VSCodeのgrep検索を使うには
VSCode(Visual Studio Code)には、grep検索が標準で搭載されています。grep検索を使うには、拡張機能を使うことなく、通常の検索と同じような操作でgrep検索が利用できます。ここでは、実際にVSCodeを操作してgrep検索を図解していきます。
【参考】:Microsoft Azure: Visual Studio Code 【参考】:Visual Studio Code
そもそもgrepとは
そもそもgrepとは、UNIX系システムに搭載されているコマンドであり、正規表現を使って指定する複数のテキストファイルから、該当する行と結果を表示するものです。
grepは「global regular expression print」の略で、ファイル全体(global)から正規表現(regular expression)を使って結果を表示する(print)という役割そのものを意味します。
grepは同一ファイル内の検索だけではなく複数ファイルから検索結果を抽出し、表示する特徴があります。大規模なプログラム開発では、複数ファイルに分散してコーディングする場合が多いので、grep検索するメリットが大きいと言えるでしょう。
コードエディタやテキストエディタのgrep検索機能
grepは複数ファイルから検索結果を抽出し、表示します。コードエディタやテキストエディタにおいても、複数のファイルにまたがって検索する機能をgrep検索と呼びます。
テキスト検索を行うことを「grepする」や「grep検索する」などと言い、テキストコードエディタでは、VSCodeの他、サクラエディタも同様の機能を提供しています。
通常の検索は、同一ファイル内の検索に限定されるため必要なテキストファイルをその都度開いて検索する必要があります。grep検索では、複数のテキストファイルを一括検索することができるので変更履歴の管理も簡単です。
【参考】:サクラエディタ 【参考】:サクラエディタ ヘルプ: Grep
VSCodeのgrep検索を使ってみる
ここからは、VSCode(Visual Studio Code)のgrep検索を使って操作方法を確認していきます。VSCodeは、多機能なコードエディタで、操作を行う場合もメニューやアイコン、キーボードショートカットなどから行うことができます。
キーボードショートカットは、多くの機能がマッピングされていますので、作業の効率化のために学んでおくと良いでしょう。
【参考】:Key Bindings for Visual Studio Code: Keyboard Shortcuts Reference
Visual Studio Codeを立ち上げる
VSCodeのgrep検索を使うために、Visual Studio Codeを起動します。必要なダウンロードやインストールは、事前に行っておく必要があります。Windowsの場合は、スタートメニューから「Visual Studio Code」をクリックし、起動します。
【参考】:Microsoft Visual Studio Code 【参考】:Visual Studio Code 【参考】:Download Visual Studio Code
VSCodeでフォルダーを開く
VSCodeのgrep検索を使うには、テキストコードやテキスト文章の格納されているフォルダーを指定します。指定したフォルダーのテキストファイルは、grep機能で一括検索することができます。
フォルダーを開くには、ウェルカムページから開く方法、エクスプローラーのアイコンから開く方法、ファイルメニューから開く方法などがあります。
・ウェルカムページから開く方法 ウェルカムページは、「ようこそ」と表示される最初の画面です。ウェルカムページから開くには、表示画面の「フォルダーを開く」をクリックし、フォルダーを選択します(①)。
・エクスプローラーのアイコンから開く方法 VSCodeの左ペインには、アイコンがいくつか表示されています。フォルダーを開くには、次のように1番目のアイコンもしくは2番目のアイコンをクリックします。
1番目のアイコンはエクスプローラーのアイコンです。このアイコンをクリックし(①)、「フォルダーを開く」をクリックしてフォルダーを選択します(②)。
2番目のアイコンは検索アイコンです。このアイコンをクリックし(③)、「フォルダーを開く」をクリックしてフォルダーを選択します(④)。
・ファイルメニューから開く方法 ファイルメニューから開くには、「ファイル」「フォルダーを開く」とメニューをクリックします(①②)。
