HTML、PHP、JavaScript、Pythonなど、プログラミングの世界は多くの言語であふれています。それらを使いこなして将来はエンジニアになりたい、転職してデザイナーとして活躍したい。そんな想いでプログラミングの勉強を始める人も多いと思います。
でも独学ではすぐ壁にぶつかり、行き詰まってしまうこともありますよね。誰かに勉強法を相談したくても、そんな話のできる人は周りになかなかいないもの。だけどスクールに通うのは敷居が高いし、本を読んでもよくわからない……。
「こんな時どうしたらいいの?」と初心者が困った時に気軽に相談できる場所があります。「教えたい人(メンター)」と「学びたい人(メンティー)」を繋ぐオンラインプラットフォーム「MENTA」です。
MENTAでは、プログラマーやデザイナーに必要なスキルを教えてもらえます。自力で解決できなかった問題以外にも効果的な学習法、ポートフォリオの作り方、仕事・受注の仕方、転職の悩みなど様々な相談が可能です。
約3,000人在籍しているメンターのなかから自分の求めるスキルを持つ相手を探すことで、初心者からの脱却や効率の良いスキルアップが図れます。また企業とではなく、個人のメンターと直契約するため月3,000円〜とリーズナブルな価格設定もあって利用者が増えています。
この記事では学びたい人がMENTAを使用することで得られるもの、教える人が副業としてMENTAを使うメリットなど、サービスを扱うMENTA株式会社設立者で代表取締役の入江慎吾さんにお話を伺いました。
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「MENTA」は自身の体験がきっかけになり開発した
まずは、「MENTA」を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
自身の実体験がきっかけです。 詳しく話すと、僕は専門学校を経てWeb制作会社に入った時、最初はWebデザイナー志望でデザインやコーディングをしていました。
ところが、社内のエンジニアが退職する際に、社長から「入江君プログラムをやってみる?」と言われたんです。
エンジニアの打席に代打で立つよう指名された感じですね。
そこで「やってみます」と言ってはみたものの、当時はあまり情報も無く、海外の翻訳本とかしかありませんでした。
でも、その時に先輩から色々と教えてもらったんです。 「これからやった方が良いよ」「こういうの作った方が良いよ」って。 自分はそのお陰でプログラミングを習得できました。
入江さんが先輩にプログラミングを教わったことが原体験になったのでしょうか?
まさにその通りです。 今はエンジニアを目指す人も増えましたが、独学で勉強するけど挫折してしまう人もかなり多いと感じています。
「その人の周りに質問できる環境があったら、もっとうまくいけたんじゃないか?」 そんな想いから、3年前の2018年に、オンラインで教える人と学びたい人をマッチングできる「MENTA」を作りました。
サービス開始後にユーザーの反応を見て、プログラミングの領域に特化させていった
MENTAは2018年6月にリリースされています。 当初狙っていたユーザーに使ってもらえている感覚はありますか?
いえ、開始当初とは変わっていますね。 MENTAの着想には自分の原体験があり、それを元に広げましたが、教えたり学んだりする関係は別にプログラミングに限らないと思っていて。
例えば、プロゲーマーにゲームを教えてもらうとか、釣りを教えてもらうとか。 他にもゴルフのスイングを見てもらうなど、色んなものがあると最初は思っていました。
様々なジャンルで学びたい人がいるように思えますが、そうでもなかったと?
はい、最初はスキルマーケット的な展開をしましたが、半年ほど経って圧倒的にエンジニアの需要が高いことに気づきました。 なので、それ以降は現在の形に絞ってやっていますね。
MENTAのユーザー数は2021年11月時点で4万人を突破した
教える側のメンターは約3,000人いるそうですが、学びたい側のメンティーは現在どれくらいいるのでしょうか?
2021年11月時点で登録者数は4万人を突破しました。
4万人!率直な感想はどうですか?
まだまだですね。 年間約40万人がIT関係のことを勉強していると推定されています。 それを考えるとMENTAの認知度もまだまだだなと思いますね。
伸びしろがたくさんあるということですね。 それでも4万人に支持されている、ウケた理由はどこだと分析されていますか?
