Android 13 Developer Preview 1
2022年2月10日、最初のデベロッパプレビューとなるAndroid 13 Developer Preview 1が公開されました。次期リリースとなるAndroid 13では、プライバシーとセキュリティを中核に、デベロッパーの生産性というテーマを設定し、改善を図ります。 【参考】:Android 13 Developer Preview 【参考】:The first developer preview of Android 13
Android 13 Developer Preview 2 では、Developer Preview 1に対して全体的な安定性の改善を行っています。2022年3月17日にリリースしました。 【参考】:Android 13 Developer Preview 2
Android 13 Developer Previewとは
Android 13 Developer Previewとは、ハードウェアとエミュレータのシステムイメージをいち早く公開し、最新のプラットフォームコードでテストを可能にしたものです。リリース予定の次期バージョンのコードをテストし、アプリケーション互換性を高めるために提供されます。
さらに新機能を体感することで、利用者のフィードバックからさらなる改善を進めていきます。利用は無料となっており、Developer Preview SDKとツールをダウンロードするだけで開始できます。 【参考】:Android 13 を入手する
Android 13 Developer Preview 1の対応機種
Android 13 Developer Preview 1の対応機種は、サポート対応機種が限定されます。具体的には、以下のGoogle製Android端末が対応します。
・Pixel 4、Pixel 4 XL ・Pixel 4a、Pixel 4a(5G) ・Pixel 5、Pixel 5a ・Pixel 6、Pixel 6 Pro
正式リリースの最新バージョンとなるAndroid12の対応機種は、Google Pixel 3以降です。Android 11ではPixel 2が対応していたことから、最新リリース毎に旧製品のサポートが終了していることがわかります。
プレビュー版利用の際にはAndroid EmulatorをAndroid Studioセットアップし、動作を確認することも可能です。 【参考】:Android Emulator をセットアップする
Android 13 Developer Preview 1の新機能と変更点
ここでは、Android 13 Developer Preview 1の重点目標について解説していきます。大画面Android端末の利用メリットを高めることを目標としているAndroid 13 Developer Preview 1は、すでに12Lとして取り組みが始まっている大画面Android端末のサポートを継続し最新アップデートをベースとして開発を進めています。
さらに重要と考えられていることは、プライバシーとセキュリティです。デバイスの利便性を高めるとともに、安全性を高めることにも注力しています。そのための新機能について以降で解説していきます。 【参考】:Android 13 の機能と変更点のリスト
「ユーザー エクスペリエンス」に関する新機能
ユーザー エクスペリエンスとは、操作により得られる操作感や体験を指します。大画面Androidデバイスは、2億5,000万台以上に上り「ユーザー エクスペリエンス」の向上がターゲットとなります。具体的な新機能は以下の通りです。 【参考】:機能と API の概要
・テーマ別アプリアイコン Android ランチャーで、アプリアイコンの色合いに、ユーザーが選択した壁紙やテーマの色を反映することができます。アプリケーションではモノクロのアプリアイコンを用意することでこの機能がサポートされます。
・クイック設定の配置API 新しいタイル配置API で、アクティブなクイック設定のタイルにカスタムタイルを直接追加するユーザー操作を追加できます。
・多言語ユーザーのサポートの強化 APIにより、アプリケーションごとに言語を設定することができます。Unicodeライブラリを修正し、Unicode ICU 70・Unicode CLDR 40・Unicode 14.0 の修正変更がされています。
・ハイフネーションの高速化 ハイフネーションの高速化機能が、setHyphenationFrequency()に搭載され、最大200%のパフォーマンス改善となります。ハイフネーションにより、テキストの可読性が向上します。
「プライバシーとセキュリティ」に関する新機能
「プライバシーとセキュリティ」は、Android 13の中核を成す改善点です。関連する機能は以下の通りです。
・写真選択ツール 従来の様に、メディア ライブラリ全体へのアクセス権をアプリに付与する必要がありません。共有する特定の画像や動画を選択します。これにより共有するプロフィール写真等にアクセス権限を限定することができます。プライバシーの強化がされ、統一されるユーザーエクスペリエンスを提供します。 【参考】:写真選択ツール
・付近の Wi-Fi デバイスに対する新しい実行時の権限 アプリが権限なしに Wi-Fi API を呼び出そうとした場合、SecurityExceptionとなります。今回、NEARBY_WIFI_DEVICESという実行権限が必要です。これでアクセス権限の正当性確認が容易になります。 【参考】:付近の Wi-Fi デバイスに対する新しい実行時の権限
Android 12とは
Android 12は、2021年10月4日に正式リリースされた最新バージョンです。よりパーソナルにかつ安全に簡単に操作できることを目標として開発されました。だれでも安全に簡単に操作できるよう考慮されており、ユーザー補助にも注力しています。 【参考】:Android 12
Android 12の改良版として、12Lが2022年第1四半期にリリースされます。大画面タブレットの操作性向上のために、ユーザーインターフェースとマルチタスク機能を実装します。Android 13は、Android 12Lの大画面 Androidデバイス対応に関する最新アップデートをベースとしています。 【参考】:12L: A new look for Android’s larger screens 【参考】:12L Developer Preview
今後のリリース予定
Android 13は、以下のように開発リリースを設定し、安定化に向けて準備を行っています。
・プレビュー版 APIの動作確認を、リファレンスデバイスとなるGoogle製Android端末で実施します。早期テストのフィードバックから改良を重ねていきます。2022年2月にデベロッパー プレビュー 1、2022年3月にデベロッパー プレビュー 2が設定され、すでにリリースされました。
・ベータ版 1 互換性を高めるためのアップデートを行っていきます。ベータ版 1は、2022年4月を予定しています。
・ベータ版 2 テストと開発の安定性を高めるためにビルドが提供されます。2022年5月を予定しています。
・ベータ版 3 プラットフォームとAPI を確定し、互換性を高めていきます。プラットフォーム安定版としてビルドを提供します。2022年6月が予定されています。
・ベータ版 4 最終ベータ版として、アプリ・SDK・ライブラリ・ツール・ゲームエンジンに対してアップデートをリリースします。新機能を用いたアプリケーションテストを行い安定化を進めます。2022年7月を予定しています。
・最終リリース Android 13の安定版として正式リリースされます。2022年8月以降がリリースターゲットとなります。慣習では最新リリースは秋頃となっていますので、今回も例年通りの予定です。 【参考】:Android 13 デベロッパー プレビュー
Android 13でさらに向上するユーザーエクスペリエンス
大画面化が進むスマホでは、ユーザーインターフェースやマルチタスク機能の搭載が求められます。Android 13は、12Lで搭載される大画面機能をベースに開発が進められています。さらにセキュリティ機能やプライバシー保護も強化されます。今後も使いやすく安全な次期バージョンの情報収集をしていきましょう。
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