PMBOKに書かれている内容とは?実際の役に立つのはどんな点なのか
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PMBOKに書かれている内容とは?実際の役に立つのはどんな点なのか
アンドエンジニア編集部
2021.10.13
この記事でわかること
PMBOKとは、プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめたものである
PMBOKはプロジェクトマネジメントを「5つのプロセスの遂行」と「10のエリアの管理」と定義している
PMBOKをそのまま実際のプロジェクト管理に用いることはできない

PMBOKとは

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PMBOKは、ITエンジニアで知らない人はいないくらい有名な本です。プロジェクトマネジメントの世界標準と言われるこの教科書は、米国のプロジェクトマネジメント協会が1986年に刊行して、2021年に改訂第7版が発刊されました。日本のリリースは11月頃を予定しています。(2021年9月現在)

PMBOKとはプロジェクトマネジメントの知識を体系的にまとめた本

PMBOKは「Project Management Body of Knowledge」の略語で、訳すと「プロジェクトマネジメントの知識体系」となります。ただしIT業界では、PMBOKはその知識体系を解説したガイドブックを指します。

ガイドブックを発行しているのは、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)です。1987年に初版が出版されました。

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これだけは知っておきたいPMBOKの内容

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プロジェクトの成功・失敗の目安になるのがQCD(品質、費用、納期)です。このうちのどれが想定から外れてもプロジェクトは失敗です。PMBOKは所期のQCDを達成するために必要なものとして、「プロジェクト憲章」「5つのプロセスの遂行」「10のエリアの管理」を挙げています。

プロジェクト憲章とは

PMBOKガイドは、プロジェクトの立ち上げには「プロジェクト憲章」が必須だとしています。プロジェクト憲章とは、PMBOKによると、「プロジェクトのオーナー(経営者またはスポンサー)が発行する、プロジェクトを正式に認可する文書」で、「プロジェクトマネージャーが会社のリソース(人・モノ・カネ)をプロジェクト活動のために使用する権限を与える」ものです。

また、プロジェクト憲章に書かれるのは下記の事柄だとされています。

・プロジェクトの目的 ・プロジェクトのゴール ・前提条件と制約条件 ・スケジュール ・予算 ・リスク ・PMの名前とその責任範囲 ・ステークホルダー(利害関係者)

上記の項目を詳細に記したらプロジェクト計画そのものになりますが、もちろん憲章の段階では、その大枠が記されるにすぎません。見通しの立たないことがたくさんある中で、決めるべきことは決めておく、というのがプロジェクト憲章です。

日本のプロジェクトではこのような「憲章」を作らずに、「一生懸命頑張ろう!」というスタンスでプロジェクトを立ち上げるのが普通ですが、上手くいった場合はそれで良いとして、炎上したときに責任問題などでシコリを残すことが少なくありません。

プロジェクトマネジメントの5つのプロセス

PMBOKは、QCD(品質、費用、納期)の管理には「5つのプロセス」を着実に実行していくことが肝心だとしています。

1.立ち上げプロセス プロジェクトのオーナーがプロジェクト憲章を発行して、プロジェクトの立ち上げを認可します。プロジェクト憲章では、プロジェクトの目的、ゴール、予算、スケジュール、プロジェクトマネジャーの責任範囲などが定義されます

2.計画プロセス プロジェクトマネジャーによって、ゴールまでのハイレベルな(=おおよその)作業計画が立てられます。計画は実行プロセスの進展によって詳細なものになり、当初の計画が変更されることもあります。

3.実行プロセス 立案した計画に基づいてチームがタスクをこなしていきます。

4.監視・コントロールプロセス タスクの進行、次工程への受け渡しで、確実な検査、検証が行なわれているかを監視します。進行中に生じたさまざまなトラブルへの対応も必要です。

5.終結プロセス プロジェクトのQCD(品質、費用、納期)を検証・評価してプロジェクトを終結します。プロジェクトの完遂までに獲得した経験・ノウハウの蓄積や伝達も、終結プロセスの大切な要件です。