「リーズナブルな価格設定」がひとつの理由だと考えています。 みんな最初は無料のサービスや本を買ったりするところから始めて、その後のステップとなると少し前まではスクールしかないような状況でした。 でもそれはお金と時間がかかるから、なかなか決断しづらいですよね。
しかし、MENTAはリーズナブルな価格設定で、わからないことを教えてくれる人がいます。 独学+αとしてMENTAを利用している人も多いです。
そうですよね、低価格って重要ですよね。 メンターはどうやってこのサービスにたどり着くのでしょうか?
SNSや検索で入ってきている人が多いですね。 副業としてお金を稼ぐというよりは、「教えることで喜んでもらえる」ことに意義を感じている印象です。
メンターも基本的な質問に答えられないと恥ずかしいので、教えるために勉強するんですよね。 それで結果的に自身のスキルアップに繋がっている人もいます。
発表の場としてのコミュニティを作ることで目標ができる
ユーザー間で交流などはあるのでしょうか?
メンターさんのなかでは月1回など、皆で集まって勉強会をやるコミュニティができてますね。
メンティー側にも初心者勉強会のようなコミュニティはあるのでしょうか?
自分の勉強法や、「こういうことをやってエンジニアになれました」といった体験談の発表をする場を設けました。 メンティーさんは勉強法に一番悩むので、こういう場があると良いかなと思って。
経験者の話を聞ける場があるのはいいですね。 MENTAのプラットフォーム内にコミュニティを作ったのでしょうか?
10月にリリースした「イベント機能」で実施しました。 すると約130人が集まり、登壇者も12人(※)で盛り上がりました。 こういったイベントは定期的におこなっていく予定です。
MENTAでは、法人向けサポートプランも提供されていますよね。 どういった意図で開始されたのでしょうか?
特に中小企業に多いのですが、例えばエンジニア開発チームがあっても、新人や未経験者が入社した時に教えられる人材がいないという問題があります。 その問題に対して、経験豊富なメンターさんがサポートできたらと思い、法人向けサポートプランを開始しました。
確かに、教育に人を割り振れない中小企業は多そうですね。 法人向けサポートプランとしてはどんな特徴があるのでしょうか?
特徴は、企業それぞれのニーズに合わせて、メンターさんがプランを作れるところです。 必要な言語やスキルに合わせてプランを組んでいきます。 予算的には月10万円ほどから提供しているので、法人向けサポートプランとしてもリーズナブルな価格設定は強みです。
リーズナブルで、それぞれの企業やチームに合わせてプランを作ってもらえるのは魅力的です!
また、メンターさんを途中で変更することも可能です。 最初の数か月は金額を抑えて使ってもらい、相性の良いメンターさんには残ってもらう、という使い方もおすすめしています。
MENTAでは「スキルを身に着けること」の手助けをしたい
MENTAは、プログラミング経験がまったくない“ホントの初心者”でも受け入れてくれるのでしょうか?
もちろんです。 MENTAは「初心者が最初に挫折する壁を取り払いたい」と思っていて、この部分にフォーカスしてやっています。
自分自身も個人で色々とやってきたなかで、多くの人達に助けられてきました。 なので、次は貢献したい、恩返ししたいという気持ちがあります。
初心者でも登録して良いというのは安心します。 エンジニアに興味があって、初心者から目指す場合、近道はあるのでしょうか?
好きなことをやって好きなように働けるようになるためには、スキルを身に着けることが近道だと思います。 MENTAではその手助けをしたいです。
また、生存戦略として、勉強を習慣づけたり、変化に耐えられるように自分自身をアップデートしていけることが重要です。 そのために、MENTAを使って新しいことにどんどんチャレンジしてもらえたら良いなと思います。
習慣化は本当に大切ですよね。 ある程度は技術がある中級者でも、MENTAは使えるのでしょうか?
はい、中級者でもスポットで質問や相談する使い方もできます。 個人でも使いやすい価格帯ですので、ぜひ体験してほしいですね。
将来的にMENTAはどれくらいのユーザー数になってほしいですか?
100万人を目指したいです。 MENTAがたくさんの人に届いて、使ってもらえるサービスになれば良いと思っています。
自分のスキルを教えたい人も、どんどんMENTAに登録すれば一層盛り上がりそうですね。
副業で教えたい人も、教えることで社会に還元できます。 次の人材を育てる意味でもぜひ入ってきてほしいです。
最初は初心者でメンティーとして入った人が、将来的にはメンターになるのが理想ですね。
好循環が生まれて、IT業界全体が底上げされる社会…素敵です! 貴重なお話ありがとうございました!
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