【デジタル庁とは】ついにデジタル庁が発足! 日本社会のDXは進むのか?
2021年9月1日にデジタル庁がついに発足しました。東京新聞によると、約600人となった職員の3割超は、IT企業出身者ら民間出身者を起用したということです。デジタル庁は、日本の競争力回復につながる社会全体のDX化を推進する役割を担っています。創設の理由や具体的な役割について説明します。
なぜ、デジタル庁が必要なのか
2021年5月、デジタル改革の司令塔となる「デジタル庁」の創設などをもりこんだ、デジタル改革関連法が可決されました。
コロナ禍の影響下で、給付金のオンライン申請や接触アプリの不具合など行政のシステム活用の問題が浮き彫りになっています。また、世界デジタル競争力ランキング2020において、日本は2019年から4つ順位を落として世界27位になるなど、デジタル後進国といわれてもおかしくない状況です。特に「ビッグデータ活用」、「デジタル人材のグローバル化および企業の変化迅速性」といった調査項目では最下位でした。デジタル競争力の低下は国際競争力にもダイレクトに影響し、日本の将来に影を落としています。
こうした現状を打開し、デジタル化を推進するために創設されたのがデジタル庁です。
デジタル庁の業務と役割
デジタル庁の目的は、社会全体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)の実現であり、省庁を横断してデジタル化を推進する役割を担います。
当初の目標のひとつに、行政のDX化が掲げられています。現状では各省庁が個別にシステムを発注しているため、仕様も品質もバラバラです。Web会議を例にとっても、各省庁が独自の会議システムを保有し、省庁間の連携はほとんどできないようになっています。
すなわち、システム連携ができていない省庁間、国の行政機関と地方自治体の間でスムーズにデータをやりとりできるよう、国の情報システムを統括、監理し、そのために必要な国と地方共通のデジタル基盤の構築がデジタル庁の役割となります。特に重要なシステムについては、デジタル庁が整備および運用を担当します。そうした役割のために民間から優秀なエンジニアを大量採用する計画があります。
そして、マイナンバー活用の推進もデジタル庁の役割のひとつです。すでに「マイナポータル」のリニューアルが行われ、UI、UXが見直されています。マイナンバーの活用が進んでいれば、給付金の支払いはもっとスムーズにできたという指摘もあります。スピーディな給付を実現している国では、日本のマイナンバーに相当するIDによる管理が普及しています。
そのほか、行政手続きのオンライン化、医療・教育分野のデジタル化への取り組みが予定されています。
(【画像出典】「デジタル庁」WEBサイト)
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職員の3割超を民間から採用
デジタル庁では、9月の発足に向けて民間のプロフェッショナル人材の採用を積極的に進めてきました。冒頭東京新聞から引用した通り、600人規模で発足、うち3割超を民間から起用しました。
4月にエンジニアや採用戦略を担うリクルーターなどの35人が、非常勤の国家公務員として先行採用。この募集には40倍を超える応募があり、その中から選ばれたのは平均年齢39歳、20~60代の男性32人、女性3人でした。キャリアは、スタートアップ企業勤務、企業経営者、大企業OBなどさまざまで、なかには地方在住者もいて、リモートワークなどの柔軟な働き方が認められてきました。
新しいメンバーを加えてついに発足したデジタル庁。エンジニアをはじめ、採用された方々に期待が集まります。
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