スクレイピングにおすすめのツール
スクレイピングとは、IT業界ではデータベースやWebサイトの情報を集めてデータを抽出する方法を指します。
このスクレイピングでは、プログラムを1から組むこともありますが、現在ではスクレイピング用のツールも数多く公開されています。ツールの中には、コーディングをしなくてもスクレイピングができるツールも公開されています。本記事では、スクレイピングのメリットや、おすすめのツール10選などを紹介します。
無料でスクレイピングができるツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
スクレイピングとAPIとの違い
スクレイピングと同様に、情報を集めてデータを抽出するという意味では、APIも似たような役割を持っています。では、スクレイピングとAPIの違いは何でしょうか。
結論を言うと、APIは公式のサイトや運営団体からサポートされていますが、スクレイピングは非公式のものです。
そのため、データ収集を行う際に対象のサイトに過剰な負荷をかけていないか、利用規約の違反をしていないかなどの確認が必要です。注意点に関しては後述で説明しますので、スクレイピングを実施する前に、そちらも確認しましょう。
スクレイピングをするメリット
スクレイピングは自動もしくは半自動でデータを収集し、必要なデータを抽出できるため、作業効率の向上が見込めます。
ここからは、スクレイピングを行うメリットについて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
データ収集の手間を減らせる
スクレイピングでは、ツールなどを使い自動的にデータを集めて抽出します。そのため人間が1つ1つデータを集めるよりも、非常に短時間で大量のデータを収集し、抽出できます。
手作業によるミスを減らせる
スクレイピングは自動的にデータを収集するため、データの書き間違えなどを減らすことができます。人間が作業を行うよりも、正確に作業ができる点もメリットの1つだといえるでしょう。
スクレイピングにおすすめのツール10選
ここからは、スクレイピングのツール10選を紹介します。中には無料で試すことができるツールもありますので、ぜひ参考にしてください。
Scraper
こちらのツールはChromeの拡張機能の1つですので、拡張機能を追加すると使うことができます。
スクレイピングしたいサイトのURLを登録し、収集したいデータを設定するだけで簡単にデータを収集できます。
また、Scraperでは待機時間の設定もできますので、スクレイピング先のサイトに負荷をかけないように時間などを調整しましょう。
料金は、無料プランと有料プランがありますので、用途にあわせてプランを決めましょう。
Common Crawl
Common Crawlは非営利団体が運営するオープンソースのツールです。そのため料金はかからず、無料で使用することができます。
Common Crawlのデータセットは、AWSのAmazon S3というサービス上にありますので、Amazon S3からデータをダウンロードして使うことができます。
【参考】:Common Crawl 公式 【参考】:AWS オープンデータ
CrawlMonster
CrawlMonsterはリアルタイムでWebサイトの動きを監視したり、データ抽出の細やかな設定ができたりするのが特徴です。また、クリックなどの操作でスクレイピングできるため、コーディングが苦手な方でも使えます。
CrawlMonsterの料金プランは、フリープランとシルバープラン、ゴールドプランが用意されており、無料で使えるのはフリープランのみです。CrawlMonsteが気になった方は、まずフリープランで使用感を試してみてください。
【参考】:CrawlMonster 公式
import.io
import.ioは、直感的なUIで簡単にスクレイピングができるツールです。そのため、コードが書けない方でも使いやすいツールといえます。
import.ioではログイン後のデータの取得やサイトのスクリーンショットの取得や、スケジュール設定機能など、様々な機能が提供されています。
無料トライアルの期間もありますので、import.ioが気になる方は公式サイトを確認してみましょう。
【参考】:import.io 公式
CRAWLY
CRAWLYはURLを入力し、抽出したい要素を選ぶと、簡単にスクレイピングを実行してくれます。
ちなみにスクレイピングを実行する際にはメールアドレスが必要ですので、アドレスの準備をしてからスクレイピングをしてみましょう。取得したデータはCSVまたはJSON形式で取得できます。
【参考】:CRAWLY 公式
parsehub
このツールは、動的なサイトからデータをスクレイピングできることが特徴です。またブラウザベースで利用でき、抽出したデータのダウンロードもCSV、Exel、JSON、APIなど様々な形式で取得できます。
parsehubは、無料でも使うことができますが、無料プランの場合はプロジェクトの数や、スクレイピングを行うページに制限があります。無料範囲内を超えてスクレイピングを行いたい場合は、有料プランへの変更を検討しましょう。
【参考】:parsehub 公式
WebHarvy
WebHarvyは、コーディングをしなくてもスクレイピングができるツールで、マウスをクリックするだけでスクレイピングが可能です。また、画像のスクレイピングもできるようです。
WebHarvyを使用して取得したデータはExcel、XML、CSV、JSON、TSVファイルなどで取得できます。
無料トライアルも用意されていますが、制限を解除するためにはフルバージョンを購入する必要があります。料金については、公式サイトから詳細をご覧ください。
【参考】:WebHarvy 公式
Dexi.io
Dexi.ioではコーディングの知識がなくても直感的に操作できるツールです。また、無料トライアルのコースも用意しており、1.5時間のWebデータ抽出であれば無料で使用できます。
有料プランではより多くの容量が確保されますので、無料トライアルで使い勝手を確かめてから検討してみるのもおすすめです。
【参考】:Dexi.io 公式
sequentum
sequentumは、ポイント&クリックのUIのため、コーディングをする必要はありません。しかし、カスタマイズを行いたい場合にはコーディングもできるようになっています。
コーディング言語はPython・C#・JavaScriptを扱っていますので、これらの言語をコーディングできる方はより要件にあったデータの抽出が可能です。
ちなみにsequentumはデスクトップアプリのため、ダウンロードなどの設定が必要になります。また、料金は有料で年間16,500ドルからプランが提供されています。
【参考】:sequentum 公式
Octoparse
Octoparseはコード不要でスクレイピングができるため、コーディングが苦手な方でも使いやすいツールです。
また、スクレイピングのタスクを自動化できるため、曜日や時間を設定してスクレイピングを行うこともできます。
こちらのツールも無料トライアルがありますので、気になる方はぜひこちらのツールも検討してはいかがでしょうか。
【参考】:Octoparse 公式
スクレイピングをする際の注意点
スクレイピングを行う際には、事前に確認しておくべきことがいくつかあります。スクレイピングをしてサイトに迷惑をかけてしまうと、アクセス拒否される可能性もあります。
ここからは、スクレイピングをする際の注意点を詳しく解説します。
サーバへの負担を考慮してスクレイピングする
スクレイピングは短時間で大量にデータを集められるのがメリットではありますが、その方法によっては、スクレイピング先のサイトのサーバに負荷をかけてしまいます。
そのためスクレイピング先のサイトに負荷をかけないように、事前にスクレイピングの設定を見直す必要があります。
スクレイピング先のサイトの利用規約を確認する
サイトの中には、そもそもスクレイピングを禁止しているサイトもあります。スクレイピング先のサイトが、利用規約の中でスクレイピングを禁止している場合は、スクレイピングをしてはいけません。
スクレイピングをしたいサイトの利用規約を確認し、スクレイピングをしてよいのか、スクレイピングを禁止しているデータがないかチェックしましょう。
スクレイピングで開発を効率的に行おう
スクレイピングは必要なデータを収集して抽出するのに非常に便利なものです。しかし、その一方で使い方に気を付ける必要があります。
本記事でご紹介したツールなどを活用する際は、先述の注意点などを参考にしつつ、スクレイピングを行いましょう。
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