プロジェクトマネジメントの10の知識エリア

PMBOKは、5つのプロセスを遂行するために、マネジメントを10のエリアに分けて、それぞれについて管理しなければならないとしています。

1.統合管理 他の9つのエリアを統合する全体管理。各エリアのマネジメントは相互に関連しているので、それを調整・管理します。

2.スコープ管理 プロジェクトの仕事の範囲と目指す成果物が何であるかを明確にするマネジメントです。求められる範囲をカバーするのはもちろん、面白そうだからと余計な事をしない様に管理します。

3.スケジュール管理 プロジェクトではかならず発生する「スケジュールの遅れ」を何とかやりくりするマネジメントです。ある意味では、プロジェクト最大のリスク管理とも言えます。

4.コスト管理 時間が押してくるのと同様に、予算も足りなくなってくるのがプロジェクトの常です。ある程度の想定外を見込んだ予算設定やコスト計算をした上で、適切なコスト管理をしていかなければなりません。

5.品質管理 最終成果物が求められる品質をクリアしているように、テストを重ね、バグを取り除きつつ品質を管理します。とくに、最終工程に近づいてから「原因不明の不具合」などが発生しないように、適切に検証プロセスを実施していくことが重要です。

6.資源管理 プロジェクトを完成するための人材や物資(ヒトとモノ)の管理です。第5版までは「人的資源管理」となっていましたが、第6版で人と物を含めた「資源管理」に改められました。プロジェクトを成功させるのに見合った人材・チームと必要な物質を調達・管理します。

7.コミュニケーション管理 実際にプロジェクトを動かすのはあくまで人間なので、そのコミュニケーションの良し悪しは成功の大きな要因になります。コミュニケーション管理にはチーム内だけでなく、社内外のすべての利害関係者とのコミュニケーションが含まれます。

8.リスク管理 プロジェクトの遂行プロセスで発生するリスクを予測し、できるだけ回避し、発生したときはできるだけ最小化するためのマネジメントです。もちろん、コミュニケーション管理やスケジュール管理などと深く関わっています

9.調達管理 プロジェクトを進める上で必要なサービスや製品(ツール)の調達を管理します。

10.ステークホルダー管理 クライアント、経営層、社内関係部署など、プロジェクトに関係するステークホルダー(利害関係者)との連絡や情報の共有などを管理します。

PMBOKの第7版の変更点と日本語版のリリース

2021年夏にPMBOKの第7版が米国PMIでリリースされました。日本語版のPMBOK第7版は、2021年秋に提供予定です。それまで「プロセス重視」で行われていた構成が、「原則・原理」を重視するという方針に変わります。また、成果物にスポットが当たっていたのに対し、第7版では成果物がもたらす「価値提供」にフォーカスした内容に変更されます。

PMBOKを読めばプロジェクトのマネジメントができるようになるのか

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経営学を体系的に学んでも、現実の企業経営に必要なノウハウを十分に身につけることができないように、PMBOKを学ぶだけで腕利きのプロジェクトマネジャーになれるわけではありません

また、プロジェクトの現場をある程度経験していないと、PMBOKガイドブックに書かれていることの意味を本当に理解することはできません。

PMBOKは知識を整理するツール

第7版ではプロセス方法が変わり、それまで「知識領域」とされていた部分は、「実行・遂行領域」「能力療育」を中心に構成されるようになりました。しかし、現場における実践的な手段などは、従来通り別に考える必要があります。PMBOKは、プロジェクトマネジメントを学び理解するためのツールとして活用するのがおすすめです。

人間が登場しない

経営学の教科書が経営者や営業マンの個性について触れないように、PMBOKはプロジェクトで働く人のキャラクターについては何も語っていません。しかし、実際にプロジェクトを進めるのは人間で、そこにはさまざまな「人間的要素」が絡み合ってきます。

プロジェクトのマネジメントには、PMBOKで知識武装をするだけでなく「人といっしょに仕事をする」ためにハートを鍛えることも大切です。

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