サクラエディタの矩形選択
サクラエディタは、多彩な編集機能を持つWindows向けの日本語テキストエディタです。言語に応じた編集モードを搭載し、プログラミングからデータの加工編集までこなす、多機能なテキストエディタです。
サクラエディタを特徴づける機能として、矩形選択があります。矩形選択とは、複数行の特定位置のみを部分選択する機能を指します。ここでは、サクラエディタの特徴の1つである矩形選択の概要や使い方を解説していきます。
【参考】:サクラエディタ HELP: 矩形選択
矩形選択機能の概要
矩形選択の矩形とは長方形を指す用語で、ここでは四角に範囲を部分選択できる機能を指します。通常テキストエディタは、複数行を選択する場合には、選択位置から行頭あるいは行末を挟んで行単位で行を選択します。
サクラエディタでは、行の中から特定位置のみを抽出し、縦に複数の行をまたいで選択することができます。
矩形選択でできること
サクラエディタは矩形選択機能を搭載しており、長方形に範囲を選択することができます。結果として範囲を部分選択した状態でコピーやペースト、削除などが簡単にできます。アプリケーションの出力やバッチファイルなどのメンテナンスで、特定カラムのみを編集する場合などに利用できます。
例えば、次のようにフォルダ出力をDIRコマンドから収集したとします。ここでは、サクラエディタのフォルダ情報をサンプルとして示します。
C:\Users\User\AppData\Roaming\sakura>dir
C:\Users\User\AppData\Roaming\sakura のディレクトリ
2024/08/21 19:05 <DIR> .
2024/08/21 19:05 <DIR> ..
2024/08/21 17:42 100 RecKey.mac
2024/08/21 19:05 116,566 sakura.ini
2023/04/07 11:26 148 キー入力の繰り返し.mac
2023/04/07 14:19 77 ネットワーク統計の作成.mac
2023/04/07 14:15 152 ヘッダーの作成.mac
5 個のファイル 117,043 バイト
2 個のディレクトリ 186,921,398,272 バイトの空き領域
ここからファイル名や日付のみを取り出すのは、一般的なテキストエディタでは簡単にできません。ここでサクラエディタを使って矩形選択すると、次のように日付と時間、ファイル名だけを簡単に抽出することができます。
2024/08/21 17:42 RecKey.mac
2024/08/21 19:05 sakura.ini
2023/04/07 11:26 キー入力の繰り返し.mac
2023/04/07 14:19 ネットワーク統計の作成.mac
2023/04/07 14:15 ヘッダーの作成.mac
サクラエディタでは横だけではなく縦に選択できるのが特徴で、矩形選択で範囲を指定し、必要なデータを簡単に取り出したり入れ替えたりすることができます。
サクラエディタの矩形選択の使い方
サクラエディタの矩形選択は、様々な操作方法が提供されています。具体的にはマウスやキー操作、メニュー操作などが挙げられます。特にキー操作は、キー割り当てと呼ばれるショートカットキーが設定されており、簡単に機能を使用することができます。
ここからは、実際の矩形選択の使い方を見ていきます。
矩形選択でマウスを活用する
サクラエディタの矩形選択では、マウスによる矩形範囲の選択が可能です。使い方は、「Alt」+マウスのドラッグで行います。必要な矩形範囲が選択されたら、コピーやペースト、削除などを行います。範囲選択終了後は、メニュー操作やショートカットキーによって続く作業を行います。
編集メニューから矩形選択を行う
編集メニューから矩形選択を行うには、カーソルの開始位置を決定し、「編集」「矩形選択」から「矩形範囲選択開始」をクリックし、矩形選択を開始します。その後、カーソルを上下左右に移動して矩形範囲を変更します。矩形範囲選択モードを終了するには、「Esc」キーを押します。
【参考】:サクラエディタ HELP: 「編集(E)」メニューの一覧
矩形選択でキーボードを活用する
