phpMyAdminとは?
phpMyAdminとは、ブラウザを通してMySQLやMariaDBに対して検索、登録、更新、削除といったデータベースへの操作を行うことができるツールです。初心者から実務経験者、ベテランまで多くのエンジニアに利用されています。
本記事ではphpMyAdminを用いるメリット及び、phpMyAdminのインストール方法/アンインストール方法を分かりやすく解説します。
【参考】:phpMyAdmin
phpMyAdminでデータベース操作をするメリット
phpMyAdminを用いてMySQL/MariaDBを操作することの最も大きなメリットは、コマンドラインからの操作に比べ、直感的な操作が可能になることです。
また実際の開発現場において、データベース関連の作業にはテーブルの検索/登録/更新/削除以外にも数多くの業務があります。例としてDBにアクセスできるユーザの管理やテーブルのバックアップ作成等がありますが、これもphpMyAdminを使ってWEB画面上から行うことができます。
技術発信用のブログを自分で開発・運営している方などは、Wordpressの開発環境として「XAMPP」「MAMPP」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これらの統合環境を用意すると自動的にphpMyAdmin環境もセットアップされるので、あらかじめphpMyAdminに慣れておくことは効率的なブログ運用の助けにもなることでしょう。
phpMyAdminをインストールする方法
以下では、ローカルのWindows10マシンで動作しているApacheサーバ上にphpMyAdminをインストールする手順について解説します。
UbuntuやCentOS、MacなどのLinuxベース環境においても、以下に挙げるApacheサーバとPHP環境さえ整っていれば基本的な手順は一緒です。Windows10ユーザ以外の方も、是非ご一読ください。
前提
phpMyAdminはPHPを使って動作しているため、phpMyAdminのインストールにはApache等のWEBサーバ及び、そのサーバにPHPがインストールされていることが条件です。
以下に、phpMyAdminをインストールするための前提条件をまとめておきます。
動作確認環境:Windows10 Home 64bit
WEBサーバ:Apache 2.4.52
Apacheインストールフォルダ:C:/Apache24
PHP:8.0.14
PHPインストールフォルダ:C:/PHP
MySQL:8.0.27
また、今回インストールするphpMyAdminはバージョン5.1.1(2022/01/19時点で最新のもの)を使用します。
phpMyAdminをダウンロードし、解凍する
下記サイトからphpMyAdminの動作に必要なファイル「phpMyAdmin-5.1.1-all-languages.zip」をダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルを解凍後、Apacheのドキュメントルートフォルダ(以下では「C:/Apache24/htdocs」)に解凍フォルダを配置します。
分かりやすく、フォルダ名を「phpMyAdmin」に変更しています。
参考までに、phpMyAdminフォルダ配下は以下のようになっています。
PHPの拡張モジュールの設定
ここまでの設定を行うと、「http://localhost/phpMyAdmin/index.php 」がphpMyAdminログイン画面のURLになります。
このURLにアクセスすると、「Composer detected issues in your platform: Your Composer dependencies require the following PHP extensions to be installed: mysqli, openssl」というエラー文が出力され、ログイン画面が表示されない場合があります。このエラー文が出力されない場合、この章はスルーしてもらって問題ありません。
このエラーは「PHPの拡張モジュール(=mysqli、openssl)が不足している」という内容のものです。
ですので、正しくphpMyAdminを起動するため、PHPの設定ファイルであるphp.iniのコメントアウト記号「;」を以下のように削除することで拡張モジュールを使用する設定を追加する必要があります。
変更前(php.ini 933行目、937行目)
;extension=mysqli
;extension=openssl
変更後
extension=mysqli
extension=openssl
phpMyAdminにログインする
設定ファイル変更/保存した後は、Apacheサーバの再起動が必要です。忘れずに再起動するようにして下さい。
再度「http://localhost/phpMyAdmin/index.php 」にアクセスすると、以下のようにphpMyAdminのログイン画面にアクセスできます。
ユーザ名、パスワードの欄にはログインしたいデータベースのユーザ名 /パスワードを入力し、「実行」ボタンを押下してください。ほとんどの場合、MySQL/MaridDBのインストール時に「root」ユーザのパスワード設定を行っていると思います。初回接続時は「root/{初回設定したパスワード}」でアクセスするようにしてください。
正しい認証情報を入力できていれば、以下のようにログインに成功したことが確認できます。
日本語ドキュメントのリンク
上記で触れた拡張モジュール不足エラー以外にも、phpMyAdminの環境構築中にエラーが出て困ることは十分考えられます。また、phpMyAdminは今回のように簡単な設定でインストール出来る一方、たくさんの追加設定をすることができます。
初見のエラーが出た場合や、追加設定をしたいユーザのために、phpMyAdminでは日本語ドキュメントが用意されています。データベースの設定・運用に更に詳しくなりたい方はこちらを是非参照してみて下さい。
【参考】:phpMyAdmin 日本語ドキュメント
phpMyAdminを既存の環境と競合させないためには?
本記事では、自分のPC環境に直接phpMyAdminをインストールしてログインする方法を紹介してきました。
DockerやVagrant等の仮想環境を使わず、直接自分のPCに環境構築した場合、一度インストールした環境が別環境との間で競合し上手く動かないことがあります。特に各製品のデフォルトポート番号(80,8080,3306等)が競合することはよくあります。
環境間での競合は、開発プロジェクト間の異動があったり、新しいプロダクトを個人開発したくなったりした際には頻発する現象です。
以下ではこういった競合を発生させないために気を付けること、手順をお伝えします。
phpMyAdminをアンインストールする
他環境とのポート競合を発生させたくない、かつphpMyAdminを使わなくなった場合にはphpMyAdminのアンインストールをまずはお勧めします。
phpMyAdminのアンインストールは、「C:\Apache24\htdocs」フォルダに配置したphpMyAdminフォルダを中身ごと削除するだけで実現できます。
Dockerなどを用いて、仮想環境上にphpMyAdminをインストールする
自分のマシンではなく、仮想環境上にphpMyAdminをインストールして運用することも競合の予防のためには有効です。
DockerやVagrantを用いれば、作成した環境を簡単に削除・再構築することができるので、古い環境を捨て、新しいプロジェクトでの開発に集中することができます。
Apacheサーバのポートを変更する
phpMyAdmin自体は引き続き使い続ける予定がある一方、他の環境と競合させたくない場合には、phpMyAdminがインストールされているWebサーバのポート番号を変更しておくのも良いでしょう。
Apacheサーバの設定ファイルであるhttpd.conf(本記事の手順だとC:\Apache24\conf\httpd.conf)を以下のように変更して下さい。ポート番号をデフォルトの「80」から「81」に変更しています。
変更前
#Listen 12.34.56.78:80
Listen 80
変更後
#Listen 12.34.56.78:80
Listen 81
ファイル変更後、Apacheを再起動し、「http://localhost:81/phpMyAdmin/index.php 」にアクセスして下さい。別ポートで起動したApacheサーバの上でphpMyAdminが起動することが確認できます。
phpMyAdminを使って、効率的にデータベースを操作しよう
phpMyAdminはMySQL/MariaDBに対してWEBブラウザ上から簡単・直感的にデータベース操作を行える便利なツールです。本記事ではローカルのWindows10マシンに立ち上げたApacheサーバにphpMyAdminをインストールする方法をお伝えしました。
優れたデータベース操作ツールであるphpMyAdminを用いて、DB管理業務をより効率的にしていきましょう。
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