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1万人のユーザーよりも、1人でも継続して使ってくれる人を。異色プログラミング学校代表の大胆主張
バルーン
2020.04.07

IT業界でしばしば耳にする「アウトプット」

アプリやサイトなど、どんな形であれ世の中に出すことの重要性が語られています。

プロトタイピングスクール「プロトアウトスタジオ」代表の菅原のびすけさんもアウトプットの重要性を主張する一人です。

では、アウトプットとモノづくりはどのように関連してくるのでしょうか?

のびすけさんのスクールでは「卒業時には受講生全員がクラウドファンディングに挑戦をする」そうです。

「たった一人でも継続して使うサービスを作ることでさえ、中々出来ることではない」と語る、その真意とは。

(この記事は連載記事の2本目です。のびすけさんの前回の記事はこちらから!)

'就職目的'じゃない、プログラミングスクールに受講生はなにを求めるのか?

初回授業からLINE Bot作成を行う。その狙いは?

バルーン
プロトタイプ制作って必要なものが技術だけじゃなく、ユーザー調査だったり、多岐に渡ると思うんですが、まずどういったことから教えていますか?
のびすけさん
授業の話をすると、初回授業からLINE Botを作ります。
バルーン
初回からLINE Botですか!?
のびすけさん
公開されているAPIを使うことに慣れてほしくて。
初回に限らず、公開APIはガンガン使うことにしています。
そうやって、まずはプロトタイプをつくることに集中してもらっていますね。
バルーン
たしかに、早くモノができたほうがモチベーション上がりますよね。
のびすけさん
まずはプロトタイプをつくることに集中してもらって、効率的なコードや書き方みたいなものはスクールの後半に教えています。
受講生のなかにも、「早く教えてほしかった!」といってくれる人がいますが、最初にアウトプットを出してるからこそだと思ってます。
無意識のうちにのめり込んでいっているんですよね。

個人のモノづくりを加速させるためのアウトプットとフィードバック

バルーン
とても楽しそうに話されてますが、モノづくりが好きなんですか?
のびすけさん
自分自身もモノづくりは好きなんですけど、人がモノづくりしているのを見るのも好きです。
いろいろな人のアウトプットを見たいんですよね。
とくに、自分が欲しい物を売上とか考えずに作っちゃう人が好きです(笑)
バルーン
そういう人って、Maker Faire(メイカーフェア)とかに多そうです。
のびすけさん
そうだと思います!
自分のモチベーションから生まれるモノづくりを支援したいと思っています。
ただ、いくらやりたいことでも誰からもフィードバックがもらえなかったり、資金的にマイナスな状態が続いてしまうと、モチベーションが続かなくなってしまうので、社会につなげていけるようにも支援したいと思っています。
バルーン
いわゆるマネタイズって、好きなものを作るような人たちには課題だと思います。
のびすけさん
個人のモノづくりは、モチベーションが続かず闇に消えていく例が多いです。社会やビジネスにつながることが見えれば継続して作り続けられると思います。
その一環として、スクールの最後には全員がクラウドファンディングを行うんですよ。

短期間かつハードルの低いクラウドファンディングを行う真意

バルーン
授業の一環でクラウドファンディングまでやるんですか!? クラファンって成功のハードル高いと思いますが......
のびすけさん
そこは考慮して、通常のプロジェクトとは違う形にしてます。 通常のクラウドファンディングは、数百万規模の募集を2~3ヶ月くらいかけて行いますが、プロトアウトスタジオでは、CAMPFIREと提携して短期間かつ少額のクラウドファンディングを実施しています。 具体的には目標金額の上限を30万円、期間を2週間の募集としています。
バルーン
30万円なら、「周りの人に頼み込めばなんとかなるかも?」と思えるくらいの金額ですね。
のびすけさん
ただ正直、あまり金額は気にしてほしくないんです。
バルーン
クラファンなのに、金額のことを気にしてほしくないんですか?
のびすけさん
そうです。
支援してくれる人の数を見てほしいと思っていて。
お金を払ってくれるくらいの熱量で支援してくれる人を増やすことが重要だと思っています。
オフィスにある、着るシンセサイザー

“狙ってないものがホームラン”をはやく感じてほしい

バルーン
Web業界だと普通のことのように感じますが、冷静に考えると人からお金をもらうってすごいことですよね。
のびすけさん
そうですね。
そのこと自体がモチベーションにつながるとも思っています。
とくに知人でもない、全く知らない人からの支援はすごくモチベーションになります。
バルーン
お金までいくともちろんですが、「いいね」をもらうだけでも結構違いますよね。
のびすけさん
ウチの受講生だとIT業界以外の人も多いので、アウトプットすることに慣れてない人も多いんですよ。
自分が当たり前だと思っていた情報でもアウトプットすることでめちゃめちゃ感謝される、という体験をすることがすごく貴重だと思うんです。
バルーン
私も、最初に「いいね」をもらったときはすごく嬉しかったのを覚えてます。
のびすけさん
それに慣れてきちゃうと、意外と狙ったものが鳴かず飛ばずで、狙ってないものがホームランになったりするじゃないですか(笑)
そうやって、自分が求めてるものと社会が求めてるものの違いを、はやく感じてほしいと思っています。

「半年で1万ユーザー突破!」も、ユーザー1人のサービスも、どっちもすごい

バルーン
自分がつくっているものが、社会にも求められているのかって、すごく判断難しいですよね。
のびすけさん
ウチのメンターの方が、「簡単なアプリでも、自分以外の誰か一人でも毎日使ってもらえるものを作ることは大変なことだ」と言っていて。 まさにそのとおりだと思いました。
バルーン
最近だとスタートアップを中心に、インフレしているような印象です。
「半年で1万ユーザー突破!」みたいな。
のびすけさん
何かサービスを作り始める時に、「市場規模が何億だ、見込み顧客が何千万だ」みたいなことを言いがちですが、何千万人に刺さるかどうかなどを考える前に身近な誰かや自分自身が継続して使うサービスですら作れてない"のに地に足着いてない議論をしすぎだと思っています。
でも、仮にユーザーが一人だけだったとしてもすごいんですよ。
バルーン
自分がほしいと思うものを、作り上げるだけでも十分すごいと。
のびすけさん
そうです。
変に考えるよりも、まずプロトタイプを作ってアウトプットしてみる。
そういう人を増やしていきたいですね。
バルーン
アンドエンジニアの編集長。エンジニア限定のコミュニティバー、Barloonのオーナーでもある。
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