインストールを簡単にしてくれるパッケージ製品も存在します。
プロジェクト管理に課題を感じているマネージャの方はもちろん、メンバークラスの方もこの記事を参考にRedmineをインストールしてみてください。
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