矩形選択は、編集メニューを使用するよりもキー割り当てと呼ばれるキーボードのショートカットキーを使用するのが便利です。具体的には、「Shift」+「F6」で矩形範囲選択モードが始まります。この場合も、カーソルを上下左右に移動することで矩形範囲を変更できます。
「Shift」+「F6」を使わずに、「Alt」+「↑」、「Alt」+「↓」、「Alt」+「←」、「Alt」+「→」でも矩形範囲選択モードとなり、矩形範囲を変更することができます。
「Alt」は最初にモードを変更する時のみ使用し、以降はモードを終了するまで矩形範囲選択モードが継続します。この場合も、「Esc」キーを押して矩形範囲選択モードを終了します。
ここで言うショートカットとはキーボードの操作を組み合わせることで、アプリケーションやシステムがあらかじめ決められた特定の動作を実行する機能を指します。
ショートカットキーは、実際のキーの割り当てを表し、コマンド一覧やキー割り当て一覧から確認することができます。キー割り当てが解除されている場合は、矩形選択できない場合がありますので事前に確認すると良いでしょう。
【参考】:サクラエディタ HELP: コマンド一覧 (機能別) 【参考】:サクラエディタ HELP: キー割り当て一覧
矩形選択範囲を編集する
矩形選択がされた状態では、キー入力した値が全ての始めの位置に一括入力されます。行頭を含んで矩形選択をすることで、プログラムコードを一括コメントアウトすることもできます。また、データリストのコードを一括で変更する際にも有効です。
矩形選択範囲は、コピーやペースト、削除などが利用できます。これらの操作は通常の範囲指定と同じように行うことができますのでソートも簡単にできます。また、正規表現を活用してエスケープ文字を操作したり、日付や時間などを追加したりすることもできます。
【参考】:サクラエディタ HELP: 矩形編集 【参考】:サクラエディタ HELP: 利用可能な正規表現
矩形貼り付けを使用する
矩形範囲をコピーした場合は、クリップボードにテキストが格納されます。そのデータを用いて任意の場所で、「編集」「矩形貼り付け」のクリックでテキストにデータを挿入することができます。
この操作で任意のデータブロックを、特定のカラム位置に挿入することができます。ショートカットキーは、「Shift」+「F9」です。
【参考】:サクラエディタ HELP: 矩形貼り付け
矩形選択で大量のデータを処理する
矩形選択で行数の多い大量のデータを処理する場合は、列選択が難しいため、カーソルキーを移動するよりもキーボードのショートカットキーを使用するのが便利です。
複数行を選択する場合は、矩形範囲選択モードを始めてから「Ctrl」+「Home」で1行目を選択することができます。「Ctrl」+「End」で最終行まで選択可能ですので、矩形範囲選択モードを1行目で始めると「Ctrl」+「End」で全ての行を一括処理できます。
なおこの機能は、メニュー操作における「編集」「矩形選択」の「(矩形選択)ファイルの先頭に移動」および「(矩形選択)ファイルの再度に移動」のショートカットキーを表すものです。
【参考】:サクラエディタ HELP: コマンド一覧 (機能別)
さらに矩形選択を効率的に行う
ショートカットキーのようなキーの割り当ては、ページの最初と最後だけではなく、ページ単位でも使用することができます。「PgUp」は前ページ、「PgDn」は次ページまで選択を広げます。
さらに細かく「Ctrl」+「PgUp」で半ページ前まで選択し、「Ctrl」+「PgDn」で半ページ後まで選択することもできます。行頭までは「Home」、行末には「End」を使用できます。
【参考】:サクラエディタ HELP: コマンド一覧 (機能別)
サクラエディタの矩形選択は編集効率が高くおすすめです
一般的なデータ管理や集計は、データベースや表計算などを用いて行います。サクラエディタはプログラムコードの一括コメントアウトやデータの一括変換など、多彩なテキストコードの処理が可能です。
そのため、サクラエディタの矩形選択は簡単で編集効率が高く、利便性に優れたテキストエディタとしておすすめです。
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