この操作は、ショートカットキーの「Ctrl」+K、あるいは「Ctrl」+Oが利用できます。
VSCodeで開くフォルダーを選択する
「フォルダーを開く」をクリックすると、「フォルダーを開く」とタイトル表示されたファイルエクスプローラーが表われます。ここでは、任意のフォルダーを指定し「フォルダーの選択」をクリックすると、そのフォルダーがVSCodeのエクスプローラーに表示されます(①②)。
この例では、指定したフォルダーの「Program Code」が、フォルダーの上位に「PROGRAM CODE」と記載されており、複数階層を持つフォルダーも正しく取り込まれます。
VSCodeで複数ファイルにgrep検索する
フォルダーが指定されたら、grep検索が可能です。ここでは、検索アイコンからgrep検索する方法、編集メニューからgrep検索する方法があります。grep検索は、検索画面が表示され次第使用することができます。
・検索アイコンから検索画面を表示する 左ペインの2番目のアイコンは検索アイコンです。このアイコンをクリックすると、中央ペインに検索画面が表示されます(①②)。
・編集メニューから検索画面を表示する 編集メニューから検索画面を表示するには、「編集」「フォルダーを指定して検索」と順にメニューをクリックします(①②③)。
「フォルダーを指定して検索」には、「Ctrl」+「Shift」+Fのショートカットキーが設定されています。通常の「検索」が「Ctrl」+Fですので、通常の検索のショートカットに「Shift」を追加して使用します。
実際に使用する場合は、検索アイコンあるいはショートカットキーを用いてgrep検索するのがおすすめです。
VSCodeの検索画面で検索する文字列を入力する
ここでは、実際に文字列を入力してgrep検索を進めていきます。
今回指定したフォルダーには、HTMLやJava、Pythonのプログラムコードが格納されています。検索する文字列は自由に決められますが、この例では ”Moth.pow” を指定します。Moth.powは、数学ライブラリで良く用いられる累乗(べき乗)計算の関数です。
検索の入力欄に ”Moth.pow” と入力すると(①)、検索結果が下部の表示欄に反映されます(②)。
検索結果は瞬時に表示され、待たされることがありません。ここでは、5つのファイルが表示されており、Javaが4つのファイルで該当箇所4つ、Pythonが1つのファイルで該当箇所4つでした。
試しに1番目の表示結果をクリックすると、次のように右ペインに対象となるプログラムコードが表示されます(①②)。該当する箇所がハイライト表示されており、判別しやすい工夫がされています。
ここで表示されている、検索結果一覧の全体を選択すると結果のコピーが可能ですので、grep検索の一覧抽出も可能です。
VSCodeでgrep検索の条件を変更する
grep検索の条件は、簡単に追加することができます。今回の例では、 ”Moth.pow” を指定しましたが、デフォルトでは大文字と小文字の区別はありません。
大文字と小文字を区別するには、検索入力欄の右側「Aa」のアイコンをクリックすると(①)、「大文字と小文字を区別する」状態に切り替わります(②)。
その結果、Pythonの ”math.pow” という小文字の数学ライブラリは除外され、Javaの4つのファイル、4か所のみが表示されます(③④)。
表示アイコンは入力欄右側の「Aa」のアイコンが、「大文字と小文字を区別する」モードで、ショートカットキー「Alt」+Cに割り当てられています。
その右側の「ab」のアイコンが「単語単位で検索する」モードで、ショートカットキー「Alt」+W、そして右端の「.*」のアイコンが、「正規表現を使用する」モードで、ショートカットキー「Alt」+Rで呼び出すことができます。
検索のファイル指定も柔軟で、含めるファイルと除外するファイルを指定することもできます。検索する文字コードも指定可能のため、複数条件を組み合わせて活用することが簡単にできます。
VSCodeのgrep機能は便利で作業効率が向上する
VSCodeのgrep機能は、フォルダー全体を検索してくれるため操作性が高いものです。結果は瞬時に表示され、置換も簡単にできます。日常的にコード開発を行う方や、大規模なプロジェクトで使用する場合は、開発生産性の向上に期待できるでしょう。
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