Vimのプラグインとは?
そもそもVimのプラグインとはどういったものなのでしょうか。まずはプラグインの意味やプラグインの導入方法について説明しますので、これからプラグイン導入を検討している方は参考にしてください。
そもそもVimとは?
Vimはテキストエディタの1つであり、特にITエンジニアが多く活用しています。Vimはメモ帳など一般的なエディタとは異なる点があります。それは、マウスではなくコマンドによってエディタ操作を行うことです。
Windowsにはコマンドプロンプト、Macにはターミナルというコマンド入力ツールがインストールされています。これらのツールを使ってVimを操作します。
コマンドを使い慣れていない人にとっては、Vimは不便に感じるかもしれません。しかしコマンドの使い方を覚えてしまえば、マウスではなくキーボードのみで素早く操作ができるため、作業効率を高めることが可能です。
VimがITエンジニアの方に多く活用されているのはこのためでしょう。
【参考】:welcome home : vim online
プラグインとは?
プラグインとは、ソフトウェアに標準装備されていない機能を後から追加できるもののことです。プラグインを導入することで、よりそのソフトを使いやすくかつ自分好みにすることができます。
Vimは利用者が多いため、有志の方によって多くのプラグインが作られています。VimプラグインはVim scriptというスクリプト言語によって作成され、外部に公開されます。Vimプラグインをインストールして導入することで、Vimをさらに便利に活用できるようになります。
プラグインの入れ方
Vimプラグインの多くはGitHubで公開されています。各GitHubのページにあるREADME.mdなどに、プラグインのインストール方法および使い方が書かれていることが多いです。
また、多くの人が利用するプラグインの場合、プラグイン名で検索すれば解説サイトが表示されることもあるので、それらも参考に利用すると良いでしょう。
導入したいVimプラグイン5選
続いて、導入したいVimプラグインを5つ解説します。各プラグインを導入するメリットや、使いどころについてまとめました。Vimを使い始めたばかりの人は、これらのプラグインを導入することでよりVimの利便性が分かるようになるでしょう。
dein.vim
dein.vimはプラグインを管理するためのプラグインです。プラグインが増えると管理に手間がかかるため、まずはdein.vimを導入しましょう。dein.vimはtomlファイルを使って管理する仕組みになっており、ファイルを編集することでプラグインのインストール・アンインストールを行うことが可能です。
【参考】:dein.vim
nerdtree
nerdtreeはサイドバーにディレクトリツリーできるプラグインです。プログラム作成中に他ファイルを参照したい場合があるでしょう。その際にディレクトリツリーが表示されていれば、開きたいファイルを選択して簡単に中身を確認することが可能です。
【参考】:nerdtree
unite.vim
unite.vimは、Vim用の統合ユーザインターフェースです。unite.vimを導入することで、各データを1つのインターフェースで操作でき作業効率を高めることが可能です。利用頻度も高く、おすすめのプラグインです。
【参考】:unite.vim
molokai
Vimでは:colorschemeコマンドを使うことで、現在設定できるカラースキームを確認することができます。標準でも多くのカラースキームが用意されていますが、プラグインを導入することで他のカラースキームも利用することが可能です。
molokaiは自作カラースキームの中でも人気が高くおすすめです。ソースコードを綺麗に色分けしてくれるため、バグも見つかりやすくなり開発効率に繋がると言えるでしょう。
【参考】:molokai
vim-fugitive
Gitは有名なソースコード管理ツールであり多くの企業で使われています。vim-fugitiveはVimからGit操作を行えるプラグインです。Vimでソースコードの修正を行いつつGit操作ができるため、前回コミットした分との差分などを確認に確認できます。
案件でGitを利用しているなら使いたいプラグインです。
【参考】:vim-fugitive
作業効率を高められるプラグイン7選
続いて、作業効率を高められるおすすめのプラグインを7つ紹介します。これらのプラグインを導入することで、プログラミング作業をさらに効率化させることが可能です。生産性を高めるうえでテキストエディタをカスタマイズすることは重要なので、エンジニアの方はぜひ参考にしてください。
vim-indent-guides
インデントを整えることは、ソースコードの可読性を高めるうえで大切です。インデントを正しく整えないとPythonなどの言語ではエラーが発生します。また、初心者のうちは気をつけないとネストが深いコードを書いてしまいがちです。
vim-indent-guidesはインデントを可視化しやすくなるプラグインです。ソースのどこからどこまでがネストに含まれるのかを把握しやすくなり、インデントも整えやすくなります。
【参考】:vim-indent-guides
fzf.vim
fzf.vimはファイルのあいまい検索を行えるプラグインです。あいまい検索とは「キーワードに完全一致するわけではないものの関連性が高い」ものも対象に加える検索方式のことです。
多くの検索用プラグインの中でもfzf.vimは動作が軽量でおすすめです。
【参考】:fzf.vim
previm
previmは、Markdown形式のプレビューを確認できるプラグインです。ブラウザに表示した際に表示が崩れていないかすぐに確認できるため、作業効率を高めることができます。
さらにprevimは、ファイルを保存するたびに画面を自動更新してくれます。Markdown形式をよく使う方は導入したいプラグインの1つです。
【参考】:previm
traces.vim
文字列の検索を行う際、正規表現はさまざまなパターンの文字列を一括検索できるため便利です。しかし正規表現は初心者のうちは扱いが難しいことも多いです。
traces.vimは正規表現の置換結果を確認できるプラグインです。問題なく置換されているか事前に確認できるため、安心して正規表現を使うことができます。
【参考】:traces.vim
translate.vim
translate.vimはVim上でGoogle翻訳を使えるプラグインです。Google翻訳は最近精度が良くなったため、英語の資料を読む際に活用している方は多いでしょう。
translate.vimを使えば、翻訳する度にブラウザに画面を移さなくて良くなります。Vim上で翻訳したい範囲を指定し、コマンドを入力するだけで翻訳が可能です。
【参考】:translate.vim
coc.nvim
coc.nvimはVimをVisual Studio Codeとして使えるプラグインです。Visual Studio Codeを今まで使っていて、今後Vimの機能やプラグインも活用したい方におすすめです。
【参考】:coc.nvim 【参考】:Visual Studio Code - Code Editing. Redefined
MultipleSearch
Vimで検索を行うと検索に該当した文字列がハイライトされます。しかし、もう1度検索を行うと前の検索結果のハイライトが解除されてしまいます。
MultipleSearchは前の検索結果のハイライトをそのまま表示してくれるプラグインです。1度に複数の検索結果を別の色で表示してくれます。
【参考】:MultipleSearch
プラグインを導入してVimでの作業を効率化させよう
本記事では、Vimのプラグインについて解説しました。どういったプラグインを導入すべきかお分かりいただけたかと思います。Vimはプラグインの数が多く、特に初心者はどれからインストールすれば良いのか迷う場合が多いです。初心者の方は、冒頭で解説した5つのプラグインをひとまず使うことをおすすめします。
エンジニアにとって作業効率を高め生産性をアップさせることは重要です。Vimを自分が使いやすいようにカスタマイズして、ソースコードを記述しやすくしたりバグを発見しやすくしたりしましょう。
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